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福岡県の人口10万人当たりの強姦(ごうかん)事件(未遂を含む)の認知件数は、
昨年1・64件となり、4年連続だった全国ワースト1を返上したことが、
県警の調べで分かった。
性犯罪全体の認知件数も昨年は10年ぶりに500件を割る439件に減少した。
性犯罪の特別捜査係や、子供と女性を保護する部署を設け、「検挙と予防」に努めた
効果が表れた形だが、依然として性犯罪の発生率は高く、県警はさらに取り締まりを強化する。
同県の強姦事件の認知件数は▽2005年(143件)▽06年(142件)
▽07年(140件)▽08年(122件)で、全国で3~5番目に多かった。
これを人口10万人当たりに換算すると、2・83~2・41件になり、人口の多い
東京都や大阪府を上回り、4年連続で全国ワースト1だった。しかし、昨年の認知件数は
83件に減少し、10万人当たりの件数は1・64件。東京は1・66件で、
僅差(きんさ)ながら、ワースト2となっている。
県警は07年、殺人や放火など凶悪犯罪を担当する捜査1課に強盗・性犯罪特別捜査係を
新設。最大15人の特捜員を、県内の警察署に投入し、集中的な捜査に乗り出した。
福岡市や隣接の春日市などで連続発生した強盗・強姦事件では、性犯罪としては初の
合同捜査本部を県警南署に設置。半年以上かけた捜査で、元内装工森賢一被告(25)
(1審無期懲役、控訴中)が07年4月~08年8月に35件の犯行を繰り返していたことを
突き止め、うち11件を立件した。
捜査により、認知件数に対する検挙件数の割合(検挙率)も向上。05~07年は
60~70%台だったが、08年は92・6%となり、09年も80%近くなっている。
検挙に加え、性犯罪の前兆と言われる「声かけ」「つきまとい」事案への対策を強化し、
予防にも力を入れている。
県警は09年4月、「子ども・女性安全対策隊」(41人)を生活安全総務課に新設。
登下校時間や人気の少ない公園などで、痴漢や声かけ、つきまとい事案を重点的に取り締まり、
今年2月までに84人を検挙したり、警告したりした。
痴漢被害が多かった春日市では昨年10~12月、筑紫野署や小中学校、学習塾などが連携し、
夜間パトロールを展開。同年9月は13件だった痴漢被害は、12月には4件に減った。
2月からは南署管内でも同様の取り組みが行われている。県警は4月、同隊を課に昇格させ、
配偶者や恋人からの暴力(DV)や幼児虐待の早期解決にも力を入れる。(新地英貴)
(2010年3月11日15時18分 読売新聞)
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