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「同じ日本人が異国で惨めな日々を送っている。なぜこんなことになったのか掘り下げたかった」。水谷竹秀さん(36)は、フィリピン
で経済的に追い込まれた「困窮邦人」の実態を取り上げ、開高健ノンフィクション賞を受賞した。
フィリピンで事件や事故、話題を追う邦字紙の記者。取材のきっかけは3年ほど前。入国管理局の施設で国外退去処分を待つ
80歳目前の日本人男性との出会いだった。歯は抜け、所持金はゼロ。「よく生きているなあ」。驚きに心を揺さぶられた。
受賞作「日本を捨てた男たち」の一部は紙面に掲載されたが、大半は書き下ろし。2年前に独自取材を本格的に始めた。休日や
仕事が終わった後、自費でフィリピン国内や日本の家族宅を訪ねた。マニラの犯罪多発地区にも足を運んだ。
フィリピンパブで知り合った若い女性を追い掛けて結婚し、日本の家族に見捨てられた技術者。借金返済に追われて逃亡してきた
運送業者。「恥ずかしい人生を聞き出すので取材を断る人もいた」。虚言や金の無心も。
「同情は薄れた。でも、どこかで人間の弱さを感じさせてくれた」。事実をこつこつと積み上げて「駄目な人間」の悲哀を描いた。
大学卒業後、居酒屋やカメラマンのアルバイトを経て7年前にマニラに。「開放的な場所で物書きをしたかった」。同僚の評は
「シャイで真面目」。原稿に納得がいかないと、明け方まで手直しする。息抜きはカラオケバーでの歓談だ。
ソース(MSN産経ニュース) URLリンク(sankei.jp.msn.com)