10/09/23 10:05:43
201×年1月16日,P地検特捜部は,厚生労働省局長Aが技官Bに指示をして,
偽の領収書を作成させ裏金を私的に流用した疑いがあるとして,AとBを逮捕すると
ともに,Bの自宅から偽の領収書のデータが保存されたフロッピーディスクを押収した。
P地検特捜部検事甲の取調べに対して,Bは偽の領収書を作成したことは認めたものの,
Aの関与を否定するとともに,何某かの人物の請託を受けて領収書を偽造したと供述した。
P地検特捜部主任検事乙は,BはAを守るために虚偽の供述をしており,
BはAの指示で偽の領収書を作成したものとしてこの事件を組み立てることにした。
201×年2月3日,P地検特捜部は,AとBを虚偽公文書作成同行使の訴因でP地方裁判所
に起訴した。
裁判において,Aは自己の関与を否定し無罪を主張した。
一方,Bは自己の関与は認めつつ,Aから指示を受けたことはないと主張した。
201×年7月上旬頃から,マスコミは検察側がAの関与を示す証拠を提出できていない
ことから,Aは冤罪ではないかとの報道姿勢を強めていった。
201×年7月14日午前11時頃,P地検特捜部部長Cは特捜部副部長丙を執務室に呼び出し,
週刊誌を広げながら,「天下のP地検特捜部がこの叩かれようだよ。いったいどうなっているだ」
と叱責した。副部長丙は,Aについては公判維持すら危ないと考えていたが,
部長Cにそのことを言い出せず「善処します」とだけ返事をし執務室を出た。