24/06/27 09:25:50.87
★実感なき「給料アップ」 世界比較で愕然… ホントの要因は?
2024年6月25日 17時33分
「賃上げ、33年ぶりの高水準」
「初任給5万円以上の大幅増額」
「年収大幅増」
2024年春以降、メディアのヘッドラインを飾ってきた文言の数々です。
賃上げの動きは確実に加速しているものの、生活実感はどうかというと、むしろ逆という人が多いのではないでしょうか。
日本の賃金を各国と比較するとその差に愕然(がくぜん)とします。
日本はなぜこうまで賃金が上がりにくいのか。複雑な構造要因をひもときます。
(国際部デスク 豊永博隆)
●物価上昇再び
私にとっておつまみに欠かせない1品ですが、6月から160円前後から170円前後に値上げされました。(じゃがりこサラダ57gの場合)
食用油や包材などの値上がり、燃料費の高止まりなどが要因だといいます。
オレンジジュースやチョコレートなども値上がりしました。
物価上昇が再び加速しています。
6月21日に発表された5月の生鮮食品を除く消費者物価指数の伸びは前の年の同じ月と比べて2.5%上昇。
4月の2.2%から伸び率が拡大しました。
生鮮食品も含む総合指数は2.8%の上昇となり、物価高がずしりと家計の負担にのしかかっています。
●実質賃金 25か月連続マイナス
こうした物価高は、生活実感に近いといわれる実質賃金を押し下げます。
物価の上昇分を反映させた実質賃金は4月分までで25か月連続マイナス、
つまり2年もの間、賃金の上昇率より物価の伸びが上回っている状況なのです。
経団連は5月20日、2024年の春闘の1次集計結果を発表。
大手企業の定期昇給とベースアップを合わせた賃上げ率は5.58%で、
1次集計としては過去最高、最終集計との比較でも1991年の5.6%以来、
33年ぶりの5%超えという高水準だったと説明しています。
こうした賃上げが働く人の給料に実際に反映され、データで確認できそうなのが8月から9月ぐらいとみられています。
「年収大幅増」が実現されれば、働く人たちにとってこんなにうれしいことはありません。
しかし、物価高が続くと、せっかくの賃上げの動きが打ち消されてしまいかねない状況となっているのです。
●私たちの賃金 世界と比べると…
気になるこの先の賃金上昇の動きですが、世界と比べて私たちの賃金はどうなっているのでしょうか。
OECD=経済協力開発機構がまとめている加盟国の平均賃金データ(2022年が最新)が衝撃的です。
日本は38か国中、25位となっています。
このデータはOECDの説明では「国民経済計算に基づく賃金総額を、
経済全体の平均雇用者数で割り、全雇用者の週平均労働時間に対する
フルタイム雇用者1人当たりの週平均労働時間の割合を掛けることで得られる」となっています。
名目の年収ベースということになります。
OECD加盟国平均より、1万1000ドル余り低く(22年当時の1ドル=130円換算で143万円程度低い)
日本より下位なのはポーランドやポルトガル、ハンガリー、ギリシャ、メキシコなどの国々です。
2014年に韓国に抜かれ、2019年にはイスラエルに抜かれたことが公表されました。
●長期で比較してもマイナス!
より長期でみた賃金上昇率を比較してみます。
こちらのグラフはニッセイ基礎研究所がまとめた日米欧6か国の物価上昇を加味した
1人あたりの実質賃金上昇率で、1999年1-3月期を100として、算出したものです。
日本はずっと低迷が続いているのが分かります。
2023年10-12月期を比べると、イギリス42%、アメリカ34%、ドイツ12%とあがっていますが、日本はマイナス2%。
日本より低いのはイタリアのマイナス5.9%だけです。
長期でみて、賃金があがっていないことが明確です。
●複雑な構造要因の存在
なぜ日本はこんなにも賃金があがらなかったのか。
2024年の「賃上げブーム」は本当に軌道に乗るのか。
そんな疑問もわいてきます。
今の賃金上昇が持続的なものになるかどうかは過去を振り返る必要がありそうです。
そこには複雑な構造要因が横たわっていました。
賃金が上がらなかった要因は大きくわけて3つあると多くの専門家が指摘します。(続く)
NHK URLリンク(www3.nhk.or.jp)
続きは>>2-5