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【タイトル】失念
【作者名】失念
【掲載年または読んだ時期】1991年~1993年
【掲載雑誌または単行本】単行本で読みました
【絵柄】全体的に細い線で、やや白っぽい感じ、たまにグロ描写あり
【その他覚えている事】高校時代「漫画アニメ研究部」の部室で読みました。
SF短編集。単行本で全巻10巻に満たなかったはずです。
毎回、主人公が違う1話完結の話です。
天才児を調べたら、脳細胞が倍々に増えていることが分かり、
あるとき頭が爆発して、数日で地球を埋め尽くす…というオチの話など。
最終話は、人類が「若返りによる不老不死」の技術を手に入れた話。
若返る治療は高額で、それを受けるため人は皆、死に物ぐるいで働くのが普通の世の中。
主人公は女の子で、多忙な両親を見て育っていたのだけど、
あるとき、「老いて死ぬのが普通」という、その世の中では変わり者のおじさんに会い、
その世界では失われた言葉や感情を教えてもらう。
夕日を見て感動する女の子に、「これは”美しい”という言葉だよ」と教えられるが、
その後、おじさんは反逆者(?)的な扱いで女の子と引き離され、処分される。
女の子はそれから、その世界としては「普通」に育ち、
最後のシーンでは、車椅子に乗って若返りの治療を受けに行く場面。
元女の子のお婆ちゃんは、「若返りは本当に価値があるのか」
「そのために死ぬほど働いてきたけど」とつぶやき、
看護婦が「若返ったときの気分は素晴らしいですよ」とか答える。
そこで夕日を見て、「確かこういうのに言葉があったような」
「いい言葉だったのに」「とてもとてもいい言葉だったのに」
……で、「美しい」という言葉を思い出せずに終了、という話でした。