12/03/03 18:15:00.00
先月、韓国を代表する大手自動車・電機メーカーの年間業績が発表された。一部の専門
紙やビジネス誌での扱いは大きかったものの、日本の大手メディアでその詳細な中身を
伝えたのはわずかだ。
大震災の影響や円高、タイの洪水被害と日本企業を取り巻く環境は過酷で、お家芸たる
車、電機業界の業績は惨憺たるものとなった。日本企業は韓国企業にシェアを奪われ続け
ているが、その要因は外部の突発的な事象だけではない。
■日本勢が束になっても韓国主要メーカーにかなわない
2月初旬、日本の総合電機・民生電機大手の2012年3月期の連結業績見通しが出揃った際
、ある大手紙にこんな見出しが躍った。
「韓国勢の追い上げで」・・・。
冒頭で触れた通り、日本の総合電機や自動車各社は今期、突発的な外部要因に苦しめら
れた。それに乗じる形で、韓国や台湾、そして台頭著しい中国の新興企業が日本企業を
追い込んだのは紛れもない事実だ。
この要素は他の連載コラムでも触れたのだが、改めて強調しておきたい。「韓国勢の
追い上げ」というのは著しい事実誤認だ。
液晶パネルや半導体製造のサムスン電子を見てみよう。同社の昨年(2011年)1年間の
本業の儲けを示す営業利益は16兆2000億ウォン。日本円換算で約1兆1000億円だ。
ちなみにパナソニックの2012年3月期予想(米国会計基準)は300億円だ。様々な悪条件
により当初予想の1300億円の黒字から下方修正されたことを勘案しても、サムスンの利益
がいかに巨額か実感できるのではないだろうか。
さらに分かりやすくしよう。サムスンの1兆1000億円という営業利益は、日本の主要な
電機大手の利益を足した額よりも大きいのだ。「韓国勢の追い上げ」という見出しがいか
にミスリードかご理解いただけよう。
同じ要領で現代自動車を見てみよう。同社については、売り上げに対する営業利益の
割合を示す営業利益率を例に取ってみる。同社の場合、これが14%なのだ。
利幅が極めて大きい高級スポーツカーに特化している独ポルシェは約12%。小型大衆車
や中型サルーンが主力の現代自動車の体質がいかに強いか、ご理解いただけるのではない
だろうか。
電機と同様、営業利益率についても日本勢と比較してみよう。トヨタ自動車の今期予想
は1.1%、ホンダは2.5%。劣勢な日本勢の中、唯一好調と言われた日産自動車でさえ、
5.4%にとどまっている。
「グローバルな市場で見れば、日本勢は韓国主要メーカーに4周も5周も差をつけられて
いるのがいつわりのない姿」(外資系運用会社アナリスト)なのだ。
筆者は以前、当欄で「日本から『メイド・イン・ジャパン』が消える日」というコラム
を載せた。オーバースペックな日本製品の代わりに、韓国や新興国製のシェアが急激に
高まりつつあることを予想した内容だった。図らずも、2年半後、日本の主要企業があっ
さりと抜き去られてしまったことに驚きを禁じ得ない。
<以下略。省略部分はソース参照>
ソース:jbpress
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