10/12/03 04:11:18
ティファが目を覚ました頃に、肝心のガロードは昨日の襲撃者以上に強敵な
そして到底敵わない相手に挑んでいた。相手はフリーデン船医:テクス
師匠とも言えるジャミル・ニートをしても彼を相手するのは難しい
テクス「駄目だ」
ガロード「何でだよ!構わないだろ!?」
テクス「残念だがデリケートすぎる問題だ。もちろんティファがNTだからという訳ではない」
エスタルドにいる時は、ガロードはティファ一人にだけ目を向けるなど不可能だった
将軍の死や、親友ウィリスの悲痛なまでの覚悟と幼いながらも見せた民族代表としての誇り
彼らの力に立てないのかと思い悩む内に、知らず知らず一番大事だった物を遠ざけていた。見えなくなっていた
その結果が昨日のあのザマである
ガロード「ティファが傷ついたのは俺のせいだから…もっと傍にいてやらないといけなかったのに」
テクス「やれやれ…」
コーヒーを入れて椅子に座るテクス
目の前で呆然と立たれると、まるで自分が彼に無用な説教をしていると誤解されてしまう
とりあえずガロードを座らせる
テクス「エスタルドでのこともそうだが、世界を見るというのは子供には難しすぎることなのかもしれんな」
ガロード「へっ…?」
テクス「何もお前たちが特別という訳ではない。ジャミルも同じだったはずだ」
ガロード「さっきからなに言ってんの?」
テクス「ガロード…お前はエスタルドに居たことを後悔したり、力の無さを歎くばかりだったか?何も学ばなかったのか?」
たとえばフリーデンの仲間たちに聞いてみよう。ガロードはウィリスたちと知り合ってはいけなかったのかと
エスタルドという国の全てが悲しい思い出でしかなかったのかと
クルーの仲間たちの誰もが知っている。答えはNO
テクス「結果はどうであれ、お前はまた一つ成長した。そうやって人は少しづつ視野を広げて大人になる」
ガロード「………」
テクス「何も傍に居るだけが守るということじゃない。不安定な時だからこそ、悩んで後悔して泣いて大きくなれ。それからティファを守れ…
お前だけじゃない、ウィッツやロアビィ、ジャミルや私。皆がお前たちを支えている」
コーヒー一杯をじっくり味わいながらテクスは話を終えた
少しの言葉だったけれどガロードの持つ葛藤は一つ減り、少しだが気が楽になる
テクス「そうだ。ティファのところに食事を持っていてあげないとな…彼女ももうそろそろ目覚めているだろう」
ガロード「あっ!俺が行って来るよ!!」
ただ残念なことに、肝心の話の内容。テクスから聞きたかったのは「ティファの夢の詳細」で
これについては見事にはぐらかされてしまった
そのことに気付くのはガロードがティファの部屋の前まで来た時だった…