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実際ラッセルは、中国の全てが気に入ったようである。中国人が科学に
無関心であることまで賞めたと言われている。(8) しかしこれは、
あのビクトリア的進歩主義者ラッセル、科学的思想家ラッセルとしては
大いなる矛盾に違いないし、そればかりでなく、中国が当面の危機を
のりきって自立するための主に西欧的科学思想的バックボーンを求めて
きたヤング・チャイナの気構えにも逆行するものである筈だろう。事実、
ラッセルの中国骨董趣味に対しては、ときおり中国人から「抹香臭い
(It smells Buddhist)」と嫌な顔をされたというし(9)、前衛的な知識人
たちはさらに厳しい反応を示しもしたのであった。例えば、魯迅の次の
言葉を聴いてみよう。