11/03/20 00:48:34.35 n4XKQMag
霧切さんの寝巻きは
・パジャマ
・ネグリジェ
・下着のみ
・シャネルの5番
さあどれだ
お前達の意見を聞きだい
422:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/20 00:53:12.57 oGMeGpt6
ぶかぶかパーカー付きパジャマだな
423:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/20 01:47:57.93 /mtfq3BD
プレーンなパジャマもけっこうオツなもんだぜ?
424:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/20 07:32:14.32 PvdY5aYL
いや、霧切さんは探偵たる者いついかなる時でも飛び出していけるよう最低限ジャージ。でもたまには可愛い格好もしたくて着ぐるみパジャマとかフリフリパジャマとかを着た日に限って事件が起こる!
425:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/20 13:26:12.58 Be4vB2Yk
だけど見れるのは苗木君だけ!
つまりそういうことだろ?
426:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/20 19:08:12.33 n4XKQMag
なるほど、パジャマ派が大勢か
そうか…下着にワイシャツ派は俺だけか…
427:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/20 19:10:35.88 ZM6haa6L
霧切さんに結構子供っぽい趣味があっても私は一向に構わん
428:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/20 19:33:01.60 G+ppGBfa
俺はジャージ派
429:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/20 20:12:51.21 y6PqiWfm
>>426
それは違うよ!
430:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/20 22:13:32.29 14yRMSMn
ジャージ派の俺が通りますよ
ジャージ良いじゃないか
例えば寮で夜に女子や苗木くんの部屋に遊びに行ってそのまま寝られるし
ジャージから伝わる女の子の柔らかさは数年経っても覚えてるほどに素晴らしいし
431:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/21 00:28:03.69 mcXrmon7
霧切さんは苗木君の寝込みに何度も部屋に侵入しているんだ
逆に苗木君が霧切さんの就寝中に部屋に忍び込んでも何ら問題ないよね
432:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/21 00:50:11.94 ieaQK5Dr
今日こそ来るかしらと思いつつ寝てるにちがいない
433:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/21 03:38:54.12 SP848yU+
流れをぶった切ってというか、流れに乗ってSSを投下します
書いてる内に詰め込みすぎて長くなりそうなので、とりあえず前編です
某スレの、もしチャプター5の初日に苗木君が霧切さんを部屋に泊めていたら、に天啓を受けました
あと、このスレの素敵な流れにも乗ってみました
434:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/21 03:41:29.59 SP848yU+
タイトル:超高校級の夫婦【前編】
ジャンル:苗霧ラブ
ネタバレ:本編(特にチャプター5)に関する一部ネタバレを含みます
時間軸:主にチャプター5の最初の夜
435:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/21 03:43:30.92 SP848yU+
「誠君、こんなとき、夫婦だったらどうするのかしら?」
静かな宵闇に響いた霧切さんの声はどこか緊張した声色だった。
硬い床に敷かれたシーツの上で、一枚の毛布に年頃の男女が同衾しているという状況。健全な男子であるボクも彼女と同じくらい緊張していて。
「そんな、結婚なんてしたことないから分からないよ、き、響子さん」
そう言ってからすぐに、自分の答えが大きく的を外しているのだということは分かっていた。それでも上手い言い訳など思いつかない。
また呆れらてからかわれるかと思ったけれど、どうやら彼女もそれどころではないようで。
「私だって、したことないわ……」
暗闇に慣れた目で見えたのは、向かい合うように横になる霧切さんの不安げな表情と着崩れた男物の白いワイシャツ。
細かい思惑まで伺うことはできなかったけれど、それはいつもボクをからかっているときのものとは明らかに違う。
ただただ純粋に彼女は知りたいのだろう。
もしもボクらが夫婦だったら、こんなときにどうすれば良いのか。
ボクらはまだ高校生だ。結婚するどころか、結婚を考えるのだって些か早い気がする。
きっと正解はボクらには分からない。
そもそも正解なんてないのかもしれない。
それでも何か喋らなければと思ったのは、霧切さんにこれ以上不安を抱いて欲しくなかったから。
「もしもボクらが、夫婦だったら―」
まるで熱に浮かされるような場の空気。
それに当てられたかのように、ボクの口から零れ落ちた言葉は―。
436:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/21 03:46:19.75 SP848yU+
ことの始まりは数時間前に遡る。
「霧切さん!」
息を切らせながら名前を呼ぶと、霧切響子さんは微かに驚いた表情を浮かべて振り返った。
彼女の歩みが止まったのを確認し、急いで走り寄る。静かな寄宿舎の廊下に乾いた足音が反響していく。
「苗木、君?」
傍らに着くと訝しげに霧切さんはボク―苗木誠の名前を呼んだ。顔には明らかな困惑の色が浮かんでいる。
だけど、その声に答えることができない。久々の全力疾走に身体の方がついていかず、完全に息が上がっていた。こんなに急いで走ったのはいつかの体育の時間以来だろう。
肩で息をするボクを見つめる彼女の視線が、困惑したものからだんだん呆れたものに変わっていく。最後には軽く溜息まで吐いていた。
「霧切さんって、歩くの速いんだね……」
「別に、これぐらい普通よ」
苗木君とは鍛え方が違うからと霧切さんは呟く。それはいつも通り、ボクにちょっとだけ意地悪なことを言う彼女の姿だった。
あんなことがあったのでもしかしたら凹んでいるかもしれないと思っていたけれど、話してみるといつも通り見える。
「凹んだ私も見てみたかった?」
「ええっ! そんなことないよ!」
「あら、そう顔に書いてあるわよ」
そう言って、霧切さんはくすりと微笑む。いつの間にか完全にからかわれてしまっていた。
「そ、そんなことより、部屋の鍵はどうするのさ? 今ならまだ、十神くんも返してくれると思うけど……」
十神くんやみんなに疑われ、霧切さんは部屋の鍵を失った。
彼女の正体―超高校級の???について、彼女は記憶喪失だから答えられないと言う。
そのことを疑う十神くんに自ら部屋の鍵を差し出し、彼女は食堂を飛び出した。
十神くんも頑固だけど、霧切さんも同じくらい頑固だ。きっとどちらも自分から折れることがないのは傍目から見て明らかだ。
気が付けば、ボクは弾かれるように霧切さんを追い掛けていた。
彼女を説得できる気はしなかったが、それでも追い掛けずにはいられなかったのだ。
ボクが霧切さんに追い付いたのは寄宿舎の隅で、あまり人目に付かない場所だった。彼女が何をしようとしていたのかは分からないが、すぐに追いかけていなければきっと見失っていたような気がする。
「……別に、必要ないわ」
まるで他人ごとだとでも言わんばかりに、霧切さんは澄ました顔で言い放つ。まさに取り付く島もないその様子に、早々と説得は諦めた。
彼女の自信は一体どこからくるんだろうか。
例え彼女がボクの知らないリソースを持っているのだとしても、それがどの程度安全なものかは分からない。少なくとも今まで通りに自分の部屋を使うよりは危険なはずだ。
「もうすぐ夜時間だよ? 寝るときはどうするのさ……?」
「あなた達には迷惑をかけないようにするから大丈夫よ」
ボクの心配をよそに、霧切さんはあくまで秘密主義を貫くようだ。いつもの彼女を知っているのでそれも予想の範囲内である。
それでもここは引けない。男として、彼女をこのまま放っておくなんてできない。
「……霧切さん」
「何?」
何故ならあのとき、入り口の近くに立っていたボクだけは、キミの見せた寂しそうな表情に気付いてしまったのだから。
「今夜、ボクの部屋に来ない?」
ボクは自分でも驚くことを口走っていた。
437:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/21 03:48:21.56 SP848yU+
「ど、どうぞ」
「お邪魔するわ」
ボクがドアを開けて促すと、霧切さんはまるで自分の部屋に帰ってきたかのようにボクの部屋へと踏み込んだ。その様子があまりにも普通だったので、ここは本当にボクの部屋なのかと不安にすらなる。
でも、ここは間違いなくボクの部屋だ。
廊下で誰かに見られていないことを確認して、どこか緊張しながら彼女の後に続く。
できるだけ静かにドアを閉めて鍵を掛けたのは、確実に霧切さんのことを意識してだ。あまり二人きりの密室ということを意識させたくはなかったけれど、彼女の鋭さからしたらそれも無駄なことだろう。
軽く部屋の中を一瞥し、相変わらずねと彼女は言った。そう言えば最初の事件のときに散々調べられたんだっけ。
「買い物に行く機会もないからね」
「それもそうね」
ひとまず霧切さんにはベッドに腰を下ろして貰い、ボクはベッド脇の引き出しから毛布やシーツを取り出す。各部屋に換えの寝具一式が用意されていることを、ちょっとだけモノクマに感謝した。
「あ、そうだ」
ついでに引き出しの中に預かったナイフを置く。ずしりとした重量感には頼もしさよりも恐ろしさの方が大きく感じる。
正直な話、ボクには過ぎた物だ。
ボクみたいな普通の人間にこれを預かる責任は重い。背中を嫌な汗が伝う。
「……大丈夫よ」
ボクの顔色を見かねたのか、霧切さんの掛けてくれた声は優しかった。
それはまるで不安な子供を寝かしつける母親のようで。
「……うん」
短いやり取りだったけれどボクの心を安心させるには十分だった。
ゆっくりと慎重に引き出しをしまう。こんな物が二度と使われることがないように祈りながら。
「―さて、と」
一拍置いて霧切さんの方に向き直る。ベッドに座っている彼女はいつもと変わらぬ落ち着いた様子だ。
ボクの部屋に泊まらないかと提案したときもそうだった。
ボクにとっては地獄のような間は少しだけあったものの、霧切さんは短く、そうねと言っただけ。
いつも通りのポーカーフェイス。その裏に何を思っているのか分からずに、ボクの方がただただ焦ってしまう。
「そろそろ寝る、よね?」
「ええ」
時計を見ると既に夜の10時を30分程過ぎている。
今日はいつにも増して色々なことがあった。大神さんが亡くなり、学級裁判が開かれ、アルターエゴが壊されて……。
どれも碌な出来事じゃない。早く眠ってしまいたい気分だったのは、きっとボクも霧切さんも一緒だろう。
「苗木君、図々しいお願いなのだけど……」
ボクが溜め息混じりに上着を脱いでいると、彼女は少し困ったように言う。
声の方に向き直ると、ジャケットとブーツを脱いだ霧切さんがベッドの上にちょこんと座っていた。普段は見ることができない綺麗な白い足に思わず心臓が高鳴る。
それでもなるべくその動揺を押し殺して言葉を返す。こんなことで一々どきどきしていたら、ボクの理性は今夜一晩持たないだろうから。
「う、うん? どうかした?」
「申し訳ないのだけれど、寝間着を貸してもらえないかしら?」
―ああ、そりゃそうか。
霧切さんは不測の事態で部屋に入れなくなってしまった。当然、外で泊まる準備なんてしているはずもない。
彼女が普段着ている服もボクと同じく前の高校の制服だ。それを普段着にしてる以上、流石に制服で眠るのは避けたいところだろう。
そうは言っても、この部屋に霧切さんの服があるはずもなく。霧切さんによれば、今ランドリーで洗濯している服もないらしい。
「えっと、何かあったかな……」
ごそごそと服を探してみるが、特に寝間着になりそうな服はない。
ボクが寝間着にしているティーシャツと短パンも一つずつしかないので、残念ながら貸す訳にもいかない。部屋の隅にうず高く積まれた洗濯物を見て、自分の不精っぷりを嘆く。
438:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/21 03:50:23.25 SP848yU+
「……一番下の右奥」
「え?」
「一番下の右奥にワイシャツがあったでしょ?」
霧切さんに言われて見てみると、確かにそこにはワイシャツがあった。なるほど、これはモノクマが用意したであろう希望ヶ峰学園の制服一式だ。広げてみると新品ではないようだったが特に汚れてはいない。
どうして知っているのか訊いてみると、どうやらこれも捜査のときに見つけたらしい。最早ボクよりも霧切さんの方がボクの部屋に詳しそうだ。
「でも、これワイシャツだよ?」
ワイシャツを着て寝るなんてあんまり聞いたことがない。そりゃ、他に選択肢もないのだけれど。
それに実を言えば、そういうシチュエーションは嫌いじゃない。
「背に腹は代えられないわ。それとも、苗木君は嫌かしら? その……」
霧切さんは少し恥ずかしそうに視線を伏せると―。
「そういうジャンルの本も、それなりに持っているみたいだから……」
結構大きな地雷を踏んでくれた。
先程の嫌いじゃないを訂正させて頂く。実はそういうシチュエーションは大好きだ。
それこそ、そういう大人の本を持っている程に。
「え? ちょ、ええっ!」
迂闊だった。彼女の観察眼にしてみればボクの隠蔽工作など隠していないと同義だ。
つまり、あそこに隠してあるボクの本は―。
「見た……の?」
霧切さんがこくりと頷くのを見て、ボクは膝から崩れ落ちた。
特にアブノーマルな趣味を持っている訳ではないけれど、同い年の女の子に見られたと思うと辛い。
ワイシャツを着た女の子が好きだとか、髪は長いほうが好きだとか、ツリ目がちな女の子が好きだとか、胸よりお尻派だとか。引かれる程ものはないと思いたい。濡れたワイシャツが好きなのはギリギリセーフであって欲しい。
「健全な男の子なら当然よ。でも、その……エロスは程々にしておいた方が良いと思うわ」
霧切さんの言葉がボクの心に突き刺さる。彼女にしてみたら慰めているつもりなのかもしれないけれど、逆効果だと言わざるを得ない。
それでも引かれてはいないようなので、前向きに安堵することにした。
明日になったら隠し場所を変えることを心に誓って。
「そうするよ……。はい、これ」
なるべく平静を保ちながら霧切さんにワイシャツを渡し、自分も着替えることにする。
できるだけ彼女を見ないように、背を向けていそいそと着替えを済ませた。流石に下着を変える勇気はなかったので、不本意ながら下着はそのままだ。
ボクがひと通り着替えを済ませると、くいっとティーシャツの裾が引っ張られた。
「どうかした? 霧切さ―」
振り返ると、そこには恥ずかしそうに頬を染めるあられもない格好の霧切さんがいた。
先程と違い、彼女はスカートと自分のワイシャツを脱いでボクのワイシャツを着ている。問題はそのワイシャツのボタンが一つも留まっていないことだ。
黒い上下セットの下着と彼女のほんのりと上気した肌、そして白いワイシャツのコントラストはまるで天使のように見えた。
いや、完全に天使だった。
439:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/21 03:52:30.28 SP848yU+
「どどどどうかした?」
ボクは激しく狼狽える。
頭では視線を逸らそうとしているが、身体がそれを拒否していた。その結果、完全にガン見していた訳だけど。
そして、霧切さんは次なる銃弾をボクに撃ち込む。
「悪いのだけれど、……ぼ、ボタンを留めてもらえるかしら?」
「へぁっ!」
驚きのあまり、ボクは変な声を出していた。
とても言葉にできる状態ではなかったので、震える指でワイシャツのボタンを差してから自分を指差す。
―それはボクに言っているのですか?
すると霧切さんは目を閉じ、真っ赤になって頷いた。
―はい、そうです。
「その、手袋をしているから細かい作業は苦手で……。それに、男物のワイシャツって女物と逆だから……」
霧切さんの言い訳じみた言葉はきっと本当なのだろう。上の方のボタンがぐしゃっと皺になっている。
だからといって、彼女がその手袋に並々ならぬ決意を込めていることも知っているので外せとも言えない。
後から思えば、着替えが終わるまで部屋の外にいれば良かっただけのことだったけれど、羞恥と緊張で何処かおかしくなっていたボクらにはそれに気付くことなどできなくて。
「う、うん」
ボクはベッドに座る霧切さんの目の前で中腰になり、なるべくボタンだけを見るようにして手を伸ばす。
手がワイシャツ越しに彼女に触れと、ボクは思わず喉を鳴らした。洗剤の匂いと女の子のいい匂いにくらくらする。
上から三番目ボタンをそっと摘み、どうにか留めようと手を動かす。
ボクにも中々留めることができなかったのは、そもそも男物のワイシャツを誰かに着せたことなんてなかった所為と、霧切さんの吐息がボクの手に掛かってこそばゆかった所為だ。
少し手を動かすと、彼女は深く溜息を吐く。それがどうにも色っぽく感じて、ボクは冷静になれなかった。
「あ、焦らなくて良いわ。ゆっくり、ね?」
霧切さんはそう言うけれど、客観的に見ればこれはまるで―。
「……まるで事前に脱がしてるみたいだね」
頭で思ったことをそのまま言葉にしてからまずいと思った。
ゆっくりと顔を上げて彼女の表情を確認すると、驚いた表情のまま固まっている霧切さんが見える。きっとボクも同じような表情をしていただろう。
見つめ合ったまま、どちらも言葉を発さなかった。正しく言えば何も発せなかった。
もし何か言ったら、二人の中の羞恥心が何かの限度を超えてしまいそうで。
ボクはゆっくり視線を下ろし、ボタンとの格闘を再開する。霧切さんはまだ固まっていたけれど、それを気遣う余裕はない。
結局、全てのボタンを留め終わったのは五分後だった。
それはまさに永遠に続くかのような五分間だったけれど、それでもまだこの日の夜は始まったばかりで。
些細なことで一々どきどきしてしまうボクの理性は、とても今夜一晩持たないような気がしたのだった。
【続】
440:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/21 03:58:46.35 SP848yU+
以上、前編になります
自分の中の苗霧はきっとよそ様の三倍くらいアホです
ワイシャツしかなかったらしょうがないよね(棒読み)
441:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/21 04:52:56.13 2IlnIo0I
たまんねえな!GJ!夢にまで見たシチュエーション…
そして学園にエロ本持ってきてる苗木ww
442:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/21 08:48:16.45 +eeXb1Ny
すげぇニヤニヤしたw
続き楽しみにしてるw
443:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/21 08:55:52.31 LbhuR047
舞園さんが殺されたときの捜査だけで
こんなにも苗木の部屋を熟知している霧切さんが凄い
続き期待。『超期待。』
444:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/21 11:17:58.80 mcXrmon7
なんてこった…これは全裸待機するしかねぇ…
GJ!
445:霧切「ユメハイール・・・?」
11/03/21 14:47:45.75 rfo4MeRW
すばらしかったです。GJ! あとSSを今日か明日に投下します。内容は霧切さんメインのあの夜の裏側です。PSPからなのでちょくちょく切れますが、よろしくお願いします。
446:霧切「ユメハイール・・・?」
11/03/21 14:51:59.48 rfo4MeRW
すばらしかったです。GJ! あとSSを今日か明日に投下します。内容は霧切さんメインのあの夜の裏側です。PSPからなのでちょくちょく切れますが、よろしくお願いします。
447:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/22 11:47:40.93 btDwLxOe
霧切さんが苗木君にからかわれた時に
自由時間のように一枚上手に返してくる方が萌えるのか
スネギリさんを発動させる方が萌えるのか
それとも「勘弁してよ」と素直にリアクションする方が萌えるのか
それが問題だ。
448:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/22 12:03:23.95 HZXmaXiy
>>447
スネギリさん推奨
でもどれでも可愛いよ、可愛いよ。
449:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/22 12:31:31.88 v6mzH07T
霧切さんの笑顔とってもかわいいよ!→本編のようなクールなカウンター(ただし内心では本気で照れていると俺によし)
霧切さんの胸とってもかわいいよ!→スネギリ降臨
霧切さん、愛してるよ→素直に照れる
うむ、どれか一つを選べというのは酷な話だべ
450:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/22 22:29:23.52 SMq/HNsk
希望ヶ峰時代を舞台にしたキャルゲーとか出してほしいなぁと思ったけど
最近爆死したアイマスの貴音がダブってなんか怖くなった
451:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/22 23:20:24.20 lwREyKGu
つくれば いいじゃない!
452:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/22 23:33:22.81 btDwLxOe
>>450えっ アイマスって爆死すんの そんなバイオレンスなアレなの
もっとほのぼのってるかと思ってた…
>>449
「霧切さんの笑顔、とても可愛(ry」
「酷い、騙しt(ry」
「霧切さんの胸、とっても可愛いよ」
「苗木君の苗木君も、とても可愛いわよ」
「酷いや!」
「霧切さん、愛してるよ」
「わ、私も、あ、あい、愛…」
453:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/23 00:37:42.93 8jCCzTSu
やたら貧扱いされる霧切響子殿ですが、女性陣の中では中堅どころですぞ
454:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/23 00:45:18.59 p22R0yh2
たしかにいい感じの大きさだった
455:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/23 07:56:51.59 P2lo6Qu0
だが待ってほしい
実際はそんなに小さいわけでもないのに、本人は自分は貧なんじゃないかと気にしている
というのもアリではないだろうか
456:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/23 09:23:12.59 W1PF5d1N
このスレ完全にカプスレ
457:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/23 10:16:06.06 uBxXTRGD
なにをいまさら
458:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/23 14:20:18.65 R4E/H5V2
>>446 はまだだべか
459:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/23 14:42:58.04 7Ihcz/Jn
申し訳ない、ユメハイールを書いているとPSPの電池きれて、全てパーになってしまったので、まだまだかかりそうです。もうしばらくお待ちください。葉隠さん、ありがとう!
460:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/23 21:25:47.03 tjIBlSBL
改めてやり直してみると、1章前半の霧切さんは本気で素っ気ないというか完全に苗木に興味ないな
やはり1章裁判がターニングポイントか
461:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/23 21:29:39.08 v0uVI36W
一章では完璧に他人だしな
二章ではだいぶ親しげ
一章ラストの苗木の台詞にキュンとしたんだべな
カッコ良かったもんな
462:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/23 22:42:10.67 P2lo6Qu0
体育館に模擬刀を取りに行く前の食堂での会話が素っ気なさすぎて泣けるぜ
463:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/23 23:00:16.01 VYj0YUBa
四章の霧切さん、苗木君の隠し事の内容が推測できてるのに、
自分からは仲直りしようとしないんだよな。
不器用な霧切さんペロペロ(^ω^)
464:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/24 00:30:39.14 HzfLH1F4
スネギリさんがかわいいことはもはや論を待たないが
苗木君がスネてしまって狼狽える霧切さんというのも見てみたい
465:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/24 00:35:05.77 8ciM14uH
一章最後の苗木くんの言葉に驚いてポカンとしている霧切さん可愛い
466:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/24 03:05:59.27 6Je0P/FZ
頭の形が尻みたいな尻切さん可愛い
467:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/24 06:19:33.33 ogN8JMF5
それ霧切さんじゃなくてニコチャン大王だわ
468:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/24 12:25:07.23 H0okOpem
>>465
あの胸に手を当てて目を見開いている驚き顔かわいいよね
手で口をおさえている方の驚き顔もいい
しかし一番はVFBの表情イメージにあった困惑顔(大)だな
あれは本編にも採用してほしかった
469:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/24 17:29:12.94 ogN8JMF5
本命:拗ねながら照れ顔
対抗馬:困惑顔(大)
大穴:旧設定ビジュアル
470:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/24 21:07:03.31 HzfLH1F4
普段感情表現を抑えているからこそ、そこに綻びが生じた瞬間が引き立つわけですよ
こう、人目を憚らず泣いている霧切さんとか見たいね
「一人にして欲しいの…」の後に寄宿舎2階の隠し部屋を覗き見したかったね
471:433
11/03/25 01:51:11.22 3jJ0XlbP
お久しぶりです
流れをぶった斬りますが、後編ができたので投下します
前編は>>434-439です
タイトル:超高校級の夫婦【後編】
ジャンル:苗霧ラブ
ネタバレ:本編(特にチャプター5)に関する一部ネタバレを含みます
時間軸:主にチャプター5の最初の夜
472:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/25 01:53:12.37 3jJ0XlbP
ボタンを留め終わってから数分後、ボクらの理性もある程度回復していた。まだ二人ともギクシャクはしていたけれど、どうにか目を見て話せている。
それと同時に直面したのは次なる問題。
「やっぱり、それはできないよ」
「苗木君にはその権利があるわ。私に気を使わないで」
「そ、そんな……だってボク、男だし……」
先程から何回このやり取りを繰り返しているだろうか。
頑固者の霧切さんは頑なに主張を譲らないし、ボクも男としてこればっかりは譲れない。
「泊めてもらった私が床で寝るから、部屋の主である苗木君がベッドで寝るべきよ」
「女の子を床で寝かせて、ボクだけベッドで寝る訳にはいかないよ。男のボクが床で寝るからさ」
問題とは、どっちが一つしかないベッドを使って寝るかということである。
当然女の子である霧切さんに使ってもらうつもりだったのだが、それはできないと彼女は頑なに拒否した。
曰く、自分は床で寝るのも慣れているし、ベッドは部屋の主が使うべきだと。
何故慣れているのか気になったけれど、それよりもこの問題を解決するのが先だった。
「霧切さん、分かってよ。ボクなら一晩くらい平気だから」
「それはできない相談ね。苗木君は床で寝ることを甘く見ているわ」
そう言って、霧切さんはベッドに座ったままびしっと右手の人差し指でボクを差した。
いつもだったら凛々しく感じるその仕草も、黒い手袋、すらりと伸びる綺麗な足、更に白いワイシャツから微かに見える黒い下着まで追加されて何とも艶かしかった。何か新しい癖に目覚めてしまいそうである。
「う、ぐ……」
お互いに全ての弾丸を撃ち尽くしてみても、主張は全くもって平行線。このまま話していても決着がつくとは思えなかった。本当にお互いは意地っ張りだと思う。
そこでボクは強攻策に出ることにした。ベッドと壁に挟まれた布団一枚分よりも狭いスペースの床に、無言でシーツを敷いて毛布を広げる。流石に枕はないがこの際文句なんて言ってられない。
「苗木君?」
霧切さんが訝しげに僕の名前を呼んだけれど、ここは敢えて男らしく無視させて頂く。明日になったら何度でも謝るので今だけは許して欲しい。
そしてボクは素早く部屋の電気を消して、そのまま毛布の中に潜り込んだ。厚い鉄板に塞がれた窓から明かりが入ってくる訳もなく、部屋の中は真っ暗になる。
「ちょ、ちょっと、苗木君!」
「おやすみ、霧切さん!」
有無を言わせずに寝てしまう。これがボクの強攻策だ。きっと話し合いではいつまで経っても解決しないだろうから。
それでも顔を合わせるのが少しだけ怖かったので、ボクはベッドと逆の壁を向いて横になった。これできっと、霧切さんも諦めてくれるだろう。
「……そう、そういうことなら私にも考えがあるわ」
暗闇に響く何処か冷たい声。よく考えれば分かったことだが、あの霧切さんがの程度で諦めてくれるはずもない訳で。
彼女は静かにボクの包まる毛布を捲った。力ずくで毛布を剥がそうとしているのかと思い、しっかりと端を握り締める。
すると霧切さんはそのまま毛布の中に入り込み、ボクの隣りで横になった。
もう一度確認するが、ここはベッドと壁に挟まれた布団一枚分よりも狭いスペースだ。
当然、二人の人間が余裕を持って横になるのは無理がある。つまり、どうやっても二人の身体が触れ合ってしまう。
ボクの背中に感じる温もりは、きっと彼女の背中の温もりだ。
「きっ、霧切さん! 何で―」
「あなたが強攻策をとったから、私も強攻策をとることにしたのよ。嫌ならベッドを使うことね」
―それは違うよ! 男がこんな状況で嫌な訳ないじゃないか!
流石にそんなことを大声で主張できる筈もなく、曖昧に笑って誤魔化す。
文字通り背中合わせで横になるのは変な緊張感があった。
今更ベッドに移動するなんてことはできなくて。きっと彼女もそう思っていて。
つまるところ、それは今夜一晩このままの状態で過ごすことを意味している。
この奇妙な距離感に高鳴り始めてしまったボクの胸は、中々落ち着いてくれなかった。
473:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/25 01:55:13.65 3jJ0XlbP
そのまま五分、十分、三十分が経っただろうか。お互いに背を向けているために、彼女が眠ってしまったのかも分からない。
このまま眠ってしまうのが少しだけ惜しくも感じていたけど、それは杞憂に終わった。
「苗木君―」
静寂に響く霧切さんの声。先程までの少し怒った声とは違う、いつも通りの穏やかなものだ。
「何? 霧切さん」
それに合わせて言葉を返す。まだ起きていることを知らせるように。
「一つ訊きたいことがあるのだけれど?」
どうやらベッド云々の話は彼女の中でも一区切りついたようなので安堵する。
ボクが相槌を打って先を促すと、恐る恐るといった感じで言葉を続けた。
「どうして、私を泊めるだなんて言ってくれたの?」
どうして、私のためにみんなを裏切るようなまねをしたの?
それはボクからしても最もな問い。まるで気にしていないように振舞っていても、やっぱり気になっていたのだろう。
「私は自分の身分も明かせないし、その理由を証明することもできない。十神君達の言うことは最もだと思うわ」
それなのに何故と彼女は不思議そうに呟く。
十神くんの質問に、霧切さんの答えは殆ど答えになっていなかった。確かにいくらお人好しなボクでも、そんな人をほいほい信じることはできないだろう。
「うーん……」
ボクは慎重に言葉を選ぶ。何故なら、ボク自身まだその理由を明確な言葉にできていなかったから。
あのときは思わず口を衝いてたわけだけど、その答えはきっと―。
「……嬉しかったから、かな?」
「嬉しかった?」
ボクの言葉はきっと霧切さんの想定から大きく外れたものだったのだろう。暗闇に彼女の驚いた声が響いた。
「ああ、部屋の鍵のことじゃなくて、霧切さんがボクを信頼してくれたことが」
今、この部屋の引き出しに閉まってあるサバイバルナイフ。腐川さんが見つけたそれを、なし崩し的にボクが預かることになったとき。
「あのとき、ナイフはボクが預かればって最初に言ってくれたのは、霧切さんだったから」
「―そう、だったかしら?」
惚けてもダメだよ、霧切さん。そんなに動揺した声だったら、流石のボクでも気づいてしまう。
「十神くんも言ってたように、これをボクが持つことになったのはきっとみんなの信頼の表れで」
十神くん、腐川さん、葉隠くん、朝日奈さん、そして―。
「その中でも霧切さんが、一番ボクのことを信頼してくれているんだと思ったから。だからボクも、一番キミのことを信頼しようと思ったんだ」
例え他のみんなを裏切ることになったとしても、キミを信じたいと思ったんだ。
背中越しに霧切さんが息を飲んだ気がした。
もしかしたら、それは違うと否定されるかもしれないと思っていたけれど、そんなこともなく。
つまりボクの言葉には矛盾なんてなくて―。
「そう……。ありがとう、苗木君」
どうやら彼女の心を貫く弾丸になったようだった。
474:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/25 01:57:16.91 3jJ0XlbP
「う、うん」
そう言いながら、ボクは寝返りを打った。本音とは言え、流石に歯の浮くような台詞が少し恥ずかしかったから。
壁の方を向いていた体勢を変えて天井を見上げる。やはり硬い床で寝るのは慣れなくて、下にしていた右半身が微かに痛い。
再び場を支配し始めた沈黙に耐え切れず、ちらりと霧切さんの方に視線を向ける。すると彼女もボクと同じように天井を見上げる体勢になっていた。
微かに暗闇に慣れた視界で見えたのは、少し物憂げに何かを考えているような表情。
その表情がいつもより感じ易いと思ったのはきっと間違いじゃない。流石に暗闇の中だと得意のポーカーフェイスが緩まってしまうのだろう。
「何を考えているの?」
「……大神さんと、アルターエゴのこと」
霧切さんは視線を動かさずに呟いた。それはつまり、今日一日のことを思い出しているという意味だろう。ボクも同じように天井を見上げて思い返す。
自ら死を選んだ大神さんと、モノクマにおしおきされたアルターエゴ。
二人は悩み、覚悟を決め、行動し、そして死んだ。
辛い現実ではあったけれど、ボクはその想いを―。
「―引きずっていく」
「え?」
思考を言葉にされ、ボクはびっくりして霧切さんの方を見た。それはまるで自分をエスパーだと言っていた舞園さんのようで。
彼女も顔を倒し、ボクの方を見ていた。暗闇の中、静かに見つめ合う。
「苗木君、前に言ったわよね? 死んだみんなの想いを乗り越えたりせずに、引きずったまま前に進んでいく、って」
「あ、ああ、うん」
どうやら先程の言葉はボクの思考を読んだものではなかったようだ。それに安堵のような溜息が漏れる。
それは初めての学級裁判が終わったとき、霧切さんの言葉に対するボクの答え。
―仲間の死を乗り越えることなく、その想いを引きずっていく。
それはボクの中では固い決意だったけれど、まさか霧切があのときの言葉を憶えていたとは思わなかった。
「私もそうすることにしたわ。大神さんの形見で、絶対に黒幕を追い詰める」
そう言って彼女は眼を細める。その仕草がまるで泣きそうなのを我慢しているように見えて、ボクの心がじんわりと痛んだ。
「……大神さんの形見って?」
霧切さんの呟いた言葉が気になったので訊いてみる。すると少しだけ考えるような間の後に、誤魔化すように彼女は言った。
「この決意ってことよ」
それは苦しい言い訳ではあったけど、この場で話せないのにはきっと理由があるんだろう。
きっと必要なときには話してくれる。ボクは霧切さんを信じて、そのときを待つことに決めた。
「そっか……。そうだね」
既に見慣れてしまった天井を見上げながら静かに言う。ボクもできる限り霧切さんに協力しようという決意を込めて。
例えその末にどんな結末を迎えようとしても、男であるボクが彼女を守らないと。人工知能であるアルターエゴだって、勇気を持って黒幕に立ち向かったのだから。
アルターエゴ、だって……。
「……ごめんね、霧切さん」
「どうして謝るの?」
思わず口から漏れた謝罪の言葉を彼女は訝しげに返した。
自分でも唐突過ぎると感じたので誤魔化そうかとも思ったけれど、この気持ちに嘘はつきたくない。
「アルターエゴの、こと……」
ボクがアルターエゴの背中を押さなければ、こんなことにはならなかったかもしれない。もしかしたら、ボクの所為でアルターエゴはおしおきされてしまったのかもしれない。そう思うと謝らずにはいられなかった。
霧切さんはアルターエゴと反芻するように呟く。そしてボクを宥めるように優しく言った。
「あの子は、自分のやるべきことをやって、そして自分の意志であの場所へ行った―」
それはきっと、少しでもボクらを助けたいという強い想い。
「だから、あなたが誰かに謝る必要なんてないわ」
謝ったてしまったら、あの子に、あの子の想いに失礼だから。
「……うん」
その落ち着いた声に、ボクは目頭が熱くなるのを感じた。固く眼を瞑り、涙が溢れるのを我慢する。
涙はアルターエゴの想いを叶えたそのときまでとっておこうと思ったから。
だから今は、ボクらのことを見守っていて欲しい。
心の中でそんなことを祈りながら深く息を吐く。どうやら涙は収まってくれたようだ。
475:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/25 01:59:41.12 3jJ0XlbP
「どうして、私に謝ったの?」
不意に、霧切さんが口を開く。視線を感じたので顔を倒すと、再び彼女と目が合った。
暗闇の中でも鋭い視線。ボクの全てを見通すように。
一方のボクは困った表情をしていただろう。本当に思ったことを話したら、彼女がどんな反応をするのか分からなかったから。
「それは―」
「それは?」
言うのを躊躇していると、問い詰めるように先を促す。
そこまで大それたことでもないのにと苦笑しながら、ボクはその理由を素直に話すことにした。
「霧切さんが、アルターエゴのお母さんみたいだったから」
「……えっ?」
「だから、ボクにはアルターエゴに接する霧切さんがお母さんみたいだなって感じたんだよ。一番アルターエゴの面倒を見てたし、一番心配してたから」
そして一番、アルターエゴも霧切さんを慕っていたから。
アルターエゴに対する彼女の気持ちは、山田くんや石丸くんとはまた違った愛を感じた。
色々考えてみたけれど、ボクにはそれが母性という言葉でしか表現できない。霧切さんがアルターエゴを見つめる瞳は、ボクの母親がボクや妹を見ていた眼差しに似ている気がしたから。
「私が、お母さん……」
見ると、霧切さんは驚いた表情で固まっていた。暗いから顔色までは分からないけれど、何となく真っ赤になっているような気がする。
「突然、何を言うのかしら、苗木君は……」
「き、霧切さんが訊いたんじゃないか!」
霧切さんの何処か照れた表情に当てられて、ボクの方まで気恥ずかしくなってきた。自分の顔に血液が集まっていくのを感じる。
よりにもよって同い年の女の子にお母さんみたいはないだろう。
すると、霧切さんは少し意地悪な微笑を浮かべた。
「私は、アルターエゴにとって苗木君が父親代わりだったと思うわ」
「ええっ?」
「アルターエゴの決意を後押ししたのは苗木君でしょ? 私にはよく分からなかったけど、男の世界って言うのを感じたわ。ああいうとき、女には結局、見守るしかできないのね」
ちょっぴり芝居がかった口調。これは彼女なりの反撃のつもりなのだろうか。
少し恥ずかしそうな様子から察するに、思ってもいない言葉という訳ではなさそうだけど。
確かにボクはアルターエゴの気持ちを後押しした。それはボクの父親が、この学園に入るのを悩んでいたボクを後押ししてくれたのに近いのかもしれない。そういう意味で、いつの間にかボクはアルターエゴを自分の子供のように思っていたのかもしれない。
「そうかも、しれないね」
「ええ、きっとそうよ」
―いや、待て。
「それじゃあ、まるで―」
ボクを見つめる表情から察するに、霧切さんは気付いていないのだろう。自分の作ってしまった爆弾に。
自分の顔がより赤くなるのを感じたが、一度零れ落ちた言葉は止まらない。
「―ボク達、夫婦みたい、だね」
476:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/25 02:01:42.30 3jJ0XlbP
アルターエゴの母親が霧切さんで、父親がボク。つまりボクと霧切さんは、子供を見守る夫婦のような立ち位置で。
「ふう、ふ……」
余程吃驚したようで、霧切さんは口元に手をやって絶句していた。
当たり前だ。言うに事欠いて、いきなり夫婦だなんて。
「ご、ごめん。ちょっと変なこと言っちゃって」
ボクが焦って訂正しようとすると、霧切さんはいいえと小さく呟く。
いつの間にはボクらはお互いを向き合うような体勢になっていた。
正面に横たわる霧切さんは恥ずかしそうに視線を逸らしている。少しはだけた襟元から見える鎖骨がたまらなく艶やかだった。
「別に、変ではないと思うわ」
「でも、ボク達まだ高校生だよ……?」
―ああ、ボクは一体何を言っているのだろうか。
自分が焦っているのか、逆に落ち着いているのかも分からない。
ひとつだけ確かなのは、だんだんこの熱っぽい場の空気に飲まれていっているということ。互いの吐息が耳障りなほどに荒い。
「ここは希望ヶ峰学園。集められいるのは超高校級の生徒ばかり―」
それはきっと、霧切さんも同じ。
「一緒にあの子を見守った私達は……」
霧切さんはきっと聞いたら赤面してしまうような、凄く恥ずかしい言葉を言おうとしている。
それを聞いたら、ボクの五月蝿いくらいに高鳴っている心臓はどうなってしまうのだろうか。
「そしてこれからも一緒にあの子の想いを引きずっていく私達は……」
霧切さんもそれに気づいたようで、だんだんと声が小さくなっていく。
それでも、彼女の口から聞きたいと思った。そうしないと、きっとボクらは先に進めない。
ボクの思考など知るよしもなく、霧切さんは目を逸らしたまま息を飲んだ。
「な、苗木君、【ここまで言えば―】」
「分からないよ、霧切さん」
ボクは霧切さんの殺し文句を殺した。
「キミの口から教えて欲しいんだ」
キミの思っている、ボクらの関係を。
彼女は一瞬だけ驚いた表情を浮かべると拗ねたように生意気と呟く。そして凄く恥ずかしそうに言葉を続けた。
「その―ちょ、超高校級の夫婦……そう呼べるんじゃ、ないかしら……?」
477:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/25 02:03:54.93 3jJ0XlbP
ちょうこうこうきゅうのふうふ―超高校級の夫婦。
意味は分からなかったけれど、きっとそれはボクらの現状の関係に一番近くて。
「超高校級の夫婦……。うん、何か……しっくりくる気がするよ」
「―そう」
ボク達は毛布の中で見つめ合った。潤った彼女の瞳、毛布の中に漂う熱気、何処か甘い匂い。
自分の鼓動の音が五月蝿いくらいに聞こえたけれど、それはきっと霧切さんも同じで。
「霧切さん」
その音を聞きたいと思った。最早、二人の間にある十数センチの距離ですらもどかしい。
「手を、繋いでもいい?」
ボクが恐る恐る訊くと、彼女は優しく微笑んで頷く。
そしてゆっくりと、彼女の両手がボクの右手を包んだ
「ええ、だって―夫婦なのだから」
―ああ、これはまずいぞ。
「……苗木君、あれをして欲しいのだけど」
「あれって?」
霧切さんははにかむように視線を逸らす。光のない暗闇の中でも、彼女の一挙一動が伝わってくる。
「うで、まくら……」
してもらったことがないからと、彼女は熱っぽく言う。
―このネジ曲がった雰囲気の中。
「うん、もちろん。……夫婦だもんね」
―夫婦という弾丸が、全ての言葉を撃ち抜いてしまう。
ボクが左腕を霧切さんの頭の下に伸ばすと、それにゆっくり頭を乗せる。
いつもの霧切さんからは想像もできないような柔らかな微笑みを見て、ボクにも笑みが零れていた。こんなに可愛い霧切さんを見れるのが、この世界でボクだけだと思うとたまらない気分になる。
ボクは彼女の頭を抱き寄せるように左手の肘を曲げた。
「な、苗木君……」
「違うよ、ボクたちはその……ふ、夫婦なんだから―」
夫婦は、お互いを苗字で呼び合ったりしないから。
「―響子、さん」
「そうね、ま……誠君」
霧切さんはボクの胸に顔を埋めながら言う。その声が幸せそうに聞こえたのは、きっとボクの気の所為ではないはずだ。
「誠君、こんなとき、夫婦だったらどうするのかしら?」
「そんな、結婚なんてしたことないから分からないよ、き、響子さん」
「私だって、したことないわ……」
「もしもボクらが、夫婦だったら―」
まるで熱に浮かされるような場の空気。
それに当てられたかのように、ボクの口から零れ落ちた言葉は―。
「キスを、するんじゃないかな?」
「……うん、夫婦だものね」
彼女もその答えを待っていたのだろう。優しい表情で素直に頷く。
理性が痺れてしまうほど甘い雰囲気の中で、ボクらはゆっくりと口唇を重ねた。
478:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/25 02:05:56.77 3jJ0XlbP
翌朝ボクが目を覚ますと、既に霧切さんはいなかった。時計を見るとまだ七時前で、モノクマの校内放送もまだ流れていない。
横になったまま手探りで毛布の中をまさぐると、まだ仄かに霧切さんの温もりが残っているような気がした。
「……ん?」
指先に何かが触れたので引っ張ってみると、それは霧切さんが寝間着に使ったワイシャツだった。そこに彼女の字が書かれたメモが貼り付けてある。
『ありがとう、誠君』
―ボクの方こそお礼を言いたいよ、響子さん。
キミに貰ったこの勇気と希望が、ボクを奮い立たせてくれるから。絶対に黒幕にも、超高校級の絶望にも負けやしない。
ボクは、ボクらは独りじゃない。共に戦うキミとボクがいる。
みんなの想いと共に、いつかこの学園を出よう。
そうしたら、ボクはキミに言いたい言葉ができたんだ。
―超高校級の夫婦が、ただの夫婦になれるその日を願って。
【了】
479:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/25 02:12:51.40 3jJ0XlbP
以上、「超高校級の夫婦」でした
このタイトルのSSはまだないと思ったのですが、被ってたら申し訳ない
一番最初に苗霧を「超高校級の夫婦」って言った人には、国民栄誉賞とグッドデザイン賞とモンドセレクション金賞を与えるべき
後半の夫婦プレイは放っておいたらいつまでも続きそうだったので省略
紳士君、>>477と>>478のレス間が見えるわね?(キリギリッ)
前編に「GJ!」等温かいレスをくださった皆様、ありがとうございました!
480:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/25 02:30:52.86 Z0KX0NFP
おつかれさまです
これは可愛い。夫婦可愛い
481:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/25 07:56:47.58 k/HhLIM5
今さっき終わった
正体は俺の嫁とかまじか
482:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/25 08:06:31.50 u6FllXx/
>>479
待ってました
これはGJすぎる…!
483:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/25 12:26:55.67 +5FLHxK6
>>479
GJ!
たまらんなあ
このスレで出た細かいネタまで拾っているのがまたすごい
484:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/25 18:17:59.98 GBo/q76q
>>479
やばいやばい、すごい2828した
あなたみたいな書き手がいるからこのスレが活性化するのだと
信じているぜ GJ!
485:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/25 22:15:03.41 VUMu0RLs
なんでここのスレのSSは外れがないどころか傑作ばかりなんだ・・・
486:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/25 23:11:48.45 u6FllXx/
霧切さんはほんと優良書き手に恵まれてるよなあ
ありがたやありがたや
487:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/26 00:13:03.52 dqhgnLiS
気付けば台本形式がえらい少ないというな。
本編での描写が少ないからスレが盛り上がるほど書きやすいのだぜ
488:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/26 01:27:58.52 9gqZT3Y9
どれか一つと言われたら、どれを選ぶね?
・霧切さんに膝枕してもらう
・霧切さんをおんぶする
・霧切さんをお姫様だっこする
・むしろ霧切さんにお姫様だっこしてもらう
489:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/26 02:57:44.51 w8gyfQmH
>>488
膝枕でお願いします
そして>>479 GJ
490:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/26 07:23:29.85 wCGS6XFK
膝枕
491:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/26 11:30:19.88 27VprIRl
膝枕・・・頭で霧切さんの太腿の感触を味わえる。コマンド追加入力で耳掃除に派生可能。
おんぶ・・・背中で霧切さんの胸の感触を楽しめる。耳元で霧切さんの声を聞ける点も見逃せない。
お姫様だっこ・・・手で霧切さんの背中と太腿に触れることができる。至近距離で見つめ合えるのが最大の売りか。
ううむ、やはり耳掃除への派生が期待できる膝枕か。
492:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/26 12:57:58.59 Kn3QFGU1
それは苗木くんがされる前提なのか?それとも自分がされる前提なのか?
と身長180㎝体重80㎏の俺が聞いてみる
493:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/26 13:46:31.05 9gqZT3Y9
どちらでもよし
逆に聞いてみたいところだな
自分がされたいか、苗木がされているのを見たいか
494:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/26 15:43:50.54 MQBbOXpC
>>479
遅レスになってしまったけれど、GJ!夫婦にニヤニヤさせて貰ったぜ……。
495:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/26 16:30:36.88 wCGS6XFK
苗木が舞園さんをお姫様だっこ
それを見て霧切さんはどうするのか
496:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/26 16:55:49.92 H1YfZbUM
3段お姫様だっこあるでこれは…
497:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/26 18:58:40.82 27VprIRl
学園を出る直前、生物室にあるみんなの死体を植物庭園に埋葬することに
舞園さんの死体を抱いて悲しげな表情になる苗木君
それを見て内心ちょっとだけ嫉妬してしまう霧切さん
そんな妄想
498:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/26 19:26:48.43 oqv0QA8k
>>497嫉妬というか、複雑な感情に呑まれそうだな
苗木君がまだ舞園さんを思っていることに切なさを感じ
悲劇の中に亡くなった舞園さんに嫉妬してしまっている自分の醜さを嫌悪し
うはぁ 俺得
499:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/26 21:55:36.18 Qk92c8/7
最後まで苗木は舞園さんのこと特別に思ってたっぽい描写があったね
500:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/26 22:05:28.17 G0hBK1BZ
死んで美化されちゃってるからなぁ
霧切さんこれからが大変だ
501:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/26 22:14:06.44 H1xoUpe4
あそこで死んでしまって美化はないんじゃない
むしろ彼女に対する解釈に「霧切の良さ」が出るわけで
502:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/26 22:37:08.16 hC6YNhWK
>>499
やったの大分前だからあんま覚えてないんだが1章以外でそんな描写あった?
503:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/26 22:51:42.55 Kn3QFGU1
>>502
六章で舞園さんの部屋を調べると…?
苗木くんの舞園さんへの思いは恋心未満だとは思うけどね
霧切さんへの恋心はまるでないからあまりフォローにならんが
あんだけ助けてもらって霧切さんハァハァとならない苗木くんはなんなんだ
504:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/27 00:53:48.99 j/B8dyjB
げい
505:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/27 01:45:18.14 oY/qjDcy
苗木と霧切さんはゴミ捨て場から戻ってきた後、そのまま風呂に入る暇も無く最後の捜査と裁判に臨んだ。
つまり苗木は洗ってない犬の匂いをさせたまま「希望を捨てちゃだめだ!」と言っていたわけだが、それはまあいいとする。
ともかく、二人が学園を出る前にゴミ捨て場の匂いを落とすとすれば、裁判終了~玄関ホールに集合する間しかないのだ。
しかし6章捜査パートでは、メッセージウィンドウが青色になっている。つまり、夜間帯だ。
裁判が終了した頃には既に夜時間に入っている可能性が高い。
となると、個室のシャワールームは使用できないことになる。
そう、二人がゴミ捨て場の匂いを落とせる場所は浴場しかないのだ。
…さて、ここまで言えばわかるわね?
506:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/27 01:48:05.22 Dy9NlFBU
>>505
朝日奈「霧切ちゃんからも洗ってない犬の匂いがする!」
507:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/27 03:55:01.04 1YzuiG1k
まあゲーム開始時はだれも死んでないからたとえ監禁状態でも舞園さんのアプローチを意識する程度の余裕があったが、
舞園さんをはじめご覧の有様になっちゃったからとても色恋沙汰に気持ち向ける暇ないでしょ。と思ってたけど
苗木君、君風呂を覗くほどの気概を持っちゃってるね。論破失敗
508:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/27 04:31:20.68 P+wMN4/u
風呂と色恋沙汰は別だ…
509:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/27 10:14:34.92 i1ivj9NK
あの一枚絵は苗木の視点
つまり苗木は霧切さんの美尻を凝視していた
510:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/27 11:33:11.97 uSPPKI0D
まぁ本編中ではっきり恋愛感情持ってるのがわかるのは腐川→十神くらいだからな
まぁ推理アクションだから恋愛描写があまりないのはしょうがない
511:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/27 11:38:05.49 LYwcnMZs
苗木の補習を先に見たから、
霧切ちゃんも大丈夫だろチョコンと座ってる霧切ちゃんカワユスと気を抜いていた
そしたら
512:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/27 13:46:29.67 8HK5fFbr
ヒロインポジだったから死なないだろうと甘く見てたら
みごとに潰れてうわあぁぁぁぁ!!ってびびったのは俺だけでいい
完全に不意打ち状態でした
513:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/27 14:03:44.11 LYwcnMZs
いやーな音したよね
まだ未クリアなんでスレは見ないようにしてたんだけど
ショックで来てしまいました
514:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/27 15:01:46.94 ZG4iP8tG
最初見た時は度肝抜かれる
そのうち怖いもの見たさでもう一度見る
次第にだんだん興奮してくる
ここまでくるともうアウト
515:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/27 15:23:11.45 lYL17KoN
最初から興奮してた俺はどうすれば…
516:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/27 17:20:57.49 n1+2Qx67
>>515
よう兄弟
恐怖を必死に押し殺そうとする様が背徳感も相まってこう、ね・・・
あの○○を表に出すまいと必死で努める霧切さんというシチュはいろんな状況に応用がきくと思うんだ
517:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/27 20:30:27.98 Dy9NlFBU
苗木(鍵の事を口にしたら多分霧切さんオシオキされちゃうよな……)
苗木(霧切さんのオシオキ…フヒッ)
というような感じだったウチの苗木くん
518:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/27 23:30:21.67 i1ivj9NK
あのムービー以来、俺の中で霧切さんは根っこがMというのが定説になっているんだが
何か異論はあるかね
519:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/27 23:33:06.51 RFC/qKMg
苗木くんに踏まれてハァハァな霧切さん
ありだと思います
520:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/27 23:49:20.31 eUJRKjnk
某所でドMな犬切さんSSを見てからそうとしか思えない
521:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/27 23:49:42.96 ZG4iP8tG
ナエギリのSMだと、どうしても
霧切「苗木君、踏みなさい」
苗木「え、うん…」
霧切「苗木君、縛りなさい」
苗木「あ、えっと…こう?痛くない?」
って感じのを想像してしまう
522:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/28 00:06:26.52 CzzDYW+I
苗木君に嘘を論破されて感じてしまう霧切さん言葉攻めSSが見たい
「そんな言葉攻めみたいなことは止めなさい」
「でも、霧切さんってこういうの好きだよね?」
「べ、別に【好きじゃないわ】……」
「それは違うよ。だってここをこんなにしてるじゃないか」
「な、苗木君のクセに……」
523:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/28 00:16:37.94 CzzDYW+I
ごめん、猛り過ぎたのでエロパロスレでおしおきされてくる
524:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/28 00:34:50.88 QQGfb15W
>>523君は悪くないよ!
悪いのは全部・・・霧切さんなんだ!
霧切さんがエロかっこかわいいのがいけないんだ!
そうだよね、霧切さん?
525:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/28 00:36:49.09 FU4Ld4wD
>>522
チャプター5で追求したらうろたえるのかなあと思って進めたのは俺だけじゃないはず
526:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/28 08:02:32.11 QQGfb15W
動揺はしていたと思うよ
追求した時の「そこまで言うなら…根拠はあるんでしょうね?」という台詞の時、少しだけど声が震えている
527:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/28 12:05:13.82 QRhrNj7d
一番霧切さんが動揺したのって
アルターエゴから学園長の事を聞いたときだよな
え? 補習のとき?
528:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/28 12:50:00.98 G0DfTzWA
感情が表に出ていたという意味なら、「学園長が!?」の時だろうね。
あと「ひ、酷い!」が素だったとしたら、あそこも。
529:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/28 19:41:25.21 QQGfb15W
霧切さんをうろたえさせるには・・・
「霧切さん、今まで黙ってたけど・・・僕本当は女なんだ」
「霧切さん、もう僕に話しかけないでくれるかな」
「霧切さん、結婚しよう」
さあどれだ
530:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/28 20:21:12.85 AehZ2epj
>>529
「本当は女なんだ」→パンツ脱がされて論破
「話しかけないで」→無表情を貫き通すが内心動揺
「結婚しよう」→自由時間のテレギリさん発動、一番動揺
しかし個人的に一番見たいのは「話しかけないで」の反応だな
531:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/28 20:37:19.78 ASkOtmGe
エイプリルフールネタにもってこいだな
532:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/28 21:02:47.63 QQGfb15W
苗木君に冷たくされて泣きそうな顔になる霧切さん
あると思います
533:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/28 21:45:13.83 BpXJX8+V
ラストシーンで
霧切「あなたと一緒なら…」
苗木「霧切さん」
霧切「何かしら?」
苗木「話しかけないでくれないかな」
霧切「……えっ?」
胸が熱くなるな
534:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/28 21:57:41.05 7nL4l5/X
やめろw
そこに舞園を
535:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/28 22:30:02.97 PGY3Fz9R
つまり
苗木「え、 同じ学校だった? ごめん覚えてないよ。舞園さんの勘違いなんじゃない?」
舞園「……」
536:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/28 22:33:12.04 G0DfTzWA
こう、周りに人のいるところでは平静を装うんだけれど、一人きりになった途端ぼろぼろ泣き出す霧切さんとか見てみたい。
なんだろうな、霧切さんは雰囲気はSっぽいけど被虐心より加虐心をそそられる。
これって正常だよな?な?
537:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/28 22:38:37.53 C7ceSh8x
>>535
君は今すぐチャプター1をやり直しなさい
538:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/28 23:41:00.84 AehZ2epj
>>536残念ながら異常だ。そして俺も異常だ。
539:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/28 23:54:44.13 dv7l1Jqb
お前らだけにいい格好はさせないぜ!!
でも、あそこまで信頼してる苗木君に(冗談とはいえ)裏切られたら、
今度こそ立ち直れなくなりそうだな
540:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/29 07:59:48.75 kgJA7xDk
火傷の件の時は何があったんだろうな
541:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/29 12:19:34.22 memtHEZ1
火傷の時の「他人に深入りしたがゆえの失敗」が深く信頼していた相手に裏切られたことだと仮定して、だ
取り留めのない会話をしていた時に、ふと苗木が口にした言葉が、かつて裏切られた相手から言われたことと一字一句同じ言葉だったりするんだ
もちろん苗木はそんなことは知らないんだけど、乗り越えたはずの過去を呼び起こされた霧切さんは突然怯えたような顔になって、
「お願い…お願いだからあなたは私から離れないで…」と縋りついてくるんだ
そんな展開があってもいいと思います
542:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/29 17:11:39.93 MrziAjMQ
無表情になろうと努めるけどボロボロ泣いてしまう霧切さん
543:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/29 18:17:27.46 bq0+22GW
ふぅ・・・
544:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/29 19:46:01.20 42ZjckwW
やっぱり寄宿舎二階の学園長の部屋で
独りきりになった霧切さんをそっと覗きたかった
545:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/29 21:07:39.42 kgJA7xDk
霧切さんにも何かしら分かりやすい弱点がないものか
こう、怪談が苦手だとか毛虫を見ると卒倒するとか
546:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/29 21:27:34.46 Vi+5VXOY
>>545
高所恐怖症だったり
暗所恐怖症だったりとか
547:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/29 21:48:28.36 qANuO9S7
ご歓談中失礼します。ちょっと多めにスレお借りします。
中途半端にシリーズ化なんかしてましたが、このへんで一区切りつけようかと思います。
わりとネタバレあるので注意してね!
っつーわけで、
こちら苗木誠探偵事務所(連作)
548:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/29 21:49:07.72 qANuO9S7
「―はい。……はい。……それでは、失礼します」
「…………霧切さん」
「……苗木君。待っていてくれたのね」
「うん。……えっと、」
「とりあえず、事務所に戻りましょうか」
「そう、だね」
苗木誠探偵事務所は、いや、希望ヶ峰学園は……、えっと、どこから話せばいいかな。
「ただいま……あ」
「苗木君の家は、ここなのかしら?」
「ちょっと間違えただけだよ」
「それが一回や二回なら、私も貴方の言葉を信用したのにね。……ふふ」
「勘弁してよ、もう」
霧切さんがうっすらと微笑む。重く沈んでいた空気が、ほんの少しだけ軽くなったような気がした。
勝手知ったるボクらの探偵事務所。目を瞑ったってボクは自分の椅子まで辿り着けるだろうし、霧切さんならきっとコーヒーまで淹れて見せる。
それほどまでに慣れ親しんだ事務所にいるのに、ちっとも落ち着かなかった。
「このブラインドも、外さないといけないかな」
「必要無いと思うわ。どうせ全部覆ってしまうのでしょう?」
「そうだね。……良かった」
「一つづつ外していたらキリがないものね」
「そういうことじゃなくてさ。………あはは。やっぱいいや、恥ずかしい」
「? ………、…………………ばか」
興味なさげにそっぽを向く霧切さん。その仕草が照れ隠しであることと、顔がほんのりと朱に染まっていることにボクは気付いている。
それがわからないほどボクらの付き合いはそんなに短くないし、わざわざ指摘するほどに間抜けでもない。
軽く目を閉じて、開く。いつも通りの会話にまた少し事務所の空気が軽くなった。……さて、
気は進まないけど、そろそろ話さなければいけないだろう。
世界が終わった日、そしてボクらの探偵事務所が閉鎖した日のことを。
549:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/29 21:49:19.94 cMB9/Giz
苦手なものなんて無かった、弱点なんて無かった
探偵としてそんなものはあってはならなかったから
なのに…、苗木くんの馬鹿
みたいなのが萌えるんだろ!?
550:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/29 21:49:57.16 qANuO9S7
―世界は、終わる。
伝統ある希望ヶ峰学園の学園長がそう切りだしたのは、今日の朝九時ジャスト、たった十六人を前にした全校集会のことだった。
不二咲君は何故か昔みたいに女子の制服を着て、十神君は憔悴しきった表情であちこちに電話をかけていて。
石丸君はボタンを掛け違えていたし、珍しいことに腐川さんは”眠って”いて、代わりに翔が興味なさそうに愛用のハサミをいじっていた。
大体皆似たような状態だった。
学園長は落ち着かないボクらを意に介さず、言葉を続けた。
―しかし。キミ達がいれば。
超高校級のキミ達がいれば、世界は何度だってやり直せる。その才能はただの才能じゃない。この広い世界の中で、たったひとつ残った希望の原石。
それがキミ達、希望ヶ峰学園78期生だ―そう、学園長は締めくくった。今までで一番短いスピーチだったべと葉隠君が呟いた。誰も笑わなかった。
それから、ボクらは一人ずつ学園長と面接をした。世界に希望が取り戻せるその時まで、生涯をこの学園で過ごすことに同意した。
この巨大な学園でたった十七人。たった十七人の共同生活が始まったのだった。
「まことに勝手ではありますが、本日をもちまして苗木誠探偵事務所は、営業を、終了いたしました、っと」
「……何を書いてるのよ」
「事務所の閉鎖のお知らせを、ちょっと。もう誰も来ないだろうけど、いちおうね」
「これ以上張り紙を増やしてどうするというの、貴方」
「突っ込みどころはそこなんだ?」
学校を完全に封鎖してしまう手前、のんびりと部活動というわけにもいかなくなる。
朝日奈さんや大神さんなんかは個人的にトレーニングは欠かさないようにするみたいだけど、ボクらにはさして続ける理由もない。
なにより依頼人が見知った顔だけというのも張り合いがないし、ボクらは一応の閉鎖を決めていた。
「荷物とか、全部置きっぱなしでいいよね?」
「いつも使ってるものだけ持っていきましょうか。明日からは寄宿舎が生活の中心になるでしょうけど、二度と来ないというわけでもないのだし」
霧切さんが文庫本片手にボクを見やる。どうやらどの推理小説を持って戻るか悩んでいるようで、しかしどれもお気に召さなかったのか全て棚に戻していた。
「一冊も持っていかないの? レーンとか、霧切さん読みかけじゃなかった?」
「何度か読んでるもの、いいわ。苗木君こそ何かないの? いくつかあったら部屋で退屈せずに済むでしょう」
「この椅子とか持っていきたいんだけどなあ。かさばるよね」
「そろそろ私も怒るわよ」
「ごめんね。からかってるつもりはないんだけどさ」
余計に性質が悪いわと霧切さんが呟く。ボクは上手い返答が思いつかなくて黙り込んだ。
空虚な会話。放っておいてもいつもと同じやりとりが口をついて出てくるのだけど、ボクらはどこか上の空で。
しばらくこの部屋に入ることもなくなるのだと思うと、寂しさがこみ上げてくる。
「あのさ、霧切さん」
「何かしら」
「………寂しいね」
「……そうね」
なんとなく見つめ合う。霧切さんとこうしている時は大抵謝るか照れるかしていたボクだけど、今日ばかりはそんなことにはならなかった。
ふたり向かい合って腰掛けて。そうしていると、今まで過ごした日々が蘇ってくるようだった。霧切さんもボクを通して過去を振り返っているように見えた。
551:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/29 21:52:49.99 qANuO9S7
>>550続き
「……苗木君」
「……え。あ、うん。なに?」
霧切さんは何か言いたげに口を開いて―閉じた。何事もなかったかのようにボクをぼうっと見つめている。
「苗木、苗木誠……苗木所長」
「また、珍しい呼び方をするね」
首を傾げる霧切さんである。その拍子に銀色が揺れて、夕日にきらめいた。
「おかしいことは何もないわ。貴方が所長だもの」
「そういうことになってたね……。それで、どうしたの?」
「あのね、苗木所長、……ええ、折角だから」
そう言って霧切さんは立ち上がり、ブラインドのストッパーに手をかけた。するするとおろされるブラインドが夕日を遮る。
「―言葉を、貰えないかしら?」
ブラインドがかたん、と窓枠にぶつかった。
「……言葉、を?」
そう言葉、と霧切さんは繰り返した。
「訓辞、挨拶、終わりの言葉。呼び方はなんでも良いわ。ままごとみたいな探偵事務所だったけど、最後ぐらいはきちんと幕を下ろしたい。
……なんて、少し感傷的かしら」
「そんなことないよ。多分、ボクも同じ気持ちだから」
突然学園がその機能を停止して、ボクらもそれに引きずられる形になった。
学園への残留も事務所の閉鎖も自分たちで選んだこととはいえ、気持ちの整理なんてつける時間も余裕もなかった。冷静なようで内心混乱していたのだ。
だからボクらは、なにかひとつ区切りが欲しかったのだろう。自分たちの手でおろすことのできる幕が欲しかったのだろう。
「わかったよ、霧切さん。話すのはあんまり得意じゃないけど。それでも良いなら、なにか言葉を贈るよ」
「ええ、是非」
いつまでも座っていたくなる誘惑を振り払って、ボクは霧切さんの傍へと歩み寄る。
二人の間に障害物はなくなって、咳払いを一つ。それだけでごっこ遊びの延長みたいな探偵事務所が、なにか神聖な場所になったように思えた。
552:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/29 21:54:11.69 qANuO9S7
>>551続き
「えー、……そうだね。ボクら二人、ずっとこの事務所にいたよね。あるかもわからない依頼を待ち続けて、一日ボーッとしていたこともあったっけ」
部活動という名目で始まった探偵事務所は物珍しさこそあったものの、依頼を受けるまでには至らず。
探偵小説やコーヒーメーカーを事務所に置き始めたのもこの頃だったと思う。とにかく退屈だったのだ。
「そしたら、クラスの皆がなんとなく気にかけてくれるようになって。ちょっとずつ依頼が増えて。霧切さんが持ってきた小説に出てくる売れない探偵事務所みたいに
なったよね、ウチ」
苗木誠探偵事務所の得意分野は迷い猫捜し。しかし霧切さんはどんな些細なことにも手を抜かない人で、その姿勢が後々の依頼にもつながったのだろう。
「いつも二人で行動して、依頼が入ったら事務所を閉めて。ちょっと不便かな? と思うこともあったけど、その態勢にもすぐに慣れた。
そもそもそんなに依頼は多くなかったし、それに、」
「……それに?」
「……霧切さんと二人でする”探偵ごっこ”は、すごく楽しかったんだ。キミは超高校級の探偵で、ボクはそのサポートで。名前だけの所長だったけど、
ワトソン役はだれにも渡したくなかった。最初は不思議で仕方なかった”苗木誠探偵事務所”の看板が、……最近は嬉しかった」
今思えば、ボクは本当に幸運だった。こんなに素敵なホームズは、本棚の中のどこを探したっていないだろう。
「苗木君、ちょっと」
「ねえ、霧切さん。楽しかった苗木誠探偵事務所はこれでおしまい。それは仕方ないよ。でもボクには一つ心残りがあるんだ。
一つだけ、どうしても諦められないことが」
「ずっと、……ずっとキミの傍にいたいんだ。―大好きだよ、霧切さん」
とす、と。ボクの肩に何かがぶつかった。
「………………………ばか」
「ごめん。色々思い出してたら止まらなくなって」
「誰が告白しろと言ったのよ、ばか。………ばか」
そうっと霧切さんの背中に手を回す。一瞬肩が震えたけど、それ以上の抵抗もなくボクの腕の中におさまった。
肩口がひどく熱い。霧切さんは何かぶつぶつと言っているようだったけど、声が小さすぎて何一つ聞き取れなかった。
こういう時に必要以上の仕事をする心臓は驚くほどに穏やかで、心は静かに凪いでいる。
霧切さんは思っていた以上に華奢だとか、土足禁止にしておいて良かったとか、そんなことを考える余裕さえボクにはあった。
「良かったら、返事をきかせてほしいな」
「……喋るのは貴方の役目じゃない。どうして私が、そんなこと」
「ボクだって言葉が欲しいよ。ねえ、ダメかな、霧切さん」
「し、仕方ないわね……あの、苗木君。それなら、せめて、」
恥ずかしいから、このままで。……顔を見ていられないの。
霧切さんがボクのシャツをぎゅっと掴む。耳元で息を吸い込む音がして、ボクの心臓がどきりと跳ねた。
553:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/29 21:55:28.06 qANuO9S7
>>552続き
「―苗木君。苗木君?」
「…………え? あ、霧切さん。どうしたの?」
「どうしたのじゃないわ。ほら、扉を開けるわよ」
前方にはボクらを威圧するように鉄の扉。学園の出口だ。そう、ボクらは”卒業”するのだ。
どうやら少しぼうっとしていたらしい。頭を振って、ぱちりと顔を叩いて……うん。もう大丈夫。
「おい、何をやってる。何があるかわからんのだぞ」
「ほんと、苗木って結構図太いよねえ。学級裁判でもずっとリーダーみたいだったしー」
「だべ。もしかすっと、クラス委員長とかやってたかもしんねえな!」
「そ、そんなことどうでもいいわよ………アンタが白夜様を待たせてんのよ、グズグズしてるんじゃないわよ」
「ご、ごめん、みんな」
葉隠君と朝日奈さんがしょうがないなあ、という風に笑う。十神君と腐川さんはフンと鼻を鳴らした。
「……何か、思い出したの?」
「ううん。なんにも。でも、……うーん?」
「随分と煮え切らないのね」
霧切さんが肩を竦める。実際に忘れているのだから仕方ないと思う。彼女はまだボクの方を見ていて、何か思い出そうとしているようだった。
他の皆はやれ外に出たら占ってやるだのなんだのと言っていて、ボクらの様子には気付いていないようだ。
視線を合わせる。ボクの方が背が低いから、少し見上げるような形になって。
―ふと、ここが土足禁止だったらよかったのにと、意味のわからないことが脳裏を掠めた。
「…………」
相変わらず何も思い出せないけれど、確かにボクらはこの学園で、大切な日々を過ごしたのだろう。
たった十五人のクラスメイト。きっと授業も賑やかだったろう。昼休みは誰かと机を寄せ合って、時々は学食に行ったりして。
放課後には部活動とかして。朝日奈さんは当然水泳部で、腐川さんや十神君はそんなのくだらないって言ったかもしれない。
葉隠君はオカルトは嫌いなんだっけ。それで、霧切さん、は。……ボクは。
「苗木君、開けましょう」
「うん。……あのさ、霧切さん」
扉の上部に取り付けられた物騒な銃が天井へ納まる。派手な音が鳴り響き、二度と開くことはないように思えた扉が少しずつ動いている。
「なに? 十神君じゃないけれど、何があるかわからないわよ」
もう霧切さんはボクを見ておらず。扉の向こうにあるものに目を向けていた。
ボクもそれに倣う。
「霧切さんは、ここを出たら何を……いや、」
激しい音と光の奔流。扉はもう半分開いている。ボクは前方を見据えたまま、半ば叫ぶようにして残りの言葉を吐きだした。
「―ボクと二人で、探偵事務所、やらない?」
554:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/29 21:59:29.01 qANuO9S7
ちょっと中途半端かもですが……ここでおしまいです。
最後の方は(というかずっと)粗さが目立ってしまってので、次はもっと良いものをお見せできるようにしたいです。
それではひとまずこれにて。
555:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/29 22:28:47.22 Zidjbf6u
あなたが超高校級のナエギリ作者か……!
556:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/29 22:57:38.97 KX02aAB6
あなたの話はずっと好きで読んでいました
ひとまずお疲れ様でした
別の作品を書く機会があれば、ぜひともお目にかかりたいです GJ!
557:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/29 23:26:16.98 memtHEZ1
これだからこのスレはやめられねぇ…GJ!
第一回から本当に楽しませてもらいました
558:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/30 00:19:20.30 ELf9EVdy
>>554
GJすぎる・・・!
あなた様がNo.1だ
559:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/30 01:20:41.87 pFmzN/N4
>>554
いい最終回だった…GJ!
あなたとは是非またこのスレでお会いしたい
560:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/30 02:24:34.80 34eqWJBP
>>554
乙?
で、次はどんなナエギリ書くんだ?
実はもうだいたいできてるんだろ?
予告っちゃえよ?
561:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/30 10:20:51.90 Txnxg+t+
>>560
なぜばれたし
原点回帰ってわけじゃないけど、もともと読みやすい掌編をぽんぽん投げていく予定だったから、
適当にテーマを決めてギャグ要素強めのやつを探偵事務所の番外編として作っていく予定です。
こんなかんじで
こちら苗木誠探偵事務所(番外編)
ナエギリ春夏秋冬
第一話『春に着ていく服がない。』
562:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/30 10:21:39.72 Txnxg+t+
霧切さんは時々、ほんとうに言ってはならないことを言うと思う。
「苗木君、貴方の私服なのだけど………フルジップのパーカーってちょっとないと思うわ」
「………………………………は?」
季節は春。長かった冬がようやく終わり、桜の蕾も膨らんできたある休日のこと。
私服で登校してきたボクに対して、彼女は大真面目な顔でそうのたまったのだった。
「大体ソレ、いつ全部閉じるのよ? 昔から自分が見えないところにまで気を遣うのが粋だとか言うらしいけど、自分が見えなくなるのは果たして粋なのかしら。
目立ちたいのか目立ちたくないのか、ちっともわからないわ」
「いや、目立ちたいとは思ってないけど……」
むしろ目立とうと思っても目立たないのがボクのボクたる所以である。最近は”超高校級の平凡”だなんていう人がいるのだけど、正直ボクも”幸運”なんかより
ずっとそっちの方が相応しいと思っている。
ちなみに言い出したのは江ノ島さんである。
「じゃあその、フードにプリントされてる模様は永久に真っ二つのままなの? 理解できないわ……そういう意匠ならまだしも、明らかに原型は円じゃない」
「えーとえーと、……えーと」
涙目である。半泣きである。正直勘弁してほしいけど霧切さん本人にはからかう気など全くなく、むしろ興味津津のようだから手に負えない。厄介だ。
「模様はひとまず置いておきましょう。苗木君、貴方それジッパーを全部あげて街を歩ける? 危ないわよね。外では無理、と。なら、家の中で活用するかしら。
ご飯も食べられない、本も読めない。……困ったわ。使いどころが無いのよ、苗木君」
「ああ、そう………」
もう好きに言えば良いと思う。ボクもどうしてこの服を買ったのかなんて覚えていない。ただボクが選んだということは、これが極めて無難で、平凡で、普通で、
よくあるものだということと同義だ。
「大体こんなの、ドコで売ってるのよ。こんな……苗木君、ちょっとコレ全部閉じてみてもいい?」
「うわ、ちょっとやめてよ」
今まさに平凡の定義が危機に陥っていた。ていうか痛い。前髪挟んでるよ霧切さん。
なんか霧切さんの瞳がキラッキラしている。新しい遊び道具を買ってもらった猫のようだ。補足すると猫は小さい時から遊んでやらないと、大人になって急には
おもちゃでは遊ばない。現実逃避終わり。
「ちょ、ちょっと霧切さん、やめ」
「抵抗しないの。少しだけだから」
「フルジップに少しもないでふが」
結局ジッパーを全部上げられてしまった。何も見えない。音も小さく聞こえるし、声もくぐもってしまう。ホントに何のためにあるんだ、この機能。
「謎だわ……一体誰が、何のためにこんなものを」
オーパーツを初めて見た時みたいな反応を止めてほしい。何も見えないことも相まって、なんだか切なくなってきた。
「………あ」
―わかったよ、霧切さん。これ、人前で泣けない時に閉じるんだよ。
そこまで思い至ったボクの目から一粒、涙がこぼれ落ちた。布地に吸われてすぐに消えた。
「それにしても。…………滑稽ね」
「うわーん!」
563:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/30 10:36:20.36 Txnxg+t+
こんなかんじのを作れたらなーと思います
564:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/30 10:59:50.89 3PJoMVih
>>563
うおおおおおおお
是非ともシリーズ化して欲しい
ありがとう、ありがとうGJ
565:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/30 11:08:40.56 ycnYdFd8
>>563
もう君がこのスレの代表だ
566:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/30 11:26:15.48 B1DOfNTX
>>563
GJ! 二人のやり取りが凄くツボだ
>>565
兄弟、気持ちは分かるが他の職人さんだって素晴らしいと思うぞ
我々は誰でもWelcome!
567:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/30 11:37:19.24 Txnxg+t+
みんなで色々するほうがいいよね
可愛い霧切さんと苗木君が見れるならなんでもいいんだぜ
568:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/30 12:25:04.82 3390Eh2x
腕利き揃いだもんな、このスレ
SSに限らず短文の妄想・ネタ振りも俺はウェルカムだぜ
>>567
いつもいつも良作をありがとう
周りに人がいるのについついニンマリしてしまったよ
次回も楽しみにしていますぜ
569:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/30 12:50:49.07 i5z+3NNi
霧切さんの服は普通に格好いいが苗木のフルジップみたいな面白ポイントとか何かあるかな
570:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/30 18:30:49.95 pFmzN/N4
そういや霧切さんもジップアップのシャツ着てるよな
ジッパー夫婦か
571:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/30 20:37:51.63 pm2Q1irB
ペッパー警部みたいに言うなw
572:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/30 20:46:31.36 8ADg13iV
モノクマ「ジッパー夫婦♪邪魔をしないでーぇ♪」
573:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/30 20:52:32.38 B1DOfNTX
手袋の鋲が撃墜数的なものに見えてならない
574:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/30 23:26:29.43 Txnxg+t+
>>573
ジェノサイダー
575:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/30 23:39:10.23 3390Eh2x
あのゴツいリベット付き手袋は傷跡を他人に触れられたくない意識のあらわれ、と思いつきで適当なことを言ってみる
全体的にシャープなラインの中でやけに女の子っぽいリボンと白いハイソックスなんかも、
なんだか象徴的に見えてしまうのは勘ぐりすぎだろうか
576:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/31 00:36:53.44 eUfLXYZG
さっきなんとはなしに「スネギリ」でググってみて知ったんだが、ロシアにスネギリって地名があるんだな
ついでにサハリンエナジー社営業部長ヴィクトル・スネギリ氏なる人名まで出てきて吹いた
577:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/31 01:03:37.92 H751V+aw
「キリギリスって可愛いよね」と苗木が話してるのを
「霧切さんって可愛いよね」って聞き間違えて、表面上は冷静を装いつ、内心ドキドキする霧切さん
とかいう意味不明な電波を受信した。どうやら仕事で疲れてるみたいだから、ちょっと補修受けてくるわ…
578:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/31 03:37:09.96 Q3pJgoma
霧切さんの中の人が、ヒロインなのに苗木にあそこまで冷たいのはどうかと思うみたいな発言をしてたって本当?
579:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/31 08:58:55.73 4MLDksr7
声優でなくスタッフだった筈
ソースはファンブック
580:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/31 08:59:48.58 UQmwSDfD
まずその話をどこで聞いたの?
日笠はラジオにもまだでてないしダンガンロンパの話をする機会がまだないと思うんだけど
VFB買ってないからわからんが声優のインタビューに書いてたとか?
581:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/31 10:00:33.01 rHGtmGyb
>>578
VFBでキャラデザ担当してた人のコメントかな
582:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/31 17:49:38.64 x9PTu8nT
霧切さんの正体はメカ子だと信じていた
583:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/31 18:47:09.20 +QmEUYmG
それはちょっと…
584:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/31 19:14:46.30 UPAeQkFv
しかしロボコップ好きの苗木は喜ぶかもしれない
585:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/31 21:09:18.99 eUfLXYZG
やおら手袋を脱ぎ捨てる霧切さん
そして露わになるコイルに覆われた銀色の手
「変…身! ストロンガー!」
うん、ごめん
ネタが古いうえにメカ子と呼ぶにも微妙だった
586:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/31 23:18:39.86 mbEaIF5Q
まあメカ子と呼べるであろうタックルの方は手袋関係ないしなぁ。
587:名無しさん@お腹いっぱい。
11/04/01 08:09:56.72 SLEzSE2X
今日は4月1日……そろそろあなたに本当のことを話すにも、いい頃合かも知れないわね。
それじゃあ苗木君、落ち着いて聞いてちょうだい。
私が超高校級の探偵だということも、学園長の娘だというのも、全部嘘。
私の本当の正体は、さる秘密結社によって作られたアンドロイドなのよ。
私の髪や瞳の色が日本人離れしているのもそういうわけだし、感情を表に出さないのも、本当は感情がないから。
この服の下の体も、柔らかい人間の皮膚ではなくて、冷たい金属で覆われているの。
……どう、驚いたかしら? でもこれが真実なのよ。
588:名無しさん@お腹いっぱい。
11/04/01 11:02:13.77 hWJV+FQG
>>587それは違うよ!霧切さん、僕は霧切さんがお風呂に入るのを覗いt
589:名無しさん@お腹いっぱい。
11/04/01 11:26:06.51 MSdnSabg
下から二行目…霧切さんは遠回しに「私の服を脱がしてみなさい」と言っているのか…?
ニア追及する
追及しない
590:名無しさん@お腹いっぱい。
11/04/01 16:18:13.83 Mzisqx87
苗木「前に霧切さんが言ってた、立候補してもいいかな?」
霧切「えっ、もっ勿論///」
苗木「エイプリルフール!」
霧切さんの反応は?
ニア切れる
泣く
拗ねる
591:名無しさん@お腹いっぱい。
11/04/01 19:10:04.83 e/ikCVS1
公式の壁紙にて、カップヌードルの犯人は苗木の可能性が濃厚となった
592:名無しさん@お腹いっぱい。
11/04/01 19:24:50.29 zkwvkE3v
霧切さんにぶっかけたのか
593:名無しさん@お腹いっぱい。
11/04/01 19:29:46.65 CdTcatZq
下な話になるけどあのカップ麺中身が残ってたから葉隠が使って捨てたのかとか俺は思ってた
594:名無しさん@お腹いっぱい。
11/04/01 21:29:14.15 SLEzSE2X
(ゲーム外の)公式絵の霧切さんっていつもクールな澄まし顔だから、ああいう表情で描かれているのはなんだか新鮮だ
容器の文字はCUP GOKUBUTOと書いてあるのか?
595:名無しさん@お腹いっぱい。
11/04/01 21:32:09.41 wT4M2ind
カップヌードル被りながらも凛々しいキリギリさんが可愛い通り越して愛おしい。
596:名無しさん@お腹いっぱい。
11/04/01 22:03:04.37 oxGIiFzW
ダンガンラジオはやはりトリか
来てくれるといいなあ
597:名無しさん@お腹いっぱい。
11/04/02 01:54:55.23 ptoRIq6d
壁紙いいなあ
頭にカップ麺乗せててもかっこかわいいのは霧切さんくらいだ
>>596
ラジオドラマはやっぱり「立候補する?」かね
騙されたフリも個人的には捨てがたいが
598:名無しさん@お腹いっぱい。
11/04/02 03:17:39.12 FC1PBPS+
一番人気なのにラジオに出ない、というのも霧切さんぽくて
それはそれでいい……わけない!
苗木君に希望でも何でも撃ち込んでもらって是非出演を
599:名無しさん@お腹いっぱい。
11/04/02 12:05:03.95 L6DhQvwz
VFB見るに二年前にも霧切-苗木-舞園の繋がりはあったみたいだが、霧切-舞園間はどんな関係だったのか気になる
以前このスレのSSでもあったけど、あの面子の中で探偵のお世話になりそうな人といえば舞園さんだろうし、案外仲良くなる接点はあったんじゃないかと思うんだ
苗木を巡って修羅場でもいいけど
600:名無しさん@お腹いっぱい。
11/04/02 13:48:37.19 WR2zsY6m
殺伐と仲良し!
601:名無しさん@お腹いっぱい。
11/04/02 18:17:15.28 nYKiluSq
霧「苗木君、好きよ」
苗「えっ、あっ、えっと…」
霧「そういえば今日は四月一日ね」
苗「え、あ…嘘だったの?」
霧「エイプリルフールだからって、必ず嘘をつかなければいけないわけじゃないでしょう?」
苗「え、ど、どっちなの…?」
霧「さあ、どっちかしらね…ふふ」
ってのが脳内に降臨してきたけど、昨日中に妄想まとめきれなかった
602:名無しさん@お腹いっぱい。
11/04/02 18:41:15.39 ptoRIq6d
>>601
今からでも遅くないんだぜ
603:名無しさん@お腹いっぱい。
11/04/02 21:14:15.61 BHENUi9/
んむむ、やっぱエイプリルフールネタは押さえとくべきか...
604:名無しさん@お腹いっぱい。
11/04/02 23:03:21.94 2emp54FL
>>587
「メタルK」思い出すな、その設定だと。
その作品に出てくる「K」は復讐の鬼になるんだけどね
605:名無しさん@お腹いっぱい。
11/04/03 02:11:44.15 Tn1OjtrY
霧切さんもイニシャルがKだな
Kyoko Kirigiri
606:名無しさん@お腹いっぱい。
11/04/03 10:08:13.93 QnKQd/Oa
このスレでは霧切さんをいじめたいドSの方が多数派のようだが、
霧切さんに踏まれたりなじらるたりしたい紳士はいないのか
607:名無しさん@お腹いっぱい。
11/04/03 14:25:51.95 Pmgk0DxN
エロパロにあったな
608:名無しさん@お腹いっぱい
11/04/03 18:31:20.80 e7QxXOlk
>>606 我だ
609:名無しさん@お腹いっぱい。
11/04/03 18:49:54.53 BcYzrnmm
霧切さんはSもMもいけるというのが俺の持論
でもまあ、なじられるような場面でも、ある程度親しくないと無言であしらうだけで相手にもしてくれなさそうだ
610:名無しさん@お腹いっぱい。
11/04/03 20:54:47.85 Hwwyy1dv
我のことか
611:名無しさん@お腹いっぱい。
11/04/03 21:30:06.11 QnKQd/Oa
>>608
分かってくれるか兄弟
霧切さんに深く深く溜め息をつかれた後、冷ややかな目で睨まれたい
612:名無しさん@お腹いっぱい。
11/04/04 07:51:50.27 IgRExDoM
月曜日の朝ですが皆様いかがお過ごしでしょうか
エイプリルフールなんてなかったんだ! ということで一本投下したいと思います。季節感ナニソレ。
こちら苗木誠探偵事務所(番外編)
ナエギリ春夏秋冬
第ニ話『ロンパって言いたいだけちゃうんかと。』
613:名無しさん@お腹いっぱい。
11/04/04 07:52:27.60 IgRExDoM
「苗木君、コンパス持ってないですか? あとものさしも」
「コンパス? ものさしはあるけど、コンパスは……あ、あるや。はい、舞薗さん。でも何に使うの?」
「私じゃなくて、苗木君にお願いしたいことが。ええ、まず1センチの線と2センチの線を書いてください……はい、そうです。
それで、今度は1センチの円と2センチの円を、そのコンパスで……ありがとうございます。ね、わかったでしょ?」
「どういうこと?」
「つまりですね、直線だと気にならない小さな差でも、円にすると誰の目にも明確なほどにその差が」「黙りなさいこの狸女」
使わないコンパスなんか、とっとと捨てておけばよかったと思う。
梅雨が明けようとしていた。ここ何日か耳にしていない雨の音を少しだけ名残惜しく思った、ある休日のこと。
昨日ようやく乾いたお気に入りのパーカーを着こみ、久しぶりに傘も持たず登校したボクを出迎えたのは、笑顔の眩しい舞薗さんと仏頂面の霧切さんだった。
「あら、妬みですか霧切さん。それとも僻みですか? いいんですよ隠さなくて。私エスパーですから」
「黙りなさいと言ってるでしょう。早くその口を閉じないと私の手袋にどうしてこんなに沢山鋲が付いてるのか知る羽目になるわよ」
「どうぞ教えてくださいな。それで目の前の数字がひっくり返るのならいくらでも」
「くっ、この……」
ほらほら、と何故か目いっぱい胸を反らす舞薗さん。その仕草がカンにさわったのか、霧切さんは近くにあった雑誌で叩こうとする。が、かわされた。
なんだこの二人。
「………うん、雑誌?」
霧切さんが持っていた雑誌をこちらへと放る。多分、何度も読むかしてクセがついていたのだろう、受け止めた拍子にページが開いて鮮やかなグラビアが
ボクの目に飛び込んできた。
―『今年の夏はコレでキマリ! 水着選び10のポイント』
「苗木君、私はくだらないと思うのよ。メディアに踊らされて右へならえ左にならえで。ばかばかしいったらないわ」
「それは違いますよ霧切さん。海があれば泳ぎに行くし、梅雨が終われば夏がくるものです。議論のすり替えですよ、それ」
「生意気ね……たかだか1センチの差如きで……!」
「1センチ? さっきから、なんなのそれ」
ぐりん、と。視線がボクの方へと集まる。ご丁寧に効果音付きで、示し合わせたように身体ごと振り向く二人である。
「わかってます。苗木君はおっきいのが好きなんですよね? 言わなくていいですよ私エスパーですから」
「苗木君を誘惑しないでこの色魔。わかってるわよね苗木君。……事情? 言うわけないでしょう察しなさい。言わずとも理解しなさい」
「わかるわけないでしょう苗木君はエスパーじゃないんですよ。ね、苗木君。この、白いビキニよりこっちの青いのですよね? 勿論わかってますとも」
きゃあきゃあと騒ぐ二人は憎まれ口を叩きながらもどこか楽しそうで、傍観者であるところのボクも微笑ましい気分になってうんごめんなさい嘘つきました。
「舞園さん、アナタ少し苗木君に近」「嫉妬ですねジェラシーですね。わかりますよエスパーですものかーわいー」「やかましい」
―ああもう。
ボクなんかでこの二人が止められるはずもない。説得も仲裁役も早々に諦めて、ボクは、
「あ、逃げた!」「話は最後まで聞きなさい」
パーカーのチャックを全部閉じた。
614:名無しさん@お腹いっぱい。
11/04/04 07:56:41.38 IgRExDoM
以上です。愉快じゃない一週間がまた始まりますが、適当にやり過ごしましょう。
私も仕事行ってきます
615:名無しさん@お腹いっぱい。
11/04/04 08:03:52.24 mA6xelks
GJ! そして行ってらっしゃい
ふう…出勤前にいいものを見れたぜ
616:名無しさん@お腹いっぱい。
11/04/04 10:08:09.48 jznumylO
>>614
GJw
ホントあなたの作品は良作ぞろいだ
617:名無しさん@お腹いっぱい。
11/04/04 11:44:48.92 7Tww8JHN
>>614
乙!
舞園さんと霧切さんの絡み微笑ましすぎワロタ
もっとやってくれ
618:名無しさん@お腹いっぱい。
11/04/04 12:17:08.37 +LOR2Os6
相変わらずGJだべ
ムキになる霧切さんマジかわいい
ところで…これは夏のビーチ編があると思っていいんだな!?
619:名無しさん@お腹いっぱい。
11/04/04 12:35:42.80 EMUJmDyV
GJ! 三人のやり取りが微笑ましい……w
620:名無しさん@お腹いっぱい。
11/04/04 12:40:38.17 EMUJmDyV
流れぶったぎって悪いんだけど、霧切さんとデートするならどんな場所に連れてきたい?
苗霧いちゃいちゃデートSS書いてるんだが、苗木君がエスコートするのに皆の意見を取り入れてみたい
めしどこかたのむ
621:名無しさん@お腹いっぱい。
11/04/04 12:59:15.52 W+wOYCOF
スキー場
622:名無しさん@お腹いっぱい。
11/04/04 15:02:06.50 +LOR2Os6
ベタなところで…
・案1 映画館
苗木の趣味にあわせた場合はロボコップ一択だろうが、霧切さんの場合は…どんな映画だろう
・案2 テーマパーク
おそらく霧切さんには縁の薄い場所だろう
それだけにどんな反応を示すか見てみたい
案3 図書館
静かなデートだっていいじゃない
…でもSS的にはネタにならないか
623:名無しさん@お腹いっぱい。
11/04/04 18:27:05.22 IgRExDoM
植物園とか
霧切さんってじーっとサボテンとか見てそうっていつだったかスレで
624:名無しさん@お腹いっぱい。
11/04/04 19:09:38.03 y4QceU/W
水族館とかどうだろうか
625:名無しさん@お腹いっぱい。
11/04/04 19:58:49.08 5h1FGre/
人体の不思議展とか寄生虫博物館とか好きそう
626:名無しさん@お腹いっぱい。
11/04/04 21:31:59.45 mA6xelks
バイクでツーリングとか
霧切さんはバイク似合うんじゃないかと思うんだ
627:名無しさん@お腹いっぱい。
11/04/04 21:44:59.25 nKimAOoH
美術館も捨てがたいな
628:名無しさん@お腹いっぱい。
11/04/04 23:01:00.50 jznumylO
>>622
>案3 図書館
探偵ものの本をとにかく苗木君に薦めてきそうだ
でも確かに静かだとデートにはならないな
629:名無しさん@お腹いっぱい。
11/04/04 23:05:16.58 jznumylO
>>628
ごめん、「静かだとデートには」 でなく、
「静かだとSSには」 な。
連レスすまない、ちょっとゴミ捨て場に落ちてくるわ
630:名無しさん@お腹いっぱい。
11/04/05 00:20:10.13 4ZKxvIrD
>>626
わかる
服装的にも似合いそう
霧切さんマジいい女
631:名無しさん@お腹いっぱい。
11/04/05 00:52:33.82 6n2OayXl
ホテルのレストランで夜景を見ながら大人のデートとか……高校生の身の丈じゃないか
霧切さんならサマになりそうだけど
しかしここまでのレスで出てきたネタ、どれも見てみたくて困る
植物園でなぜかハエトリソウの生態を熱く語る霧切さんとか、
人体の輪切りを興味深げにしげしげと眺める霧切さんとか、
ライダースーツ姿で颯爽とバイクを乗りこなす霧切さんとか
あれだな、可能性は無限大だな
632:名無しさん@お腹いっぱい。
11/04/05 06:55:06.76 /oeUFDmk
こうなったらもう全部書けばいいんじゃね?
スレもまだ残ってるしな
633:>>620
11/04/05 09:20:23.88 wmDHSxzm
>>621-631
どれも素晴らしいな!
動植物や展示を見たりするのも捨てがたいが、オーソドックスに映画なんかも捨てがたい
スキーやバイクはデートというよりそれをメインテーマにできそうだ
いつになるか分からないが、完成したら投下させて頂くよ
634:名無しさん@お腹いっぱい。
11/04/05 12:41:58.86 rBXhcsWU
>>633
期待しているぜ
食事に行くならどこだろうな
イメージ的には洋食なんだが、日本文化に興味があるというし、和食の方が喜ぶだろうか
635:名無しさん@お腹いっぱい。
11/04/05 18:12:07.19 betMBLBL
>>634
実際、海外生活が長いって言ってたからな
少なからず、興味にひかれるだろうな
花見とかも喜びそうだ
636:名無しさん@お腹いっぱい。
11/04/05 18:23:46.57 DqjJe2L7
お芋をお箸でぶっ刺して食べる霧切さんとお芋をお箸で挟もうとしてコロコロさせちゃう霧切さん
私は前者が好みです
637:名無しさん@お腹いっぱい。
11/04/05 19:42:12.84 wmDHSxzm
あの手袋だと高級な店は断られそうだな……
かと言って薄くてフォーマルなやつだと火傷隠せなそうだし
「ごめんなさい……」って謝る霧切さんの手をとって、「霧切さんのご飯はずっとボクが作るよ!」って希望を撃ち込む苗木君を誰か!
638:名無しさん@お腹いっぱい。
11/04/05 21:10:03.22 betMBLBL
>>637
即興で考えたらこうなった
「ごめんなさい……」
いたたまれない気持ちになった私は顔を俯かせるしかなかった
「いや、霧切さんは悪くないよ…事前にちゃんと調べなかったボクがいけなかったんだ」
明るい笑顔を作って気にしなくていい、と繰り返す苗木君
こうなったのも、彼が大事な話があると言って夕食に誘われたのだけど、……私の手袋のせいで入店を断られてしまった
本当に……忌々しい火傷。今でさえ、こんなにも私の障害となる
「…あのさ、此処でジッとしてるのもなんだし、ボクの家に行かない? 夕食ならボクが作るから」
「……そう、ね」
私の手を握った彼に促され、返事をする間もなく歩き出していた
私よりも少し小さな苗木君の掌は心なしか、逞しかった
「はい、ありきたりだけど…」
そんな言葉とは裏腹に、私の前に出されたのは湯気を立てるご飯とお味噌汁、そして黒い鉄板の上でジューと音を立てるハンバーグ。
何処がありきたりなのか訊きたい。充分な程に手が込んでいるのにありきたりの一言で片付けるのは勿体無い気がしてならない
「相変わらず、料理上手ね……」
感嘆と呆れを含めつつ、苗木君に目をやる
「霧切さんに美味しいって言って貰いたいからね」
「………そう」
苗木君は何時もそう、私の皮肉も動じず、優しく笑ってくれる
「さ、食べよう」
「ええ、それじゃ」
『いただきます』
『ごちそうさま』
言わずもがな、予想通り…苗木君の手料理は美味しかった
家事があまり出来ない私からすれば羨ましい…のと少し妬ましい気持ち
苗木君の手料理を食べると必ず劣等感を抱く。馬鹿馬鹿しいと思っていても感じてしまう
「…霧切さん?」
「……あ、ごめんなさい。聞いてなかったわ。……で、何かしら?」
「う、うん…あのさ。大事な話があるって言ったよね。その事なんだけど」
ゴホンと咳をし、少し強張った面持ちと決意の籠もった薄茶色の瞳が私を映した
「ボ、ボクと……一緒に暮らさない?」
「…え? そ、それって……」
―プロポーズ、だった
「こんな形でなったのは悪いと思ってる。でも、霧切さんが好きなんだ。だから!」
「…でも、私、家事なんで出来ないし…」
「家事ならボクがするよ! 霧切さんのご飯はずっとボクが作る!」
「…本当に私で……いいの?」
「勿論! 宜しくね霧切…いや響子さん!」
私の方こそ宜しくね、誠くん
639:名無しさん@お腹いっぱい。
11/04/05 21:12:22.91 betMBLBL
>>638
後半駆け足……スマソ
640:名無しさん@お腹いっぱい。
11/04/05 21:15:15.30 /oeUFDmk
ふひひ、いかんヘンな笑い声出た
GJ。
641:名無しさん@お腹いっぱい。
11/04/05 21:36:52.90 davLmyeP
後の超高校級の夫婦である GJ
642:名無しさん@お腹いっぱい。
11/04/05 22:54:09.29 rBXhcsWU
ほんと何やってもかわいいなこの二人
GJ!
643:名無しさん@お腹いっぱい。
11/04/06 00:46:29.02 8ls5vhcW
苗木くんが超高校級の料理人になる話ですね分かります
644:名無しさん@お腹いっぱい。
11/04/06 00:57:13.53 g/T+5UZl
>>636
どちらもいいが、ここは何度もコロコロさせてるうちに痺れを切らせてお箸をぶっ刺しちゃう感じでどうか
645:名無しさん@お腹いっぱい。
11/04/06 01:00:58.52 jpjNCwOw
いやいや、見かねた苗木君が自分の箸でアーンでしょう
646:名無しさん@お腹いっぱい。
11/04/06 02:38:25.85 QyMBVtYv
>>645
つまりこういう事か
因みに>>638の続きだ
「……この!」
今、目の前にある物に踊らされていた
誠君が作った肉じゃが……これ程までに苦戦するとは
「だ、大丈夫?」
「気にしないで」
箸の使い方が下手くそと言われてしまえばそれまでだけど、ジャガイモがコロコロ転がるものだから少し苛々する……
「んっ…く…!」
我慢の沸点が到達、ジャガイモを突き刺そうと思っていた所、視界の端から細長い物がその苦々しい原因を持ち上げ、私の目の前に突き出した
つまるところ……誠君がジャガイモを掴んで私の前に運んでいたのだ
「ほら、響子さん、口開けて。あーん」
「む……あーん」
促されるままパクリと口に含んで、何度か咀嚼し飲み込む
甘い味付けながらもピリッと七味の辛さが利いていて醤油の風味とが鼻から吹き抜ける
相も変わらず、腕は衰えていない。寧ろ、上達してるようにしか見えなかった
「響子さん……手伝える事は手伝うから。それに、ね? 生まれてくる赤ちゃんにも身体を大事にしなきゃ」
彼の向ける視線の先は私の膨らんだ腹部
太ったとかそういうのはではなく、出来た…誠君との間で、その、身ごもった。俗に言う愛の結晶だろうか……いや、どっちにしろ恥ずかしい事極まりない
今も思い出すだけで顔から火が出そうな程に恥ずかしくなる
「ぜ、善処するわ」
「善処じゃ駄目。ちゃんと約束してくれなきゃ意味ないよ…只でさえ、響子さん無理するし」
「うぐっ……わかったわ」
図星になってしまうか。出来る限り、迷惑をかけないように行動してるものの彼からしたら無理をしてるにしか見えないようで余計に心配を誘っている結果……まさしく悪循環、ね
「……早く食べましょ」
「うん……って、響子さん!? ジャガイモ刺しちゃ駄目でしょ! 刺し箸だよ刺し箸! マナー違反だよ!?」
「仕方ないじゃない………お箸の扱い、難しいんだから」
「あ~、もう…はい、あ~ん」
「………あ~ん」
夫には勝てないのかも……しれない
思い切って舞園さんみたくベッタリすればいいのかな?……いや、私らしくないと言われるのがオチね
何がともあれ
「はい、あ~ん」
「ま、誠君、流石にお肉は食べられるから…」
「これから全面的に手伝うから、気にしなくていいよ」
「で、でも……」
「ほら、あ~ん」
夫婦円満!
これから生まれてくる赤ちゃんの名前も考えなきゃね
647:名無しさん@お腹いっぱい。
11/04/06 02:40:03.32 QyMBVtYv
>>646
あれ……何でID変わってんだ?
648:名無しさん@お腹いっぱい。
11/04/06 03:21:32.94 kJJMigBD
ふふっ
649:名無しさん@お腹いっぱい。
11/04/06 06:13:35.27 CxR37hFn
日をまたいでるからな
650:名無しさん@お腹いっぱい。
11/04/06 09:07:54.47 XuyZm2RP
やべぇ
苗木君になら霧切さん任せても大丈夫だわ
651:名無しさん@お腹いっぱい。
11/04/06 09:15:00.73 F8iVLLRC
GJ! もう何と言うかこの二人から産まれたいわ……
読んだら萌え死ぬSSが多い上に、ジェバンニまでいるとか恐ろしいスレだなw
652:名無しさん@お腹いっぱい。
11/04/06 09:48:30.10 jpjNCwOw
>>646GJ というよりもありがとうと言わざるを得ない
「二人から生まれたい」って新しいなww
653:名無しさん@お腹いっぱい。
11/04/06 12:49:31.08 thqvpG9T
ふとした拍子に子供に火傷を見られてしまう霧切さん
「ママの手怖い」と泣き出す子供、そして辛そうな表情になる霧切さん
そこに現れた旦那が「それは違うよ、ママのこの傷はね…」と子供を優しく論破する
そんな未来が存在するべき
654:名無しさん@お腹いっぱい。
11/04/06 14:26:31.57 QyMBVtYv
>>653
妄想しながら続きを書いてみた
「ひっ、く……ママ、のおてて、こわい、よぅ…っく…」
「っ……怖くないのよ?」
まさか、こんな事になるなんて……少しばかりうたた寝したせいか…
事の発達は推測だけど、恐らく娘が寝ている私の手袋を外したのだろう。その証拠に、傍らに手袋が落ちている
そして火傷の痕がある右手を見て恐怖を抱き泣いてしまった……しかし、右手の傷がこんな形で子供に知られるなんて迂闊だった。
いずれは説明するつもりだったけど、それはあくまでもこの娘が大きくなってからだ。しかし、今説明しようにも幼さ過ぎる……困った
「大丈夫だから、ね? ママの怖い所なんてないのよ?」
「ひ、ぐ…ふぇぇええっ!」
とうとう声を上げて泣いてしまった……しかも、この娘の外見が私によく似ているものだから少し宥め難い
ほとほと困り果てて、どうするか悩んでいた所…後ろから優しげな声が耳に届いた
「どうしたの、響子さん? ……あぁ」
誠君……だった
泣いている娘と困惑気味の私を察したのか、柔和に微笑んだまま娘の前で屈んだ
「どうしたのかな?ん?パパに言ってごらん」
「あの、ね、マ、マのおてて、怖い、の……」
途切れ途切れに嗚咽しながらも誠君に視線を外さずに告げる
その事を予感していたのか表情を崩さない誠君。それどころか、娘に笑いかけ頭を撫でつつ唇を開いた
「それは違うよ。ママのお手ては怖くなんかないよ。ママの傷はね…大切な物を守る為に出来ちゃったんだよ」
「っひ…くぅ…それ、ってわたし、も?」
「うん。そうだね……それにねこの傷のお陰でパパはママと一緒になれたんだ。だからね、君が生まれたのもこれのお陰なんだよ」
「それ、じゃ、ママのおてて、はこわく、ない、の?」
「勿論! ママのお手ては凄いだからね。ママも凄いけど」
「誠君……」
「だからね、泣いちゃだめだよ?せっかくのママ似の可愛い顔がぐしゃぐしゃだから」
「んっ…うん!」
確かにある意味この火傷で誠君と一緒になれたのかもしれない。あの日も、誠君の家に来て……それで一緒に
……私にとってこの火傷は忌々しい過去でしかなかった。しかし、思い返せば誠君と繋ぐ橋になったのかもしれない
何だか……今になって誠君も救われた気がした
私の全てを包み込んでくれたから、幸せも火傷に遮れなかったのだろう
今更だけど……ありがとね、誠君
655:名無しさん@お腹いっぱい。
11/04/06 15:35:05.27 hU0yr3aG
>>654
GJ……!
全て即興だというのになんだこのクオリティの高さは!
すばらしい、そしてありがとう
656:名無しさん@お腹いっぱい。
11/04/06 15:50:33.31 tvIMwszQ
>>654
GJすぎる・・!
本当にこのスレは恵まれたスレだ・・!
657:名無しさん@お腹いっぱい。
11/04/06 17:04:18.84 QyMBVtYv
GJありがとうだべ!
超高校級の夫婦はネタが尽きないな……まだまだ頭に浮かぶべ!
もう面倒だし即興夫婦ネタで突っ走しろうか
658:名無しさん@お腹いっぱい。
11/04/06 21:04:50.85 QyMBVtYv
取り敢えず、浮かんだネタが……あるんだ
・学園長先生が超高校級の夫婦の所に来る
・超高校級の希望の妹が超高校級の夫婦の家に来る
・街でクラスメートであった超高校級の誰かと出くわす
ネタ、異論があれば、どぞ