10/11/20 05:16:12
十分ほどたち涙も枯れたのか落ち着くティファ
「ぐすっ……ガロード……」
「ティファ、何があったんだ?あんなうなされかたにあの泣き方…
普通の悪い夢のレベルじゃねえぜ……もし良かったら、俺に話してくれないか?」
「……うん……あのね……」
ティファは夢のことを話した ずっと暗く冷たい暗闇の中で一人ぼっちだったこと
走って出口を探しても全然見つからないこと 何回もガロードの名前を呼んだが空しく響くだけだったこと
彼女は喋りながらまた瞳に涙を浮かべ始めていた
「そんなことがあったのか……」
「うん……あのね、私ずっと泣きながら考えてたの……なんで、あんな夢を見たんだろうって……」
「……私、ガロードに会うまでずっとあんな暗闇の中にいたの……
何も無い…何も感じられない…冷たくて…孤独で…寂しくて だけど…」
「だけど?」
ティファはその続きの言葉を紡ぐことに若干とまどっていたが、息を整えて一気に語りだした
「だけど……ガロードやフリーデンの皆やカリスたちに出会ってやっと暗闇から出ることが出来たの……
ずっと一人ぼっちだった私にガロードは手を差し伸べてくれた…… 何のために生きているのか
分からない私に生きる意味をおしえてくれたのもガロード…… 人の温もりもガロードは教えてくれた……
だから……またあの一人ぼっちになると思ったら……あの温もりにもう会えないと思ったら……」
もうあの孤独にはあいたくなかった 一度あの温もりを知ってしまったから
大切な人と共に過ごす日々の素晴らしさを知ってしまったから……
あの素晴らしい時間をいつか失うと考えたら……
だからあれほどまでにティファは泣きじゃくってしまったのだ
「ティファ……」
ガロードは未だ微かに震えているティファの肩を優しく抱いた
不安に押しつぶされそうな少女に優しさで覆いかぶさるように
「……あ」
「大丈夫だよ…何も心配することはないよ、ティファ……」
「……え?」
ガロードは彼女の瞳から零れている涙を指でそっと拭ってあげた
「俺の心は……俺の全ては……ティファのものだから……」
「……え?」
あまりにも唐突な言葉。それでもガロードは淀みなくティファに囁き続ける
「もう、俺はティファ無しじゃ生きられない……俺はティファから離れたりしない……俺は俺の全てを……
俺の未来も何もかもをティファに捧げたいんだ………ずっとティファと一緒にいたいんだ」
「ガロード……」
「ティファ…………愛してるよ……」
「おいで……ティファ……」
彼女にできたのはただ自分を愛しているといった少年の腕の中に飛び込んで泣き続けることだけだった
ただただ嬉しかった こんなにも自分のことを好きでいてくれる人がいたのだ
自分の大切な人が自分無しでは生きられないとまで言ってくれた これ以上の喜びがどこにあるだろう?
「ガロード……こんな私でいいの?こんな私で……」
だからこそ不安だった こんなに純粋な彼と自分が共にいる資格があるのか…こんな自分が……