11/02/04 21:50:16 i4Y9cO6z
「さあ!いよいよ決戦よ!」
巨大トランク3つをカートに載せ、それをPチャンに運ばせながら、ジョニ子は意気揚々と波を蹴立てて進む。
「重いよー!この中何詰まってんだ。武器か?通信機か?」
パッキングを手伝わされたリッポンは、ウンザリした顔でPチャンに答える。
「ある種の……戦闘服だよ」
「服だぁ?なんでだよ」
「なんでって……ジョニ子姐さんだからだろうが」
もちろん化粧品もぎっちり詰まっている。
385:スポーツ好きさん
11/02/04 22:20:17 ibLIcrUu
服といえば、ピンク娘達の間でも一波乱が…
サムソン「ちょっとアレクシ、どうして衣裳替えたのよ。ピンク娘じゃなくなっちゃったじゃない」
ギルス「だってレイチェルが衣裳を新調してたんだもの。羨ましかったの」
ザワツキー「えー、ずるいー。私だって新しいの欲しいのにー」
サムソン「もう!ピンク娘としての誇りはないの!」
そこへ通りかかったジョニ子姐さん。
「アンタ達しょうがないわねぇ…。よし!ここはアタシが一肌脱いで、デザインしてあげるわ!」
「「「それは遠慮するわ、ジョニー」」」
ピンク娘達は仲直りした。
386:スポーツ好きさん
11/02/05 16:34:46 +IdKuHsl
ピンクバスはピンク娘たちの諍いを耳にして、気が気でない。
『みんな仲良くしようよー。ケンカしながら旅しても楽しくないよー』
しかしジョニ子がなにやら一言声をかけただけで、また三人娘の結束は固まった。
『なんかわけわかんない人だと思ってたけど、ジョニ子さんってすごいんだな』
この瞬間、また一人(一台)ジョニ子の信奉者(車)が増えた。
387:スポーツ好きさん
11/02/05 22:35:53 HGlnbN3N
ピンクバスの中で海賊の剣を磨きつつも、どうも釈然としない様子なのはチャッキー。
チャキ「おかしいなぁ。僕がネモ船長みたく渋く活躍するはずだったのに・・・
ちょっと想像してたのと違う・・・」
Pチャン「そりゃあお前って、どう贔屓目に見ても、百歩譲ってもトム・ソーヤなんだもん」
チャキ「なんで百歩も譲ってトム・ソーヤなんだよ!僕だってもう二十歳だよ!」
バトル「大人のケヴィンを見せちゃうかい?まあ、チョコでもお食べよもぐもぐもぐ」
レイチェル「ありがとう。いただくわもぐもぐもぐ」
リッポン「レイチェル・・・参謀本部とかに居なくていいの・・・?」
388:スポーツ好きさん
11/02/06 11:55:08 JeQ/sY4F
ナッツチョコを音高くかじりつつレイチェルは呟く。
「総力戦よ。現場で臨機応変に指示を出せるようにしなくちゃもぐもぐもぐ」
「そういう事か……なるほど」
ピンクバスの外には、小イカ神輿に乗せられた川スミペア、
そして海蛇・ウツボ神輿に乗せられたリューキンが。
しんがりを務めるのは、大王イカ+エヴァン(イカの方)王子である。
「イカの真の戦い方をおしえてやるなう」
「緊張するけど、パパよろしなう」
389:スポーツ好きさん
11/02/06 12:22:09 HwvnL+9O
総力戦といいつつも、イカ宮城の若いイカやカツオの兵たちは城に待機させられている。
「これはいったいどういう事だ?俺らは足手まといという事だろうか?」
一部で不満の声があがるが、執事イカが説明する。
「大西洋のマッコウクジラとうちは正式に永久停戦条約を結んだわけではない。
太平洋での戦いでこちらが劣勢となれば、やつはあっさり太平洋の小僧と
同盟を組み、こちらを潰しにかかるであろう―というのが、レイチェル嬢の読みだ」
「つまり今は日和見をしているだけ、と」
「そういう事だ。配備に戻れ」
油断も隙もあったもんじゃねーな、と話し合いながら、若い兵たちはそれぞれの持場につく。
390:スポーツ好きさん
11/02/07 12:23:32 erqiwBdA
ピンクバスの最後尾席で、ジョニ子はサーシャとしばし世間話。
「アタシそろそろ引っ越そうと思うの。もっとお買い物に便利なところがいいかなー」
「ま、今のところも長いし、バルコニーに鳥がやたらフンするようになっちゃったし、潮時かもね」
「でね、次は戸建てにしようか迷ってるのよー。理想の間取り図を描いたりしてるんだけど」
「あら楽しそうね。見せてよ」
そこには戸建てとかなんとか以前に、城?ほぼ要塞のようなものがドーンと描かれていた。
完璧にイカ宮城の影響であろう。門兵の立ち位置まで描いてある。そして巨大なバラ園。
「ジョニ子・・・あんた、買い物に便利な都会に住みたいって言ってたっけ?」
「ええ、できればNYのど真ん中に」
「どこにこんな土地があるってーのよ!ヤンキースタジアム潰してもまだ足りないわ。まったく」
「土地持ちの素敵な王子様が現れないかしら。プリティ・ウーマンみたいな恋したい!」
「勝手にしなさい!。ほんと夢見がちなんだから」
391:スポーツ好きさん
11/02/07 16:27:49 YL7VxdVH
「それでね、庭には池も造って、鶴と亀のオブジェを置いて…って、サーシャ聞いてる?」
「はいはい、聞いてる聞いてる」
呆れたサーシャは傍らにあった雑誌をめくり、おざなりに返事する。
クリス「じゃが、姉上。こうしてまた戦いの場を与えられるとは忍び冥利に尽きるのう」
キャシー「忍びじゃないし。なんであんたはちょいちょい時代劇モードに入るのよ」
美姫「でもキャシーって生粋日本人よりくノ一衣裳、似合うよねぇ。
という訳で佳菜子から借りて来たよ!」
本田「美姫ちゃん…、その部分は鎖帷子じゃないんじゃないかなぁ…?」
ランビ「いよいよ決戦だね~。でも、僕はレポーターの仕事もしないとなあ。
ブライアン、戦いを前にした今の心境を一言」
ジュベ「あちいっ!ステファンっ!!松明をマイク代わりにするなっ!!」
392:スポーツ好きさん
11/02/07 18:03:40 aKec7O/k
「キャーッ!ランビ様が松明をもってらっしゃるわー!素敵!」
「炎の貴公子よ・・・焼き尽くされたい」「こっち向いてー!!」
ノコギリザメ娘たちがスピードアップしてピンクバスに並泳。
「おや、僕のかわいいニンフたちがついてきてくれているよ。いじらしいなあアハン」
ランビは余裕のほほえみで彼女たちに投げキス。
生理的に鮫が受け付けないジョニ子は、豪邸計画もそっちのけでサーシャにしがみついている。
「彼女たちはまがりなりにもスケートファンで、しかも有力な味方よ。いちいち怖がるのやめなさいな」
サーシャに諌められるが、クルリン睫毛をシパシパさせながら震えが止まらない。
イッカクボーイズは寒い海域出身なもので赤道に近づくにつれバテ気味。
「ジュベールさんについてくぞぉー!この身が溶けたって加勢するぞー!」
そんな彼らにノコギリザメガールズが冷えピタを分けてあげたりして、爽やかな交流も発生。
393:スポーツ好きさん
11/02/08 08:53:25 OpQP3KJz
ピンクバス他一行は無人島に到着。
浜辺に降り立つスケーターズ、周囲の海で待機するイッカク・ノコギリザメ・ウツボ・ウミヘビ・イカたち。
「さーて一休み」「させないわよ!」
今度はジョニ子のバカンスモードをサーシャが瞬時に阻止。
「じゃ、この地図見て。深海商店街で仲良くなったイカ奥様たちに訊いたのよ。マッコウクジラのアジト」
「これさっきの妄想邸宅間取り図の裏じゃないの。こういう重要情報はもっと大事に扱いなさいよ」
マフィアのアジトの在処がそこいらの主婦に知られているという状況に、経営者は驚愕したのだが
サーシャのツッコミにかぶせるのが面倒なのであえて触れずに、隣から地図を覗く。
「エヴァン(人間の方)もこのアジトにいるのかな。退屈してなきゃいいが」
リューキンも地図を見ている。瞳の奥で静かに闘志を揺らめかせながら。
394:スポーツ好きさん
11/02/09 12:56:53 YLzOw1BH
「大王様、ひとつ確認しておきたい事が」
作戦参謀のレイチェルである。
「今回の戦いの最終目的はなんでしょう?太平洋マッコウクジラ1頭の抹殺・
その手下全員をも含むマフィア壊滅・エヴァン(人の方)の救出のみ・・・どうしたものかと」
「まずはエヴァンの救出だ。私は領海拡大に興味はないし、小僧相手に手間をかけて
仲間に危険が及ぶような事は避けたい」
「平和主義なのですね」
「・・・今はな」
「事と次第によれば?」
「マフィア全員ひねり潰す。この海域を海草一本生えないほどの焦土にするかもしれない」
小イカ大勢と川スミを残し、全員が深海へと向かう。
「やっぱり現実的に考えたら、セキュリティ完備のコンドミニアムがいいのかしらー。
ワンベッドルームで、そこそこのクローゼットがついてて、ってこぢんまりタイプ」
ジョニ子は凄まじい緊迫感の中でも、まだ引越し先の検討を忘れない。
395:スポーツ好きさん
11/02/09 18:26:56 +6HKQ3O+
ノコギリザメのうち一匹が、美姫のブレスレットに目を留める。
「あ、かわいー。彼氏さんからのプレゼントですか?」
「違うの。あのね・・・」
難破船からの戦利品という事をコッソリ教えると、数匹のノコギリザメが興味を示した。
「行ってみたーい。ちょっとだけ抜けて寄ってきていいですかね?」
「これだけ大勢いたらいいんじゃない?まだアジト突入まで間があるし」
こっそり戦隊から離脱した美姫+ノコギリザメは難破船を注意深く観察するうちに、
不自然な柵状の箇所と、その前で身悶えているイシイルカを発見した。
「エヴァン~!アタシたち哺乳類同士よ・・・ね、いわんとする事わかるでしょ。ねえったら」
甘い声で誘惑する彼女の背後からそっと美姫が接近。おもむろにスピンで背ビレのあたりを蹴飛ばす。
「ぎゃぁぁぁ!!」
気絶するイシイルカをおしのけ、檻の奥に引っ込んでいるライサを確認。
「私は急いで本隊に知らせてくるから、その間に檻を破ってあげて!」
「お安い御用です!」
アクセサリーの事など忘れ、ノコギリザメたちは大急ぎで頭部のノコギリを振り回す。
396:スポーツ好きさん
11/02/09 19:10:31 stiQmKYx
「うわああああああああああ」
突然にやってきたノコギリザメの群れにライサは悲鳴をあげる。
ライサからは美姫の姿は見えていなかったのだ。
急にイシイルカがはね飛ばされ、ノコギリザメが必死の形相で
檻を破っているこの状況。
(ヤバイっ俺、食われる…
いや、それよりもなによりも俺のことを慕ってくれてたイシイルカが…)
そう思うよりも早く身体が動いた。
檻を自分の力でこじ開けノコギリザメの群れを与一スピンで吹き飛ばし
イシイルカを抱えて、ライサは飛んだ。
397:スポーツ好きさん
11/02/10 11:18:05 KpV+TExp
「何人たりとも僕の前は走らせねぇ!」
ネモ船長というより懐かしの某カーレース漫画の主人公状態のチャッキー。
フルスピードで戦隊の先陣を切って進む。
「10年早いんだよ!」
こちらは某格闘ゲームのキャラ状態のPチャン。チャッキーの襟を掴んで引きずり倒す。
「あの二人を先に行かせて、アダムとJテン・Dテン、ブライアンとイッカク部隊が正面から突入。
他はアジト後方に向かって、逃げてくるのを待ち構えるって戦法でいきましょう。で、ナスティア?」
参謀・レイチェルに声をかけられ、リューキンが振り返る。
「ん?」
「あなたはウツボ・ウミヘビ部隊を率いてアジトの真上にいて。異常が発生したらすぐに知らせて」
「見張りかよ。つまんねー」
「自分たちで仕留められるレベルの敵なら潰しちゃってよ」
「りょうかーい」
粋なウインクを飛ばし、リューキンはしなやかに力強く海面目指して急上昇していく。
398:スポーツ好きさん
11/02/10 16:11:17 sWsXap3f
「なんですって?エヴァン(人の方)がイシイルカと逃げた?!」
美姫からの報告を受けて驚愕の声を上げたのはジョニ子。
全員でアジトを強襲という命令を無視して・・・というかお喋りしていて出遅れて、
そのままちゃっかり浜辺でティータイムをしていた。
サーシャ「どういう事かしら?それはそうとサラ、赤道直下の島でホットチョコはきついわ」
サラ「スイス人はホットチョコしか飲まないのよ(ウソ)」
更にちゃっかりそれに付き合うサーシャとサラ他欧州美女たち。
セべ「レイチェルの情報だと確かイシイルカはマッコウクジラの愛人・・・」
グレボワ「やだ、それって・・・」
ジョニ子「なーんだ、簡単じゃない。ずばり!駆け落ちよ~!」
ズバッシャーーーーーーーーーンッッッ!
海上に巨大な水柱が立つ。
海水と共に宙へ放られたウツボ、ウミヘビらがぼたぼたと落ちてくる間から、
ゆっくりとリューキンが近づいて来た。
「・・・・・今の話、詳しく聞かせろ」
399:スポーツ好きさん
11/02/10 17:10:55 dA9OuKlN
「ん?女の子分が減った気がする」
水中でもランビの感は鋭い。
欧州美女軍団・サーシャ・ジョニ子・美姫・ノコギリザメ女子の数人がいないのに気づいた。
そこにボロボロに傷ついたノコギリザメ女子数匹が追いついてきた。
「エヴァン(人の方)さんを難破船で見つけたんですけど、なぜか、与一スピンで吹っ飛ばされちゃって・・・すみません」
「なんでそんなひどい事に!?怪我の具合はどう?ノコギリの調子は?」
丹念にノコギリザメたちを介抱し、尾びれのマッサージまでしてやるランビ。
「ごめん、先行ってて。僕は彼女たちの容態が持ち直すのを確認して後を追うよ」
ランビの発言にレイチェルは黙ってうなずいた。
(落ち着かなきゃ。アクシデントも含めての作戦を立て直す余裕を持たなきゃ!)
400:スポーツ好きさん
11/02/11 15:45:02 8nN3TFW7
「ほらっ人類学的にも生物学的にも人間と鯨が結ばれるわけないし…ねっ」
「あら~子孫繁栄にとらわれない恋愛って素敵よ。パートナー制度もあるし子供だって持てるんだから」
「それは分かってるわよ。とりあえずこの場はジョニーは黙ってて!」
「人類の枠組みなんて常識はとっぱらおうよ、アハン。僕たちが歩んでる広い森の中で出逢えた奇跡を喜ぶべきだよ」
「あ~~っステファンはもっと黙って!ノコギリザメの介抱に集中しなさいよ」
怒り狂うリューキンを宥めるサーシャ。
欧州美女軍団は気絶したウツボとウミヘビを優しく介抱中だ。
頼みの綱と思われたジョニ子にしろいつの間にかノコギリザメ同伴で浜辺にいるランビにしろ
そんな気持ちを知ってか知らずか好き勝手言いたい放題だった。
誰かリューキンを宥めないと…サーシャは糸の先にお菓子を結び付け海に放り投げた。
401:スポーツ好きさん
11/02/11 20:20:06 k77HXgn+
「クリスピードーナツ大好き!」
海水でしっとり湿ったドーナツをくわえたバトルが釣れた。
サーシャからリューキンを宥めるよう懇願され、こくりとうなずく。
「別れて他探しなよ。ナスティアだったらいくらでも他の男がついてくる。ファイト!」
かえって暴れて椰子の木を蹴り倒したりしているリューキン。
その後姿を見つめながら、サーシャは人選ミスを悔いた。
「でもジェーニャ呼んだら、もっとシャレにならない事言いそうだし」
すっかりぬるくなってやや飲みやすくなった?ホットチョコをすすりながらぼそりと呟く。
「……本人と話しあってもいないうちに無駄に暴れて、元気だわ」
リューキンの蹴りが止まる。荒い息をつきながらサーシャを振り返る。
「……なんか言った?」
「勢いで別れちゃったら、一生後悔するわよ」
それしか言う事はない。淡々としたサーシャの態度に、リューキンはがくりと肩を落とす。
402:スポーツ好きさん
11/02/11 21:42:28 2R1mXpDf
さて駆け落ち中(?)のライサとイシイルカ。
着地した場所は太平洋のとある小さな孤島だった。
浜辺に穴をほり海水をためてそこに
絶賛気絶中のイシイルカを寝かせる。
(なんで俺、咄嗟に助けたんだろ。
確かに言い寄られて悪い気はしなくなってたけど…
もしかして俺本気でこのイルカに?いやいや、違うだろ。
でも俺って気が強い女に弱いからなー)
自分でもよくわからない一抹の不安を感じながら、ライサはじっと
イシイルカが意識を取り戻すのを待つことにした。
403:スポーツ好きさん
11/02/11 23:02:44 inYlyaB6
「探しに行って、納得いくまではなしあってらっしゃいよ」
「ただこのまま略奪されっぱなしでいいの?」
「一時の気の迷いって事もあるかもしれないし・・・それで許せるかはまた別の話だけどね」
欧州美女軍団が、リューキンに優しく語りかける。
「で、でもっ、マッコウクジラのアジトの真上、私とウツボ・ウミヘビ軍で見張らないといけないから」
ここぞと責任感の強さを発揮するリューキンの肩を、サーシャがポン、と叩く。
「レイチェルにおこられる係は私が引き受ける。あなたは全力で彼を探してらっしゃい」
苦労人の貫禄に負け、リューキンの涙腺が緩み始める。
「あらやだナスティア泣かせたの誰よー」
ジョニ子が鼻歌を歌いながらやってくる。
「あんたが来ると話がややこしいからすっこんでて!」
サーシャのキックがジョニ子の妖艶なヒップにジャストミート。
夕焼けに映えるジョニ子のシルエットはまるで羽ばたくスワン。
404:スポーツ好きさん
11/02/12 11:23:41 H1ukH9XQ
蹴り飛ばされながらジョニ子は華麗に空を舞う。
ふと眼下に小さな孤島を発見。黒長太い海洋生物と黒長い人間が寄り添うように横たわっている。
「あらやだこれって!キャー、夕焼けの中でなに愛を確かめ合ってるのー!?」
即着地したいところだが、サーシャのキック力は凄まじく、孤島の上をあっさり通過。
ライサはイシイルカの呼吸が止まってないか、顔を寄せて確認していた。
「息はあるようだ。出血はないけど、背中に打撲があるのかな」
「う、うう」
傷の確認をしているうちに、イシイルカが身じろぎし始めた。意識が戻るのか?
ジョアニー「なんか人数少なくない?」
ファヌフ「正面突破部隊に間違えて紛れ込んだんじゃない?」
ザワツキー「そうかなあ、最初からジョニ子さんたちいなかったっぽくない?」
ギルス「あの人はねえ・・・('A`)ま、私たちは後方配備に努めましょう」
サムソン「ノコギリザメとステファン、どこ行ったのかしら?まったくもう・・・」
405:スポーツ好きさん
11/02/12 12:44:35 flp4Nsib
余談だが、夕焼けに舞うジョニ子の衣服はtarzan-style skirtと派手な右手袋のみ。
赤道直下なので寒くない。だいじょぶだいじょぶ。
406:スポーツ好きさん
11/02/12 22:50:20 sWjVGC1K
「は!ここは…?」イシイルカの意識が戻った。
「アンタ…、なんでアタシを助けたの?アタシ達、敵同士なのに…」
「なんでって…条件反射かなぁ?まあ、休んでてくれ」
(イシイルカって何食うんだろう?つか俺、流されてるなぁ…orz)
自嘲しつつもライサは食糧を探しに出かける。一人(一頭)残されたイシイルカは…
「どうしよう、遊びのつもりだったのにどきどきする…この気持は……」
「それは恋よ!」
「ああっ!あなたはロシアのアリョーナ・レオノワさん!」
ばっちり魔女メイクを施したレオノワが現れた。
「そんな貴女に人魚姫印の『人間になれちゃう薬』をプレゼントするわ。
おまけでミライ・ナガス印の花占いキットも付けちゃう!手裏剣キットじゃないわよ!
どうするかは貴女の…、自由よーーー!!ほほほほほほ」
豪快にのけぞり魔女笑いで〆て、レオノワは去っていった。
「レオノワさん…、明るくって、なんていい人……」
407:スポーツ好きさん
11/02/13 14:51:11 7nKPHWuI
正面突破部隊は、ジュベ+イッカクボーイズのドリルクワドで扉どころか壁ごとアジトを破壊する。
「なんだ貴様らぁ!」
勢いよく飛び出してくるマグロやカツオに勇者の剣を向けるのはチャッキー。
タノルッツやツルスケのエッジでリッポンとPチャンも応援。
「すごい!俺マグロを三枚にさばいたぞ!ミライパパの店で雇ってもらえないかな?」
「僕はカツオを活造りにしたよ!ほらもう骨だけなのにまだ泳いでる!」
Jテン・Dテンは片っ端から部屋をぶち破り、マッコウクジラとライサの姿を探す。
「さっきサーシャから連絡が来たけど、エヴァン(人の方)はアジトにいない可能性大だって」
「じゃ、ここで探すのはマッコウクジラだけか。エヴァン(人の方)どこにいるんだろう」
Dテンは兄弟子の安否が気にかかって不安げな顔になる。
リューキンの代わりにアジト上に待機するのは川スミ&小イカ。そして欧州美女軍団とサーシャ。
「もしもの時はみんな四方八方に散って逃げるんだ。いいね?」
スミルノフの指示に小イカたちが皆うなずく。
408:スポーツ好きさん
11/02/13 21:15:05 QybiRBJX
「アーチャ、次はサーモンがいいな~」
「えーっと、とりあえずこの大トロ食べててください。
今から注文してきます」
次々にさばかれる魚たちをお寿司大好物のプルが見逃すはずなかった。
ガッちゃんがもしもの時に備えた
炊飯器とすし酢の持ち込み大正解。
409:スポーツ好きさん
11/02/13 21:17:22 j1cTD+02
リューキンはウミヘビ・ウツボ神輿に乗り、ただ勘だけで太平洋を駆け抜けていく。
「あいつが私を呼んでるのか、私があいつを求めてるのか、もうそんなもんどうでもいいんだよ!」
眼に見えない力に導かれるように、リューキンは一途にライサを追う。
イシイルカは人魚姫印の『人間になれちゃう薬』を前に迷いを振りきれずにいる。
祖母の代から愛人暮らしで、男にしなだれかかって金を巻き上げる生き方しか知らない彼女に、
成分表だの使用説明書だの読めはしないのだ。
もちろん人魚姫伝説の悲しい結末など知る由もない。
「アタシ、このまま老いて男に相手されなくなって、ボロボロになって死んでいくのかな。
生まれ変わるチャンス?でもリスクがあるかも?でも心惹かれるこの薬……」
410:スポーツ好きさん
11/02/14 11:18:51 4JEYXgup
ジョニ子が着水したのは沖縄。
海中で目があったウミヘビがオドオドと岩場に隠れる。
「ちょいとアンタ、ここどこ?」
「沖縄です・・・あ、あの、私の事キモくないですか?」
「別にキモくなんてないわ。どうしたの?」
「去年の夏、観光客のロシア人に顔を見るなり逃げ出されて、以来醜貌恐怖症なんです」
「観光客でしょ?見慣れない生き物を見てびっくりしただけよ、きっと。気にしちゃダメ」
喪女属性のウミヘビ少女を励まし、両津眉毛メイクまでサービスしてやるジョニ子。
「コンプレックスを解消していただいたお礼に、ご自宅までお送りしましょうか?」
「そうねえ、赤道直下の無人島でバカンスしてるの。その海域までお願いしていいかしら」
「了解しました!」
411:スポーツ好きさん
11/02/14 18:01:07 mP5b8IGe
「参謀のお穣さん、スケーター達の力は計り知れないものだね」
「有難う御座います。しかし大王様の配下の者たちもなかなかもぐもぐもぐ・・・
あ、味の事じゃないです」
落ち着きを取り戻したレイチェルは
本陣でガっちゃんお手製のお寿司のご相伴にあずかりつつ、冷静に戦況を見る。
「しかしエヴァン(人の方)は自力で脱出したようだね。
何やらややこしい事になってるそうだが…?」
「その辺りは私も門外漢なので。
そういう揉め事が大好きな人物に若干一名、心あたりがあるのでそちらに任せようかと」
「ふむ…、まあ昔から犬も食わないと言うしな」
(ジョニーに任せたら事態が悪化する事はあっても解決する事はないんじゃないかなー?)
とプルは思ったがその方が面白いので意見は差し控えた。
それより今はサーモンに夢中もぐもぐもぐ。
412:スポーツ好きさん
11/02/14 18:14:53 KEmbsDkn
「ええいっここで迷うなんてアタシらしくないわ!
まずはちょこっと一口…って脂っこいっ濃いっ
そのうえウォトカの香りきつっ!さすがロシアン風味ね。
このままじゃキツいからこうしてっと…」
グビグビグビっと海水割りの『人間になれちゃう薬』を一気に流し込んだ。
413:スポーツ好きさん
11/02/14 21:10:52 YUY7aQFo
タニシを山ほど獲って浜辺に帰ってきたライサの前に、
艶やかな黒髪が腰までなびく美しい裸婦が座り込んでいた。
「うわっ、すみません。このへんにイシイルカ一頭いませんでした?」
「アタシよ。人間になれちゃう薬っての飲んだの」
ご陽気な口調で彼女は語る。
「でもさ、まずくて海水で薄めて飲んだらヤバくてw ほらみてマジ人魚ww ウケるw」
波に隠れて見えなかった下半身はイルカのまま。
バシャン!と力強く海面を叩くドルフィンキックに、ライサ呆然。
414:スポーツ好きさん
11/02/15 13:36:51 l7ChPpvM
「さて、エヴァン(人の方)がここにいない以上、長居は無用だな」
大王イカはそう呟き、視線をアジト裏口に据える。
「小僧にちょいとお仕置きをして、おしまいにしようか」
「そうだね。もう満腹だし」
お寿司食べ過ぎでぐったりしているプルシェンコが、ズレた相槌を打っている。
裏口から一番に飛び出してきた太平洋マッコウクジラ。
大王イカはブン!とうなりをあげる蹴りでその頭部に一撃食らわせた。
マッコウクジラの首の向きがありえない角度に歪んだ状態のところに、すべての脚を絡め、
ギリギリと締め上げた。
「いいかなエヴァン(イカの方)。戦いというのは相手が二度と反撃したくないという気持ちに
なるぐらい、徹底的に痛めつけるのが基本だ。命を奪うかどうかは状況次第だが」
「パパ、今回は殺しちゃうなう?」
「いや、こんな小僧でも太平洋で臨時の長をしていたわけだから、見所はあるだろう。
お仕置きに留めておいて、以後厳重に監視する。次やらかしたら抹殺だ」
大王イカが脚をゆるめると、太平洋マッコウクジラはピクリとも動かないまま、海底にドウ、と倒れた。
415:スポーツ好きさん
11/02/15 21:41:56 GLe4ctJI
後から裏口から出てきた雑魚どもは、ジョアニー&シンシア&経営者、ピンク娘が華麗に弾き飛ばす。
大西洋から加勢に来た大王イカの部下たちも加勢したため、マフィア軍団はほぼ壊滅状態に。
「ねえ粕漬けとか冷凍とかいろいろ保存本方法はあるけど、どうする?」
ミライは寿司屋の娘として、マフィア軍団の切り身が放っておけないらしい。
「参謀のお嬢さん、私たちはここから先、遠慮した方がいいかね?」
「ええ・・・私がナスティアの立場だったら、あまり大勢に見守られるのはキツいかと」
「青春だな。じゃ、私は息子を連れて大西洋に戻るとしよう。こいつに見せるにはまだ早い修羅場だろうし」
「パパ、僕見てみたいなうー」
「生意気言うな!大人にまかせておけばいいんだ。早く帰らないとママが心配するぞ」
「じゃ、すぐ帰るなう・・・・」
まだまだママに甘えたいエヴァン(イカの方)は大王イカに連れられて大西洋へ。
416:スポーツ好きさん
11/02/16 16:15:36 bptERpPB
レイチェルがライサ奪還のキーマンとして頼りにしているジョニ子は、
着々と赤道に近づいていた。
しかし、ウミヘビ少女に教えてもらった沖縄民謡「十九の春」に
すっかり感情移入してしまい、涙が止まらない。
「♪ 私があなたに 惚れたのは ちょうど十九の 春でした ♪
♪いまさら離縁と 言うならば もとの十九に しておくれぇぇぇ♪」
こんな状態で人の恋路のゴタゴタを解決できるのだろうか?
417:スポーツ好きさん
11/02/16 16:45:57 tkEjmtW/
「ちょーーーっと待てーっ落ち着けーーうわぁぁあああ」
人魚に変わっても性格は変わらない。引くことを知らずプッシュしまくりのイシイルカ。
いくら美女に変わったとはいえ下半身はイルカのままだ。
のしかかられたら重いことこの上ない。
「遠慮しなくていいじゃない。人魚のアタシ、ヤバいくらいにイケてね?」
(イケてるから問題なんだろ。顔が俺の好み過ぎる……
…っていうかこのまま流されたらヤバいってーーーって。そうだ!あれだ!)
ライサはいちにちスレで出てきた阿蘇山を思い出した。
(だけど人間、イシイルカ…どっちに戻せばいいんだろ…)
418:スポーツ好きさん
11/02/16 17:38:52 3qOrpHS4
ライサの脳内に黒ライサと白ライサが現れた。
黒「人間に決まってるじゃんか。好みなんだろ?きっと豊満ナイスバディのいい女になるぜ!」
白「何言ってるんだ!エヴァン(人の方)はそんな奴じゃないよな。米国のいい人だろ!」
黒「エヴァン(人の方)だって男だぜ?」
白「エヴァン(人の方)からなんとなくいい人キャラをとったら何が残るんだよ!」
ライサ「お前ら・・・本当は両方、黒だろ・・・」
419:スポーツ好きさん
11/02/16 18:11:09 k1ilBjOA
キャシー&クリスはマフィアにこき使われていたイカたちに
マッコウクジラ撃退のニュースを告げる。
「お子さんたちはアジトの真上にいます!迎えに行ってあげて!」
喜びの叫びとともに数百匹の大人イカが勢い良く海面を目指す。
「わあ、なんて幻想的で綺麗な光景なんでしょう」
愛する我が子を迎えに来た真っ白なイカたちを真上から眺め、川口が息を呑む。
小イカたちも親の元にヨチヨチと泳いでいく。
中には親を殺された子もいるが、親戚や友達の親イカが面倒を見るようで、
みなそれぞれ大人イカに抱きしめられている。
「スミルノフ様ー!ありがとう!」「ユウコちゃーん!さよならー!」
一番馴染んだ二人に何度も感謝の声をかけながら、彼らは深海へと去っていった。
420:スポーツ好きさん
11/02/17 16:44:04 n6Q1buZk
戦いを終えたスケーター達は一先ず無人島へと戻り、束の間の休息をとる。
サーシャ「まあ、ジョニ子がいないと始まらないしねー。
全くあの子ったら何処ほっつき歩いているのかしら」
いや、蹴飛ばしたのあんただし・・・
チャッキー「はー、面白かったなぁ!
ダイオウイカとマッコウクジラの対決も凄かっただろ、パトリック?」
Pチャン「まあ・・・確かに迫力あったよ」
しぶしぶ認めるPチャンにチャッキーは大満足。
美姫「ケヴィンは、日本の怪獣映画とか好きかもねー。『南海大決戦』とか」
本田「美姫ちゃん、君、本当にいくつ?
てか、ケヴィンの好みのベクトルはそっちの方角ではないと思うぞ」
421:スポーツ好きさん
11/02/17 17:29:20 ocdCyHlO
黒ライサと白ライサの間に、ノコノコと灰ライサまで出てきた。
灰「とりあえず今ちょこっと試して、いけそうだったらもうそのままでいいんじゃないのかな。阿蘇山遠いし」
ライサ「お前灰色の皮かぶった桃色だろ!一刻も早く去れ!」
422:スポーツ好きさん
11/02/17 20:50:41 1MePM95d
「はい、お待ちどうさま~到着です」
ウミヘビの声に目を覚ますジョニ子。長旅の疲れで熟睡していたのだ。
「まあ素敵な無人島、山の上からはモクモクと煙までって
ここ鹿児島じゃないっ桜島じゃないっ!はい、やり直し~」
「え~ここも違うんですか~?」
残念なことにウミヘビ少女は、とんでもない方向音痴だった。
赤道に近づいていたはずなのだが、なぜかインド洋にたどり着き、
その後オーストラリアを経由、もうちょっと北に、と言えば
アラスカまで行ってしまい、とりあえず沖縄に戻ろうか、と
たどり着いた鹿児島であった。そしてなぜか増えてるショップ袋。
「出発のその前に、当然温泉よ、買い物よ!さあ、行きましょ」
ウミヘビを従えて桜島に上陸。
423:スポーツ好きさん
11/02/17 23:11:50 J+qyQ7Y1
一方リューキンも赤道直下で迷子になり、困り果てていた。
今まではラブパシーでいつでもライサの居場所がわかった。しかしその能力に陰りが・・・
「私がヤツを疑ってるから?それともヤツがもう私を必要としてないってこと・・・?」
ウミヘビやウツボの若衆に励まされるが、心折れそうになる。
なお、残りのスケーターズは無人島で寿司&海鮮バーベキューパーティー。
「アーチャの作るお寿司って、ミライのに比べると、やっぱりちょっと大きいね。おにぎりみたい」
キャシーにからかわれ、むっとするガッちゃん。
でもそんなところで自分の手がいつのまにかたくましく男らしくなっている事、
対照的にミライが華奢でかわいらしい女の子である事を意識してしまい、ちょっとドギマギ。
424:スポーツ好きさん
11/02/18 00:18:15 pimkFruI
どうもさっきからリッポン・チャッキー・レイチェルが落ち着かない。
ファヌフがさりげなく声をかける。「どうしたの?怪我でもした?」
「えーと・・・あの・・・台北・・・」
「ああそれね。行くわよ。ちゃんとパッキングは済んだ?」
「え、参加するんですか?まだ何もしてないです。」
「40秒で仕事しな!ああもうミライ、軍艦巻きなんてつくってなくていいから早く」
慌ただしく台北に飛ぶ四大陸選手権出場組。
「ジェレミーによろしくねー!」「僕の分まで頑張ってきてください!」
みんなそれぞれの思いを込めて、残留組は彼らを見送った。
425:スポーツ好きさん
11/02/18 22:25:37 Pp3ySDeb
ジュベ「欧州選手権の件は1レスも……」
マイアー「ま、いいじゃない。海鮮バーベキューが焦げないうちにどんどん食べてよ」
426:スポーツ好きさん
11/02/19 11:22:52 eMzq4NdD
大王イカ拉致騒動も終わった事だし、とイッカクボーイズ+ノコギリザメガールズは
それぞれ地元に戻る事に。さすがに赤道直下の暑さはキツい。
「尊敬するスケーターズの皆様と、いい思い出作りができました!」
ジョニ子は温泉上がりのホコホコ状態でコタツに入り、ミカンを食べながら
TVを見てたりする。
「次は男子フリーと女子ショートね。わー楽しみ」
「ジョニ子さん、赤道に行く件は・・・」
「あー今度でいいわ。ウミヘビちゃんもミカン食べましょ」
427:スポーツ好きさん
11/02/19 22:47:15.93 /2ftHiQl
「次はあそこ行こうよ。アタシ化粧品ってやつ買ってみたいな」
ライサを引き連れて街中を闊歩するイシイルカ。
お姫様抱っこをしてようやくたどり着いた阿蘇山の頂上だったが
火口を見下ろすとそこには『今季の営業は終了しました クリスティ・ヤマグチ』の貼り紙があるだけだった。
仕方なく熊本市内を観光する二人。初めての陸上にイシイルカは興奮しまくりだ。
美女がはしゃぐ姿を見るのは嫌いじゃないので
なんだかんだでライサも一緒に観光を楽しんでいた。
「九州新幹線全線開通だって、超ウケるw
形、ヤバすぎww決めた!化粧品買ったら次は新幹線に乗って移動ね」
428:スポーツ好きさん
11/02/20 11:34:58.37 Xsaz5nI3
「新幹線って速いのね。水中でこれだけのスピード出せるヤツはいないわ」
はしゃぐイシイルカ。駅弁を食べようとするが、まだ上手に箸が使えない。
「しょうがないな。食べさせてやろう。はい、アーン」
「アーン」
気が強く妖艶な美女が、子供のように無邪気に口を開けて食べ物を待っている。
ライサのツボはドキュンと射ぬかれた。
「この際だから終点の鹿児島まで行こうな。そういえば鹿児島にも火山があったっけか」
「いきなり噴火したら怖いね。そしたら守ってよ、エヴァン」
またしてもライサのツボがぶち抜かれる。
ライサとイシイルカが一時過ごした孤島に、やっとリューキンがたどり着く。
「ここにエヴァン(人の方)のがいたような気配がしたのに・・・私の勘もここまでか」
浜辺に体育座りして、膝に顔を埋める。
「ナスティア姐さん、元気出してくださいよ」ウツボ・ウミヘビたちがなぐさめにやってくる。
「ごめん・・・しばらく一人にして」
リューキンは顔を伏せたまま、ぎゅっと自分の膝を抱きしめた。
429:スポーツ好きさん
11/02/20 21:31:05.07 oeFdLp3j
桜島火山の火口までたどり着いたライサは『平成30年営業開始予定 クリスティ・ヤマグチ』と
書かれた立て看板を見てガックリ。
「気晴らしに温泉でも行こう」
イシイルカに浴衣を着せてやり、個室露天風呂のある宿を予約。
「エヴァン、一緒に入りましょ」
「いやそれはまずいって」なんとなくいい人ライサは、無難に答える。
「つまんないの・・・そうそう、さっき中庭の池にウミヘビの女の子がいたわ」
「海洋生物だろ?池なんて泳いで大丈夫なのかな」
のんびりお茶を飲むライサの耳に、廊下を歩く何者かの鼻歌が届く。
「どこかで聞いた事ある声・・・音程が曖昧なわりに自信満々の声量・・・『Dirty』?なんだ?」
なぜか次第に不愉快になってきたので、TVをつけて気を紛らわせる。
430:スポーツ好きさん
11/02/21 01:22:49.40 K5la8nUD
個室露天風呂は悲しいほどに狭かった。
平均的サイズの日本人2人が密着して入ってやっとというショボさ。
「アタシのシッポ半分しか入んないよー。ねえ、一緒にこっそり大浴場に行かない?」
「他人にみつかったら大騒ぎになるぞ!ダメ!」
「こんな夜中に入りに来る人いないってばぁ。ね、いいでしょ?」
せがまれてしかたなく、ライサはこっそりと男子大浴場へイシイルカを打き抱えていく。
ぎこちなくも危うげな混浴タイム。
「ねえエヴァン、背中こすってー。そしたらアタシもこすってア・ゲ・ル」
イチャつかれそうになったその瞬間、男湯の戸がガラリと開いた。
「ポポポポポポポーカーフェーイス♪」
ライサが一番会いたくない相手が、腰てぬぐい一丁(in自称7.5インチ)で立ち尽くしていた。
ジョニ子が絶叫しそうになるが、ライサは咄嗟に飛びついて口をふさぐ。
でもスケパシーは止められない。
日付変更線を超え、赤道直下の海鮮バーベキュー&寿司パーティー会場へ。
431:スポーツ好きさん
11/02/21 09:46:08.90 QLGMTz/X
ウツボ代表とウミヘビ代表が一匹ずつ、サーシャの元にやってきた。
「探しても探してもエヴァン(人の方)の兄貴が見つからなくて、ナスティア姐さん落ち込んじゃってます」
「ここからちょっと離れた孤島の浜辺で、一人ぼっちで泣きぬれてます。助けてあげてください」
そういう状態の時はそっとしておいてあげたい―と逡巡するサーシャの脳内を、ジョニ子のスケパシーが貫いた。
『エヴァン(人の方)が桜島の温泉で女とイチャついてるわー!きゃー!やらしー!』
「敵は桜島にあり!行くわよ!」
サーシャさんいきなりエヴァン(人の方)の兄貴の居場所当てたぞスゲエスゲエ、と騒ぐウツボ&ウミヘビ。
おもしろがりのプルシェンコはもちろん、他のメンバーもピンクバスに乗り込み、桜島を目指す。
432:スポーツ好きさん
11/02/21 20:53:05.38 pPmCpj0b
四大陸選手権参加組にも、ジョニ子のスケパシーは届いていた。
チャッキー「本当はもう関わりたくないけど、勇者の剣忘れてきちゃったし・・・誰か桜島まで持ってきてくれるよね?」
サムソン「湯治とかいう治療法が膝に効くかもしれないから、行ってみようかしら」
ファヌフ「だったら荷物持ち兼肩貸し係として、私も付き合うわよ」
未来「兄弟子の不始末だし・・・ナスティア来るんだろうし、慰めてあげたいな」
レイチェル「こういうのは疎いんだけど、社会勉強させてもらおうかしら」
リッポン「未成年女子2人の護衛として僕も参加する(社会勉強を兼ねて)」
美姫「じゃ、私は日本語ガイドって事で同行しまーす」
本田「美姫ちゃん一人じゃ大変だろうから、俺も行かなくっちゃなあ・・・(諦念)」
433:スポーツ好きさん
11/02/21 22:17:48.62 CtvwYxPd
ライサに口を塞がれ、ジョニ子はこれはこれで悪くない・・・
とは今回ばかりは思わなかった。長年の確執のせいか。そこへ、
「天誅ーーーーーーっ!!!」 「ぐはあっ!」
レイチェルを抱きかかえたリッポンがライサの上に着地した。
「見損なったよエヴァン(人の方)!まさかこんな事になってるなんて!」
「あ~ん、ミキ~ミライ~怖かった~」
ジョニ子は一緒にやって来た美姫と未来にすがりつく。
「エヴァン(人の方)最低!」「もう大丈夫よ、ジョニ子」
美姫は(んな訳なかろう)と思ったが面白いので取りあえずジョニ子に乗っかった。
「やれやれ、ひどい騒ぎね。私達は温泉に行きましょうか」
ファヌフはサムソンをひょいとお姫様抱っこして男湯を出ていく。
「ケヴィン、ありがとね」
「ぜぇぜぇ…、いえ、どう、いたしまし、て…(やっぱりカナダに帰ればよかった…)」
(↑美姫、未来、ファヌフ、サムソン、本田を抱えてここまで飛んだ。リッポンはレイチェルしか運んでくれなかった)
434:スポーツ好きさん
11/02/21 23:00:46.80 RTUEgRl2
朝焼けに輝く波を切って、リューキンのウツボ&ウミヘビ神輿は超高速で進む。
唇を噛み締めた彼女の思いはひとつ。
「これで終わっちゃう恋ならしかたない。でも、ケリはつけたい。自然消滅なんて絶対嫌だ!」
ピンクバスの美女軍団は全面的にリューキンの味方。
「別れるにしても、最低限の礼儀ていうか、大人としていたわる振る舞いが必要だと思うの」
「いきなりサヨナラは反則よね。男の風上にもおけないわ」
「女の風下にもおいてほしくないわよ。恋する資格ゼロ。恋愛検定不合格!」
若い自分に少々ヤンチャしたor現役でヤンチャ中の男子メンバーは寝たフリ。
435:スポーツ好きさん
11/02/22 08:52:35.69 mtjxMB0z
「やっベー!なんかめんどくさい事になってるし。ちょっとおいとましまーす!」
イシイルカ(人魚)は窓から中庭の池へ飛んで逃げ、さらに柵を飛んで海へ逃げた。
「ちょいとアンタ待ちなさいよ!ずるいわよっ」
憤るジョニ子。冷たい視線のリッポン。お手並み拝見?といった表情の本田に、へばって床に大の字のチャッキー。
そして置き去りにされて針のむしろ状態のライサ。
「じゃ、私たちも女湯で和んでくる事にするわ。全員で囲んだらさすがにエヴァン(人の方)が哀れだもの」
美姫が大人の対応を見せる。というか、女風呂で心置きなくスキャンダルトークをしたいだけなのであるが。
そこにピンクバスが到着。見事に男湯・女湯にメンバー分離。
サラ「エロスを煮詰めてジャムにしたような女だったわね。もろ愛人タイプ」
セベ「なんかエヴァン(人の方)の好みと違わない?スレンダー好きでしょ、彼」
ザワツキー「でも肌色のメロン二つ抱えたような巨乳してたわよ。あれにはまいっちゃうんじゃない?」
ギルス「私たち全員束になっても叶わない重量ね、あの胸」
サムソン「量より質よ!触感よ!」
ファヌフ「あなたそんな事より膝大丈夫?」
グレボア「話がそれてるわよー。今話すべきはナスティアとどうヨリを戻してもらうかじゃないの?」
未来「ナスティアってプライド高そうだし、『熨斗つけてくれてやるわ!』とかいいそう。で、一人で泣くの」
美姫「あら熨斗なんて言葉知ってるのね。日本語の勉強がんばっててえらいぞー」
キャシー「別れるにしても、イシイルカ人魚ボコボコにするのは確定って気がするwオトシマエつけるって意味で」
レイチェル「正直、ナスティア本人がどう対応するかが謎。私の方程式じゃ解けない難問だわ」
436:スポーツ好きさん
11/02/22 17:05:48.21 rQlYpuE4
サーシャはジョニ子と廊下でネクターを飲みながら、ため息をついている。
「さっきバスの窓から海に逃げるイシイルカ人魚見たら、下半身がだいぶ強靭そうだった」
「蹴り合いになったらナスティアでもかなわないかも?とんでもない恋敵だわね」
男湯にはライサ・プル・ランビ・本田・ジュベが浸かっている。
ランビ「女の子はみんな平等に愛してあげなくちゃいけないよアハン」
プル「ま、無茶したくなる時ってあるよね」
本田「据え膳食わぬは男の恥って言葉もあるんだよな」
ジュベ「俺は浮気反対派だが、あれだけ誘惑されたら・・・なあ」
ライサ「・・・・・・」
男子脱衣所には衝撃で涙目のD・テン、なぐさめるJ・テン、憤るリッポン。
そして勇者の剣の事でもめているチャッキー&Pチャン。
「なんでバーベキューの下ごしらえなんかに使ったんだ!刃が傷だらけじゃないか!」
「だって貝を開いたり、ロブスター切断したりちょうどよかったんだよ!」
バトル・ミハル・経営者はガッちゃんに寿司職人の道を熱く勧めている。
「酢飯が絶妙な味付けだったよ」「お造りも上手にできてた」「ミライパパに弟子入りだな!」
「もうちょっとスケート極めたいんで・・・すみません」
437:スポーツ好きさん
11/02/22 18:16:26.99 6jyG7YCh
クリスはここぞと忍者魂を発揮し、破れた柵から海を監視。
すぐ近くに岩場があり、イシイルカ人魚がよりかかって寝ている。
「あの人魚、まだエヴァン(人の方)殿を狙っているでござるな。毒婦め!」
438:スポーツ好きさん
11/02/22 21:58:35.24 Nmnvlpeb
お風呂上がりのネクターガブのみに男子勢も加わった。
「大丈夫よ、エヴァン(人の方)。下半身がイルカだったんだから…
ナスティアもわかってくれるわ」
訳の分からない慰めを言いながらジョニーがネクターをライサに渡す。
「でもママン…上半身は立派だったな。あれで一緒に温泉に入るとなると」
「ヤナの方が立派だけどね」
「下半身がイルカだろうが、上半身がイルカだろうが
どんな形でも女の子は愛すべき対象だよアハン」
「上半身がイルカの場合、その据え膳を食えるかどうか
大和魂を試される時だな」
「愛の証として、人間の身体とイルカの頭のちょうど境目を見せるのね。
アタシもお返しに自称7.5インチを披露してって、イヤーン、ロマンティックじゃない?サーシャ」
「全っ然!!もうっ!アンタ達ってば話になんないわ!」
439:スポーツ好きさん
11/02/23 06:11:10.77 k2QBzwlp
女子たちは風呂上りにジョニ子の宿泊する部屋へ。
「オー!これがコタツね」
「ぜひ脚を差し入れてみたいわ」
「でも全員は無理だから交代制にしましょう」
なんか盛り上がっている。そこにネクター片手に男子勢+サーシャも登場。
「部屋狭!」
「人数が人数だからね。エヴァン(人の方)を畳まないと」
「床の間の壷デカいー。入れるかな」
「パトリック。君なら入れるよ。そして二度と出てくるなよ」
「剣の事まだ根に持ってんのかよー。研ぎ直せばいいじゃんか」
ワイワイやってるところで、未来がライサに話しかける。
「さっき、美姫ちゃんに日本の伝統的な謝罪方法っての聞きました」
「何それ教えて!」
「焼き土下座っていうそうです」
本田は『また嘘教えて・・・』という視線を美姫に向けるが、美姫本人は知らん顔でミカンを食べている。
440:スポーツ好きさん
11/02/23 13:04:26.61 R/GWv1Ox
コタツに入ったり壷に入って抜けなくなったりミカンの薄皮を食べるか否かで議論したり
深夜のTVショッピングで買い物しそうになったりしながら、スケーターズはマッタリ。
プル「結局エヴァン(人の方)はナスティアと人魚ちゃんどっちがいいわけ?」
ライサ「もちろんナスティア・・・のはずなんだけど、なぜか人魚の愛嬌を無視できない」
コタツの上で焼き土下座の練習をしながら、ライサは素直に答える。
「この優柔不断男!」
サーシャは容赦なくライサの尻を蹴飛ばす。男子の一部はライサに密かに同情。
そこにクリスが飛び込んできた。
「ナスティア殿が到着したでござる!いよいよ決戦の火蓋が切って落とされる時が来た!」
皆いっせいに中庭に出て、破れた柵から海を眺める。
ウツボ・ウミヘビ神輿の頂点で、朝焼けを背負ったリューキンのシルエットは、
戦いの女神ワルキューレ(ヴァルキリー)のように気高く美しかった。
441:スポーツ好きさん
11/02/23 13:33:04.24 QAEI0piO
ジョアニー「闘志がオーラになって輝いてるわ・・・体格やパワーで敵わなくても、人魚を倒すかも」
ファヌフ「私たちは見守る事しかできないわけね」
ジョアニー「そうよ。彼女のプライドを賭けた戦いに、助太刀なんて野暮の骨頂」
D・テン「僕は・・・僕は野暮でもバカでもいいから、ナスティアさんを助けてあげたいです」
俯き震える彼の肩を、ランビが黙って抱える。「ま、もうちょっと様子見ようよアハン」
リューキンは目ざとく温泉の柵の上からはみ出している黒長いライサを見つけた。
「エヴァン(人の方)!先に聞いておくけど、私とここで寝てる人魚、どっちが好きなんだ!?
人魚の方がいいっつーなら無駄なケンカなんてしねえで、うち帰って寝るよ。馬鹿馬鹿しい」
と、その叫び声でイシイルカ人魚が起きた。
「ずいぶん威勢のいい嬢ちゃんが来ちゃったしーwうっせーからとっとと息の根止めてやんよ」
起き抜けとは思えない鋭いドルフィンキックがリューキンを襲う。
442:スポーツ好きさん
11/02/23 16:43:44.80 fbDcRMKG
寸前のところでドルフィンキックを交わし両者の睨み合いは続く。
リューキンの問いに返答できず迷い続けるライサの目の前に何者かが降り立った。
ライサ「タニスーーーーーっ」
その声に振り向くリューキンとイシイルカ。視線の先にはベルビンにしがみつくライサの姿。
ライサ「い、いやこれは違うんだ。つい習性と言うか無意識にと言うか顔を見たら反射的につい…」
ジョニ子「イヴサンローランの新しいポーチをあげるわって言ってつい呼んじゃった」
サーシャ「あんたって人はー!!事態をややこしくするように面白がってるでしょっ!!」
443:スポーツ好きさん
11/02/23 18:16:01.19 xbLosDVZ
スミルノフ「もうこうなりゃ博打にするしかないじゃないか!」
川口「いきなり何言い出すのよ!えーと1枠ナスティア2枠人魚3枠タニスね」
ここのところ影が薄かった反動か、暴挙に出るペア。
経営者「不謹慎じゃないか!……ナスティアに10ドル」
ジュベ「大穴狙いで人魚に200ユーロ!」
美姫「2点買いもありでしょ?ナスティアとタニスに5000円ずつ」
ガッちゃん「質問でーす!3連単とかありですか?」
グレボア「何それ。3股かけ続けるって事?でもなくもなさそうだし2-1-3で100ユーロ」
プル「ここにはいないけど4枠でヤナっていれていい?呼んだらきっとすぐ来るし」
ランビ「1ユーロで確実に勝てる情報メモあげるよアハン」情報屋まで暗躍している。
レイチェル「タニス、そもそもなんでエヴァン(人の方)と別れたの?」
タニス「そんな昔の事覚えてないわー」復縁の可能性を探るという頭脳戦。というかほぼイカサマ。
444:スポーツ好きさん
11/02/23 19:49:35.88 V/OaQxuW
リッポン「最低だ」 Dテン「うん、不潔だ」
女の子には優しく、恋愛そこそこがモットーのリッポンだが若者らしく潔癖さを見せる。
若者全開のDテンは言うに及ばず。
Pチャン「俺はなんの話かさっぱりわからん」
チャッキー「Pちゃんもー?僕もだよー」
キャラに合わない二人はそもそも展開についていけてない。
バトル「うーん、子ども向けの話じゃないかな?僕らは観光に行こうか」
リッポン「僕は子供じゃないですよ!でも、程度ってものがあるでしょう」
バトル「まあまあ、ミライとレイチェルもおいで。あとアグネスとアレクシも。
ジェレミーはー…どっちでもいいよ。あ、ミハルも来るかい?」
拾われた子犬のような笑顔でミハルはついていく。
未来、アグネス、ギルスはほっとした顔で、レイチェルは肩をすくめて、
Jテンは人の悪そうな笑みをリッポンに向けつつ、ついて来た。
リッポンは少しバツが悪そうにしながらも、未来、レイチェルらを守るように温泉宿を後にした。
445:スポーツ好きさん
11/02/24 00:11:23.00 FgiuuS44
桜島観光という事で、バトル引率の観光組も火山を目指す。
そして火口のクリスティ・ヤマグチの立て看板を見て半笑い&記念撮影。
朝市で名物の桜島大根の漬物を試食したり、足湯を使ってみたり、楽しく過ごす。
昼前になってやっと宿に戻ってみたら、なんと残留博打組は、ナスティア+イシイルカも交え、
岩場でバーベキューをして盛り上がっていた。
リッポン「あの・・・これどういう事ですか?」
イシイルカは人間の上半身が解除され、すっかり元の姿に戻っている。
「いやー、ナスティアと睨み合ってるうちにお腹痛くなって、岩陰で排泄したら魔法がとけちゃったw
いざイルカに戻ってみたら、やっぱり人間と付き合うのかったりぃなーなんて思ってーw」
「もう大爆笑だよ!しかしあんたいい蹴り持ってんじゃん。愛人なんて辞めて格闘家やんな」
土手で決闘して引き分けて『やるじゃん』『おめえもな』と讃え合う不良中学生のような二人。
「って事はあの、勝者・ナスティアさんって事ですか?」
「決着つけてねーから無効試合。だから博打も無効。オッズ締切り前にイシイルカが変身&戦意喪失だし」
タニスはポーチだけもらって帰ったらしい。スミルノフは鉄板で大量の焼きそばをつくっている。
「お昼まだだろ?みんなも食べな。ところでアダムは髪型を焼きそばモードに戻さないのかい?」
脱力しきってその場に崩れ落ちるリッポン他数名。
446:スポーツ好きさん
11/02/24 17:52:27.25 6QslYfdJ
沖縄ウミヘビ少女は、リューキンのウミヘビ・ウツボ神輿の構成員ウミヘビAとなんかいい感じ。
「僕、エキゾチックな女子って結構タイプなんすわー」
「え、でも私そんなノリよくないですよ?」
「それはそれで、外見とのギャップに萌えちゃいそうっす」
「方向音痴だし」
「じゃ、あの、一緒に大西洋に行きませんか?」
「あ、あ、私でよければ!」
カップル成立。
447:スポーツ好きさん
11/02/24 18:42:16.48 br2AQBBJ
ちょっぴり顔を赤らめながらリッポンは焼きそばをすすっている。
「うー、何か恥ずかしいな。熱くなっちゃった…」
「いやぁ、おかげで面白いものが見れたよ。君って意外と子供っぽい、おっと、真面目なんだなぁ」
わざとらしく言い直しをしてリッポンをからかうJテン。
「すいませんねぇ。僕は君みたいにTwitterで下ネタ呟くほど大人じゃないんだよ」
ライサ「なんか知らんが助かった・・・」
ジョニ子「そうよ~アタシのおかげよ。感謝しなさい」
ライサ「お前は事態を混乱させただけじゃないか!」
ジョニ子「毒を以って毒を制す、よ。だいたいねー、アンタがはっきりしないから悪いんでしょ!
これだから男ってのは・・・(以下、愚痴とも小言ともつかないものが延々続く)」
448:スポーツ好きさん
11/02/24 23:21:47.82 hqvx7G2L
「あのー、それで焼き土下座はしないんですかぁ?」
ミライの無邪気な問いにライサの顔は土気色に。本田が慌ててフォローに入る。
「焼き土下座は現代日本ではもう廃れているんだ!仇討も切腹も廃止されてるよね?そういう事!」
「そーなんですか。じゃあオトシマエはどうやってつけるんでしょう。指詰めですかぁ?」
「それは希少民族YAKUZAの風習だしなー。エヴァン(人の方)はアメリカ人だし関係ないんだよ」
汗だくで説明する本田の隣でリューキンがガハハと笑う。
「エヴァン(人の方)が火傷や怪我したら、私が看病しなきゃなんねーじゃん。めんどくせ!すんなよ!」
イシイルカが海面からひょこっと顔を出す。
「アタシの寿命はあとせいぜい7,8年なんだけどさ、人間は5,60年添い遂げられるんだよね、いいなー」
ライサにもらったサイン色紙を大切そうに抱きしめながら、プシーッと潮を吹く。
「エヴァン、ナスティア、末永くお幸せにねーw そんじゃさいならww」
海面から派手に背面宙返りを一発見せてから、彼女は意気揚々と去っていった。
449:スポーツ好きさん
11/02/25 16:08:50.90 s6VCVa2K
ライサ「ナスティア……本当にごめん。一瞬とはいえ気持ちが揺らいだ俺だけど、もう一度君とやり直したい」
リューキン「やり直すも何も終わってねーよw そんな事より一番大きな焼きホタテよこせ。そしたら許す」
ライサ「あげるよ!!!ほら!アーンして」
リューキン「アーン」
ライサ「熱いからフーフーするからな。許してくれてありがとう。これからは絶対よそ見しないから」
リューキン「いいよもう。とっととよこせこのやろ」
レイチェルは勝手に焼きそばを追加してその大半をすすり込みながら、ふっと笑う。
リッポン「どうしたの?」
レイチェル「私は今恋愛にまったく興味がないし、そんな暇もないんだけど」
リッポン「(興味すらないのか。しかもまったく。やっぱり君すげえよ)」
レイチェル「憎からず想ってる男の人があんなに全力で喜んでくれるなら、恋も悪くないかな、と」
チャッキー「やっぱり社交界デビューのエスコートしたパトリックがその相手なの?」
レイチェル「別に」
Pチャン「別に、ってなんだよ!その無気力感&無機質感!嫌だとかダメだとか言われた方がマシだ!」
450:スポーツ好きさん
11/02/26 15:33:25.02 LbVgdOHi
「とかなんとかやってる間に>>449の段階で263KBです、バトルさん!」
「あ、ありがとう、ミハル・・・(僕に言わなくてもいいんだけどな・・・)」
「お、なんだかんだで折り返しか。話もちょうど区切りがついたし、帰って練習を・・・」
と言うPチャンの腰にチャッキー、リッポンがしがみつく。
「今更それはないだろぉ~パトリック~・・・」「そうだよぉ~最後まで付き合えよぉ~・・・」
「お前らっ!重い!怖い!はなせっっ!!」
「因果応報ね。でも私もセカンド3Loの練習したいな。帰ろうかな」
「ええ~だめ~」「レイチェルがいないとつまんない~」「一緒に行こうよ~」
こちらは未来、ザワツキー、ギルスがレイチェルの両腕と背中から抱きつく。
しかし女の子のいちゃこらは微笑ましい。
ジョニ子「ワールドまで約一カ月。アタシもトークイベントあるし、東京までピンクバスで送ってあげるわよ!」
Pチャン「東京まで一カ月かかるっていつの時代だよっ!」
451:スポーツ好きさん
11/02/26 17:29:48.71 7z0mxW7n
レイチェル「そうそう、エヴァン(人の方)の件、大西洋大王イカ+エヴァン(イカの方)に知らせないと」
ジョニ子「心配してたものねえ~。こんなあっさり復縁しちゃうなんて」
リューキン「別れてねえっつーの」
ジョニ子「それじゃおもしろくないから、若干の脚色を加え、ドラマティックロマンティックエロティックにして・・・(ry」
レイチェル「事実と時候の挨拶のみ書いたものを、たった今、大西洋に帰るウミヘビ&ウツボに預けたわ」
ジョニ子「なによもー!つまんないじゃないのー!なんでアンタそんなに仕事早いのよ!」
レイチェル「私が特別に早いわけではないわ。ジョニ子の妄想タイムが長いの」
452:スポーツ好きさん
11/02/27 06:52:10.52 nmcvAL8e
てすつ
453:スポーツ好きさん
11/02/27 17:19:09.28 VY+c9h04
大西洋大王イカ一家及び部下たちは、エヴァン・ライサチェクが無事救出された、との
報告を受け取った。
大王イカ「いやー、よかったよかった。元サヤというやつだな」
エヴァン(イカの方)「同じ名を持つ者として安心したなう」
女王イカ「今夜は宮殿でもパーティーしましょうねー」
大王イカ「(小声で)ここだけの話、スケーターズの娘さんで、どの子が好みだった?」
エヴァン(イカの方)「な、な、なんでそんな事聞くなう!?」
大王イカ「お前が伴侶を見極める目をどれだけ鍛えているか、気になってな」
エヴァン(イカの方)「そういう事なうwだったら・・・(内緒話)」
大王イカ「うむ。お前なかなかいい趣味をしている。合格だ!」
息子が次期王者としてふさわしい成長を遂げていると知り、大王イカは満足気にうなずいた。
454:スポーツ好きさん
11/02/28 20:14:04.99 397vGwx3
チャッキーはぶつくさ言いながら海賊の剣の刃先を撫でている。
「こんなにボロボロにしちゃって・・・ほんとに研ぎ直してくれるんだろうな」
「しつこいよ。そんな言うほど欠けてないだろ・・・あれ?」
「欠けてるだろ!」
「いやそうじゃなくて。光の角度でこの剣に模様?文字?が浮かび上がってくるよ」
「え!見せて見せて」
チャッキーだけでなく、他のスケーター全員が駆け寄ってくる。
「うわいきなりすごい人口密度。しかしこれ英語でもフランス語でもないな。なんだ?」
全員がレイチェルを振り返る。
「大丈夫、自分の立ち位置はわかってる。今すぐ調べるから」
未来のノートPCであれこれネット検索を開始するレイチェル。
455:スポーツ好きさん
11/03/01 13:49:01.35 Qgl/JgAz
小一時間ネット検索していたレイチェルは、やがてひとつの結論に至った。
「これ、古代ギリシャ語」
「で!?なんて書いてあった?」
「そこまで解読できてないわよ。ああお腹が減って集中力が途切れちゃった」
チャッキー&Pチャン、猛ダッシュでお菓子の買出しに。
どさくさにまぎれてバトルもリュックしょってミハル連れて後を追う。
コタツに首まで入りゴロゴロしているレイチェルに、美姫が問う。
「だいたいこんな事書いてるんじゃないかなー?って見当もつかない?」
「うん。まだ無理」
「日本刀だと刀匠の銘が入ってたりするんだけど、まさかそういう事だったり?」
「かもしれないかなー。だとしたらケヴィンガッカリでしょうね。壮大な伝説系の夢抱いてそうだから」
456:スポーツ好きさん
11/03/01 16:45:01.14 PNpWelxS
レイチェルの予想どうりチャッキーの夢は広がるいっぽう。
チャッキー「次はどんな冒険かな?『指輪』かな『ナルニア』かな『ハリー・ポッター』かなぁ♪」
バトル「『指輪』は一日目にやったよね~」
Pチャン「そうだなぁ『長靴下のピッピ』とかどうだ?似合うぞ」
チャッキー「女の子じゃん!赤毛しか共通点ないよ!」
ミハル「スウェーデン児童文学の古典じゃないか。よく知ってるなぁ」
バトル「あれ?ミハルも本好きかい?僕もだよ。『トワイライト』面白かったな」
バトルに褒められ(?)天にも昇る心地のミハル。
「ジェフの趣味もな~。『トワイライト』って女の子向けのラノベじゃん」
「貴様っ!バトルさんになんて口をっ!!」
一言が我慢できないPチャンにミハルは路上でキャメルクラッチをかける。
「ぐえぇ… ぐるじ、やめろ…、お前はジェフに理想を持ちすぎだよっ!!」
457:スポーツ好きさん
11/03/01 22:07:07.68 km3e38DW
ちょっと首の角度が歪んだPチャン、その胸ぐらを掴んで鼻血をだしているミハル、
ドンキの袋いっぱいにうまい棒を買っているチャッキーに、温泉まんじゅうをダンボール買いしている
バトルが旅館に帰ってきた。
「で、レイチェル、剣の文章わかった?」
「わかったけど途中までしか書いてないわ。えーと『宝の在処をここに記す、はずがスペースないわ。てへw』ですって」
「なんだそれはー!!!」
「剣に関係する何かに続きが記してあるんじゃないの?」
「だったらそれを探さないといけないよねえ!そうだよね!」
「ケヴィン落ち着いて。私も世界選手権に備えて練習しないといけないし」
「そのついででいいから宝探しにつきあって!」
なんかgdgdな感じの宝探し?が始まる予感。
458:スポーツ好きさん
11/03/02 15:51:00.74 s8cYbBPi
「宝探しをすると聞いて」 「あら、ハビエルじゃない」
ハビエル・フェルナンデスが現れた。
「そんな皆さんにこれを、あのジャック・スパロウも愛用の『持ち主が欲する物』の在処を指し示す“羅針盤”!」
「うわあ!ありがとうハビエル!」チャッキーは大喜び。
「それではよい旅を、アディオス!」
酔いどれステップで小粋にフェルナンデスは去って行った。
「さあ、みんな!出発だよ!」
ミハル「今度あんな事を言ったらただじゃおかないからな!」
Pチャン「お前なんかめんどくさい奴だなぁ…。鼻血拭けよ」
バトル「まあ、チョコチップクッキーでもお食べ」
ミハル「おいひいでふぅ~」 Pチャン「…涙、拭けよ」
美姫「温泉まんじゅう~はむはむ♪」 レイチェル「脳に糖分~はむはむ♪」
「アダム~動画の編集して~」 「ジョニ子姐さん、本当に機械弱いですね」
チャッキー「冒険しようよおおおおおおお・・・・;」
459:スポーツ好きさん
11/03/02 17:39:04.13 o5w0ef43
とりあえずレイチェルが羅針盤を持ってみる。
すると針がグイーンと動いて北東の方角を示した。
「宝はあっちの方角!?」
「あらアタシも持たせて~!」
ジョニ子が持つとやや東にブレる。
「これ”『持ち主が欲する物』の在処を指し示す“羅針盤”って言ってたじゃない?
だから持つ人物によって、方角がブレるんじゃないかと」
分析しながら美姫が持つと、すごい勢いでレイチェルと同じ方向へ。
「ちょっとパトリック持ってみてくれる?」
Pチャンが言われた通りにすると、針の角度は変わらないままガクンガクン弾み始めた。
「これさ、東京ワールドの表彰台ど真ん中って意味じゃない?」ジョニーの説に該当者苦笑。
「そういうジョニ子のお宝って何?」
「新しいおうちよ~!」針はNYを示していた。
460:スポーツ好きさん
11/03/02 19:27:34.02 g6uF1O/K
「面白いじゃん。アタシにも貸してみろよ」
リューキンが持つと針はライサの方を向く。
「相変わらずラブいわね~。じゃあこれをエヴァン(人の方)が持つと当然…」
笑いながらジョニ子がライサに羅針盤を手渡した。
461:スポーツ好きさん
11/03/03 00:45:06.61 2MjYf9gf
羅針盤の針はクルリとリューキンの方を向き、なぜかブルブル震えている。
「びびってんのか?あぁ?」
「いやそんなつもりじゃないんだよ、神に誓って」
「じゃ、心が揺れてんのか」
「もう揺れないよ!信じて!」
そこに経営者が割って入る。
「これ、みなぎっちゃってるんでしょ。武者震い?いい年して少年のように熱すぎだね、君は」
ライサは照れて顔が真っ赤に。しかし黒すぎて(ry
「中国の某熱愛夫婦ペアのところに持ってったら、針がバンバン弾んで爆発したりしてね」
「ありそー!特に旦那のほうが持ったら即爆破w」
盛り上がる枠の外でションボリチャッキー。
「なんだよー。宝の在処は書ききれない、って。計画性ゼロかよ」
さりげなく寄り添い、サーシャがアドバイスをよこす。
「鞘はどうだったの?刀身むき出しで持ってるの危ないし、この際探してきたら?」
「近くに海藻まみれで汚いかたまりが落ちてたんだけど、あれだったのかな」
「あとで有志を募って探しに行くといいわ」
462:スポーツ好きさん
11/03/03 14:12:18.43 Rc4mKx53
「じゃあレイチェル、鞘を見つけて戻ったらまた調べてくれる?」
「いいわよ。でも私、次はふぐちり食べたいな。下関に移動してていい?」
炬燵でグルメ情報誌をめくり、スケーター達はわいわいやり出す。
「よし決まった。僕達は出発だ!羅針盤よ、鞘の在処を教えておくれ!」
チャッキーが羅針盤を手に取ると針はくるくると南東の方角を指した。
「いや、場所はわかってるだろ」
「パトリック!ごちゃごちゃ言わない!ほら行くよ!」
チャッキーはPチャンをがっしと掴むとクワドを飛んだ。
「って、なんで俺ーーーっ!アーチャ!」すかさずガっちゃんの足を掴む。
「どうして僕ーーー?!」 「ワールド出るんだろおおおおお……」
「そういう理由?!デニスっ!」ガっちゃんはDテンの足を(ry
「うわあ!ステファンっ!」Dテンはランビの(ry
「きゃあ!ミキーーー!!!」(ry 「ちょっとステフ!なんで私?!」「お、女の子成分……」
「ちょいと!ヒロイン枠はアタシでしょ!」
最後にジョニ子が自ら美姫にしがみつき、チャッキー一行は飛び立っていった。
463:スポーツ好きさん
11/03/03 20:19:40.68 BkyotEwd
ミハル「騒々しいメンバーが揃ってお出かけだから、落ち着いて夕食が味わえますね」
バトル「騒々しい……という表現も直截すぎる気がするけど、まあ、正直落ち着くね」
本田「なあ、ふぐのヒレ酒頼む?」
ジュベ「いいねえ。あのさ、この白子ってのちょっと怖いな」
リッポン「でもなんかパワーがつくとかなんとか」
本田「ああ……まあ、そういう説もあるが。女の子たち、箸進んでる?」
サラ「ええ、繊細な味を噛み締めているわ」
セベスチェン「さすがミライは真剣に食べているわね。実家の仕事に役立てようと?」
ミライ「フグは内臓に毒があるから、調理するのに専用の免許がいるそうですよぅ」
サムソン「いやーんこわい。私あとは茶碗蒸しだけでいい」
ファヌフ「そんなこと言うと残り全部食べちゃうぞーw」
ジョアニー「鍋は最後の雑炊までキッチリいただかないとね!」
スミルノフ「ステファンの腕がエヴァン(イカの方)なみに多数生えてたら、ここにいる
女の子全員連れていかれちゃってたんだろうなー」
川口「気持ち悪い想像しないで。ポン酢全部飲ませるわよw」
下関の夜はそれなりに和やか~。
464:スポーツ好きさん
11/03/03 21:56:17.74 rT8Kzf85
クワドで華麗に海を渡るチャッキー。
しかし一番下のジョニ子はふっとばされないように
必死に美姫にしがみついた。
「ちょっジョニーっどこ触ってんのよ!そこも駄目だって!
そこは握る場所じゃないわよ!」
美姫は反射的に足を振り上げてしまい、遠心力のおかげもありジョニ子は遙か彼方へ
ひとり飛ばされていった。
465:スポーツ好きさん
11/03/04 01:50:18.32 g6V1ZQgc
羽生は翌日の授業に備え、予習をしていた。
「そろそろ当てられそうなんだよなー。こういう勘に限って当たる」
ふと窓から夜空を眺める。キラリと流れ星が見えた気がした。
「願いごとしなきゃ!明日当てられませんように。いや違う、一流のスケーターになれま」
そこまで言ったところで、窓を突き破って、ジョニ子が尻から飛び込んできた。
「流れ星というか確かにスーパースターだけど・・・なぜ、尻から?」
「ユヅル、アンタの突っ込みポイント、そこ?さすがアタシが見込んだ若手だわ」
「いやあそれほどでも(照)」
「窓破っておいて悪いんだけど、尻にささったガラスの破片抜いてくれる?」
「了解しました。あ、救急箱持ってきますね」
驚いて飛んできた羽生の父母も、手当や掃除に勤しむ。
「ジョニーさん、今夜は我が家に泊まって行ってください」
「あら、でもユヅルのベッドはシングルサイズね。アタシたちお互いスリムだから平気かしらw」
「え……い、いっしょに?」
たじろぐ羽生の隣で、母が微笑む。
「ジョニーさんには客間にフカフカのお客様布団をご用意しました。養生なさってね」
「あーらお気遣いありがとうございます。嬉しいわー」
まったく遠慮せず、ジョニ子は羽生家の客間で熟睡した。うつ伏せ寝で。
466:スポーツ好きさん
11/03/04 03:16:28.51 1DSn3qki
美姫「まずい、やっちゃった!ジョニー!ごめーん!」
ランビ「彼ならすぐ追いついてこれるさ。今は残り全員が無事難破船に着く事を優先しようアハン」
チャッキー「もうヘトヘトです~」
鞘を探しに行けば?とアドバイスしたサーシャは、その提案が軽率すぎたのではないか?と一人で少し後悔。
「サーシャ、どうしたの?」現れたのはプルである。
「若い子を無駄に煽っちゃったかなー、って反省中」
「煽られて強くなるのさ。第一、本人たち楽しんでいるじゃないか。いいのいいの」
じゃ、いいのかな―という事で、二人は深夜の居酒屋で差しつ差されつ熱燗をキューッと飲む。
リッポンは白子を食べ過ぎてうなされていた。「あーなんかウキウキしてしまうー!」
深夜にいきなりジャージに着替え走りこみ開始。
ジョニ子は夢の中でチャームポイントのおしりに細かい傷がついているのを見てしまい、
これまたうなされていた。「あ~ん!アタシのプリプリで艶やかなヒップが台なし!」
467:スポーツ好きさん
11/03/04 17:04:54.53 1eDSaqNY
「うわああああああああああ」 ざぶーん、ざぶん、ざぶん、ざ(ry
力尽きたチャッキーは例の無人島の沖合に着水する。
「ぶはあっ、ケヴィン!お前最近クワドが雑だぞっ …て、おい!」
思わず怒鳴りつけたPチャンだが、チャッキーがぶくぶくと海中に沈んでいくのを見て慌てて助ける。
ガっちゃん、Dテンも手伝って取りあえず浜辺へ横たわす。
「ったく、言いだしっぺが何やってんだよ」
「だって…、こんなにくっついてくるとは思わなかったし…」
ランビ「だよねぇ、女の子を掴んだのは僕だけ。全く嘆かわしいよ」
チャキ・P・ガチ「そういう話じゃねーよ!」
Dテン「・・・・・」(←リアクションに困っている)
「まあ、少し休みましょ」美姫はちゃっかり水着(赤ブラ)に着替え、リゾートモード。
誰かさんに行動パターンが似てる、と思いつつも綺麗なお姉さんに若い4人はどぎまぎ。
ランビ「そうそう、いいよ~、そういう反応が男児として望まれる姿だよw」
チャキ・P・ガチ「いいいいいい一緒にするなっっ!!」
Dテン「・・・・・(////)」(←やっぱりリアクションに困っている)
468:スポーツ好きさん
11/03/04 18:28:37.85 NUEqvp0Y
おそるべき事にジョニ子の尻は一晩で回復した。
「これがトップアスリートの大殿筋か・・・おそるべしです!」
「ユヅル、あなたもそう遠くない未来,この高みに上り詰める才能を持っているわ」
「僕の場合、いきなりひとんちにヒップアタックぶちかまさないんですけどね」
「ふふ、言うわね。ますます気に入ったわよ」
「親戚が牡蠣を大量に送ってきたんです。ぜひ食べていってください」
「まあ素敵!ぜひごちそうになるわ!」
遠くの財宝より目先の牡蠣三昧である。
469:スポーツ好きさん
11/03/05 09:34:55.70 yJxqwM2B
その日、羽生家の夕餉は牡蠣づくし。
「生牡蠣にカキフライ、カキソテー、あら、これはカキのシチュー?」
「土手鍋です。熱いですよ。気をつけてくださいね」
「土気色なのね、どんなお味・・・あら、おいしー!!」
ジョニ子のスケパシーはわりとダダ漏れ気味である。
『ユヅルんちの晩ご飯おいしい!牡蠣最高!』
牡蠣大好きプルシェンコが反射的にクワドで仙台へ。
これまた本能的な動きでレイチェルがそのプルの腰にしがみつく。
未来・ザワツキー・ギルスが勢いでレイチェルの肩をつかみ、
彼女たちをかばうようにリッポンが覆いかぶさる。
おもしろがってジュベや経営者も後を追い、バトル、ミハルに
くっついてジョアニー、ファヌフ、サムソンも飛んできた。
欧州美女組・キャシー&クリス、川スミも一緒だ。ライサ&リューキンも。本田も。
羽生家の玄関前に集結した下関スケーターズ全員は、ニコニコしてドアチャイムを押す。
「ユヅル!遊びに来たよ!ワタシ、ニホンノカキダイスキ」
470:スポーツ好きさん
11/03/05 16:52:59.78 cXb3kwEj
スケーター軍団うじゃうじゃ。
玄関に出てきた羽生母は卒倒せんばかりに驚いている。
「うわー遅れちゃったよ!みんないきなり行くんだもんなあ」
遅れてきたJテンはうまい棒を大量に抱えており、本田はそれを急いで奪い取る。
「急に大勢で押しかけてしまって申し訳ありません!これは間違いです!
全員すぐ帰りますので、どうかこの件はご内密に!お詫びにうまい棒をどうぞ!」
「いえあの、皆さんどうぞおあがりくださいな。遠慮なさらず」
「羽生さん!こいつら本当に遠慮しないんですよ!」
「え、そうなんですか?」
狼狽する羽生母の後ろで、羽生は冷静にスリッパを並べている。
「ま、ご近所に配る予定だった分の牡蠣をごちそうすれば良いだけの事なんですけどね」
471:スポーツ好きさん
11/03/05 23:41:54.01 CLO4NRFa
羽生(プルシェンコさんの牡蠣好きはリサーチ済み…、計画通り…っ!)
472:スポーツ好きさん
11/03/06 09:52:46.65 +Um2x+la
チャッキー「じゃ、宝探しに行こうか」
ランビ「なんで?」
チャッキー「(愕然)なんで、ってそのためにんでしょうが!」
ランビ「寄せては返す波の音をBGMにして、美姫に見惚れているだけで十分」
美姫「やだ照れるー」
Pチャン「とりあえずお腹へらない?」
Dテン「へってますけど、ここはランビさんに学びましょう。役に立つかはともかく」
ガッちゃんは他の誰のスケパシーを聞き逃す事はあっても(面倒くさいから
聞かないふりする事も実は多かったり)プルのだけは絶対キャッチするのだった。
『土手鍋食べるの初めてだけど、やっぱりオイシイヨー!』
「ああ、ジェーニャ先輩と鍋を囲みたい。ユヅル、ずるい・・・」
473:スポーツ好きさん
11/03/06 19:00:54.86 wPeGgGNm
Dテンは美姫の正面に正座し、ガン見する。
ランビ「ああ、デニス、もうちょっとリラックスして」
Dテン「リ、リラックス・・・」
チャッキー「Pちゃぁん、冒険~」
Pチャン「お前、幼児退行してるぞ。今日はもう遅いし明日にしようぜ。アーチャ、飯」
ガチ「何で僕が!お前らに作ってやる飯などない!」
Pチャン「なんだよ、その態度!」
ガチ「なんでジェーニャ先輩以外の人間にご飯を作らなきゃいけないんだよ!」
「なんかまとまりのないパーティねぇ。今のはパトリックが悪いわよ。
ご飯は私が作るから三人は食糧調達して来て。ステフとデニスはテントはって。はい、駆け足!」
モロ組のオカンに成りつつある美姫。テキパキと仕切る。
474:スポーツ好きさん
11/03/06 22:01:20.76 vvzI9OwE
熱帯魚を大量獲ってきたPチャン・チャッキー・ガッちゃん。
「とりあえず煮魚と焼き魚にしてみたわよー」
「なまじ極彩色だからすげえまずそう」
一言が我慢出来ないPチャンに、オカンモードの美姫は
「あるもんでご飯食べなさい!わがまま言う子は食べんでいい!」
と叱責を浴びせた。
怖いので、残りのメンバーはしぶしぶ食べた。小骨が多すぎた。
475:スポーツ好きさん
11/03/07 06:34:01.76 4J3WMAE5
Pちゃん「ううっ小骨がノドに引っかかった…」
チャッキー「Pちゃん、なにしてんの~」
ランビ「はい、あーんしてくださいね~」
Pちゃんのノドに光る白いモノ
チャッキー「こっこれは魚の骨なんかじゃない!これは……!!」
476:スポーツ好きさん
11/03/07 21:30:51.07 X3XaEILA
羽生家牡蠣パーティー会場の座席は、なんとなくスケート界の序列というものが反映されていた。
(例外:羽生はプルとジョニ子の間に挟まって、かいがいしく料理を取り分けている)
テーブルにいるのはベテラン勢。キャリアの浅い者ほど遠慮して、食卓から遠ざかる事となる。
Jテン「だからって廊下に座布団はないよな」
リッポン「まあ、人数多すぎだから。暖房が効いてるだけマシだ」
ミハル「バトルさんの側に行きそびれた。泣きたい」
未来「ほら、土手鍋の中に残ってた白菜の切れっ端持ってきてあげたから泣かないで」
ミハル「牡蠣じゃないけど牡蠣の風味だけしておいしいなあ・・・やっぱり泣いていい?」
リッポン「そういやパトリックたちはどうしてるんだろう?」
Jテン「これ以上人が増えたら、白菜どころか生牡蠣に添えてあるレモンすら回ってこないよ。
もうしわけないけど、今だけは来ないでほしい」
477:スポーツ好きさん
11/03/07 23:29:43.25 lABNYsYh
「ジェレミーーーーーーーーー!!!」
どかんどかんどかn・・・と羽生家の屋根を突き破り、チャッキー一行が舞い戻った。
「今、何か言った、何か言ったよな?!」
着いた早々Jテンに詰め寄るPチャン。Jテンはげんなり。
「あー…、言ってない、言ってないよ。君って本当にうっとうしいなぁ……('A`) 」
「ふん、俺の活躍を聞いたらそんな口聞けないぞ。これを見ろ!」
Pチャンは何やら白く光り輝くものをかかげる。それは・・・
「あら、鍵?」「古そうね、アンティーク?」「なんか由緒ありげな…」
「宝箱の鍵だ!いや、秘密の庭?謎の洋館の鍵かもしれない。どれだケヴィン?!」
「わかんない、まだわかんないよ!でもお手柄だよ、パトリック!!」チャッキーも興奮しきり。
「ああ、僕のリトルマーメイド達、寂しくなかったかい?」(背中に熟睡Dテン)
「なんで結弦の家なのよ?探しちゃったじゃない」
「ユヅル!なにジェーニャ先輩の横に座ってるんだよ!」
「取りあえずお前ら・・・・・屋根を直して来いっっ!!!」
いつになく怒りをあらわにする本田に、チャッキー達はちょっと静かになった。
478:スポーツ好きさん
11/03/08 00:50:06.09 IEGT5WrO
デザートのずんだ餅と萩の月をむさぼり食いながら、レイチェルは分析を開始。
「海賊の剣とこの鍵はまったく別口、という前提で考えていたんだけど、
鍵に彫られたレリーフと剣の柄に彫られた模様が似てるのよね」
「剣には古代ギリシャ語が書いてあったんだっけ?」
サーシャが分析に参加する。
「そう。でもだからって古代ギリシャ時代の剣とは限らなかったりして」
「なんですって?」
「この剣を作った職人が、なんらかの事情であえて分かりにくくするために
難解な言語を選んだ、って可能性も否めないと思うの」
「確かに古代ギリシャの剣にしちゃ、保存状態がよすぎる気もする・・・」
肝心の鍵を持ち帰ったPチャン・剣の持ち主チャッキーは、羽生家の屋根を修繕。
P「なんでこんな寒さと空腹に耐えて屋根直さなきゃいけないんだか」
チ「黙れ。お前のせいだろ」
P「一緒に飛んできた仲間じゃないか。冷たい事言うなよ~、な?」
チ「こんな時ばっかり・・・ああ、牡蠣フライの衣だけでいいから食べたい」
「ついでに窓の修理もお願いしますね」
爽やかな笑顔で、サラリと追加依頼をしてくる羽生。
479:スポーツ好きさん
11/03/08 14:09:39.19 a5vh1r7i
Pチャン「俺、スケート引退したら建築で起業しようかな」
チャッキー「まずしかるべき会社に勤めて経験を積む、ってプロセスはないのか」
作業を終えて帰ってきた二人に、美姫がそっと紙包みを渡す。
「牡蠣ご飯をおにぎりにしておいたから食べて。お疲れ様」
「「おかあさーん!!。・゚・(ノД`)・゚・。ありがとう」」
「あとカキフライの下に敷いてあったシナシナのサラダ菜も添えておいたわ」
飢えて凍えた二人には、美姫がオカンを通り越して女神に見えてきた。
ライサ「建築業より解体業の方が向いてそうだけどな、あいつら」
リューキン「おめえが言うなw」
480:スポーツ好きさん
11/03/09 11:38:44.56 kaUxSigj
出稼ぎでショーの仕事に出かけたプル・ジョニ子・ランビを除くメンバーは
一度下関に戻りピンクバスに乗車。
「宝の件はみんなで例の島行って、腰据えて手がかり探した方が話早いって」
経営者の意見に一同納得。
(仙台のリンクでこっそり練習に励んだりもしたので気分爽快)
久々に出番ありのピンクバスも超やる気。3大テノールいないし。
『宝石みつかったらアタシにも分けなさいよー!わかってるでしょうねー!』
ジョニ子のスケパシーはやっぱりダダ漏れ。
481:スポーツ好きさん
11/03/09 18:25:33.25 UVHLp1ID
ロシェットが大量のポップコーンを差し入れしてくれた。
未来、ザワツキー、ギルスらは「遠足みたいだね~」とポップコーンをほおばりにこにこ。
いつも女子の間に割って入るランビもいないのでピンクバスもご機嫌。
ジョニ子指定席の後部座席は、諸先輩方を差し置いてPチャンがナチュラルに座っている。
「君って、やっぱり凄いね・・・」
後ろを振り返り、呆れ半分、感心半分でリッポンが言った。
「へ?何が?」
「……いや、別に。ワールド頑張ってね」
「おう、まかせとけ!」
「(アメリカ人の僕に言われてもなぁ…)」
482:スポーツ好きさん
11/03/10 15:11:19.60 bW2Xmv8e
島についたら、いの一番にチャッキーがダッシュ。難破船目指して潜行開始。
勢いにつられてPチャン・Jテン・Dテン・リッポンも後を追う。
ジョアニー「男の子たちは元気ねー」
ファヌフ「私たちはのんびり行きましょう。ミリアン、あなたはお留守番しててちょうだいね」
後輩の怪我を気遣いつつ、ファヌフは男子顔負けのダイブを見せた。
負けちゃいられない、とジュベ他のメンバーも追走。
サムソン「じゃ、私たちは待ってようか」
話しかけられたピンクバスは、またボンネットのあたりをホカホカにして照れている。
483:スポーツ好きさん
11/03/10 22:48:53.06 Cnw5pGK8
極彩色の熱帯魚たちがゆらゆらと泳ぐ中、スケーター達は難破船へと向かっていた。
グレボワ「うわぁ!綺麗!」
悠子「素敵ねぇ」
女性陣は感嘆の声をあげる。
サラ「この間来た時はゆっくり見られなかったものね」
ガチ「でも、小骨が多くて食べる部分が少なかったですよ。調理方法を工夫しないと」
一瞬の間をおいて皆は大爆笑。
ガチ「え?え?え?」
セベスチェン「やだわ、アーチャったら。そういう話じゃないでしょ?w」
キャシー「ふふ、発想が主婦みたいね~」
サーシャ「可愛いわねぇ、困ったわw」
自分がおかしな事を言ったのを自覚したのと、美女たちにからかわれたのとで、
ガっちゃんは耳まで真っ赤になってしまった。
484:スポーツ好きさん
11/03/22 15:24:14.23 NdbhA3yH
ショーの出演を終えて無人島を目指しつつ、ジョニ子は日本の大地震が気になってならない。
「一日も早く復興しますように。トークショーも中止になっちゃったし、アタシにできる事は何もないのかしら」
はらはらと溢れる涙をランビがそっと拭う。
「被災地はもちろん、それ以外の地域でも電力の供給が制限されたり、首都東京も大変らしい。
今僕らができる事は、冷静に状況を判断し、本当に求められている支援をする事さアハン」
「世界選手権も延期だの中止だの、ややこしい事になってるし。ロシアで代理開催できるなら、できるかぎりの支援をする」
プルの言葉にジョニ子はキリキリとハンカチを噛んだ。
485:スポーツ好きさん
11/04/08 13:43:40.99 BiLbXr9d
久方ぶりかつ急になんですが●オバサン度チェック!●
□ 湯船につかって「はぁ~~」と思いっきり言っていた。
□ 自分より年下に思える男性からため口を聞かれると、若く見えているのかしら?と嬉しくなる
□ 「よっこらしょ」と思わず出てしまったことが一度や二度ではない
□ あまりに馬鹿笑いしすぎて周囲から注目を浴びたことがある
□ しかもその視線に気づきながらも素知らぬ顔で通した
□ 笑うと、なぜか周りにいる人を手首のスナップをきかせて叩いてしまう
□ TVに向かって“突っ込み”を入れるようになった
□ (自分のことは棚に上げて)人のあらばかりが気になるようになった
□ クローゼットから小学校の授業参観の時の匂いがした。
□ 何年か前の自分の写真と比べて、一番違うのは眉毛だ。
□ 化粧品に使う金額が年々増加の一途だ。
□ 鏡を前にして、なぜか鼻の下を思いっきり伸ばした状態で化粧をしている
□ 家に帰るとまず真っ先にトイレに駆け込む
□ 流行ものの良さが理解できない。
□ にもかかわらず、若く見られたいがため、流行ものを追っている
□ 無性に女子高生が憎たらしい
□ 買い物に行くと異常に長い時間がかかる
□ その上、散々悩んだ挙げ句に買わないこともままある
□ ポイントカードに弱い
□ 試食は食べても基本的に買う気はない
□ 街で配っているティッシュは原則もらう
□ 街で「おねえさん」と呼ばれた時にちょっと顔がほころんでしまう。
□ 焼き肉と酒(ビール)の組み合わせは最高に旨い
□ 二の腕の気持ちよさには自信がある
□ 下っ腹がヤバい。
□ 本当にヤバかったら、男子トイレの個室を使うことも辞さない。
ジョニ子「やぁだ、2つあてはまっちゃってるわ」
サーシャ「正直に言いなさいよ。4つでしょ」
ジョニ子「2つよ!2つ!」
486:スポーツ好きさん
11/04/17 20:52:29.66 ENzoT6wt
ジョニ子「マダムと呼ばれたら顔がほころぶ、と、男子トイレ個室の2つだけよ」
サーシャ「化粧品代急上昇!買い物が異常に長時間!」
ジョニ子「(目が泳ぐ)いやーね、そんな事ないわよぉ。ね、レイチェルそうでしょ?」
レイチェル「私は二の腕の気持よさに自信がある!日本最強の民族『OBASAN』を継ぐ素質があるかと」
何か勘違い?誇らしげに腕組みし、ジョニ子を振り返る。
レイチェル「OBASANの先輩として、私を導いてね。下っ腹がヤバいってどういう意味かしら」
ジョニ子「さあ・・・('A`)で、お宝探しの方はどう?」
レイチェル「この1ヶ月少々の間に、難破船から剣の鞘が発見されたから文章解読したの」
ジョニ子「宝物は!?宝石は!?貴金属は!?」
レイチェルは『まあまあ、落ち着いて』と言うように、広げた両手でジョニ子を宥める仕草をしてみせた。
487:スポーツ好きさん
11/04/20 18:53:22.61 MPB8VdQn
「鞘には【何よりも輝く宝石は己の心の内にあり】と書いてあったわ」
レイチェルの言葉に、ジョニ子は激しくズッコケた。
「もうイヤー!!やっぱりロシアの大富豪にダイヤモンド買ってもらうー!!!!」
「そんなあてないでしょ?」
冷静にツッコむサーシャ。セベスチェンやグレボアは同情顔。
「まあ、後は鍵の方の謎が残ってるしさ、気を落とさないで行こうよ」
世界選手権を控えているというのに、余裕の慰めをするPちゃん。
「・・・映画版のジャイアンみたい。かっこいい」
未来は感嘆のため息をもらし、その隣では本田が深々と頷いている。
(この子、なんだかんだいっても日本文化に親しんでるよなあ)
488:スポーツ好きさん
11/04/26 13:29:14.29 mMerc3Vm
「そんな時こそ、この羅針盤が役にたつよ!」
今日も元気いっぱいのチャッキー、勇んで羅針盤をかかげるが、それをPチャンが横からとりあげた。
「ちょっと!」
「お前のものは俺のもの。俺のものは俺のもの」
リッポン「あーあ、TV版のジャイアンになっちゃった。ワールド前に身を慎んだ方がいいだろうになぁ」
Jテン「まあ、パトリックらしくていいんじゃない。なあ、スネ夫」
リッポン「誰がスネ夫だっ!」
489:スポーツ好きさん
11/04/27 08:27:11.48 FkH6gB7R
Pチャンはそうっと羅針盤を地面に置き、鍵を乗せた。
羅針盤の針が激しく動き始める。差した方角は―
全員「北だー!!!!!」
490:スポーツ好きさん
11/05/03 10:41:27.22 A/3wf96T
ダウジングロッドと羅針盤を持って、バトルはシベリアをウロウロしていた。
付き従うのはリッポンとJテンの二人。
「本当にここなんですかー?もうヘトヘトです~('A`)」
「次こそお宝出てくるって!がんばろう」
「先輩じゃなきゃ『自分で掘れ!』って言ってやるのに・・・この人、憎めないんだよなあ」
Jテンはぼやきながらも、バトルの示す氷原にツルハシを打ち込む。
そこに金メダルをぶら下げたPチャン&美姫+他、世界選手権参加者が跳んでくる。
「宝はもう見つかったかなー?」
「そんな甘いもんじゃな・・・っていうか、その」
リッポンは経営者におんぶされたレイチェルや、ファヌフの肩を借りて歩くチャッキーを見つけた。
「・・・みんなお疲れ様でした!今はゆっくり休んで。宝探しは僕らががんばる」
491:スポーツ好きさん
11/05/05 10:52:15.67 6gWLGRgN
掌がマメだらけになってしまったリッポン&Jテンに代わり、スミルノフとジュベール登場。
「やっと来た俺の見せ場!」
「この勇姿をママンに見せたい!ママン~!!」
うなれ大胸筋、輝け広背筋。そこらじゅうに削り氷の山ができる。
492:スポーツ好きさん
11/05/07 13:25:06.99 MlLo3d1R
他の選手が掘ったり探ったりしている間、ジョニ子は草の束を作ってサラに投げてもらっている。
サラ「ねえジョニー、これ何の練習なの?」
ジョニ子「タラが結婚するのよ!式でブーケトスするでしょ?」
サラ「ああ、ブーケ欲しいのねw」
ジョニ子「ええそうよ!なりふりかまっていられないのよ!おまじないだろうと迷信だろうと縋るわ」
ブーケトスを想定した千本ノックに、女子選手一同目頭が熱い。
493:スポーツ好きさん
11/05/08 18:07:08.92 S1RMND/u
男性陣の中でやたらとテンションが高いのはミハル。
ニッカボッカ的な衣装に身を包み、張り切ってツルハシを振り上げ振り下ろす。
ミハル「バトルさん!ここから先はこの復活したミハルに全てお任せ下さい!
僕の二種クワド見てくれましたか?この勝利をバトルさんに捧げます!」
Pチャン「勝ってはいないだろっ!」
494:スポーツ好きさん
11/05/09 13:40:38.68 Sc0v49oH
「ミハルはね、自分自身に勝ったんだよ。きっと」
達観したような表情で呟くチャッキーの声に、Pチャンのツッコミが止まる。
すると背後からレイチェルがヒョイっと顔を出した。
「そうね。私たちが自分に勝つためにしなきゃいけないのはまず休む事。そして―」
ボルシチがなみなみと入ったスープ皿をチャッキーの前にドカンと置く。
「食べる事よー!!ユウコ、お代わりプリーズ!!!!」
モリモリと食べてみるみるうちに元気復活するレイチェルを見て、ボルシチ係の川口の表情も綻ぶ。
「そうよどんどん食べなさい!食べっぷりいいと作りがいがあるわ」
美姫も負けじと味噌煮込みうどんを作り始めた。
495:スポーツ好きさん
11/05/12 19:31:44.20 CVsdQDfJ
「これだけ掘っても出てこないとなると、この羅針盤はアテにならないかも?」
氷原はあちこち穴だらけ+疲れはてて倒れた男子選手だらけに。
「ああ、吹雪の向こうにシマウマが見える……アハン」
ランビエールに至っては疲労のあまり(?)幻覚まで見え出したご様子。
そこに地図とホットチョコ入りポットを持ってミライ登場。
「今、女子のみんなで、掘削済み地点の緯度経度を全て計測してるんですぅ」
「それを順につなぐと北斗七星の形になるのかい?死兆星が見えそうさアハン」
「数値が暗号化できないか、レイチェルが分析するそうですよぅ」
ランビの側に転がる羅針盤が、かすかに震えた。
同時刻、ジョニ子は心眼を研ぎ澄まし、瞼を閉じていてもジャンプ一発で
ブーケ(を模した草の束)をキャッチできる境地に達していた。
「……今なら余裕でクワド飛べるような気がするわ」
496:スポーツ好きさん
11/05/15 21:56:51.47 eruelYYT
疲れてしまったプルの為に、ガっちゃんはペリメニを作り出した。
面白そうなのでPチャン達も参加する。
Pチャン「これって中国の水餃子だよな。
でも、アーチャもメダリストになったのにまだ先輩に尽すんだな~」
ガチ「ペリメニ!僕はジェーニャ先輩とやりあうつもりはありません。
あなたみたいに先輩にやたらめったら噛みつかないんです」
Pチャン「俺だってジェフに噛みついた事はないぞ!
それにプルシェンコだって子供の頃のヒーローだったし・・・ブツブツ」
チャッキー「僕のアイドルはエマだったよ。出来た!見て見て、ドーナツ型のペリメニ!」
リッポン「ケヴィン、食べ物で遊ばない。僕の憧れはミシェル・クワンだったな」
ミハル「俺は断然、バト・・・」
全員「うん、知ってる」
羽生「僕はプルシェンコは神で、アイドルはジョニー、エルドリッジが教科書で、
おんぶして貰いたい人がパトリックだよ!」
ミハル「気が多い奴だな、浮気性め!」
Pチャン「・・・最後はどういう意味だ?」
リッポン「てかユヅルいつの間に。でも、ユヅルが一番ペリメニ上手いなぁ。日本人って本当に器用だね」
497:スポーツ好きさん
11/05/18 21:06:00.26 sV16i0P9
ジョニ子「アタシとっても素敵な事を思いついたわ!!
このボルシチとペリメニをひっさげてジャパンで炊き出ししない?
打倒石原軍団よ!!!」
498:スポーツ好きさん
11/05/19 00:03:05.04 hzrZIpz9
みんな「別に倒す必要は無いよ!」
499:スポーツ好きさん
11/05/22 19:35:44.93 mldvEi/j
チャキ「それに炊き出ししてもレイチェルが作るそばから食べちゃ、ぐはっ!」
リッポン「それでレイチェル、暗号解析は進んでる?」
レイ「ケヴィンは誤解してるわね。私は三度の飯より計算が好きなのよ」
未来「レイチェル、キャロから誕生日ケーキの金魚鉢ティラミスがお裾わけで届いたけど」
レイ「勿論、いただくわ」
チャキ「僕、間違った事言ってないじゃ・・・!わ、分ったよ、アダム、つるはし下ろせよ・・・」
「むぐむぐ解析は出来てないけど一つだけ分ったことはあるわ」
金魚鉢を抱えるレイチェルの周りに一同は期待を込めて集まる。
「掘った穴を線で繋ぐと北斗七星じゃなくて円になるの。その中心に私達は居るもぐもぐ」
その時、ぼこん、と大地が揺れた。
「きゃー!やだ地震?!」
ジョニ子は慌ててジュベール、経営者の脇を確保する(頼りになりそうだから)。
ライサもリューキン、Dテン、未来を傍へ引き寄せ、本田は美姫を、
リッポンは、ぼーっとしているPチャン、チャッキーを蹴飛ばしてそれぞれ女の子達を守らせる。
Pチャン「いちいち蹴るなよっ!今やろうと思ってたのに!」
「地震じゃないわ。計測してて分ったんだけど、どうもこの地下に空洞があるみたいで・・・」
レイチェルの言葉をきっかけに足元の地面が抜けた。
「いやーーー!!!ブライアンがむきになって掘るからああああ」
「俺のせいかっ!」
ジュベの抗議の声と共にスケーター達は地下深くへと落ちて行った。
500:スポーツ好きさん
11/05/23 01:18:17.10 ZNeJZ7Mj
ジョニ子「タラにブライズメイドやってあげるって、約束したのにー!!!!」
全員「嘘つけー!!!!」
501:スポーツ好きさん
11/05/27 15:18:36.97 ryfm63eF
もうじき300KBというところで、地下の空洞に落ちてしまったスケーターズ一行。
各々運動神経のよさを発揮し、奇跡的に全員無傷。
レイチェル「困ったわ。解析に使ってたエニグマ暗号機が壊れちゃった」
Pチャン「そこはこう、理系パワーでチョチョッと直せないの?」
レイチェル「なんでも理系だからって……ってこの会話、以前もしたような」
リッポン「(なぜそんなすごいもの持っているか、誰かつっこまないのか?)」
ジョニ子「ああ、ユリ・ゲラーがいたらいいのにー!」
サラ「超能力頼み?ってそれよりここを脱出する事を考えないと」
全員。はるか上にポッカリあいた穴を見つめ、ため息をつく。
こんな時に限って、見える空は青く澄んでいる。
502:スポーツ好きさん
11/05/29 10:25:34.26 kxI5UduF
ザワツキー「ねえ、誰かツッコまないの?」
ギルス「じゃ、あなたいきなさいよ」
サムソン「あまりに堂々としてて、どう声をかけていいやら」
困惑する三人娘の前で、ジョニ子はなぜかウェディングドレス着用。
腰に手を当て仁王立ち。背中がキツキツ。twitterで全世界に発信。
503:スポーツ好きさん
11/05/29 21:40:32.66 Bbl6cUQf
バトルはチャッキー、Dテンの眼を後ろからそっと塞ぐ。
「?ジェフ、なんで?」
「いや、君たちにはまだ早いというか、目の毒というか、R指定というか・・・ごにょごにょ」
「R指定・・・ サイコホラーか、むぐっ、んーっんーっっ!」
リッポンはPチャンの口をそっと塞ぐ。
「余計な事を言わないように」
ランビエールは動じない。
「やあ、ジョニー!良く似合ってるよ。まるで地下深くで輝く水晶の女王のようだ。ねえ、ジェーニャ」
「うん、そうだね(棒)。処で、そのドレスはどこにあったんだい?」
「やだぁ、二人とも♪あっちの奥にいっぱいあったのよ。ドレスだけじゃなくって」
見ると、確かに何やらクラシカルなドレスや調度品が置かれている一角があった。
経営者「これはどういう・・・」
リッポン「パトリックじゃないけど、サイコホラーみたいな…、いや、ゴシックホラーかな?」
Pチャン「んんんーっ!!(鼻っ、鼻も塞いでるっ!第一犠牲者になるっ!!)」
504:スポーツ好きさん
11/05/30 10:22:14.49 71rUb5RH
「せっかくだからさ、女子一同ウェディングドレスを着てみたらどうかな?アハン」
ランビの提案に美姫が首を横に振る。
「独身の女性がウェディングドレスを着ると、婚期を逃すという言い伝えがあるの」
「ええっ!そんじゃやめとく・・・」
三人娘+ミライが残念そうにドレスから手を引っ込めた。
「でもネックレスならいいわよね?」
ファヌフがパールのネックレスに手を伸ばした瞬間、チャッキーが叫んだ。
「ネックレスは駄目だ!体が分裂するから!」
「それ前スレ」
リッポンが冷静に突っ込む。Pチャンを呼吸困難に陥れたまま。
505:スポーツ好きさん
11/06/02 21:15:06.71 5kU/y0wr
ジョニ子「ところで、アタシ今人生で初めてノーパンなのよ」
一同「いちいち全世界に向けて宣言しなくていいよ!」
506:スポーツ好きさん
11/06/03 10:53:58.44 cp3JSHoA
ジョニ子が脱いだパンツは、一抱えもありそうな巨大な木箱にひっかかっていた。
その木箱はがっちりと鉄の枠がはまっており、少々の衝撃では壊れない強度がうかがえる。
ごっつい南京錠を見て、Pチャンは自分が後生大事に握りしめていた鍵の事を思い出した。
「アダム離せ!きっとあれが宝箱に違いない!」
「ごめん!ジョニー姐さんがいちいちすごすぎて、このスレの初期設定忘れてた!」
507:スポーツ好きさん
11/06/04 18:52:58.04 hsiCcsR3
ジョニ子「アタシのパンツと宝箱のコラボレーション…
これはもしかして、アタシのおパンツが至高の宝物と同価値である事の暗示!?」
Pチャン「離せアダム。一発、殴らせろ」
リッポン「き、気持ちは分かるけど、そう言われて僕の立場で今、君を離すわけには・・・・」
508:スポーツ好きさん
11/06/05 18:19:11.52 S9mIGVMx
「ま、いいから鍵貸して」
リッポンともめてるPチャンの手から鍵を取り上げ、チャッキーが素早く宝箱の鍵を開けた。
箱の底にはカードが一枚。
『お宝はいただきました! 怪盗エマニュエルより愛を込めて(笑)』
「何が(笑)だバカ野郎!!!!!」
チャッキー大暴れ。Pチャンが泣きながらその腰に縋りつく。
「僕らの大切な先輩じゃないか、バカとか言うな!」
「わかってる!でもこりゃないよー。・゚・(ノД`)・゚・。ひどいよ!」
「・・・ケヴィン、キャラ変わったな」
バトルはとりあえず静観の構え。
ジョニ子は卒倒。白目を剥いたその瞼を、サーシャが掌でそっと閉じてやった。
509:スポーツ好きさん
11/06/06 17:51:49.11 3GX9S2Br
「ひょんな事でいただいてきちゃったけど……どうしようかしら、これ」
自宅で「お宝」をもてあまし、エマは溜息をついた。
510:スポーツ好きさん
11/06/06 23:37:52.67 hFEXDZRl
エマが持て余しているお宝の他にも、宝箱?の周辺にはアクセサリーやドレスが溢れていた。
美姫「これだけ乙女心くすぐるアイテムがあったら、十分だと思うんだけどなー」
羽生「ジョニーさんは常に高みを目指す方なんですよ」
本田「高みっていうのか?それ」
女子選手たちはおっかなびっくり乙女グッズを身に付けてみては、頬をバラ色に染める。
ランビ「いいよいいよー。やはり女の子はこうでなきゃ。アハン」
Dテン「(そういうものなのかなあ・・・まあいいや。わかんないから寝よう)」
511:スポーツ好きさん
11/06/07 13:13:53.82 70FjJrQH
ジョニ子は乙女本能ゆえに、すぐ失神状態を脱した。
「花嫁のベールもたくさんあるわ~」
シャンプーハットやブルカまで被り、恐ろしい事にそれを自分流のアレンジで華麗にファッションへと昇華。
サイズアウトの指輪は小指にはめる。
ミライを始めとした若手女子は惜しみない賛辞を送る。
「ジョニー素敵!私達のファッションリーダー!」
洞窟の奥でモデルウォークをしつつ、ジョニ子は宝物への探究心を捨ててはいなかった。
―エマ、あんたから宝物を取り返してやる!
512:スポーツ好きさん
11/06/08 11:55:35.16 ky9hDzn0
「ちょいとケヴィン!」
ウェディングドレスの裾を翻し、ジョニ子は洞窟の隅に体育座りをしているチャッキーを振り返る。
「あんたエマんち知ってるでしょ。案内しなさいよ」
「そりゃ知ってるけど・・・ここからどうやって出るのさ」
「飛んで出るに決まってるでしょーが!」
ジョニ子は雄々しくもチャッキーをお姫様抱っこし、クワドを決めた!
「ドレスのパワーね・・・ジョニ子、おそろしい子」
サーシャがぽつりと呟いた。
513:スポーツ好きさん
11/06/09 07:52:45.87 KhcpXv9w
ドカーン!!!!
毎度おなじみ屋根突き破って登場、ジョニ子&チャッキーがエマ宅に見参!
「キャー!!ドラァグクイーンのモンスターが来たわ!怖いー!地獄に帰れ」
「アンタの方がなんぼか怖いわよエマ!さあお宝どこ!だしなさいよ!」
「ジョニ子にだけは渡したくないわよっ。ひとんちの屋根壊して・・・あら、ケヴィンも一緒なの?」
「先輩、お久しぶりです」
礼儀正しく挨拶するチャッキーに、エマは愛想良く微笑みかける。
「ちょうどよかったわ。シベリアの地下で、アンタにちょうどいいお宝を見つけたの」
エマが持ってきたのは・・・一抱えもあるような、巨大アンメルツヨコヨコだった。
514:スポーツ好きさん
11/06/09 08:16:58.44 WSQBL3AE
「なんですかこれ・・・?」
戸惑うチャッキーの傍に、本田・美姫・羽生が飛んできた。
「これはアンメルツヨコヨコといって、日本の薬品だ。筋肉痛に効く。ちょっとメントール臭がきついけど」
「でもこんなデカいの初めて見たわ」
「薬局の店頭に置いてある販促用の飾りじゃないですか?
エマは日本三人衆を無視し、チャッキーに向き直る。
「ふふふ、これは秘宝よ?筋肉痛どころか痛めた腱や疲労骨折にも効くの」
まさにチャッキーのためのお宝である。
515:スポーツ好きさん
11/06/09 22:25:16.55 gPXpIMnz
ドカーーーーン!!!
レイチェルを抱えてリッポン登場
「そんなに良いものなら彼女にも塗ってあげてよ!」
516:スポーツ好きさん
11/06/10 09:47:57.97 4z0ZrD4b
「そりゃ塗るわよ~。さあ負傷した選手はみんな一列に並んで!
優しいナースのエマが癒してあげるわ~」
エマはいつのまにかナース服にコスプレチェンジし、患者第一号の
チャッキーの脚にアンメルツヨコヨコを押し当てようとした。
が、この秘宝、すさまじくデカイ。そして重い。
「あらやだ手が滑ったわ!」
「うぎゃー!」
脚に塗るはずのアンメルツはチャッキーの顔面に。
「目がー!!目に染みて涙が止まらない!」
「暴れないで!さあ、今度こそ脚に塗るから」
部屋に充満するメントール臭に、レイチェルは顔をしかめた。
遅れてやってきたサムソンに至っては涙目である。沁みたのか、恐怖か。
517:スポーツ好きさん
11/06/10 16:38:51.30 YZ3D/Mdx
「何やってんのよ!ちょっと貸してみなさい!」
ジョニ子はアンメルツヨコヨコをエマから取り上げる。
が、やはりその重さでふらふら。引きつるチャッキー。
「ジョニーさん、手伝いますよ」羽生が慌てて手を差し伸べる。
「ありがとうユズル、いい子ね(はぁと
あらやだ、これってケーキ入刀みたい。二人の初めての共同作業?キャッ(*ノ∀ノ)」
ジョニ子の事は尊敬してやまない羽生であるが、本能的恐怖に襲われ、光の速さで手を離す。
ふらついたジョニ子のアンメルツは、咄嗟にレイチェルをかばったリッポンの顔面にヒット。
「あああああ!目がーー!目がーーーー!!」
518:スポーツ好きさん
11/06/10 17:01:24.19 PtqeHZIo
怪我が治る秘宝、とのスケパシーを受けて咄嗟にサムソンを担いで飛んできた
ファヌフ&ロシェットだったが、自分たちの判断ミスに頭を抱えた。
エマとジョニ子が絡んでは、秘宝も台無し・・・どころか、新たなトラブルを産むのだ。
「ミリアン、ごめんね。私達ついテンション上がっちゃって」
「まさか秘宝がこんなにデカいなんて思わなかったの」
「いえ、二人の気持ちだけで嬉しいから・・・」
手刀をジョニ子のうなじにぶちかましてアンメルツを奪う、という策がファヌフの脳裏をよぎった。
しかし基本、暴力は好まない彼女はあえて手を出せずにいる。
519:スポーツ好きさん
11/06/11 11:28:25.38 w5+goaX7
タオルでしきりに目を擦っていたリッポンだったが、ふとその手が止まった。
「あれ?近眼治った」
「あなた視力悪かったっけ?」
レイチェルの問いに、リッポンは目をシパシパさせながら答える。
「日常生活に支障はきたさないけど、たまにメガネをかける事はあるよ。
ケヴィンはどう?なんか変化あった?」
「いや、別に」
ほったらかされてチャッキーはぐったり状態。
目の前ではウェディングドレスのジョニ子とナース姿のエマが取っ組み合いだ。
なんかいろいろ毒々しすぎる。たまにジョニ子が両脚全開でひっくり返ったりするし。
520:スポーツ好きさん
11/06/12 11:12:33.36 TYTNgXwd
「持ち上げて塗ろうとするから、無理が生じるだけじゃない?」
レイチェルはそうつぶやくとアンメルツヨコヨコを部屋の中央に立てる。
テーブルに乗っかり脚を伸ばし、患部をヨコヨコ頭部に押し当てた。
「ほーら治った。さ、ケヴィン、ミリアン次はあなた達の番よ」
レディ・ファーストでサムソンに先を譲り、チャッキーはwktkで順番を待つ。
ドカーン!!
今度はPチャンである。腰にはライサ(の腰にはリューキン)付き。
「エヴァンが俺の足が臭いってうるさい!だからその秘宝で臭くなくしてよ」
「スケート靴履く時にソックス履けば済む話だろ!消臭剤使うとかさー」
せっかくの宝を冒涜されたような気がして、チャッキーは頭をかかえた。
521:スポーツ好きさん
11/06/12 12:48:29.05 zLzeSMbb
秘宝にこすりつけたおかげで、Pチャンの足臭は見事なミントフレグランスに変化。
しかしチャッキーはぐったり。直後に自分の脚を接触させるのに抵抗を感じてしまう。
522:スポーツ好きさん
11/06/12 18:05:46.00 8P2uucXu
チャッキーが迷っているうちにミハルにぶらさがったバトルとJテンが飛んできた。
「足クサ治るって~?もぐもぐもぐ」
「ぼくは気にしません!」
「気にしろよ!」突っ込んだのはJテン。隅でますます落ち込むチャッキー。
523:スポーツ好きさん
11/06/13 05:49:34.41 HBWCKxwP
アスリートフットに悩む選手(スケーターじゃないのまで混じってる)が
大挙しておしよせ、エマんちはツルフワ清潔足に生まれ変わった幸せ者でいっぱい。
Pチャン+バトルが問うてくる。
「さーて、ケヴィンはまだ怪我の治療しないの?なんで?」
「今、この状況でできるかー!!せめて消毒とかしないと」
「オキシドールとか塗る?ってあれ?アンメルツの頭部がもうカピカピに乾いてる」
優秀な薬剤ではあるが、容器の形状の関係で、立てっぱなしで使い続けると
スポンジ部分が乾いてしまうのだ!
「やっぱり持ち上げて下に向けるしかないわねー。底に溜まった薬液出さなきゃ」
ジョニ子がヨロヨロとアンメルツヨコヨコを担ぎ上げ、チャッキーに近寄ってくる。
また顔にぶつけられたらたまらない。今度こそマジ勘弁して欲しい。
超高速後じさりするチャッキー。追うジョニ子。
524:スポーツ好きさん
11/06/13 15:02:56.22 x+aWwqxQ
「あらやだこんな事してる場合じゃないわ!」
ジョニ子はアンメルツを放り出し某所へ飛んだ。
URLリンク(www.youtube.com)
「あ、これじゃケヴィンの怪我は後回しかしらねー。一世一台のパレードですもの」
深々とうなずくエマの隣で、ファヌフ&ロシェットは素早くアンメルツの頭部を除菌アルコールで拭き清めた。
「お待たせ。さあケヴィンあなたが復活を遂げる時が来たのよ」
「みんな・・・ありがと」ケヴィン、いよいよ本気モードに!!
525:スポーツ好きさん
11/06/13 18:03:03.02 bdEZ6/Xb
ジョニ子の一世一代の晴舞台!そんな面白い見世物、いやイベントは是非応援してやらないと!
と一部のスケーター達はLAに飛んだ。
Pチャン「Sugeee ガ━Σ(゚Д゚|||)━ン!! 」
本田「(ぴーちゃん・・・その顔文字どこで覚えた・・・まさかまた美姫ちゃんが)」
美姫「(知らんぷり)どうせならウェディングドレスで出れば良かったのにねーw」
グレボワ「結婚パレードになっちゃうじゃない」
ユウコ「しかも一人だし」
セべ「本当にするかもよ?結婚パレードw」
サーシャ「どこの王さまと結婚するのよ」
「可憐なブライズメイド達、実は僕もパレードに参加したことがあるんだよ♪」
そう言ってランビはププーとシャボン玉を噴いてみせる。
「ステフ、あれは“パレード”じゃなくて“デモ”」
突っ込むサラ。
526:スポーツ好きさん
11/06/14 11:15:28.82 J76f6+vt
リード姉弟は必死に写真を撮りまくる。
「あの髪型、チョンマゲだよね?そうだよね?」
「現代風のアレンジは加えられているようだけど、間違いないわ」
次の衣装に使うのか!?
527:スポーツ好きさん
11/06/14 16:54:13.30 CeA7X15P
ミハル「七五三の御写真、とてもよく似合ってましたよ。お姉さん、お兄さん」
キャシー「やだミハルったら。でも本当はアリソンが一番似合ってたとか思ってるでしょ?w」
クリス「お兄さんって何だよ。バースデーパーティーに呼ばれたからって調子にのるなよ」
バトル「あの…ミハル…、どうして僕は連れて来られたのかな?腕、はなしてくれると嬉しいな……」
528:スポーツ好きさん
11/06/15 09:06:46.23 qF4FPtxK
消毒済のアンメルツヨコヨコで、無事怪我を治したチャッキーは、
皆の後を追ってジョニ子の晴れ姿とご対面。
「うわ・・・来なくてもよかった」
「何言ってるのケヴィン!アタシの素敵なイヴェントを目に焼き付けて!銀パンツ見て!」
近眼が治ったばかりのリッポンはそっと溜息をついた。
「どうせ回復した視力で見つめるなら、もうちょっと違うものを観たかったな」
529:スポーツ好きさん
11/06/15 20:26:26.07 gEBT4uQw
その頃のシベリア残留組。
ドレスやらアクセサリーやらで盛り上がるザワツキー・ギルス・ミライ。
「プロムでこんなの着ても良かったなあ」
なぜか一緒になってがさごそしているプル。
「何か探してるんですか?」ガッちゃんがたずねる。
「面白いものがありそうだから。金パンツ二号とか」
それを聞いたジュベ・経営者・スミルノフも服の山に頭を突っ込み始める。
530:スポーツ好きさん
11/06/16 00:00:45.60 X2bMX1id
「金パンツの代わりなら、こういうのも受けるかもー」
未来が見せてきた画像はこれ↓
URLリンク(27.media.tumblr.com)
「ちょ、どっから持ってきたんだこれ!ある意味R-18指定だろう!」
後輩の弾けっぷりにのけぞる経営者。ついこないだ誕生日を祝ってやったばかりなのに・・・
「メンズブラって流行ってるんじゃないですかぁ?」
「どこでだ!」
「んー・・・デトロイト?」
「聞いた事ないよ!今見た物は忘れなさい。君たちには早過ぎる過激ジョークだから」
無邪気な若手女子一同は素直に納得。経営者は胸をなで下ろした。