10/11/28 18:41:01
①
アメリカ同時多発テロいわゆる9・11が起きた2001年に、ごく小規模な事件が俺の身近であった。
この事で嫁と結婚するのだから、米国の外交戦略の躓きはいろいろと波紋を広げていたのだろう。
当時俺は大学4年、嫁は3年、国際マクロ経済を専攻する同じゼミ所属であった。
その日は教授をはじめ教官達は急がしそうで学生達だけで輪講形式の論文読書会をしていた。
しかし何度も流れていたニューヨークにあった世界貿易センタービルにジャンボ機が突入する映像は
学生の我々に将来への漠然とした不安を与えたのであろう、皆がそれぞれ張り詰めた感じだった。
意を決したように院生の一人が事件を話題にした、これからの世界はどうなるのかと、
皆で予想している事をいってみようと。
そのゼミは硬派(嫁を含む)の人間が多く、必然的に真面目な=暗い議論になった。
異端児の俺は、まだ見ぬテロリスト達の思惑など考える事が出来ずについ、
「あのビルってどこかでみた事があると思ったら、ブラピのPVで使ってましたよね?」
と場違いな発言をしてしまった。明らかな失言だと思った。
が、事件はここから起きる。
普段は大学内にいた華やいだ女子学生とは一線を隔していた、成績も優秀で資格なども取っていた嫁が
「あ、それ知ってます、私踊れます!」といって急に立って
「♪ずぅれたまぁの悪さも、そぉれがきぃみの タ イ ミ ン グ」と歌いながら踊り出した。