13/05/31 14:37:49.34 bzbYq3gs
清太は兄弟たちに逢いたい以前、気になっていたのは
母親違いの子供たちが大人になり
相手が兄弟だと知らずに付き合い交際し、子を持ってしまう事を避けるよう
兄弟たちは離れて暮らしても、相手が自分と血が繋がった兄弟だと互い判明していた方が安全だと。
生まれて来た子供の健康をまず護らなければ。
血が繋がった兄弟から生まれた子供の健康を..。
ユズルと久美子の子、マコトは兄弟同士の親から生まれた。
だから相手が本当の兄弟だと判っていたら未然防げたはずだ。
そこで、ネムイ君は、清太に
「ユリ姉さんとは血が繋がった兄弟ではなかったから、結婚したんですよね。清太兄さんは。
きみ世は血が繋がった妹。そして僕も、きみ世の弟だった。きみ世は僕に対してそこまでの感情は無かった。しかし僕は、きみ世にそこまでの感情がある。
迷っていたのは、僕の記憶が時折、曖昧で自分の事さえ忘れていると最近、気付いた。だから社会的な関わり全てに対して選択肢が限られ始めていた。今から受診先に向かいます。」
ネムイ君は、ただ、自分の気持ちを、きみ世に伝えるように話した。
きみ世はその時、仕事先に向かいその場には居なかった。
だから、ネムイ君の本心を知らずにいた。
ネムイ君の隣の部屋に住んでいる
清太と、ユリの息子、澄太に
岩子はフランス土産の男性用香水を、よかったらと渡して帰った。
始めは香りが、きつくなる時があるので、足首につけてみてはどうかしら。
澄太は身体と頭髪を寝入り洗った後、足首につけてみた。
...悪くない。
そしてネットでギターや海外ギタリストのあらゆるジャンルを聴きまくり、
ギターを探しに出かけた。
245:創る名無しに見る名無し
13/05/31 16:36:15.27 bzbYq3gs
URLリンク(m.oshiete1.goo.ne.jp)
246:創る名無しに見る名無し
13/05/31 16:42:56.70 bzbYq3gs
(国外のケースでは昔、兄弟の間生まれた五人の子供のうち三人は健康体であったものの、その三人のうちの一人は、身体内の健康には問題はなかったものの外見上から見た身体に奇形障害があり、他二人の子供は奇形障害で生まれ赤ん坊のうちに亡くなったそうです。)
247:フィクション
13/05/31 20:08:31.36 bzbYq3gs
清太はハウスクリーンの仕事を部下に任せて、調査会社の仕事を始めていた。
その調査会社にユリの知人だという女性探偵が入社している。
ユリの調査依頼を受けネムイ君、きみ世、他調査していた。
清太が彼女の調査報告書から渡され調査内容を読むと徹底的に調査している。いやそれ以上で警察に文句言われても仕方ない範囲?じゃないか。。
清太はちょっとでなく彼女を怖いな、と感じた。
まるで清太を調べられたなら何月、何日、何時、何分は清太は何をしていたか彼女なら今も知っていそうなくらい。
女性探偵の名は上原マキ。
黒髪のショートボブと黒ぶちメガネは外に出れば簡単に変身した。
茶髪ウェブロングヘアの付けまつげ濃いメイク、ブランドスタイルに変身し細く高いヒール掃いて目的地へ向かった。
麻衣、ユズル、久美子の周辺が安全かどうか、どういう状態にあるか。
ユズルたちに何か大きな変化があり困っていないか。
また父、英秋が昔、孤児いんに居た頃の情報も調査している。
彼女の徹底的な調査により父、英秋の名は孤児いんで付け変えられた名で、本名は忠史(タダシ)だったらしい。
また英秋の他兄弟たちの本名と変えられた名前なども記し報告されていた。
清太は... 驚いた。
これでは、
きみ世は、実の兄弟同士から生まれた子供となる。
そしてユズルの娘、麻衣の母ミナも
実の兄弟同士の間、生まれた子供で
そのミナとユズルは従兄弟同士でその間、生まれた娘が麻衣。
孤児いんを経営していた高齢者の老人が、英秋の母の親族から頼まれ、兄弟たちは名を変えられていた。兄弟だと互い判らぬように。
それぞれが同じ孤児いんで住んでも互いに気付かぬよう、養子先に引き取られるようにと。
清太はその理由をもっと詳しく知りたいと思った。
そしてもう一枚の調査報告書には
英秋たちの父親は戦死しておらず、フィリピン、ハイチ辺りで生存し
戦後あちらの島で助けられた後、その土地の娘との間に赤ん坊が生まれたため、
知人の兵士が日本に帰国した時、自分の身内、親族には戦死したと伝えてほしいと頼んでいた事。
その知人兵士本人から聞き出している。そしてその知人兵士は一枚の写真を渡した。
英秋(忠史)たち兄弟が父、母と一緒に写っている写真。
清太は久しぶり、父親の英秋を見舞いに行った。そして、その写真を渡した。
写真に写った兄弟たち、それぞれの名は現在、使われていなくとも
その写真の子供たちは、
待子、英秋、夢子、拓也たち。
夢子は大人になり拓也の子、ミナを生み育て、
待子は大人になり英秋の子、きみ世を生んだ。
248:フィクション
13/05/31 20:31:05.82 bzbYq3gs
黄身拾っこと、きみ世は
あの公園に行けば苦しくても、何か大切な事がいつか判明するかもと
その自ら受けた私信から、あの公園に向かっていた。
きみ世程ではなく他の兄弟たちも。
喪失された記憶を取り戻す作業は苦しくても
何か大切な事に気付き、その大切なことと出逢えると。
それが父、母たちにとっては悲しみと連携した大切さと出逢い再会し
戦後の混乱期と高度経済成長の勢い。
実の父、母を戦争で失い、兄弟たちも生き別れた後の未来の出来事。
清太はそれぞれの家系図を記してみた。
ユズルの姉、マリアは結婚し現在は、子を生み母となる年齢だ。
清太はサキに連絡してユズルの母、葉子の話しを聴いた。葉子には孫娘がいる。
上原マキの調査報告書では、その孫娘、トメ子はミュージシャン、歌手、有名なシンガーソングライターとして音楽業界に居ると。女王様的、地位にあるという。
添えられたCDを聴けばヒーリング的感覚
を取り入れた唄い方でラジオなどでよく流れている。
音楽業界の端くれで働かせて貰っているネムイ君こと英夫と逢う可能性がある..。
しかしだ、あのネムイ君を女王様的存在にあるトメ子が気に入り、好きになる可能性は例え、すれ違っても、 無い?だろう..。と少し安心してみた。
249:フィクション
13/05/31 21:02:36.54 bzbYq3gs
きみ世こと貴美寛は
貴美世と改名し歌っていたが
最近は音楽カフェのイベントに集中しその内容は充実し音楽関係者が
貴美世の音楽カフェに以前より訪ずれる事が増え、
そのため、ヒーリング系音感を取り入れたミュージシャン、シンガーのトメ子も音楽関係者たちと
貴美世の音楽カフェのランチを食べに来ていた。
昼は、ヒーリング的要素により五感を研ぎ澄ますような楽器演奏がその日の昼のイベントだった。
会場の離れた裏部屋で、ネムイ君が、夜迎えるミュージシャンが演奏する曲の楽譜を見てギターで練習していた。
その時、スタッフの一人がネムイ君の名を知らず、スタッフ名簿欄を開いて、ネムイ君の名を呼んだ。
“英夫さん?ですかね..。あの今晩のイベントの主客ミュージシャンは酷く体調崩し、キャンセルとなる可能性が..
..ネムイ君は英夫と呼ばれ、うずくまり出した。
“あれ、英夫さん?どうされたんですか?具合でも悪くなったとか..
ネムイ君の表情が変わっていった。目が座っている..。仕草、姿勢まで別人だ。
イベント会場では、ヒーリング曲が全て終わり、
席でランチを食べ終わった人たちがそれぞれ帰り始めた。
トメ子も水を飲み、席を立ち上がろうとした。
と..その時、急に、ヒーリング音とは別ジャンルのロック調のイントロが、ギュイーン♪と鳴り始め、
そこから、どこの国から迎えたミュージシャンが弾いているのかというようなテクニックその音が会場に響き、
トメ子の意識は、その音を追いかけるよに聴き浸っている。それはまるで、
トメ子の夢世界に、その夢の中に侵入して来た
トメ子とは別世界に住む音感覚。
トメ子は本当、静かにしていると女神かマリア様のような雰囲気がいつも放たれていたが
その時は、誰かに強引に腕を掴まれ別世界に引き込まれたようだった。
演奏が終わると拍手が鳴った。トメ子は拍手もせず呆然と立っていた。
きみ世は、感動していた上、焦った。
“もしかして、あれがネムイ君に起きてしまった、乖離?現象だろうか。
ネムイ君の表情、仕草はいつものネムイ君が居ない。
音楽業界の年配者の客が
あれは、遠い昔、聴いた事がある。英秋の曲だ。
あの姿は、英秋そのものだ。
トメ子は、あの人?誰。尋ねて来て。名刺渡して、名刺貰って来てと、マネージャーに頼み込んでいた。
250:創る名無しに見る名無し
13/06/03 09:07:56.68 6KdXkgFX
先ずは日本語の勉強をして下さい。
おかしな日本語w
句読点の使い方もかわってますね。
読みにくいwww
251:創る名無しに見る名無し
13/06/03 09:35:23.35 7IdYQvp9
>>250 自分でもそう思います。
252:創る名無しに見る名無し
13/06/03 09:48:30.08 7IdYQvp9
>>249の続き
それから二年後、
きみ世はフランスで暮らしています。
ネムイ君は英国で音楽を勉強していました。
何処に住んでも空と雲の色は変わりませんでしたが
人の心は環境変われば変わるものです。ただ全てそうでなくネムイ君は、きみ世の事をずっと想っていました。
きみ世はフランスの文化、カフェ、お芝居、バレー、料理、音楽と触れながら
フランスのお菓子の美味さにとりつかれていました。また太ってしまっています。
海向こうの国、英国でネムイ君は今頃、どうしているだろうか..
きみ世がそう想っていたら、後ろから
“きみ世。と呼ぶ声。
ネムイ君でした。ネムイ君は年齢より若く見える人でしたが太りその外見上はもう、おじさんとなりました。
二人で、きみ世の行きつけのカフェに行きました。
またその二年前に話しを戻します。
253:創る名無しに見る名無し
13/06/03 10:06:48.28 7IdYQvp9
>>249の続き
離れた席で峰不二子風外見の女性がその様子をチェックしていた。探偵の上原マキだ。
上原マキは探偵事務所に戻り、清太に報告すると
清太は、くらくらとめまいがし、EnyaのCDをかけた。
Enya、サラブライトマンの曲は清太の鎮静剤だ。
清太は上原マキに頼んでみた。二人が恋愛感情を持たないようにするには、どうしたらよいだろうか。
上原マキは答えた。私の仕事は探偵で、人の気持ちまで変える事はその範囲にありません。
その頃、元妻のユリが息子、澄太の変容ぶりに驚いていた。
息子が住む部屋の扉を開けると、以前の異臭ではなくよい薫りがして
痩せた少し長髪の青年がギターを手慣れた感じで弾いていた。
ギターはバイト代を貯めて買ったそうだが
他にもエレキギターなどがある。
食費を削ったのか。痩せて別人のようだが
以前の生気無しの暗い表情から見れば
よい表情を浮かべている。
隣の住人のネムイ君から教えて貰ったそうだ。
父の清太はその頃、ユズルに連絡を取っていた。
ユズルには姉マリアがいてその娘がヒーリング系ミュージシャン、シンガーソングライターのトメ子だ。
ユズルはトメ子の叔父にあたる。
そしてユズルと母違いの兄弟、ネムイ君もトメ子の叔父となる。
ユズルに事情を話しトメ子やネムイに伝えるしかない。
254:創る名無しに見る名無し
13/06/03 10:31:04.17 7IdYQvp9
清太はネムイ君にトメ子は、お前の姪にあたると伝えた。
ユズルは、トメ子に実際会って伝えようとしたが
トメ子は以前よりスケジュールは過密となり掴まらない。
メールも電話も返事がない。
なかなか連絡が取れないため、メールで、ネムイはトメ子の叔父にあたると説明し送信した。
トメ子はそのメールを
エキゾチックな透明感あるアバンギャルドなスタイルで読んだ。
撮影の練習途中だった。
向こう側でその叔父にあたるというネムイ君が楽譜を見ながらアコースティックギターを練習している。
トメ子はネムイ君に対して、辛辣、または過激なアドバイスをしていた。
同じ人物が弾いているとは思えない。弾くたびその度イメージが違うと伝えた。
ネムイ君はスタッフにお願いした。僕を毎回、英夫と呼んで下さい。僕の本名です。
スタッフは英夫さんとネムイ君に呼びかけるようになった。
ネムイ君は英夫となりギターを鳴らした。
ギターを弾く指先の骨格の動きから、顔つきまで変わり
弾き飛ばす音に全身のタマシイが注ぎ込まれて行く。
255:創る名無しに見る名無し
13/06/03 10:43:34.26 7IdYQvp9
それでも乖離的な人格移動からの表現が、仕事現場に適応するかといえば、演奏が終わると突然、現場から消え去ったりしては
その行動が自分でも判った。
トメ子とスタッフに自分には病があり無理だから降りますと伝えたが
トメ子は許さなかった。
次の撮影シーン前に、トメ子はネムイにこう伝えた。
私が演じる役を、あなたが一番愛しい人だと思って。
思うより念って。
そしてその相手を愛しく念っているのにどうする事もできない..
その悔しさ、無念さ、苦しみ、悲しみなどを
あなたなりにギターで表現して。
そうトメ子は伝えた。
半身、紅く、半身、黒い
後ろ姿は白い女神風の衣装で
いつも素顔に近いメイクばかりだったトメ子は
その撮影では、下まぶたに濃いアイライナーで
悪魔と聖女を演じる。
256:創る名無しに見る名無し
13/06/03 11:02:28.74 7IdYQvp9
トメ子から何の連絡も返ってこないとユズルは
清太に伝えると
清太は、母親違いの兄弟、そしてその子供たちを
一度、皆集めて逢わせた方がよいのではないかと思った。
その日、清太は久しぶり息子、澄太の部屋のドアベルを鳴らした。
出て来たのは見慣れない、長髪の痩せた青年だった。
清太は一瞬、部屋を間違えたと、失礼と去ろうとしたが
澄太だと気付き、部屋に入ると
部屋の中にはギターが三本もあり楽譜だらけ。
清太は、澄太に何か弾いて聴かせてくれと伝えた。
いきななりテクニカルな弾き方で米国や英国のロッカーたちの曲を。
隣の住人のユズルから半年かけて教えて貰った事と
そしてインディーズ系のバンドのメンバーになった事などを伝えた。
清太は自分が幼い頃、あの家の
離れの別宅に、父、英秋のスタジオがあり
そこからよく聴こえて来た音を想い出した。
その子供たち三人が音楽を
その孫たちにも
血は仕方ない。音楽の世界を選んだなら出逢う、きっかけもあるだろう。
後は..同じ過ちを繰り返さないように..
仕方ない。皆に揃い逢って貰おう。
トメ子と澄太は、従兄弟同士となる。
トメ子は音楽業界で女王様扱いを受けたためか
好きになる相手は、アマチュア域に近いくらいの目だたない人物。
257:創る名無しに見る名無し
13/06/03 11:14:36.94 7IdYQvp9
その頃、ユズルの娘、麻衣は
息子のユキヲが米国の祖父母の元、夏休み向かった後
その息子ユキヲからの手紙を読んでいた。
米国では日本で住んでいたように金髪の髪を染めることもなく
日本より米国の方が自分には肌にあうため、米国の学校に編入したいと伝えていた。
そして息子ユキヲはそのまま米国で暮らした。
麻衣は気落ちする気もおきず
ユキヲが赤ん坊の頃、米国の父親から誘拐された体験、その不安から
ユキヲからなかなか離れずに居過ぎた事を
今更ながら悔やんでいた。
黄身拾っこと、きみ世は、そんな麻衣の事を知り、
麻衣とその母親のミナ、ユズルと
麻衣の夫となった水島と
岩子ママも呼び自分の音楽カフェに招待した。
その日は並んだグラスがメロディー鳴らしていて
麻衣の娘と息子は喜んで聴いていた。
久しぶりに再会した人たち。
少し複雑だったのは、水島と再会した事だった。
黄身拾っこと、きみ世は、水島の事がずっと好きだったのだ。
258:創る名無しに見る名無し
13/06/03 11:23:38.50 7IdYQvp9
そして、音楽とは別部屋に
清太は、澄太と母親のユリ。
ネムイ、ユズルと
マリアと娘トメ子
きみ世と、ユズルの娘、麻衣。
(麻衣の娘、息子は、母ミナと、音楽の会場で子供たちが好きな別の演奏が始まり聴いていた)
そして、ユズルの母、サキも招待された。
サキは、きみ世、ネムイ、マリア、ユズル、清太、ユリ..たちが幼い頃、
子守りをしていた
第二のママだった。
きみ世とネムイ君は、遠い記憶の中の“ママ と
再会し
無意識が叫んでいた。
サキは久しぶり逢った
その子たちをしばらく見つめた。
259:フィクション
13/06/03 11:37:59.53 7IdYQvp9
そして、その母親違いの姉妹、兄弟たちの中には
ユズルの元妻、久美子も本来なら来るはずだったが
清太は、サキから聞いた、久美子の精神的な状態と過去起きたことから
その中には久美子は居ない。
久美子は入院先の部屋で、いつも掃除婦のおばあさんから
今日はいい天気ですね。中庭の季節の花が咲いていましたよ、などと
よく声をかけられるうち、元の状態に回復していたようで
母サキに内緒で外出する日も在った。
そして、
清太が集まった身内たちに説明を終えると
向こう入口に久美子が立っていた。
久美子は
“ママ(サキ)、お兄ちゃん(ユズルで元夫)
私に黙って皆で集まって
お兄ちゃんは、娘(麻衣。隠し子だった)と逢って
亡くなったマコトは..居ないのね。
そう伝えた後、久美子はユズルに襲いかかって行った。
サキは遠い昔、あの家で起きた事件を思い返した。
サキはユズルをかばうように久美子の前に立ちはだかった。
久美子は躊躇したが
その時
“久美ちゃん!止めて!私と同じ事だけはやらないで!
と声がして久美子の腕をある、おばあさんが、取り押さえた。
久美子が入院していた先の、掃除婦のおばあさんだった。
おばあさんのメガネが外れ落ちると
サキは その、おばあさんが久美子の母親のミミだと気づいた。
ミミさん。亡くなったと..聞いたのに。
260:創る名無しに見る名無し
13/06/03 11:49:48.80 7IdYQvp9
久美子は十代の頃、父、英秋の過去を取り上げた記事を読んでしまい
自分がユズルと母親違いの妹であることも
あの事件を起こしたのは、まだ赤ん坊だった久美子の一番若い母親だった事も知っていたのだ。
その上でユズルの子、マコトを生んだ。
マコトごめんなさい。
マコトごめんなさい..
と久美子は床に倒れ込み つぶやいていた。
久美子の傍らで
掃除婦姿の久美子の母、ミミが
久美子、ごめんなさい。ごめんなさいと、
同じく久美子を抱きしめながら伝えていた。
サキは
知らなかった?
私は知っていたはず
英秋がついた嘘を
本当は久美子の母は生きているかもしれない。
ユズルの母、葉子も
きみ世の母、待子も
息子、娘たちに亡くなったという事にして
ユズルとだって一緒に暮らしたかったから
英秋が決めた事を無理に反対しなかった。
そして久美子がこんなめに。
261:創る名無しに見る名無し
13/06/03 11:54:17.64 7IdYQvp9
澄太は清太に
祖父の英秋に逢わせてほしいと頼んだ。
澄太はギターを持って
カバティーナ♪を英秋の前で鳴らした。
カバティーナ♪は英秋がリバイバル曲として自分のアルバムに入れていた曲だった。
澄太はそんな事は知らずに
カバティーナ♪を始めよく練習し弾いていた。
英秋は聴いた後、息を引き取った。
262:フィクション
13/06/03 13:31:07.91 7IdYQvp9
>>260の続き
その部屋の奥で
「あの事件は、久美子のお母さんがやったんじゃないんだ。僕の母親がほとんどやっていた。」
と
筋人が話し出した。
僕は英秋の実の子ではない。母親が英秋の熱狂的ファンで神様扱いしていた信者のように。
英秋は自分の子供ではない幼い筋人が、毎日普通の食事栄養を摂っているか心配なため、筋人を預かるためにその母を他母親たちその子供たちと一緒に同居させた。
筋人の母親は英秋のを神として扱っていたため、他母親たちもその信者だと決めつけていた。
ある日、他母親たちは赤ん坊を生んだばかりの久美子の母、ミミの様子がおかしいことから
こういう一夫多妻は、無理なのだ。特に子が出来てからはと互い協力し合いながら、この家を出て行こうと話し合っていた。
その話しに大反対していたのが筋人の母だった。
「あんたたち、神、英秋を裏切り出て行くつもり?」
英秋はそういう見方をする筋人の母を嫌がっていた。英秋は、我が子ではない幼い筋人が、母親から食事を与え貰っていないように感じたため
乳母的存在だった、サキに相談し一緒に生活させた。
筋人の母はよくいる熱烈熱血ファンを超えた見方、態度ばかり取っていた。
他母親たちが、帰宅する英秋をほったらかしにしたように育児に専念する事さえ気に入らなかった。そういう母親たちを指摘注意していた。
母親たちはもう、この家にはいられないと感じていた。子を生む前は英秋に夢中だった女性たちは
子を生むと 幼い子供を食べさせていくため、この子たちが幼いうちはと仕方なく同居していた者の方が多かったのかもしれない。
祖父母が居なかったり、家出して来た少女たちが英秋の子を生み、頼る先はその父、英秋だ。
ある日、あの事件が起きた。
小学生だった清太は、隙を見て赤く染まった床をモップで拭き取ろうとした。
捜査の者が「“証拠はまだ保存しておかなければ、真相が判らなくなるんだよ。」
隙を見て庭から中の様子を見ていた、幼かった筋人とユリ。この二人は英秋の子ではない。
ただ筋人は隠れて事件を全て見ていた。
筋人の母が「あんたたち神様を裏切って出て行くつもり?」そう叫びながら次々と破壊していき..
その時、
久美子の母は筋人の母の勢いに、自分が先にやっていた事を恐れ、赤ん坊の久美子を抱き隣の部屋に避難した。
筋人は全て知っていた。
しかしその成長過程は、自分を隠す事なく、目立つ事を好みとても明るく大人になり、その事件の家を購入した。
明るい自分は嘘の姿だと知りながら。自身の歪みも。
263:フィクション
13/06/03 13:53:01.40 7IdYQvp9
黄身拾っは麻衣に、カフェの外庭にある花壇を見せた。
あの花壇は、あの公園に美術館が建てられた後、日当たりが悪いため花壇を無くそうという話しを聞いた、きみ世が
自分のカフェの中庭にその苗を植た花たち。季節毎咲く姿はあの頃と変わらない。
麻衣は難しい病気にかかっていた。運動をしてはいけない。重たいものは持ってはいけない。仕事は事務範囲ならよいが過度なストレスがかかる事は避けなければその持病は進行してしまう。
麻衣の母ミナが麻衣を育っている時にかかった病だ。医師からは働く事は禁じられていたが、麻衣を育てるための生活費のためにと、合間休み音楽事務所の仕事を続けていた。
ミナは最近、回復に向かっていたが同じ病にかかった麻衣は無茶は禁じられていた。
きみ世はミナに相談した。
ミナさん。私、フランスでしばらく勉強したいことがあって、しばらくフランスで暮らすのだけど
ミナさんがもしよければの話しだけど、この音楽カフェで他スタッフの方たちとその間...
きみ世は、麻衣が歌わなくても音楽の世界の気にまた惹かれてくれたらと
そちらに心を少しでも奪われた方が、麻衣にはよいのではないかと感じた。
麻衣の娘はグラスを叩きメロディーを鳴らし不思議そうに微笑んでいた。
264:創る名無しに見る名無し
13/06/03 14:08:31.02 7IdYQvp9
それから二年後、
ヒーリング音感をより追求し究めたいと、トメ子は日本を離れ、ヒーリング音楽の世界を旅していた。
ネムイ君は英夫という名を避けずにその名で仕事をしていた。
そして音楽を学ぶため英国に住み始めていた。
麻衣は、きみ世の音楽カフェで短い時間パートで働いていた。
母ミナは、そのオーナーを任されていた。
黄身拾っこと、きみ世はパリの空の下で
シャンソン含め様々な事を学んでいる。
ある晴れた日本の空の下
マコトのお墓の前に、ギターを手にした青年がいた。
君が昔、居なくなってから他の事含めずっと辛く苦しく悲しかったけど
見つけたんだ。
そしてギターを鳴らし響かせ空まで届けた。
(この話しはここで終わりにします。)