10/11/25 17:31:29 C7meAirM
女であることは忘れろ、と言う割に、あなたはいつも私を背中に庇ってくれる。
戦わなくては生きていけない中、私にできることは、言われたことを忠実にすることだけ。
ロボットのように正確に、犬のように忠実に。それ以上のことはできないけれど。
私もあなたの武器の一つになれるように、ただそう願って仕えてきました。
せき立てる目はとても真剣でちょっと怖かったけど、いつも見守っていてくれたんですね。
私より先に、私の危険に気付くくらいに。
私を庇ってくれなくてもよかった。私はできることならあなたを守っていたかった。
戦いの中ではお前は女ではないと、兵士だと、あなたは何度もそう言ったのに。
なぜ、今になって、泥と涙にまみれた私をそんな優しい目で見るのですか。
汚れてボロボロになった私を見て、かわいいと、好きだと、なぜ言うのですか。
お願いです、怖くていいからここから遠くに行かないでください、一緒にいてください。
行かないで。どうか生きて。死なないで。お願い、お願いします。お願いだから。
こんなに大きな手だったなんて知らなかった、こんな温かさも知らなかった。
まだまだ時間はあると思ってた。あなたの姿、見てられると思ってた。