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男という、そういう生き物だからなのか、
将来人に誇れる仕事に就きたいという意思は本能的に持っている。
父が裁判所勤めだったこともあり、高校2年の終わりまでは
「東大に行って弁護士か裁判官になろう」と必死に勉強をしていた。
(ただ、勉強、とりわけ受験にしか役に立たない勉強が苦手だったため、
高校3年生になる直前、発狂して勉強をやめ、ギリギリで美大に進学した。)
漫画家という仕事に対して抱くイメージは人それぞれだろうが、
人に誇るなら、とびっきり売れている作家がいい。ただそれだけ。
僕が向いてないにも拘らず執拗にジャンプを狙う理由。
聞いたこともないような雑誌で聞いたこともないような漫画を連載して、
「好きな人は好きだよね」と言われるような漫画家にはなりたくない。
漫画家としてはそれでいい。でも男としていやだ。それだけ。
「売れたい」「有名になりたい」「偉くなりたい」
「自分は漫画家なんだと誇れる人間になりたい」
一見くだらなく見えるその最後のプライドが、野望が、
底辺ではなく、頂上を目指す原動力。
「バカな男だ」「男ってバカね」
ただ上へ上へ、カッコ悪く必死に這い上がろうとしてるところを
そういって指差しながら隣の人間と一緒に笑ってくれていればいい。
お金はいらないとか別に売れなくてもいいとか
絵さえ描いて生きていければ幸せとか、
カッコいいこと言って笑っていればいい。
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