10/09/27 03:04:23 jJm/yams
外見でバイキン呼ばわりされる日々。
出歩いていると因縁をつけてくるアンパンマン。
問答無用で繰り出されるアンパンチ。
顔面を襲う衝撃。
吹き飛ばされる細身の身体。
「バイバイキーン」
言って、おどけてみせるバイキンマンの哀しさ。
逃げ帰った家。
引き篭もるバイキンマン。
外出することへの恐怖。
フラッシュバックする記憶。
「お前の顔は醜いバイキンそのものだ」
耳について離れないカバオの言葉。
布団をかぶって閉じこもる暗い部屋。
時折どうしようもなくあげてしまう、言葉にならない叫び。
堪らなく身もだえする夜。
叩き割られた部屋の鏡。
鏡の破片で裂けた拳。
流れ落ちる鮮血。
割れた鏡に歪んで映る紫の顔。
それでも誰かに好かれたいと願う心。
鏡の破片に向かって、笑顔を作ってみせる健気な努力。
「ハッヒフッヘホー」
笑い声は、けれど道化じみた奇妙な笑声。