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★<露流し網漁禁止法>大統領が署名し成立 国内漁業者に打撃
毎日新聞社 2015年7月1日 20時54分 (2015年7月1日 22時03分 更新)
【モスクワ真野森作】ロシアのプーチン大統領は、排他的経済水域(EEZ)での
サケ・マスの流し網漁を来年1月から禁止する漁業・水産資源保全法改正案に署名し、
改正法が成立した。ロシア政府が1日、公式サイトで発表した。日本は「日ソ漁業協力協定」
(1985年)に基づき、毎年、ロシア側との協議で漁獲割当量を決め、ロシア極東の
EEZで流し網漁を行ってきた。改正法の施行によって漁業者は来年から漁が事実上
不可能となり、北海道や青森などの地域経済にとって大きな打撃となる。
改正法は、流し網漁が水産資源の枯渇や生態系の破壊につながるとして禁じる内容。
環境保護団体・世界自然保護基金(WWF)のロシア支部が政府や議会に働きかけていた。
日露双方の漁船が禁止対象となり、北海道東部では水産加工など関連産業も含めて
約250億円の影響が出ると試算されている。
日本政府は「流し網漁は長年の日露協力の重要な一部をなし、禁止には科学的な根拠がない」
として、ロシア政府に法改正の取りやめを働きかけていた。安倍晋三首相も6月24日に
プーチン氏と電話協議した際、流し網漁禁止への懸念を伝えていた。改正提案者の一人で
プーチン氏側近のマトビエンコ上院議長は6月下旬、「(禁止は)日本に向けたものではない」
と強調。プーチン政権として漁業問題が日露関係全般に波及することは避けたい意向とみられる。
流し網漁禁止はウクライナ危機を巡る日本の対露制裁への報復との見方も一部にあった。
だが、ロシア極東では日本と同様に流し網漁を行うサハリン州と、沿岸漁業を行うカムチャツカ
地方の利害対立があった。カムチャツカ側漁業ロビーの強い働きかけが背景にあったとみられる。
改正案は6月10日に下院、同24日に上院で可決され、署名は同29日付だった。
改正法成立で最後となることが決まった今年の流し網漁は6月、日露両政府の協議で日本漁船の
漁獲割当量が前年の6630トンより約7割少ない1961.75トンで妥結している。
◇林農相「極めて残念」
ロシアで流し網漁を来年から禁止する法が成立したことを受けて、林芳正農相は1日、
「法律が成立したことは、極めて残念」とする談話を発表した。
林農相は「北海道道東地域を中心に、地域経済の中核を担う重要な漁業の一つであることから、
地元関連産業への大きな影響が懸念される」と指摘。今後の対応については「直ちに幹部を
(北海道などに)派遣して現地の状況を把握するとともに関係者の皆様の意向を伺い、
関係府省とも連携しつつ、万全の対策を講じる」と強調した。
日本政府はこれまでロシア側に対して、日本漁船による流し網漁が存続できるよう働きかけを
続けてきた。ロシアで法が成立したことで、今後は北海道などの漁業者への支援をどう行うかが
焦点となる。政府は漁業者らの意向を聞いた上で、サケ・マス漁ができなくなることでの影響を
精査し、必要な支援策を検討する方針だ。【松倉佑輔】
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