04/11/22 22:14:25 pLJ4ZYaV
「…うむ、何か成果があがったら連絡するよ、レディ。期待していてくれたまえ」
エドガーは一旦、ひそひ草での会話を切った。
―バーバラが信頼できる少女であることはわかった。
お互いの仲間の情報などを交換し、これからのことについても随分話した。
位置が近ければ合流していたのだが…地図を見る限り、合流するには大陸をほぼ一周するしかない。
そこまで歩くのはお互いに危険だ。次のステージで近くなる事を祈るしかない。
そして何より、大事な用事があり自分はここから動けない。そう、バーバラに話した『成果』とは―
「あれ、もういいのか?」
「ああ、ずっと話しているわけにもいかないだろ。研究が進んだらまた連絡をとる事にするよ。
ちなみに、期待しておいてくれ、と言っておいたから」
「げ、責任重大じゃねえか…」
エドガーの目の前で青年―デッシュが、銀色に輝く首輪と鉛筆を手にごちゃごちゃしたメモを取っている。
あの騒ぎに城下町から脱出してすぐ、後ろから走って追いかけてきたデッシュ。
話によれば彼はエンジニアで、首輪をはずす方法を考えているという。
デッシュはエドガーを護衛として仲間にしたかったようなのだが、エドガーも機会関連ならお手の物であり、
首輪を外し脱出という研究は、エドガーにとって護衛だけでなく最大限に協力できるものであった。
かくして、二人で協力して研究をすることになった。
今、デッシュとエドガーが手にしている首輪は、身を潜め研究できる場所を探し、
森へとやって来た二人が、偶然見つけた死体から外したものだ。
少女と兵士。見知らぬ二人の死体は今、少々離れた場所に埋葬されている。
死体の首を切断するという行為はとても気分の悪いものだったが…それは、どうしようもない。