08/04/19 01:00:05 jEql/u8f
>>422
「あさきゆめみし」の「し」が、過去の助動詞「き」だとすれば
このフレーズは連体形で結ばれていることになるが
文脈からも係り受けからも、ここは文末、すなわち終止形と考えられる。
よって、打消推量の「じ」のほうが、妥当性が高い、という判断。
ただし、余情表現として文末を連体形で結ぶこともないわけではない。
(平安後期以降流行・一般化した。
その結果、二段活用の動詞の終止形はすべて連体形に取って代わられることとなり
現代ではすべて一段化している)
よって、この「し」が、過去の「き」である可能性も、まったくゼロ、ではない。
しかし、いろは歌の成立年代を考えると、残念ながら、その可能性はかなり低そうだ。
「残念ながら」と書いたのは、私的には、「浅き夢見じ」より「浅き夢見し」の解釈のほうが
好みだし、文学性も高いように感じられるから。
ましかし、このへんは個人的な主観でしかない。
主観より文法的事実を優先しないと、恣意的な解釈がまかり通ることになってしまう。