06/12/22 21:46:30
>>219
約束の日が明日に迫った。
碇さんと手を繋いで,夕暮れの街を家まで歩く。
世界の全てが夕焼けに染まる中,二人の長い影が黒くアスファルトに落ちる。
いつものように,碇さんにゴハンを食べさせて,背中を洗って,
耳かきをして,本を読んであげて,終わるはずだった。
それだけだったのに。
本を読んであげているうちに,碇さんは眠りの世界へ誘われてしまった。
「・・・おやすみなさい」
碇さんへの,たぶん最後のコトバ。返事は静かな寝息。
自室のフスマを閉じる。真っ暗な部屋の中で,涙がぽろぽろっとこぼれる。
アタシは,この甘ったるい『家族ごっこ』をほんの少し楽しみたかっただけだったなのに。
ただ,それだけだったのに。
期待や望み,そして想いも壊れたときのコトを考えると,
しない方がマシだって,14年間生きてきてイヤってほど思い知らされたのに。
ずっと,そう思っていたのに。
なんでなの。
本当に大事なことは,いつも,その時にならないと判らない。
莫迦なアタシ。
『エヴァンゲリオン新劇場版 前編 REBUILD OF EVANGERION:01』(仮題)
好調撮影中!
2007年初夏ロードショー予定!