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経済コラムマガジン10/2/8(602号)
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まず昨年末12月30日の日経のトップに「国の借金、家計の貯蓄頼み限界」と打出した。
要旨は「日本の政府の債務は大きいが、これまで家計の貯蓄も巨額であったからなんとか国債も消化されてきた」
「ただ家計の貯蓄にも限度があり、今のような大きな財政赤字が続けば、2020年頃には国内の貯蓄で財政赤字を賄えなくなる」というものである。
しかし日経は、これまで潤沢な家計の貯蓄を、財政問題の関連で大々的に取上げたことはなかったはずである。
続けて1月22日の日経は「資産を差引いた純債務のGDP比、先進国で最悪水準」と指摘している。
まさにこのような純債務のGDP比率による国際比較は筆者が長年主張してきたことである。
これらの記事のどちらにも時系列のグラフが付いていた。
日経が読者の関心を右側の将来に向けようとしていることは明らかである。
しかし筆者などはむしろ左側の過去の方に注目する。
まず12月30日の記事のグラフでは85年から95年の10年間で家計純資産と政府純負債の差額が200兆円から600兆円まで増えていることを示していた。
まさにバブル期に勝ち組の貯蓄が急増したが、財政支出をけちったためこの数字がとほうもなく大きくなったことを示している。
これでは日本経済が深刻なデフレに陥るのは当り前である(その前から日本経済はデフレ基調であった)。
1月22日の記事のグラフでは何と95年、96年当時の日本の純債務残高のGDP比率が先進各国の中で最低であることを示している。
これは「第一回財政研交流会」で示した日本の純債務の名目GDP比率の数字(OECDの基準)と完全に合致する。
ちなみに97年当時、この数字は米国50.5%、ドイツ45.9%、英国44.2%であり、日本は27.8%であった。
つまり第二回目キャンペーンが行われた頃の日本の財政は突出して健全だったのである。