07/11/11 15:11:46 gQfZo6SV
本日11月11日は何故だか知らんがポッキーの日らしい。
どうせアホな大人が「1いっぱい並んでるしポッキーの日でよくね?」とか言いながら決めたんだろう。
しかし、どんなイベントにもあやかりたいSOS団は、団長号令でポッキーを持参してくるように言われていた。
「さて、みんなきちんと持ってきたわよね?」
部室でウダウダしてるとハルヒが元気ハツラツスマイルで部室に飛び込んできた。
手にはポッキーの箱。もう片手には麗しの朝比奈さんを連れている。
「で、何するんだ?」
「今日はいつも不思議を発見できない駄目駄目団員に罰ゲームを用意したのよ!」
……はぁ。
お前だって不思議なんて見つけてないくせに勝手に罰ゲームなんて作ったのか。
「安心しなさい、あたしもちゃんとやるから」
何を安心すればいいんだ。
しかし罰ゲーム自体はシンプルだった、その分恥ずかしすぎる内容でもある。
全員でじゃんけんをして、負けた二人で両端からポッキーを食べる。全員が持ってきた分全てだ。
いや、まず途中で胃が受け付けなくなるだろうと思ったんだが。こいつにはそんな事お構いなしらしい。
「じゃあ行くわよ! じゃんけん……ぽんっ!」
全員がチョキを出した。緊張感が高まる。
「あいこで、ほい!」
俺とハルヒがグー、長門と朝比奈さんと古泉がパーだ。
……って俺負けてるしー!?
「えっ嘘……い、今のはなしよね? 三回勝負で決着を、」
「結果は出た」
長門がピシャリと言った。
「実行すべき」
言われてハルヒも黙り込む。いやいや、そこは反論してだな。このゲーム自体をなかった事にすればいいんじゃないか。
どうして俺とハルヒがポッキーを食べなくてはならんのか。
古泉は
「残念ですが、勝ってしまったので仕方ありませんね」
などと言い出す始末である。どうして俺のほうを見ながらそんな事言うんだよ。
朝比奈さんは頬を真っ赤に染めてこちらを見ている。あのー、もうやる方向で決定してるのでしょうか。
「分かったわよ、やればいいんでしょ! やれば!」
ハルヒも視線を向けられて向きになっているようだ。これは止められないのか……。
「いい、行くわよキョン! いっとくけど、唇に触れたりしたら永遠にこの部室の用具入れに監禁するわよ」
過激な事を言い出した。俺も疲れた声で「ああ」とだけ返事をする。
そこ、無駄に熱い視線を込めるな。
じゃあ、いただきます……。
食べたポッキーは妙に甘ったるく、その上俺は唇ギリギリで止めるというかなり神経を使わされた。
じゃんけんの手を細工して、ハルヒが最近退屈しててイライラしてた事への対策だったとか古泉から聞いて呆れたが。
まあ、もう一度ぐらい食べてみたいとは思う味だったけどな。
美味かったよ。