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金大敷地にクズ大繁殖 除去追いつかず 食用、燃料に活用模索
石川のニュース 【12月2日02時30分更新】
金大角間キャンパスの樹木標本園予定地など敷地にマメ科のクズが大繁殖し、除去が追いつかず、教職員や学生を悩ませている。繁殖力の強いクズは樹木に巻き付いて枯らすなど、キャンパスの里山景観を損なう原因ともなる。同大自然科学研究科研究生の野尻博美さん（５８）は学生とともにクズの除去に乗り出し、食用や燃料など有効な活用法を模索している。
野尻さんによると、クズは日当たりの良い低木地や斜面に広がり、網目状に張りめぐる地下茎を完全に取り除かなければ繁殖を食い止めることはできない。うっそうとした里山は、クマやイノシシなどが移動しやすくなり、農作物被害や市街地の出没などを引き起こす要因にもなるという。
野尻さんは昨年１２月から、里山の保全を考える「金大角間里山ゼミ」の第１期生として、キャンパス内にはびこるクズを減らす取り組みを進めてきた。野尻さんは、一面がクズに覆われて人が立ち入らなくなった樹木標本園予定地で、刈り取り方法による成長速度の違いなどを観察した。
クズの活用に取り組む金大医薬保健研究域薬学系の佐々木陽平准教授は、食用としての活用に時間とコストが課題となることを指摘し、「輸入した方が安価なため、国内に繁殖するクズの活用がなかなか進まない」と明かす。
野尻さんは、今月中に学生と協力して樹木標本園予定地でクズの除去に取り組み、根をくず粉にしたり、花を茶にしたりするなどの食用、バイオマス燃料としての利用も視野に入れて活用法を探る。野尻さんは「さまざまな人の知恵を借りながら美しいキャンパスによみがえらせたい」と話した。
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