10/11/13 08:20:43 1nhIOz0m
>>527つづき
どんな叱咤が待つのかと教授の部屋を訪れる喪子。
はぁ~と溜め息をついて、ドアをノックし、部屋に入る。
初めて入る教授の部屋は入ってすぐにテーブルとソファ、窓際に机、大きな一部屋を区切るように書棚があり、
その一角にも机があり小さな図書室のようだ。
座るよう促され、ソファに座る。テーブルに腰かけた教授と脚が触れそうになる程距離が近い。
教授は全く口を開かず、喪子はどうして良いかわからない。
「さっきの件で」「ふぇあい!」
教授がようやく口を開いたが喪子は余りにも緊張していたため変な声が出た。
少し顔を反らせた後、向き直った教授は言葉を続ける
「…君ではなく男沢を呼び出すべきなんだろうが」「あ、いえ、はい」
「…ノートと講義中の君の様子からすれば今回の事は不可抗力の範囲内かとは思える」
「はぁ、私も何が何だか」
「そこが気に入らなくもあるが」
そう言った教授は喪子の顎に手をかける。顔が近付く。唇が触れるギリギリで止まる。
「…やめてくれと言わないのか」耳元き唇を近付け、囁くように言う。
「…や、やめてくだ…」
「もう遅い」
言い終わらないうちに教授は喪子の唇を塞ぐ。
男沢の唇を思い出す。そんな気持ちを見透かすように教授は唇を離す
「油断したのは君じゃない。僕だ」眼鏡を外してテーブルに置く。
再び唇が重なる。優しい言葉とは裏腹に、教授は喪子の唇を開かせると中に入って来る。
昼休みで騒がしいはずの校内だが、この部屋には唇を合わせる音しかしない。
抵抗する腕からどんどん力が抜ける。
その時荒くドアを叩く音。
「おーい、教授、喪野さんいるよね?返して。」
男沢の声だった。