戦国ちょっといい話18at SENGOKU
戦国ちょっといい話18 - 暇つぶし2ch394:人間七七四年
10/03/05 00:59:18 vZUR1baG
意外にこの話が出てないようなので投稿してみる


大阪冬の陣のこと

前田利常は丘陵地に陣を張り前田隊の指揮をしていた。が、真田丸からの激しい銃撃が有り、
家臣たちは利常に万が一があっては大変と、陣を銃弾の届かない丘の陰に移すよう進言した。

が、この頃の二十歳の利常は、初陣と言うことも有り血気盛んであり、危ないなどと言われて
引き下がるものではなかった。彼は家臣たちの進言を完全に無視し、丘の上に居座った。
そうしている間にも真田丸からは銃弾が飛んでくる。どうしたものかと家臣たちが
困り果てているところに、山崎長徳がひょっこり現れた。

「へーくしょん!」

利常の側まで来ると長徳、大きくくしゃみをした。利常怪訝に

「どうした長徳、風邪か?」

「いやいや失礼いたしました。、しかしここは風が冷たい上に強くて、こんな所にいては
拙者のみならず殿まで風邪を引いてしまうかも知れません。
しかし戦はまだ序盤でござる。こんなところで風邪を引き、いざ決戦と言うときに間に合わなくなれば
これ以上の恥はありません。どうでしょう、風の当たらぬ丘の陰へと移動いたしませんか?」

利常これを聞くと、「ふむ、確かにその通りだ。」と、長徳の言葉に素直に従い丘の陰へと
陣を変えたとのこと。

前田家中の面々、この長徳の忠告の仕方に甚だ感心したとのことである。


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