11/03/27 09:02:43.27
>>743
「アトム大使」の連載開始は1951年4月で、アイゼンハワー大統領の政策(1953年1月に
大統領就任)も吉田首相の講和条約(1951年9月調印)も後の出来事になる。
一方、原子力発電の歴史を見ると、
1951年12月:米国が実験炉による世界初の原子力発電に成功
1954年:ソ連が世界初の実用原子力発電所を建設
1956年:英国が世界初の商用原子力発電所を建設
1957年:米国初の商用原子力発電所が完成
1963年:日本が原子力発電に成功
といった具合で、やはり「アトム大使」の連載開始より後の出来事ばかりだ。
手塚が光文社の求めにアトムを冠したタイトルを考えたのは、地球人でも宇宙人でも
ないロボットが両者の関係を修復するという構想から、元素の最小単位である原子の
意味でアトムを使ったのであって、原子力や原子力の平和利用といったアトムという
言葉に対して現在の我々が抱く今日的な意識は無かったのではなかろうかと思われる。