11/04/15 14:51:38.63
「ダァーリーーン!」
「お前昨日からどこ行っとったんじゃ!」
始業前ギリギリで教室で飛び込んできたラムにあたるは突然怒り出した。
それはラムに些かの罪悪心を刺激する礫となったが、真っ直ぐに面堂に向けられた想いが軽く粉砕した。
「なにをそんなにおこってるっちゃあ!
あーっ?終太郎っ!急いでたからダーリンに伝言してって言ったっちゃよね!?」
「すいません~!……何しろあの後で了子とつまらない喧嘩をしまして、それですっかり……」
「んもぉ!頼りにならないっちゃねーっ」
ふたりは呼吸を合わせた自然な芝居を心掛けたつもりだった。
だが、あたるの心の中は猜疑の心がみなぎっていた。
どうも腑に落ちない。
ラムの性格から日常の些細な報告ならジャリテンを通してでも伝えてくるはずだ。
そのジャリテンが数日前から進学のために母星に帰ったタイミングにラムの姿が見えないことは、
アホと言われるあたるの心にも、ひょっとしたらという影を差していた。
「まあ、なんにもなければいいわい」
「ダァーリン!もしかしてうちのこと心配してるっちゃ!?」
「お前らホームルーム前からイチャイチャイチャイチャするなあ!」
入ってきた温泉マークが出席簿で教卓を叩く。
飛びついてくるラムに、あたるは頬杖をついてムッとしながらも内心安堵していた。