20/01/07 07:43:05.16 BcyQVTov9.net
分厚いお化粧をした「政府経済見通し」
安倍政権は昨年12月20日に閣議決定した2020年度予算で、“神業”のような編成を行った。といっても、決して褒めているわけではない。皮肉を込めて“神業”と形容しているのである。
なぜならば、歳出を102兆6580億円と過去最大に膨らませたにもかかわらず、歳入では新発国債の発行額を2019年度比で1000億円減らして10年連続で前年より減らすという魔法のよう編成となっているからだ。ここだけ見れば、長年掛け声倒れの財政規律も死守したかのように映る。
しかし、当然ながら、このような編成には裏がある。それは、63兆5130億円という過去最高の税収を確保できるという見通しだ。
家計に例れば、収入がガンガン増えるから、無計画に散財しても、借金は増やさないで済むと言っているようなものである。そんなことが現実に可能なわけがない。税収は、万能の打ち出の小槌ではない。
そして、ここからが本題だが、政府の高い税収見積もりには、2020年度の政府経済見通しでGDP(実質国内総生産)の伸び率を1.4%と、大方の民間シンクタンクの3倍近い高成長が実現するという乱暴な予測が根拠になっている。
バラ色の予算編成を装うため、分厚いお化粧が施された「政府経済見通し」を鵜呑みにはできない。年度途中には、おそらく3、4兆円規模の歳入欠陥が出て、今年度同様、赤字国債を追加発行する事態が予想されるのだ。
今日は、2020年度の経済見通しをもう少し真面目に考えてみよう。
超強気の税収見通しだが…
安倍政権は経済成長や財政運営について、羊頭狗肉の見通しを示すことが多いが、今回も突っ込みどころ満載だ。
まず、史上最大の税収の内訳を見ておこう。2019年度補正予算では税収見通しを下方修正したばかりだが、その2019年度と比べて、2020年度当初予算案における税収は63兆5130億円と3兆3330億円も増えると政府はいうのである。いったい、どの税金がいくら入るというのだろうか。
税収トップの座に躍り出るのは、昨年10月に税率を10%に引き上げた消費税だ。税収額は、21兆7190億円と、2019年度の補正後の予算と比べて2兆6570億円の増収になる。
税収2位は、消費税に抜かれてトップの座から滑り落ちた所得税だ。こちらは税収の見込み額が19兆5290億円で、給与所得の増加などを背景に4650億円の増収になるという。
3番目は、年明け以降の輸出回復が見込めるという法人税だ。19年度より3500億円増えて12兆650億円になるとしている。
いずれも超強気の想定といえ、2019年度の当初予算で税収を62兆4950億円と見込んでいたにもかかわらず、米中貿易戦争に伴う輸出の減少などに見舞われて、法人税収の当てが外れて、補正予算で税収総額を60兆1800億円に下方修正した反省がまったくみられない。
政府の乱暴すぎる「水増し予測」
さらに無責任なのが、本稿の主題と言うか、この異常な高収入を当て込む税収の前提になった経済見通しである。前述のように、政府経済見通しは、2020年度の実質GDPの成長率を1.4%としている。
そして、その根拠は、12月上旬に決めた経済対策が内需を押し上げることだという。それゆえ、2020年度の日本経済は2019年度見込み(0.9%増)より加速するとしている。
しかも、政府は、経済対策に加えて、個人消費や設備投資といった内需全体が2020年度の日本経済をけん引するとバラ色の状況になると喧伝している。
しかし、この政府の予測は、民間シンクタンクの予測の平均値より1ポイント近く高い。具体的に言うと、日本経済研究センターが12月初めに36人のエコノミストに聞き取りを行い、35人から回答を得てまとめたESPフォーキャスト調査の平均値は0.49%増と2019年度からの減速を予想している。この格差だけでも、政府見通しの乱暴さは明らかで、水増し予測と言えそうだ。
繰り返すが、この水増しの背景に、高い成長シナリオを描き、歳入増加を見込むことで、財政を悪化させずに過去最大の政府予算を編成できると装う狙いがあったとみられるのである
アベノミクスは完全に破綻した
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1/7(火) 7:01配信
現代ビジネス
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