10/07/09 00:09:01
>>555
自分の解釈ではそんな感じ。>>550さんの説明はわかりやすい。例えば
「やなぎや主人」で旅館の娘とできてしまい、そのまま婿におさまって
あの幻の記念写真みたいになるような、安定した生活を望む自分と、
酒に溺れて野垂れ死にした漂泊の俳人や歌人の生き様に憧れる自分、
そんな両者のせめぎ合いが描かれているのが「ゲンセンカン主人」
なんじゃないかなと
作者自身、アシスタントになって生活が安定したことを喜んだり、
老後の不安から家を買うことを思いついたりと常に安定した環境を
望む一方で、せっかく築いた幸せを失う不安からいっそ自分の方から
すべてを台無しにしてしまいたいと考えたりもする。それって実は
現代人の多くが心の中に抱えている矛盾で、だからこそ自分たちは
つげ義春の作品に惹かれるんじゃないかと思ったりするんですよ