09/09/29 13:25:00
ソースはBusinessMedia誠
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「格差社会」と呼ばれるようになって久しい。持てる者はますます儲かり、持たざる者が
ギリギリの生活を強いられている。それは持たざる者が怠けているからではない。
“ゲーム”のルールがそうさせているからだ。
先日、知人の編集者が最近手がけたという本をいただいた。
タイトルは『ゲーム理論の思考法』といういささかお堅いものだが、この編集者がつけた帯の
キャッチコピーが素晴らしいと思った。
「勝てないゲーム」なら「ルール」を変えよう。
世の中、「格差社会」と呼ばれるようになって久しい。持てる者はますます儲かり、持たざる者が
ギリギリの生活を強いられている。それは持たざる者が怠けているからではない。
“ゲーム”のルールがそうさせているからだ。
資本主義においては、資本を持った者が強い。そして、資本が多ければ多いほど有利に働く
という構造のはずである。それでは、私たちはどのような資本を持っているのだろう?
・不動産資本
・貯金などの金融資本
・働ける、という労働資本
普通の人はマイホームなどの不動産を持っていても、ローン返済が重くのしかかっている。
そうした意味では不動産資本を純資産とは呼べない。
また、貯金の量は個人差が大きい。「資本」というからには、これを「回転させ」「利益を生み出す」
ものでなければならない。現在の金利水準を考えると、1億円以上は金融資産がなければ
「金が金を生む」構造には乗っかることができない。
ちなみに、1億円以上を貯金する富裕層は全体の1%強だという。
つまり、あなたがその100人に1人でなければ、基本的には「労働資本」に頼るしかない。
自分自身が「原資」になって、毎月の給与が「利回り」になるというわけだ。
もし、あなたが年収600万円を稼ぐ労働者だとすると、年利5%で計算すると、1億2000万円の資本を
回転させていることになる。こうして考えると自分自身ってすごい資産価値なのだな、と
感心するだろう。
それでは、この労働資本を支配するゲームのルールはどのようなものだろうか?
ゲーム理論的に考えて、労働者と雇用者が目的を持つ主体だとすると、
労働者(労働資本の所有者):なるべく少ない労力を高い金額で買ってもらう
雇用者(労働資本を買う側):なるべく安い金額で、より多くの労力を買う
ということになる。そして、労働者には会社を選ぶ権利が、雇用者には労働者を選ぶ権利がある
というのがルールだ。これをゲーム理論のマトリックスにはめてみよう。
このゲームでは、お互いの取り得る行為は2種類あるとする。
労働者(労働資本の所有者):「がんばる=成果が大きい」と「がんばらない=成果が小さい」
雇用者(労働資本を買う側):この労働力を「安く買う」と「高く買う」
-続きます-