11/12/04 00:31:56.91 uWIO4NxT0
女神は歩美に!舞校祭も本番に突入する中、桂馬、次の一手は? FLAG169「淵」
舞校祭1日目の早朝。桂馬は軽音部のドアの前にいた。
様子をうかがい、中に入る。まだ誰もいないようだ。
桂馬「……」(早出して練習してるかと思ったが……)(まさか……)(バンドやめたりはしないだろうが……)
??「わぁ―!!」
桂馬「うお!?」
急に背後から抱きつかれ、桂馬は驚く。振り返るとエルのんがいた。LCが変装を解く。
LCはかのんの仕事で忙しい中、バンドの練習に来たもののまだ誰も来ていない。
LC「も~~私、芸能人で忙しいのに~~~」「この後場所(ショバ)変えてリハなんで~~ケツカッチンでリスケ無理です。」
桂馬「フツーにしゃべれ~~」
図に乗るLCのこめかみをグリグリ。
桂馬(中途半端なフォローは無意味だ…)(ちひろにはノータッチだ……)(これから先考えると…)(ちひろは遠ざけた方がいいんだ…)
(しかも、歩美とちひろの関係性は前と変わっていない。)(バンドは安定している。)
(ライブ本番は明日…)(歩美の攻略…)(今やるべきなのか…?)
LC「にーさまー1888年って明治何年ですかー?」
桂馬が考え事をしていると、LCがまったく関係のないことを聞いてくる。
桂馬が明治21年だと指摘すると、LCはメモ用紙を書き直し、読む。かのんライブのMCのための練習だとか。
「にーさま、知ってました?」「舞校祭ってずいぶん古い祭なんですね。」
桂馬「二階堂に聞いたよ。」「学校ができた時からの祭だろ。」
LC「違いますよー。」「学校ができる前から、」「お祭りはやってたんですよ~~」
そんなに古いのか、と桂馬はLCからメモを取り上げる。表は舞校祭のチラシ。真ん中の校章は、六角形の中に女性の横顔。
桂馬「そーいえばさ……」「うちの校章のこれ……」「なんなんだろうな…」
LCが返事したとたん、部室のドアが開く音がする。
ちひろだ。LCがいるのを見て、ちひろに笑顔が。
LC「ちひろさーん!!」「お休みしてすみません~~~!!」
ちひろ「もークビにしようかと思ったぜ――」
LC「にーさま!!」「ちひろさん来ましたよ――」
桂馬のいた方に振り向く。しかし、桂馬は窓から逃げ出したらしく、いない。
ちひろ「だ…」「誰もいないじゃん…」
ちひろの顔がひきつる。そうこうしていると、他のメンバーも登校。歩美の元気がない。
??「これ、最後の練習だよ―」「気合い気合い――!!」
各所で本番前の準備が行われている。
図書館を一般客へ部分開放するため、栞は入り口のガラス戸を掃除中。
突然背後から呼ばれ、振り返ると桂馬がいる。
桂馬「調べ物がしたい。」「手伝ってくれないか。」
桂馬は栞の返事を待たず館内へ連れ込む。
「この図書館に、」「舞島学園についての本ないかな?」「前みたく400冊とかいいからな!!」「ある程度絞って持ってきてくれ。」
栞が持ってきたのは、本2冊とパンフレット1冊。ひとまず舞島市史と書かれた本を開く。
1888年 舞島学人会(現・学校法人舞島学園)により、舞島女子塾として開校。
1889年 第1回舞島祭(鎮守祭)開催。
このあと沿革が続く。
<校章の由来> 女神デメテル。
デメテルは古代ギリシア神話に登場する、豊穣を司る女神の名前です。舞島学園での生活が実り豊かなものになるよう願いが込められています。
女神の回りの麦は謙虚さを表わし、女神の周りの六角形はそれぞれ「純真」「叡智」「創造」「勇気」「思慮」「互助」を表わしています。
かつてハクアが逃がした駆け魂を追ってきたとき、ここが元古戦場らしいという話をした。
よく出るらしいというオバケが、実は女神だったら…考えすぎか…?
「学校ができた後の情報しかないな…」「学校が建つ前の話はないのか?」
栞「その前は多分資料はないです…」「このあたりは前は私有地だったので…」「持ち主だった人に聞かないと…」
アテが外れたかもしれない。そういえば、もう一つ重要なことがあったな、と考えていると。
「あ…」「……」「本じゃなくて……」「書類とかあるかもしれません……」
栞が何かを思い出したらしい。二人で書庫に行き、鍵つき引き出しにしまわれた書類を見る。
当時の校舎設計図、それにいくつかの写真。その中に、地鎮祭と劇場が写るものがある。
よく見れば、現在と建物の形が違う。なにより、この写真は旧校舎が建つより前のもの。
桂馬(このシアターの下で……)(僕は駆け魂の大群を見た……!!)(そして女神の校章……)(これはつまり…)「確かめたいことがある……」「行こう、シアターに!!」
この謎のベール、はがしていいのか?次号!