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伊も脱原発 日本から流れを変えよう
イタリアの脱原発が決まった。原子力発電再開の是非を問う国民投票で反対票が圧倒的多数を獲得したためである。
ドイツ、スイスの両国も、原発の順次閉鎖を決めたばかりだ。
欧州全体でみれば、フランスや英国など原発堅持の国が多いとはいえ、
東京電力福島第1原発の事故を引き金に欧州の一部で原発離れの潮流が勢いを増しつつある。
各国の意思は尊重したいが、正しい選択なのだろうか。
持続可能なエネルギー政策であるのかどうか冷静な見極めが必要だ。
イタリアの事情はある面で、日本と似る。海に囲まれた地震火山国でエネルギー資源に乏しい。
だから原子力発電の有用性に着目し、1960年代の半ばから商業発電を開始したが、
86年のチェルノブイリ事故を受け、4基あった原発は90年までに閉鎖された。
その後、原子力発電の再開などを公約に掲げて当選したのが、現在のベルルスコーニ首相である。
イタリアの電力は、火力発電が80%を占めており、電力料金が高い。二酸化炭素の排出削減にも苦しんでいる。
2003年には計画停電を余儀なくされもした。
そんな状況下にあって、イタリアは再び「原発にサヨナラ」を告げた。
ただし、不足分はフランスから原子力製の電力を買って使える。
そこが、外国からは電力を融通してもらうことができない、日本との決定的な差異である。