10/09/21 22:07:15
何事も出発の第一歩は感動のエネルギーに満ちている。
「現在」を生きる私達は「過去」に学び、「未来」に夢を託して生きていきたいと思う。
「創造」と「感動」は表裏一体であり、“創造のエネルギー”は“感動のエネルギー”に相通じ、「芸術」「ソーシャルワーク」「教育」も広く創造性によって培われている。
広中平祐先生は昔から「創才」という言葉を述べておられる。天才や秀才や英才、そして凡才、鈍才という区分ではなく、すべての人に通じる「創才」という概念によって人それぞれの中に内包される多様な才能を引き出そうという考え方だと思う。
私は今から16年前、水琴亭庭園の築造に精力を傾注していたころ、「創造への提言」という一文を起草し、「森と学園」という学園の小冊子に掲載した。現在も水琴亭を紹介するパンフレットとしてこれを配布している。
私の師匠である臨済宗妙心寺派管長猊下である西片義保老大師に大学名のいくつかの案を見て頂き、選んで頂いた新大学名が「創造学園大学」である。従って、新大学の命名者は臨済宗妙心寺派管長猊下であり、
その背景には「創造」という概念が、藤井喜三郎先生と共に歩んだ水琴亭庭園造りの中から醸成されてきた。広中平祐先生によって示された「創才」という新しい実践的方向性が加えられることによって一層光彩が増している。
ソーシャルワーク学部の命名者は、“日本における社会福祉の父”ともいえる仲村優一先生である。21世紀の社会福祉教育はソーシャルワークという概念で捉えられていくことになろうと仲村先生からご教示いただいた。
「創造」の反対語は「破壊」であり、「破壊」の極致が「戦争」である。
近代戦争は人間と人間性を破壊し尽くし、心を破滅させ、文明を破壊し、ジェノサイド(民族の抹殺)に至る。
「教育」は「平和」を必要条件としている。私達は「テロ」に対しても「戦争行為」に対しても常に厳しくNON!と言わなければならない。
過去の歴史上、特に近代戦争の無差別殺戮が前提となった大量破壊に対しては正義が微塵も存在していなかったことを若い世代に伝えていくことが大切である。
2000年の終わり、20世紀の幕開けにあたって全世界の人々は21世紀こそ希望と明るい未来を切り拓く世紀にしたいと心から願った。
しかし2001年9月11日のニューョークのテロ以来今日まで、日本を含めた世界はテロと戦争の悪循環のるつぼに投げ込まれ、そのるつぼの中で自らを失いつつある。
21世紀の4年目にあたる今年こそ、 「テロ」にも「大国の戦争」にも屈せず、人間性を破壊する全てのテロと戦争に正義が存在しないことを主張していくことが大切だと思う。
「国際」「福祉」「環境」という言葉に敏感に反応する貴方の魂は純粋な自己の確立と社会の接点を求めようとする心そのものによっている。
大自然との共生というテーマと自己の確立は切り離すことができない。
願わくばハングリーな精神を内に培い、ボランティアの精神を分かち合い、国際的視野に立ちたまえ、福祉を実践したまえ、環境問題を地球規模でとらえて具体 的に行動したまえ 。
創造学園大学 学長
堀越哲二
URLリンク(souzou.ac.jp)