11/10/15 20:35:13.93 yNz2acu00
>>213-214
迷い込んだのは銀時でなく、ひょっとして金時の方が迷い込んで来たんじゃないか? と思うんだが。
「それにしても……いい夢を見た」
「夢?」
「あぁ。以前から似たような夢を見ているんだが、俺が万事屋金ちゃんとかいう
ワケのわからない職業で、かぶき町のスナックの二階に間借りしているんだ。
それで、新八君と天人の女の子との三人で、いつも色んな事件に首を突っ込んでは
鮮やかに解決しているんだ。天人がのさばってるのは相変わらずな世界だっていうのに、
何だかとっても楽しい毎日で……」
「ハハ、万事屋金ちゃんですか……僕も夢でいいから、そんな貴方に会ってみたいですね」
「アハハ……そうね。こっちじゃもうかぶき町なんて土地ごと消し去られちゃってるもんね、坂田さん」
「―夢の、世界に……向こうの世界に行けたらいいな。あっちで粋に格好良く生きてる俺が本当で、
こっちの世界のことが、あっちの世界の俺が見ているただの悪い夢だったら。どんなに、どんなにいいだろうな」
「あぁ。もし、これが夢なら……いま死んでもいいです」
「新八君、お妙さん。今までずっと言うのを我慢してきたけど……もう俺たちは駄目だ。
この星は完全に天人に征服されてしまった。俺たちがどんなに戦っても、もう勝ち目は無い……」
「あぁ……わかっています。僕たちの……侍達の負けだ」
「もっと……いや。一度でいいから、下らないバカ騒ぎがしてみたかった。もっと人生を楽しみたかったよ」
「金時さん……??」