フランス、子供を産む国へ100年の執念at MASS
フランス、子供を産む国へ100年の執念 - 暇つぶし2ch2:文責・名無しさん
22/04/19 08:07:18.80 5m6Vfw2P0.net
(続き)
政府は07年、75万人分の保育所増設の目標を掲げ、2013年には1歳以上の幼児に「保育請求権」を認めた。育児手当も増額し、現在は子供1人当たり月194ユーロ(約2万5千円)、3人目には月200ユーロ(2万6千円)支給する。
給付はフランス以上に手厚いのに、出生率は同じようには上がらない。政府の努力で15年に1.50、16年には1.60になったが、新生児は、ほぼ4人に1人が外国籍。2015年に約100万人の難民・移民が流入した影響とみられている。
両国の出生率の分かれ目は、戦争の経験が大きい。
パリ政治学院のポールアンドレ・ロゼンタル教授は、「フランスで人口増強は、100年来の国策。ドイツに戦争で負けた(普仏戦争やww1・2)のは、『人口でドイツに逆転されたからだ』という意識が染みついている」と指摘する。
19世紀初めのフランスは人口約3千万を擁する欧州一の大国だった。英雄ナポレオンは徴兵制で巨大な国民軍を築き、欧州を制覇した。その後、出生率は低下。世紀末にドイツに追いつかれた。これと並行するように1871年、普仏戦争に敗北し、領土割譲を迫られた。第一次世界大戦では戦勝国になったものの国土が戦場となり、140万人もの国民が死亡。第二次大戦ではナチスドイツに首都パリを占領され、フランス国土をナチスに支配された。
育児手当の創設は1932年。政府公認の「産み捨て」制度すらある。母親が匿名で育てられない新生児を病院に残し、国に養育責任を委ねる仕組みだ。
一方、第二次大戦後の西独は、優生思想に基づくナチスの「民族増殖」政策の反省から家族への国家の介入を敬遠した。子供への手当給付は1954年に始まったが、貧困救済が重視され、保育所設置や働く母親の支援は進まなかった。女性就労を進めた東独もドイツ統一後、西独制度に吸収された。
ドイツの保育所整備の遅れには、保守的な家族観も背景にある。
ベルリン人口開発研究所のスザンヌ・ディネル研究員は、「幼児を預けて働く女性は『悪い母親』と批判されがち。女性はキャリアを犠牲にしないため、出産を遅らせる。罪悪感から、フランスのように割り切ってシッターにまかせることができない」と指摘する。
「女性が職場復帰する権利を訴えても、世間は冷たい」とため息をつく。
(続く)

3:文責・名無しさん
22/04/19 08:10:33.03 5m6Vfw2P0.net
(続き)
2012年には「母親は子供が3歳になるまで育児に専念すべきか」が国民論議になった。ドイツ連邦政府が「在宅育児手当」を創設した時だ。保育所増設が追いつかない中、3歳未満の子供を自宅で育てる親に月100ユーロ(約1万3千円)を支給する制度だった。「母親を家庭に縛る」という批判が出て、政府は導入断念を迫られた。判断は自治体に委ねられ、現在はバイエルン州など一部が実施する。
父親の育児休業取得を促すEU法案には、女性の社会進出を進めるフランスが反発している。
「両親のワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)」と名付けられた法案は、スウェーデンがモデル。欧州委員会が導入を目指す。両親に各4カ月間の手当付き育休を定め、取らないと権利を失う仕組み。各国に疾病手当並みに高い育休手当を義務付け、父親が仕事を休んでも家計負担が抑えられるようにした。EU主要国の疾病手当は給与の7~9割と高い。
フランスは、育休手当は月額一律396ユーロ(約5万円)と低い。育児支援を手厚くし、母親に産後、早く職場復帰を促す制度だ。マクロン仏大統領は今春、欧州議会で「指令案の目標はすばらしいが金がかかる」と反対を表明した。
「父親育休」促進はドイツも2007年に始めた。手当は給与の67%。両親共に取得すれば14カ月で、母親だけ取る場合より2カ月延長できる。この制度で、父親の育休取得率は3%から36%に増えた。
ただし、父親育休は「少子化の特効薬ではない。意識改革を促すだけ」と、ベルリン人口開発研究所のディネル研究員は指摘する。「保育所が不足するうちは、家計を支える父親がフルタイムで復帰し、母親が育児を担う構造が残る。私の夫も育休を取ったが、その後は仕事を優先した。結局、私が時短勤務に切り替えた」と話す。
(追記)
(日本の人口は2015年の1億2709万人から、2045年1億642万人となるが、国内消費市場規模は実店舗購入に限れば81兆円の減少。
「若者層の人口がより多ければ、若者による多様性が広がり、市場創出、市場拡大につながる。反対に高齢者の市場は画一的で拡大しにくい。少子高齢化は日本経済に強い負のスパイラルをかける」
2021年、日本の女性うち50歳以上が5割に達した。2040年頃、65歳以上の高齢者が総人口の約4割を占める社会が、日本に現実として迫ってきています。)

4:文責・名無しさん
22/04/19 08:51:04.87 5m6Vfw2P0.net
グローバル・スタンダードはカップル形成圧力がある社会
欧米は社会的プレッシャーが違う所にあって、日本は産む産まないだと思うのですけれど、フランスはカップルであるかないかなんです。
「お一人様」がすごい悪く見られるんです。
とにかく人間というのはつがいで生きるべきであるという考え方なんですね。
だから変な話、同性愛者に対する権利の方も凄く早かったんです。性的な指向が大多数と違っていても、人間はつがいで生きるべきだから彼らの権利を守りましょう、みたいな考え方なんです。
(高崎順子・フランス在住)

実はドイツを含む欧米社会は「パートナー形成圧力」がかなりキツいんです。
ドイツや欧米には、映画でもレストランでも旅行でも、行くならカップル(2人)でという共通認識のようなものがあります。
未婚既婚を問わず「人にはパートナーがいるべき」というキリスト教的考え方が、強く定着しているんです。
だから一人では出かけにくいですし、時には「パートナーがいないということは人間的に欠陥があるんじゃないか」と見られることもありますね。
(サンドラ・エフェリン 著述業)
(続く)

5:文責・名無しさん
22/04/19 08:54:24.52 5m6Vfw2P0.net
グローバル・スタンダードはカップル形成圧力のある社会 (続き)
(アメリカ社会を考察したブログより)
日本はWW2で負けてアメリカから夫婦家族主義(カップル+子供を一単位として、彼らの父母は含まない。東洋思想の儒教の場合は、親を含む3~4世代同居)を核家族の名称で受容 (戸籍制度も変更) したんだけど、その根拠がキリスト教であることや、それ故の社会規範としてのカップル形成圧力の強固さを理解していない人達が、日本には多くいるよ。
アメリカや欧州の場合は、ゲイらによるストーンウォールの反乱に見られるような、LGBTQの自己受容から社会的受容の要求へと発展する過程を経ています。当然ながらそれを基調とする以上、目に付くのは「カップルとしての」権利の要求になりますよね。

(キリスト教の宗派から)
プロテスタントには「結婚して当たり前」という考えの信者が多い宗派が結構あるんです。
「結婚して子どもをもうけて、よきクリスチャン・ホーム(家族礼拝などをする)を作るのが使命。そうやって信仰を繋いでいく」が規範となっている場合が多いです。
独身者が教会に行くと「独身!?」と、お見合いおばさんおじさんが沸いて出てくるんですね。
小説などで、よく「プロテスタントの教会だから、ゲイでも結婚式が挙げられる」という記述がありますが、(いや、必ずしもそうじゃないよ)と思って読んでいます。

6:文責・名無しさん
22/04/19 10:26:57.68 5m6Vfw2P0.net
ダイバーシティ(多様性)=身勝手が許される、と誤解してはいけない (一部抜粋)
URLリンク(diamond.jp)
佐々木かをり
多様な視点が活かされる組織づくりをしていくことが経営者の仕事であり、それができる企業が、社会からも認められ、愛され、成長する。簡単に言えば、様々な背景、出身、年齢、性別、人種等から多様な人が採用され、それらの人たちが自分の考えを提案したり議論できる場が与えられ、平等な研修機会がある会社にする事だ。
どのような背景を持つ人たちにも正当な人事評価がされ、社内でのキャリアの道も開かれ、平等に裁量や出世機会が与えられる。さらに企業の発信時にも多様な視点が活かされれば、その企業はもっと強くなる。
多様な視点が重要になるダイバーシティ組織では、それぞれの働き手からの「視点」が多様性の源泉となるのだから、自分の視点を提供しなければチームに参加していない事にもなりかねない。
「多様性」を構成する要素が、一人ひとりの働き手なのだから、働き手が各自の立場で、自らを高め、自分の考えをまとめ、提案する力を育て、組織に貢献する事が求められるのだ。
そう、ダイバーシティ組織は、どんな人でも受け入れられるという事実と、そのためには誰もが「貢献する必要がある」という事実、両方が共存して初めて成り立つ進化した組織である。
年功序列の下、穏便に会社で働いていれば良かった時代は終わり、自らを高め、貢献する時代にシフトしているのだ。
それも、必ず、チームの総合得点を上げるという目標に向かって。
(つまり多様性や個性を主張するならその視点から、自らの立場や能力に合わせて社会の維持にも協力・コスト負担をしなくてはいけないということ 持続可能な社会を目指す上でフリーライドはあり得ない)

7:文責・名無しさん
22/04/21 00:04:57.28 tpFcDTht0.net
神奈川県警察本部に行ってきました!
2021年12月に神奈川県の被害者さん3名とご一緒に神奈川県警察本部に集団ストーカー犯罪の陳情相談に訪問しました。
9月に小此木・元国家公安委員長様とお話する機会を被害者さんがつくって下さり、その後、元国家公安委員長様が被害者のために神奈川県警察本部に働きかけをして下さいました。
先ずは陳情からチラシ、資料をお渡し。犯罪の概要説明や今回訪問させていただいた趣旨をお伝えしました。元国家公安委員長様から神奈川県警察総務部広報県民課にきちんとお話を通して下さっていたために終始ご丁寧にお話を聞いて下さり対応いただきました。
また他の被害者さんから承ってきたことや他私達から要望をしました。
○警察本部のHPへの被害の掲載
○警察本部より各署にチラシや資料を配布していただき各署で被害者の相談がスムーズにいく様にして欲しい。
こちらの要望に関しては中々難しいですが検討はします。また記録に残しますとのことでした。
陳情後、神奈川県の被害者さん各々の被害の個人相談にも対応して下さいました。私は一人の被害者さんの迷惑防止条例違反に該当する部分での相談に同席させていただきました。(陳情とは別に個人相談の記録も残せました。)
「集団ストーカー犯罪はご存知ですか?」
「はい、知っております。」
「集団ストーカー犯罪の被害相談はありますか?」
「はい、増えています。」
警察本部には集団ストーカー被害者の相談が増えている様です。
一つ一つの声が集まれば大きな力となります。また問題を提起するためには被害者の数を目に見える形にすることも必要かと思います。その一つが公的記録でもあります。
神奈川県警察本部においても警視庁においても他県警察本部においても警察がこの犯罪と向き合い、動いてくれることをいつも強く願いながら、要望しながら現在もこれからも警察訪問をしていきたいと思っています。

8:文責・名無しさん
22/04/21 13:53:51.78 tpFcDTht0.net
「子供のいない女性より、子持ち女性の収入が多い」
アメリカ最新の研究が明かす"逆転現象"の背景
URLリンク(president.jp)
佐藤一磨 ( 拓殖大学准教授)
日本に住んでいると、子供を持つことによって女性の賃金が低下するという結果は、実感に近いものがあります。
しかし、最新のアメリカの研究によれば、近年「逆の傾向」が見られる場合もでてきたと指摘されています。
ここでの逆の傾向とは、「子持ちの女性の方が賃金が高い」というものです。
この研究では、アメリカの労働力調査に当たるCurrent Population Survey(CPS)を使用し、子供を持つ女性と持たない女性の賃金を1990年から2019年まで比較しています。
分析結果を見ると、興味深い3つの結果が示されています。
1つ目は、「子供のいない女性と子供のいる女性の賃金格差の持続的な縮小」です。
1990年代前半では、子供を持つ女性の方が6%ほど賃金が低くなっていましたが、その差は徐々に縮小していき、2005年以降では2%未満まで減少しました。
この結果が示すように、アメリカでは子供の有無による賃金の差がかなり小さくなってきています。
2つ目の興味深い結果は、「高所得層では子持ち女性の方が賃金が高い」というものです。
自分で高い賃金を稼ぐことのできる女性について見ると、2005年以降、子供を持つ女性と子供を持たない女性の賃金格差が消失し、子持ち女性の賃金の方が約3~4%高くなっていました。
このように高所得層では、子供を持つことによって賃金が低下する「賃金ペナルティ」が発生せず、むしろ、賃金が高い「賃金プレミアム」が発生しているのです。
なお、所得階層が中位層や低位層の場合、依然として子持ち女性の賃金の方が低いという傾向が続いていました。
3つ目の興味深い結果は、「高所得層の働く女性ほど、子持ち割合が持続的に増加している」というものです。
(続く)

9:文責・名無しさん
22/04/21 13:56:08.93 tpFcDTht0.net
(続き)
論文では、女性の所得階層別に子持ち割合の推移も調べています。
ここでの所得階層とは、女性の稼ぐ賃金水準を基に分類しています。高所得層の場合、上位10%の賃金を稼ぐグループが該当すると想定されます。また、中位層の場合、ちょうど全体の真ん中の50%を稼ぐグループが該当し、低位層の場合だと下位10%を稼ぐグループが該当すると想定されます。
この結果、次の3点が明らかになりました。
① 働く女性全体で見ると、子供を持つ比率は1990年以降、緩やかに低下している。
② 子供を持つ比率の低下がどの所得階層で発生しているのかを検証した結果、中位層および低位層での減少が原因であることがわかった。
③ これに対して、高所得層では逆に子供を持つ比率が増加していた。また、高所得層では子供の数も増加する傾向にあった。
以上の結果から、「アメリカでは自分で高い賃金を稼げる女性ほど、子供を持つようになってきている」と言えます。
これまでキャリアの追求と家庭生活の追求は相いれない部分があるため、両立が難しいと考えられてきました。
しかし、直近ではキャリアと家庭生活の充実の両方を手に入れる女性たちが出てきているのです。
これまでの分析結果から明らかなように、アメリカではワーキングマザーの姿に変化が生じています。
なぜこのような現象が起きているのでしょうか。
子持ちの高所得層女性たちの行動パターンを分析した結果、次の3点において変化が生じたことが明らかになりました。
1つ目の変化は「晩産化」です。
高所得層の女性ほど、第1子を30歳以降に出産するよう出産時期を遅くしていたのです。
学卒後の数年間は仕事でさまざまな経験を積む時期であり、出産によって職場を離れるコストとリスクが大きいと言えます。
そこで、出産時期をあえて遅らせ、キャリア中断による影響を緩和したのです。
(続く)

10:文責・名無しさん
22/04/21 13:58:23.71 tpFcDTht0.net
(続き)
2つ目の変化は、「労働時間の増加」です。
1990年以降、子持ちの働く女性の労働時間は増加傾向にあります。中でも高所得女性の労働時間の伸びが大きく、30歳以降に出産した女性ほど、週50時間以上(フルタイム)働く割合が増加していました。
これは賃金上昇に直結し、子持ちの高所得女性ほど賃金プレミアムが発生する要因の1つになったと考えられます。
3つ目は、「パートナーとの同居」です。
パートナーが家事・育児に参加してくれる場合、働く子持ち女性は労働時間を増やすことが可能となり、子供を持つことによる賃金低下を緩和できます。さらに、パートナーの所得によって世帯所得が増えるため、家事・育児を外注することも可能となります。
以上の点から、パートナーとの同居は子持ちで働く女性にとって重要な要因です。
高所得層の女性のうち、約80%がパートナーと同居しており、この割合は1990年から2019年の間でほぼ変化していませんでした。
これに対して、低所得層の女性ほどパートナーと同居している割合が低下し、シングルマザーとなる比率が上昇していたのです。
アメリカでは自分で高い賃金を稼げる女性を中心に、「キャリアと家庭生活の充実をつかみ取っている母親」が増えています。
また、この変化は日本の目指すべき労働市場の一つの形を示していると言えます。
子供の有無に関係なく、能力を発揮し、評価される労働環境です。
日本がそのような労働環境に到達するにはまだ長い道のりがありますが、共働き世帯が主流になりつつある現状において、避けては通れないでしょう。
(これは既にフランスが先進的にやってたことで、やっとアメリカ社会も追い付いてきた。
ちなみに低用量ピルの効果には、PMS(月経前症候群)の緩和、月経周期を調節できる、生理不順・生理痛の改善、卵巣がん・子宮体ガンの予防、子宮内膜症の悪化を防ぐ等、避妊効果以外に女性の健康面のメリットが多いが、これを利用して晩産化している。
日本でも、丸の内で働く20代女性の約3割はピルを使用しているそうですよ)

11:文責・名無しさん
22/04/26 01:25:05.12 F+nr4nSf0.net
小泉・竹中改革は間違っていた!
非正規雇用が「日本の生産性」低迷させる根本理由
「最低賃金の引き上げ」なくして経済の復活なし
URLリンク(toyokeizai.net)
デービット・アトキンソン
(元ゴールドマン・サックス)
諸外国では最低賃金の引き上げが相次いでいます。2021年の引き上げ率は、アメリカで4.3%、EU27カ国の平均は2.5%でした。最近発表された上海は4.5%、オーストラリアは2.5%、カナダは11.6%となりました。また、韓国は来年の最低賃金を5.1%引き上げると決めています。前回の記事(「最低賃金1178円」が国際的に見た常識的な水準だ)で指摘したとおり、先進国の最低賃金は次第に1178円に収斂していっています(購買力調整済みの金額)。
日本よりコロナによる打撃が何倍も大きく、経済対策が日本より小さいにもかかわらず、多くの先進国で最低賃金が引き上げられているのです。
これらの国では、最低賃金は経済の専門家と統計分析を中心とした専門委員会が、ビッグデータなどをベースにして、科学的根拠を重視して決定しています。
対照的に、日本の最低賃金は、中央最低賃金審議会において、労働組合と商工会議所などという利害関係者が「腕相撲」をして合意するという、時代遅れのやり方で決められています。
科学的根拠に乏しく、ただの感情論になりかねない危険な決め方で、経済発展の機会を犠牲にしています。
多くの先進国において、最低賃金は「経済政策」と考えられています。
特に1990年代以降はイギリス、ドイツ、香港、スイスなどが最低賃金制度を導入して、次第に引き上げています。
それは、格差の拡大、モノプソニーの強化による労働分配率の低下などの問題に対応するためです。これも、最低賃金を未だに「社会保障政策」と捉えている日本とは対照的です。
さて今回は、非正規雇用と最低賃金の関係を取り上げます。
2021年の1~3月期、日本の非正規雇用者の比率は対前年比1.3%下がって、36.7%になりました。正規雇用が38万人増えた一方、非正規雇用が98万人も減らされたからです。減らされた非正規雇用98万人のうち、75万人は女性です(いずれも総務省データより)。
(続く)

12:文責・名無しさん
22/04/26 10:09:19.83 F+nr4nSf0.net
(続き)
このように直近では若干減少した非正規雇用ですが、歴史的に見ると1990年代半ばの労働市場の規制緩和以降、上昇傾向が続いています。これは日本だけでなく、1980年代以降、労働市場の規制緩和は世界的に進められてきました。
日本では、非正規雇用が増加したことをネガティブにとらえる風潮が強いように感じます。非正規雇用が増えたことで、給料が上がらなくなり、その結果、日本経済がおかしくなったとみる傾向が強いようです。日本について検証すると、それは事実です。
ただ、海外の分析によると、労働市場の規制緩和には、いい面もあれば悪い面もあるとされています。
いい面としては、労働参加率が高くなって、失業率が下がる効果が確認されています。それは例えば「フルタイムは難しいが、短時間なら働きたい」という人の選択肢が増えるからです。結果、「生産性」の向上に貢献します。
理論的には、非正規雇用の増加が「労働生産性」の向上に貢献する場合もあります。非正規雇用を「労使のマッチング期間」として利用することで、双方のミスマッチを減らす効果です。成長している業種や企業の労働力調達能力が高まることで、労働市場における資源配分の効率が上がるとされています。結果として、実質賃金が上がります。
さらに、実質賃金が増えることによって、個人消費が潤沢になり、資本深化を促進する効果も確認されており、イノベーションが進みやすくなるとも言われています。
一方、労働市場の規制緩和によって質の低い仕事が増えたり、設備投資の減少につながったりする場合もあります。その影響は「労働生産性」の向上にマイナスに働きます。
つまり労働市場の規制緩和は、経営者の動機次第でよい影響も悪い影響ももたらすのです。非正規雇用を経営の安定のためだけ、ある意味で労働力の緩衝材として使うと、雇用が不安定になり、研修などの人材投資が減少し、さらに設備投資が減ることも確認されています。なぜなら、労働者を安く調達することができると、設備投資をする動機が薄れるからです。
(続く)

13:文責・名無しさん
22/04/26 10:14:18.89 F+nr4nSf0.net
(続き)
また、労働参加率が上がれば上がるほど、スキルのレベルが低い労働者が増え、全体の労働生産性向上を抑制する効果が現れます。
要するに、経営者が労働市場の規制緩和を好機として人件費削減に走ると、労働生産性に悪影響が出るのです。
以前も説明したように、国の「生産性」は付加価値総額を国民の数で割ったものです。例えば、国民の半分が就労しているのであれば、付加価値を労働者数で割った「労働生産性」は国全体の生産性の倍になります。労働生産性が1000万円で、労働参加率が50%ならば、生産性は500万円となります。つまり、労働参加率を高めるか、労働生産性を高めるかによって、全体の生産性は引き上げられるのです。
労働市場の規制緩和がもたらす「労働参加率の上昇」と「労働生産性の低下」という2つの相反する要素のバランスをうまくとる政策としては、実は最低賃金政策が有効です。
ここでは、労働市場の規制緩和が労働生産性にどう影響するかを分析している「The impact of labor market deregulation on productivity: a panel data analysis of 19 OECD countries(1960-2004)」という論文を見ていきましょう。
この論文の結論は、以下のとおりです。
・労働市場の規制緩和を進めると、企業は設備投資をするインセンティブが後退して、労働生産性の低い仕事が増える。
・既存の労働者の労働生産性も低下する。
・労働生産性の最も高い層の労働生産性は、さらに向上する。
・その結果、労働市場の規制緩和は格差を拡大させる
この論文で最も重要なのは、労働生産性と実質賃金の「因果関係」です。
実は、「労働生産性が上がらなければ、実質賃金が上がらない」のではなく、「実質賃金が上がらないと、労働生産性が上がらなくなる」と結論づけているのです。19カ国の長期間のデータを分析した結果、実質賃金の成長率が1ポイント上昇するごとに、労働生産性が0.31~0.39%ポイント上がるとされています。
(続く)

14:文責・名無しさん
22/04/26 10:23:46 F+nr4nSf0.net
(続き)
「実質賃金が上がらないと、労働生産性が上がらなくなる」理由は、経営者のインセンティブにあります。賃金が上がった以上、生産性を高めないと利益が減ります。
利益が減るという事態に直面しないと、経営者は「生産性向上」に真剣に取り組まない可能性が高いと示唆されています。

さらに労働分配率は、生産性が向上している先進各国でも、低迷している日本でも継続的に低下しています。この事実からわかるように、生産性が上がっても、賃金が上がる保証はどこにもないのです。

G7の中で、労働市場の規制緩和の悪影響を最も強く受けたのは、日本とイタリアです。

そこで、非正規雇用と生産性の関係をさらに深く検証するために、興味深い論文をご紹介します。「Reforms, labour market functioning and productivity dynamics: a sectoral analysis for Italy」という、イタリア政府が発表した論文です。イタリアの論文を参考にするのは、90年代以降、日本とイタリアの経済動向には共通点が多く見受けられるからです。

日本もイタリアも1945年以降に高度成長期を迎えました。日本もイタリアも、1980~90年あたりまで、高度成長の経済モデルとして絶賛されていました。

さらに1990年以降、両国では経済成長率が大きく低迷し始めて、2019年にはアメリカやドイツから大きく引き離されています。1990~2019年の間、先進国のGDPは平均1.89倍、OECDでは1.87倍、人口増が続いているアメリカのGDPは2.03倍になりました。しかし日本のGDPは1.32倍、イタリアのGDPは1.23倍と低調でした。ちなみに、韓国経済はこの間、4.07倍に増えています。

平均給与で見ても、日本とイタリアの低迷が目立ちます。1990~2019年の間、他のG7の国の平均給与は30~50%増えているのに、イタリアは3%、日本は6%しか増えていません。

生産性向上率を見ると、1990~2019年の間、日本の成長率はイタリアを下回って、G7の中で最下位です。
(続く)

15:文責・名無しさん
22/04/26 10:25:28 F+nr4nSf0.net
(続き)
両国では、労働生産性も低迷しています。1990年から2019年までの間、イタリアの労働生産性は11.3%しか伸びていません。この伸び率はG7の中では最低です。日本は2番目に低い21.3%でした。

日本とイタリアの最大の違いは、労働参加率にあります。日本の労働参加率は非常に高いのに対し、イタリアでは非常に低くなっています。就業者を生産年齢人口(15歳以上65歳未満)で割った比率では、2020年のOECD平均は77.3%でしたが、イタリアは34位の71.4%でしかありませんでした。ちなみに、日本は6位の85.6%でした。

さて、では具体的に論文の中身を見ていきましょう。

イタリアの労働生産性向上率は、特に1990年代の後半から2008年までの間に、相対的に大きく悪化しました。イタリアで労働生産性が伸びていないことの大きな理由の1つとされているのが、1980年代からスタートした労働市場の規制緩和です。雇用契約の多様化が進み、賃金に対する規制も緩和されました。この論文では、労働市場の規制緩和の影響が分析されています。

論文では、18業種の27年間のデータを分析しています。規制緩和によって、各業界の生産性が上がったのかどうか、また特定の業種に労働人口が集中することによって、経済全体の生産性の加重平均がどう変わったかも分析しています。

理論的には、労働市場の規制緩和は労働参加率にプラスの影響を与えます。一方、労働生産性への影響は、経営者次第でプラスにもマイナスにも働く場合があります。

では、イタリアでは実際にはどうなったでしょうか。

労働参加率は上がりました。イタリアでは、労働市場の規制緩和の結果、1995年から2000年の間に、労働参加率が2.5%も上がり、失業率は3%も低下しました。特に、女性と若い人の労働参加率が最も上がりました(4%と3%)。ただし、増加した労働者の大半をバイトや非正規(期間限定)雇用が占めました。
(続く)

16:文責・名無しさん
22/04/26 10:30:53 F+nr4nSf0.net
(続き)
一方、イタリアでは、労働市場の規制緩和は全業種にわたって労働生産性にマイナスの影響を与えました。特に、スキルのレベルが相対的に低く、生産性が低い業種で労働生産性の悪影響が顕著でした。さらに、生産性の低い業種の雇用が増えたので、全体の労働生産性を下げる効果に拍車がかかりました(これを「組成効果」といいます)。

このような影響が生じたメカニズムを分析すると、生産性の低い業種で非正規雇用が増えることで、1人当たりの設備投資が減り、労働生産性の向上が遅くなったことがわかります。これを「資本深化の後退」といいます。

また、スキルのレベルが高くなればなるほど、労働生産性への悪影響は小さくなるとあります。最初に紹介した論文のとおりです。

重要な指摘として、「ICT投資などをしなくても利益を出せるようになった」という点が挙げられています。スキルのレベルが高くない低賃金の雇用を増やす、いわば「人海戦術」が可能になるので、ICT投資などが見送られ、労働生産性に悪影響が出ているとあります。
イタリアでは、1980年のGDPに対する設備投資比率を100とすれば、2020年にはこれが65まで下がっています。ちなみに先進国平均は85、日本は72です。

要するに、労働コストが高くなると、ICTなどを使わないとやっていけないので、企業は設備投資をせざるをえなくなります。逆に、労働コストが安いと、設備投資をせず、付加価値が低くても、ビジネスモデルとして成立します。
極論すれば「途上国は、労働単価が低いからこそ途上国なのだ」という理屈です。

イタリアは非正規雇用を増やしたときに賃金の規制も緩和しましたが、さらに最低賃金制度がないことも大事なポイントです。最低賃金制度がないので、経営者側は労働市場の規制緩和を機に、大いに人件費を削減することができて、労働生産性に大きなマイナスが生じたことが伺えます。

ここまで紹介してきたイタリアの分析をベースに、日本の状況を検証します。
(続く)

17:文責・名無しさん
22/04/26 10:34:07 F+nr4nSf0.net
(続き)
日本では、非正規雇用が増えたことによって労働参加率は高まり、2020年にはOECDの中で6位になりました。G7平均の79.7%より高い85.6%です(就業者数を生産年齢人口で割ったものです)。

特に、安倍政権の間に就業者数が大きく増加しましたが、その大半を女性、高齢者、学生が占めています。

イタリアと同様に、日本も生産性が上がりましたが、労働生産性の低迷は極めて顕著です。労働生産性が上がっていないのに、生産性が上がっているのは、その間に労働参加率が上がったことを意味しています。

また、日本企業の設備投資も先進国各国に比べて非常に低迷しています。「資本深化の後退」が進んでいると考えるのが妥当だと思います。例えば、アメリカは1990年以降、1人当たり設備投資が2.6倍増えていますが、日本は17.1%も減っています。

なぜ、日本でイタリアと同じような悪影響が出たのでしょうか。

非正規雇用を増やして賃金の規制も緩和することによって、イタリアではモノプソニーの力が強くなりました。モノプソニーとは経営者の力が労働者に対して強くなることを意味しています。
結果として、労働分配率が下がって、実質賃金の低下につながります。わかりやすく言えば、「企業による労働者の搾取」の度合が強くなっていることを意味します。

モノプソニーを制限するには、最低賃金の引き上げが最も有効です。
なぜかというと、モノプソニーは立場が弱い非正規雇用に影響が強く現れるからです。こういう人は大半が最低賃金で働いているので、最低賃金の引き上げが有効な政策手段とされます。

日本の最低賃金の水準は、諸外国の4分の3くらいしかありません。この水準では、モノプソニーを制限するには不十分です。
その結果、労働市場の規制緩和を機に、経営者は人件費の削減に走りました。さらに外国人労働者を増やしたこともあり、実質賃金の低迷が諸外国より顕著になったのです。
(続く)

18:文責・名無しさん
22/04/26 10:36:49 F+nr4nSf0.net
(続き)
このように考えていくと、「労働市場を緩和をするときには、最低賃金の引き上げもしっかり講じる必要がある」という結論になります。だからこそ、アメリカの各州は、コロナ禍であっても最低賃金を継続的に引き上げているのです。

後的検証となりますが、1990年代に行われた日本の構造改革は成功だったとは言えません。特に、労働市場の規制緩和による悪影響は大でした。

労働参加率は高くなりましたが、労働生産性の大きなマイナス要因となりました。
この政策的ミスは、非正規雇用の規制緩和とモノプソニーと最低賃金をセットで考える必要があるということを理解していなかったことにあると思います。

先にも述べたとおり、日本では最低賃金は「社会保障政策」の一環と捉えられています。
極論すれば「最低賃金とは、人が生きる最低限の賃金を保障するものだ」という発想です。

私は以前から、最低賃金を「経済政策」の一環として考えるべきだと主張してきました。
これは「賃金の下限をいくらにすることが、経済全体にとって最適になるか」という考え方です。

今回、非正規雇用の増加の影響を分析して、なおさら自分の主張の正しさに自信を強めました。今回の論文にありましたように、労働市場の規制緩和は実質賃金の低下につながっているので、日本では最低賃金を経済政策として使わざるをえません。

なぜなら、人口が減少する中で個人消費を守り、増やすには、実質賃金を高めるしかないからです。しかし、これまでの労働分配率の低下を見れば、経営者が自主的に賃金を引き上げるとは思えません。
やはり、人口減少の下では、賃金政策を経済政策の中心に据えなければならないのです。

私は、日本はこれから、労働市場の規制緩和と構造改革を進めながら、企業の設備投資を促し、人件費の削減を制限するため、最低賃金を継続的に引き上げることを政策にするべきだと考えています。

経済政策の究極の正義は、家庭の収入を毎年、確実に、少しずつでも増やすことにあることを忘れてはいけません。

19:文責・名無しさん
22/04/26 22:56:46.56 F+nr4nSf0.net
>>8
従業員の平均年収が高い会社ランキング(40歳代前半)
(DIAMONDオンライン編集部)
上位5位までのランキング表を見ると分かる通り、トップ3を大手商社が独占している。
1位は三菱商事で、平均年収は1678.4万円だった。
2位には、伊藤忠商事がランクイン。21年3月期決算の当期純利益では4409億円と、三菱商事(同1726億円)にダブルスコア以上の差を付けた伊藤忠商事だが、平均年収は1627.8万円と50万円ほどの差で2位となった。
平均年収が1600万円を超えたのは上位2社のみだった。1500万円台はなく、3位の三井物産は平均年収1482.5万円だった。

このアメリカの論文は日本でも当てはまりそうです
日本の出生率が1.34で
伊藤忠の女性社員の出生率が1.97(2021年度)ということ(公表有り)はつまり
今は独身やDINKSの女性で年収1600万稼いでいる人数よりも
子持ちで年収1600万稼いでいる既婚女性(またはシンママ)のほうが今は多いということじゃないかな
伊藤忠の例を見ても現在は一般的にそうだと思うけど
だから国が子育て支援で子持ち女性に給付金(子育て費用)を出すか
または子どもの扶養控除額を増やしたら出生率は上がるだろうと予想されるということかな

20:文責・名無しさん
22/05/06 20:29:46.63 sL1R40me0.net
理想「子どもは何人欲しいと思っている?」という国の調査
理想の子どもの人数が2.32人、予定としている子どもの人数は2.01人という結果になりました。
「理想の子どもの人数を持たない理由」としては上位に「子育てや教育の費用」「高齢出産」といったものが挙げられます。
夫婦の予定子ども数が理想子ども数を下回る背景
若い層で顕著な経済的理由
 
夫婦の予定子ども数が理想子ども数を下回る理由としてもっとも多いのは、いぜんとして「子育てや教育にお金がかかりすぎる」(総数56.3%)であり、とくに妻の年齢35歳未満の若い層では8割前後の高い選択率となっている。また、30歳代では「自分の仕事に差し支える」、「これ以上、育児の心理的・肉体的負担に耐えられない」という回答が他の年齢層に比べて多い。

理想子ども数3人以上を実現できないのは、おもに経済的理由
理想は1人以上だが予定子ども数が0人という夫婦では、その差の理由として「欲しいけれどもできない」の選択率が74.0%となっている。
理想を3人以上としている夫婦では、理想通りの子ども数を持たない理由として「お金がかかりすぎる」を挙げる割合がもっとも高い。次いで、「高年齢で生むのはいや」、育児負担、「仕事に差し支える」、「家が狭い」等の理由を挙げる割合が高い。
URLリンク(www.ipss.go.jp)
国立社会保障・人口問題研究所の第15回調査(2015年)より

従業員の平均年収が高い会社ランキング(40歳代前半)
(DIAMONDオンライン編集部)
1位は三菱商事で、平均年収は1678.4万円だった。
2位は伊藤忠商事で、1627.8万円だった。(女性一般職でも年収1000万程度と予想されます)
日本の出生率が1.34で
伊藤忠の女性社員の出生率が1.97(2021年)
URLリンク(www.itochu.co.jp)
つまり出生率は、女性の収入や働きやすさの問題と関係してる
日本の出生率が上がらないということは、日本の男性は女性に金を出したくないし(養育費の支払いも強制力がない)、子どもは嫌いで子育てをしたくないし、子どもに金を出したくないということでしょう

21:文責・名無しさん
22/06/10 14:29:27 8XwCYxcC0.net
フランスは先進国。日本は違う

22:文責・名無しさん
22/06/13 00:25:45 Et0OzoZ00.net
日本は出生率1.3%(笑)


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