10/07/18 11:08:20
皇居の白鳥、減るばかり 巣が水没、石垣に首挟まり…12羽に半減
皇居の堀を優雅に泳ぐコブハクチョウが減少している。巣の卵が水没して繁殖に失敗したり、
石垣のすき間に突っ込んだ首が抜けず衰弱死したりするケースが相次いでいるためだ。皇族
とのゆかりもあり、皇居のシンボルとして人気があるだけに、関係者は頭を抱えている。
皇居の堀にいるコブハクチョウは野生の渡り鳥ではなく、皇居外苑を管理する財団法人「国民
公園協会」が飼育している。昭和28年、民間の有志が寄付を募りドイツの動物園から24羽を
購入したのが始まりで、その年の12月に行われた放鳥式では、故高松宮夫妻が自ら抱いて
二重橋から放たれたというゆかりもある。
(略)現在は12羽と往時の半分。同協会は「ヒナが育たないことが大きな要因」と話す。(略)
異常気象の影響か、繁殖期の春に雨が続き堀の水面が上昇。巣が水没して卵がかえらない
ケースが数年続いているという。
今年4月に産卵した和田倉堀のペアからもヒナはかえらなかった。5月の連休明けの豪雨の際、
抱卵をやめた時期があったという。ペアはその後、6月まで卵を抱き続けていたが、同協会は
豪雨の際に卵は死んだとみている。
卵を産み育てる成鳥にも不幸な事故が続いている。今年4月、メスのハクチョウが石垣のすき間
に首を突っ込み抜けなくなって衰弱死した。3年前にヒナをかえした経験をもつ母鳥だったため、
「次の繁殖にも期待をしていたのだが…」と協会関係者は落胆する。協会によると、石垣のすき間
に首を入れるのは、他のハクチョウの攻撃から身を守るためや、暑い日に涼むためとされるが、
ここ数年でほかにも2件発生しており、個体数の減少に拍車をかけている。
コブハクチョウの生態に詳しい上野動物園教育普及係の井内岳志さんは「長年限られた個体間で
繁殖を続けていると、病弱になり、卵も低温などの気象状況に影響されやすくなって孵化(ふか)率
が低下する」と指摘。同協会も「放鳥から50年以上たち、ハクチョウたちの血が濃くなっている。
他の動物園から新たに譲ってもらうなど対策を考える時期にきているのかもしれない」と話している。
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