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■成長の熱気求め
近未来、学歴や社歴、経歴もさして重んじられなくなる時代。日本を離れていった
若者たちが気軽に日本に戻り、その経験を生かせるようになれば……。
2012年、新しい言葉を聞いた。「セカ就(しゅう)」、つまり「世界に向けた就職」
の略語だ。就職情報サイト「リクナビ」から出た言葉で、「いきなり外国で就職すること」
を指す。「意識としては、グローバル経済に船出する、といった意味で使っている」
(岡崎仁美・リクナビ編集長)
日本の若者は海外に出たがらないと言われて久しいが、そうでもないようだ。
「統計はないが、かなり多くの学生がそういう認識で動いている。企業側も、世界に
活路を見いだしたい、というメッセージを発信している。学生たちの60%が就職活動中に、
『社会や経済のグローバル化が急速に進んでいる』ことを感じている」
気温30度、湿度90%。うだるような蒸し暑さに加え、大渋滞にのみ込まれた車の
クラクションが鳴り響くインドネシアの首都ジャカルタ。日系企業で働く20歳代の
パイオニア(先駆者)20人ほどを訪ねると、その気負いは予想以上のものだった。
「成長の中に身を置きたいと思って来た。この国の経済成長に一役買っている気がして、
やりがいを実感している」(鉄鋼系商社員、男性、29歳)
「自分が入れ替え可能な存在ではなく、必要とされている。本当にありがたい」(建設
会社員、男性、25歳)
今の25歳が物心ついたころ、日本ではバブル経済が崩壊した。10歳のころ、生産年齢
人口(15?64歳)がピークを打ち、下り坂になる。一時的な現象と思われていた不況が、
当たり前となる時代に思春期を過ごした。つまり、「成長を知らない子どもたち」だ。
インドネシアは、日本が1960年代に体験した高度成長時代の真っただ中にある。
この25年間で、人口は7000万人増え2億4000万人に、年率6%以上の成長で、
国内総生産(GDP)は3倍以上に膨らんだ。
彼らが見るインドネシアは、戦後世代が見るイメージとは違う。「貧しい国」でも
「人と人が触れ合える牧歌的世界」でもない。彼らが浴びているのは、平均年齢28歳の
大国が生み出す躍動感だ。(※続く)
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