07/02/03 01:40:15
村長の家にはメイドさんが残っていたので、村の秘密について聞いてみたけど。
「存じません」
一言で片付けられた。
「いえあの、この村の伝説なんかを教えて頂ければ…」
あたしが食い下がると、それでしたらと本を持ってきてくれた。
題は『世界の秘密大図鑑』。
目次を見ると、ほしふり村の項目がちゃんと載っている。
「これ、貸していただけるんですか?」
「一冊 600ペンです」
「………。」
それからしばらくして、あたしは座って『世界の秘密大図鑑』を開いていた。
ほしふり村ほしふり村…
あった!
そこには、ほしふり村の伝説が書かれていた。
【ほ】ほしふり村
ある日ある場所に、ぴかぴか光るお星様が空から落ちてきました。
お星さまには星の精霊が宿っていて、みんなの願いをかなえてくれました。
人々は精霊への感謝を込めて社を造り、その周りで暮らし始めました。
やがてその場所は、『ほしふり村』と呼ばれるようになりました。
精霊は目には見えませんが、今でもみんなの願いを聞いてくれています。
ほしふり村に行けば、あなたの願いも精霊がかなえてくれるかもしれません。
632:フィーナ ◆WALqTeQmv2
07/02/03 01:41:31
解説文と一緒に、星の精霊らしき女性の絵が載っている。
普段のあたしなら、『なんで見えないのに顔がわかるのよ!』ってツッコミを入れただろう。
でも、あたしはそうしなかった。
心の中に、引っ掛かるものを感じたから。
あたしはポケットから、魔王様に買ってもらったお守りを取り出す。
願いを叶えるお守りに刻まれた女性は、確かに星の精霊。
みんなの願いを叶えたという、精霊の顔。
気になっているのは、暴走しそうになった魔王様を止めたあの不思議な声だ。
確かにあの時は、魔王様の暴走が止まるように願ってた。
もしかして、あれは精霊の声?
あたしの願いを叶えてくれたの?
お守りの中の精霊は、なにも答えずに微笑んでいる。
まるで、子供を見守る母親みたいに。
「よし!」
あたしは気合いを入れて立ち上がった。
考えていても仕方がない。
まずはこの村で知り合った人に、伝説の事を聞いてみよう!
お祭りの時でも確実に会えるのは、カレー屋さんの店員あーちゃんだ。
「マオ様!カレー屋に戻りますよ!」
叫んであたしは、返事もまたずにカレー屋に向けて走り出す。
途中に見知った顔がいないか、確認しながら。
633:名無しになりきれ
07/02/03 05:24:09
精霊役の女性が御輿に乗って手を振っている
祭りのイベントだ
634:あーちゃん ◆XtTPfyrrt.
07/02/03 05:55:12
その頃あーちゃんは店に帰りミクミダと交代していた
次の5時まではあまり客が来ない
だからミクミダに休憩をしてもらおうと思ったのである
ミクミダ「感謝スルゼ」
客もあまり来ないのでカレーを作るあーちゃん
外を見ると精霊の格好をした女性が手を振っている
それを見て何故だか知らないけどあーちゃんは母親のことを思い出した
ミクミダの方はというと祭り会場で林檎飴を買って食べている
自分も林檎だったのに・・・・
635:フィーナ ◆WALqTeQmv2
07/02/05 06:09:03
これでカレー屋に行くのは何回目だったっけ?
祭りのイベントを見る人混みをかき分けて走りながら、そんな事を考える。
御輿が担ぎ出されて、その上の女性がみんなに手を振っている。
衣装からして、精霊役の女性といった所か。
あんなに有名なら、最初からみんなに聞いとけば良かった!
そうしたら、こんなに苦労せずに済んだのに!
自分の迂闊さを呪いながら、あたしはカレー屋に飛び込んだ。
今までとは違い、店の中は意外に空いていた。
みんな、イベントを見に出て行ったのだろう。
それより問題は、あーちゃんが休憩から帰ってきてるかどうかだ。
あーちゃんあーちゃん…いた!
奥でカレーを造るあーちゃんを見つけて、側に駆け寄った。
世界の秘密大図鑑を開いて、ほしふり村の事が書いてある所を見せて尋ねる。
「あの、すみません!
ここに書いてある、願いを叶えてくれる精霊の話は本当なんですか!?」
636:あーちゃん ◆XtTPfyrrt.
07/02/05 13:56:38
「そうでちゅねぇ・・・・・」
あーちゃんは考え込んだ
そういえば今よりもっと小さい頃あーちゃんのお母さんがそういう話をしていた気もする
「あーちゃんは良く知らないでちゅけどお母さんがそういうことがあるって言ってたでちゅ」
詳しいことは知らないでちゅけど・・・とあーちゃんは続けた
かいつまんで話すと
お母さんいわく精霊の話は本当だということだった
あーちゃんが年齢一桁で店を切り盛りできるのもそのあたりに秘密があるらしい
どうやら精霊は店を建てるときの事務手続きもしてくれたみたいだ
今でも社には精霊の宿ったお星様(半径30cm)が安置されているらしい
「全部お母さんの受け売りでちゅけどね」とあーちゃんは続けた
637:名無しになりきれ
07/02/06 15:53:42
そこは駄目だ!!危険だ!!
638:フィーナ ◆WALqTeQmv2
07/02/06 23:51:22
あーちゃんの話によると、精霊の話は本当のようだ。
それなら王子達がこの村に集合しているのもわかる。
どの程度の願いまで叶えてくれるのか知らないけど、魔王撃退くらいなら叶えそうだ。
今でも社には精霊の宿る星が残っているらしいから、実際に確認してもいいかもしれない。
ただ、悲しいかなあたしはこの村の事は全然わからない。
あーちゃんのお母さんに詳しく聞いてみたいけど、どうやら近くにはいないようだ。
「あの。よければ、その社に案内してもらえませんか?
お店が終わってからで構いませんから」
あたしが頼んだ時、後ろから誰かが叫んだ。
〉そこは駄目だ!!危険だ!!
驚いて振り向くと、酔っぱらったお客が、酒を飲みならまだ何かをつぶやいている。
しばらく待ったけど、理由の説明は無かった。
こんな平和な村で、危険な場所なんてあるの?
今にも崩れそうな場所に建ってるとか、魔物が住み着いたとか、精霊が狂ってるとか?
「社って、危ない場所なんですか?」
あーちゃんに聞いてみる事にした。
639:名無しになりきれ
07/02/07 11:47:37
隕石から放射能が出続けているらしいぜ
640:ドラゴン ◆YfDq7NSSw6
07/02/07 20:35:20
名前:ドラゴン
種族:ドラゴン
性別:男?
職業:ドラゴン
外見:羽が生えた赤いドラゴンです。
他の生き物を怖がらせないように、白い髭をはやしたおじさんになれます。
身長:ドラゴンの時はとっても大きいです。
おじさんの時は150cm位です。
体重:ドラゴンの時はとっても重いです。
おじさんの時は60kg位です。
好きなもの:生き物。
嫌いなもの:一人。
キャラ解説
ほしふり村からちょっとだけ遠い所にある山に住んでいました。
100年間ずっと寝むっていて、ふと目が覚めたら山にいた友達は皆死んでしまって、居なくなってしまったのです。
悲しくなったドラゴンは山から出て、お星さまに導かれてほしふり村まで辿り着きます。
人のままでも火を吹いたり、重いものを持ち上げたりも出来るのです。
641:キル・セイガ ◆puvCcHODmw
07/02/07 22:47:43
精霊の社か‥‥
面白いな。この村の秘密にも興味あるし。
俺はフィーナに声をかけた。
「護衛役ならここにいるぜ?一度みんなで行ってみようじゃねぇか、そこへよ。」
642:名無しになりきれ
07/02/08 10:54:14
精霊の社にドラゴンが住み着いたらしい
危ないから近寄るなよ
643:あーちゃん ◆XtTPfyrrt.
07/02/08 14:32:09
>638>642
「新しい精霊の社の管理人がドラゴンだって聞いたことがありまちゅ
みんな怖いドラゴンだっていいまちゅけど・・・
ロプトウスしゃんとか知ってるとそうでもない気もしましゅ」
>641
「あーちゃんもいくでちゅ」
とりあえずあーちゃんも一緒に行くようなことを言った
ミクミダ「マタ留守番カ・・・・」
あーちゃんのカレー屋は2時から5時まで休憩だ
5時までに戻ってくればいいのでミクミダもどうだとあーちゃんは聞いたが・・・・
ミクミダ「俺ハゴメンコウムリタイネ」
ということだった
644:フィーナ ◆WALqTeQmv2
07/02/08 23:01:31
〉護衛役ならここにいるぜ?一度みんなで行ってみようじゃねぇか、そこへよ。
話を聞いていたのか、キルが声をかけてきた。
〉あーちゃんもいくでちゅ
しばらくお店が休憩に入るあーちゃんも、一緒に行ってくれるらしい。
あーちゃんはドラゴンが余り怖くないみたいだけど、あたしは凶暴な竜を知ってるだけに不安が残る。
それだけに、仲間が多いのは心強い。
「よし、じゃあ皆で行きましょうか」
あたしはキルとあーちゃん、それに魔王様に頷きかけて扉を開ける。
目指すはドラゴンの住む精霊の社!
一歩目を踏み出した所で、大事な事を思い出した。
「え~っと…精霊の社のある場所はどこだっけ…?」
あーちゃんかキルに、道案内をお願いしないとね…
645:名無しになりきれ
07/02/09 17:40:13
精霊の社は、村の真ん中にあるちょっと大きな丘の上にあるような気がしないでもない
646:名無しになりきれ
07/02/10 08:29:28
フリュー…
僕どうすれば…
647:名無しになりきれ
07/02/10 21:27:33
さて途中経過飛ばしてここ精霊の社あるよ
648:ドラゴン ◆YfDq7NSSw6
07/02/10 21:53:43
ドラゴンは寝ています。
星の社の近くで、丸まる様にして寝ていました。
大きいドラゴンの姿のままで、寝息なのか鼻から時々火を吹いています。
649:あーちゃん ◆XtTPfyrrt.
07/02/12 09:29:16
・・・・・・
「大きいでちゅ」
あーちゃんが見た竜はロプトウスとは比べ物にならないぐらい大きかった
予想外である
とりあえず起こそうと近づいていった
650:名無しになりきれ
07/02/13 00:42:59 0
フリュー…
651:フィーナ ◆WALqTeQmv2
07/02/13 09:06:01 O
あーちゃんの案内で到着した星の社の側に、丸まるようにして一匹のドラゴンが眠っていた。
大きい…
それに、時々火を吹いてるし…
怖がる人がいるのも、無理はないかも。
あーちゃんは大きさにはビックリしてたみたいだけど、怖くはないのかドラゴンを起こしに近づく。
ふと、昔聞いた話を思い出した。
ドラゴンは眠っているふりをして油断させ、不意打ちをかけるって話。
このドラゴン、ホントに眠っているのかな…
あたしは魔王様の方を見た。
頭にお面、右手に金魚。左手に綿アメを持って、完全にお祭り見物客にとけ込む格好。
別に緊張する気配もなく、あーちゃんに続いてドラゴンに近づいていく。
どうやら危険は無いみたい。
あたしは少し安心して、あーちゃん達の後を歩きだした。
ドラゴンは近くで見ると、思っていたよりさらに大きかった。
あんまり起こしたくないけど、社の管理人なら声をかけなきゃね…
「あの。あたし達、星の社の見学に来たんです。
中に入ってもいいですか?」
目を覚ましたドラゴンが、怒ってあたしたちを丸焼きにしませんように。
お守りをしっかり握りながら、声をかけた。