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(>>216 の続き)
一方、少女を演じた韓は韓国人と日本人のハーフで、小学6年生だった2002年当時、主人
公同様に誹謗中傷を受けた経験があるという。韓と言えば鈴木清順監督『ピストルオペラ』
や是枝裕和監督『誰も知らない』など名だたる監督の作品で鍛え上げられてきた個性派女
優だが、その彼女をもってしても「ここまで自分の経験を役に投影したことはなかった」と語
るほど少女の気持ちに寄り添いながら演じたという。現在、日本大学国際関係学部国際交
流学科2回生でもある韓は「日本ではいま韓流ブームが続いているけど、だからこうした映
画をきっかけに歴史や政治的な事を話し合い、さらなるコミュニケーションをとるのが大事だ
と思います。そうすれば、両国の関係においてもうひとつ先のドアを開けることが出来るの
では? と思います」と語った。
井上も「今の日本の映画界もテレビ界も、こうした政治的な内容を直接やろうとすると全く企
画が通らない。ならばあえてやってやろうと、現状に一石を投じるつもりで本作を作った。
『ROOKIES(ルーキーズ)』や『SPACE BATTLESHIP ヤマト』などの大作がある一方で、鬼
っ子としてこういう映画が存在してもいいのでは?」と訴えた。今回のロッテルダムの評価が
日本公開を後押しするのか、今後の展開に注目したい。