06/10/22 18:41:38 TTIpF5XJ
↓これで江戸の陣は乗り切れる?
慶長14年、関ヶ原の勝者秀頼は天下統一の仕上げとして徳川に戦を仕掛ける
故・右大臣家康が縄張りをするも完成の日はこなかった居城江戸城
そこにはかっての栄光を取り戻すため、秀忠のため多くの浪人、武将が集まっていた
かっては掛川6万石の主 山内一豊
西軍を田辺城に釘付けにした幽斎の子 細川忠興
秀忠の兄・結城秀康の息子 結城忠直
小早川家では1万6千石を拝領した男 稲葉正成
信義のため1千石の捨扶持をなげうち馳せ参じた 真田信之
徳川家臣筆頭井伊直勝の弟 井伊直孝
家光の乳母の義理の孫、弱冠17の美男子 堀田正盛
かれら七将の他、本多忠次、大久保忠教等の歴戦の強者達
しかし、江戸城の最高権力者は秀忠の妻・江とその取り巻き達であり、七将らの発言力は弱かった
又、この七将達も思惑はそれぞれ。真に徳川の為に戦うは、井伊、堀田、結城くらいか…
その時、浪人で溢れかえる江戸城の人だかりを掻き分けて本丸に向かう男が一人
全身に水を滴らせ、息も絶え絶えだが、眼光鋭く人々は気押され、彼のために自然と道が出来ていた
しかし、一介の城兵を城内に入れるわけにはいかぬと彼を遮る門番。しかし、そのずぶ濡れの男は一喝した
その頃、殿中では真田、後藤らの野戦出兵策は退けられ、籠城と戦いの方針は決まっていた
「真田殿、細川殿の策を取れば勝てようものを……」
歴戦の武将達はこの大坂城の首脳陣を嘆くと共に、彼等を押さえ、七将すら束ねる強い指導力と実績を持つ男が居れば…と思わずにはいられない
初めはそれを、家康の遺児、秀忠に期待したものだが、もはや望むべくもない…そんな時だった
―バタン!!
ふすまを開き、ずんずんと上座に進む男。それはさっき、大坂城に現れたずぶ濡れの男だった
「何者ぞ!!」
叫んだのは若き家光の忠臣、堀田正盛
しかし、彼の後ろの江や秀忠、いや、彼らだけでなく細川や真田ですらその顔に驚きを浮かべ、ただ呆然とその闖入者の顔を見ていた
「父上……」
結城忠直がようやくといった感じで放った言葉に、正盛を初め、その場に居た武将達は皆、驚きの声をあげた
「結城宰相秀康、徳川家の御危機を聞き、八丈島より 泳 い で 参 っ た !!!」
家康の外様の家来、いやそれ以上の疎外を受け育ち、一時は豊臣秀吉の猶子であった男が再び徳川の為に戦うため帰った来た…