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「~いったい女は、どんな気持で生きているのかを考える事は、自分にとって、蚯蚓(みみず)の思いをさぐるよりも、ややこしく、わずらわしく、薄気味の悪いものに感ぜられていました。
ただ、自分は、女があんなに急に泣き出したりした場合、何か甘いものを手渡してやると、それを食べて機嫌を直すということだけは、幼い頃から、自分の経験に拠って知っていました。
また、妹娘のセッちゃんは、その友だちまで自分の部屋に連れて来て、自分がれいに拠って公平に皆を笑わせ、友だちが帰ると、セッちゃんは、必ずその友だちの悪口を言うのでした~」
―太宰治「人間失格」