11/06/09 21:55:36.97 BIhcr+OI
国民・市民・人民の違い
我々人間は、「国民」「市民」である前に、「人民(人間・民衆)」である。
フランス革命は、絶対主義と商業の発展が進むなかで、単に支配されるだけだった人民たちが、商業の発達などにより
力をつけ、自立的な「市民社会」を形成した結果起きたものだから「市民革命」と呼ばれる。
・「人民」=people(人間、民衆という意味を含む)
「人民主権」という場合、民主的普遍性を持つ「人民(全ての人)」が相応しい。リンカーンの演説はそれを訴えた。
・「国民」=nation(少数民族の場合、「Nation」とは区別し、「Ethnic=エスニック」と呼ぶ)
近代になると、発達した商業と結びつく形で絶対王権を持つ君主が現れ、その国と、「国家の人民」として民衆を規定し、
一元的に支配し始められる。それが、「国民が君主に奉仕し、君主は強大な権力(それをホッブズは怪獣リヴァイアサンに
例える)で国民を支配する」国民国家の誕生。その後、フランス革命は他の王朝の反発を招き革命戦争が勃発、
それを最終的に打ち破ったのがナポレオン。フランスの市民たちがまず「フランス国民」としての意識をもち始める。
ナポレオンの席巻により、「市民の権利」と「国民の概念」が伝わり、結果的に「ポーランド市民社会による国民国家」
「ドイツ市民社会による国民国家」へと向かう原動力となる。