07/01/16 20:38:27 xv0uRZ14
そう、私の脳隋は、灰色の脳細胞は、たった一つの真実を発見したのである。
よく、探偵という輩は、人の死に値札をつける最低な人種などと、さんざんな皮肉を云われているが、
幸運なことに、今回私は被害者がでるまえに、殺人計画を解き明かしたのである。
生まれて初めて事件を未遂に終わらせるチャンスがめぐってきたのだ。私は酷く興奮した。
さて、どうしたものか……。事件がまだ起こっていないということは―告発する事も出来ない。
私には、犯人の動機なるものが解らない。パズルが解けても、絵柄が見えない。
そもそも―頼みの綱である友人が、不運にみわれ、天に召されてしまった事を鑑みるに―私は無力だ。
あぁ、なぜ人間はバベルの塔など建設したのだろうか。
私は―言葉の壁に嫌悪感を抱きつつ、無口で正体不明な外国人を強制的に演じるしかない……。