07/01/20 01:34:11 YUSAPIgi
『動物化するポストモダン』東浩紀
この本は新書でラノベではないではないか、スレ違いどころか板違いではないか、と脊髄反射で批判するのはやめていただきたい。
それは単なる思考停止だ。
本作はコメディありシリアスありの立派なライトノベルである。
実際、本作の読者層は、ラノベの読者層―中高生とオタク―とほぼ完全に一致している。
まず、東はソーカル事件(※詳しくはググれ)で壊滅的な被害を受けた、古色蒼然たる伝統的なポストモダン思想の有効性を鋼の信念で堅く信じ、現代日本のオタク文化を膨大な理論的障害を乗り越えて読みといていく。
それは『現代のオタク文化は、戦後に流入したアメリカ文化と軍国日本の言論統制によって産み出された奇形的な疑似文化にすぎない』とするもの。
大塚英志の“オタク版自虐史観”に通じるものだ。