【ダンガンロンパ】霧切響子の正体は俺の嫁Part3at POKECHARA
【ダンガンロンパ】霧切響子の正体は俺の嫁Part3 - 暇つぶし2ch150:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/01 16:31:03.23 Mzbb4E5O
霧「……」
苗「な、何? どうしたの霧切さん?(顔が近い…)」
霧「……(ペロリ)」
苗「わっ!? い、いきなり顔舐めないでよ!」
霧「……嫌?」
苗「い、嫌ではないけど…」
霧「そう、なら良かったわ(ペロペロ)」
苗「……(ドキドキ)」

※犬が相手の顔を舐めるのは最上級の親愛表現です

151:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/01 16:44:58.82 Od3uW1im
霧「この汗は嘘をついている味ね」

霧切さんの調査術ですね、わかりますん。

152:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/01 17:20:01.63 T4mjXuC+
ジッパーで隣の部屋に入ってくる霧切さんを想像した
おおっと隣は苗木だ


153:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/01 18:05:18.02 Zs9Zw3By
この流れなら載せられる 自分でもちょっとやりすぎかと思ってる、にゃえぎりSSを…!




 お腹のあたりに息苦しさを感じて目を覚ますと、案の定「彼女」が、すやすやと布団の上で丸まっていた。
 どこから生えてきたのか分からない、耳と尻尾。
 山田君当たりなら、この状況には歓喜に打ち震えるのかもしれないけれど…

「…ん…」
 目をこすりながら、彼女が目覚めた。
 どうも寝起きはあまり良い方ではないようで、うっすらと機嫌悪そうに開いた眼で、僕と、それから辺りを見回す。
「お、おはよう…霧切さん…」
 瞼をこすりながら、跨った僕に目をやる彼女に、朝の挨拶。
「苗木君…?…なんで…  …っ!?」
 それまでの緩慢な動きから、ハッとしたように飛び起きると、霧切さんはいそいそとベッドから降りた。

「ごめんなさい…私、また…重かったでしょう…?」
「ううん、いいよ。それに、そんなに重くなかったし」
 彼女へのフォローを忘れずに、僕もベッドから降りて、洗面台に顔を洗いに向かう。
 彼女が猫としての本能に目覚め、飼い主―おそらく、そう判断されているであろう僕のことだが―に懐き、
 ちょっかいをかけてくるのは、別に何もこれが初めてじゃなかった。

 慣れたとは言わない。
 今朝だって理性をフル動員して、寝起きの霧切さんの白い綺麗な肌に見とれて、その柔らかな匂い―
 違う違う。
 とにかく、我慢の日々なのだ。



 確か昔、現代文の授業で習った小説で、虎になってしまう男の話があった。ええと、なんて題名だったっけか…
 姿は虎のままで、精神は人間と虎の間をさまよう、そんな話。
 今の霧切さんがおかれている状況は、それに限りなく近い。
 彼女は、猫になってしまったのだ。

 この話の展開と違う点は、まず虎ではなく猫であること。同じネコ科とはいえ、この差は大きい。主に僕への安全面の方で。
 次に、身体は完全な猫ではなく、耳や尻尾、爪などの、一部しか猫化していないこと。
 そして、

「そのうちネズミや虫を取ってくるようになるかもしれないわね」
 当の本人である霧切さんが、全く問題視していないということだ。

「うええ、止めてよ…僕、そういうの苦手なんだから」
「男の子でしょ?しっかりしなさい」
「霧切さんは女の子なのに、平気なの?」
「ええ。いちいち怯んでいては、探偵業は務まらないから」

154:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/01 18:06:31.73 Zs9Zw3By
続き


 耳と、尻尾をくゆらせているという所に目をつぶれば、会話の内容も、仕種も、それまでの霧切さんと全く同じ。
 今の霧切さんは、強いて言えば『人間モード』だ。
「それにしても苗木君には、迷惑をかけるわね……あつっ!」
 ただ猫としての特徴は残っているらしく、
「あ、またホラ…冷まさないでコーヒー飲もうとするから…」
 例えばこれは、俗に言う『猫舌』だろう。
「っ、つぅ…迂闊だったわ……ええと、何の話だったかしら…そう、あなたには本当に頭が上がらないわ」
「…気にしないでよ」

 気にしないでよ、とはいうが、正直限界に近い。
 『人間モード』の霧切さんは比較的理性を保っている。それは別にいい。
 一緒の部屋で暮らしている分にも、僕の方が理性を失わなければ、問題はないのだ。
 『人間モード』なら。

「この耳や尻尾が無くなったら、一度お礼に……っ!!…ぅ、に、ぁ」

 言葉の途中で、霧切さんが大げさなほどに身体を縮まらせる。
 きた。
 何度目かの「それ」を、僕はただ目を細めて見ていた。

 霧切さんの瞳孔が、すっと細くなる。

 フルフルと体を少し震わせ、思いっきり伸びをしたかと思うと、

 それから蕩けた目つきになって、僕に枝垂れかかる。
 自分の頭を頭突き気味に僕の頬に擦りつけ、するりと体を僕の膝の上に置く。
 先ほどまでとは明らかに違う立ち居振る舞い。

 さあ今日も始まった、ここからが本当の理性との戦い。
「にゃあ」
 これが、『猫モード』の霧切さんだ。
「はぁ…」

 『猫モード』の霧切さんは、僕を飼い主だと認識しているのか、とにかく懐く。
「にゃう」

「あぁっ、ほら、コーヒーこぼしちゃダメだって…」
 僕が注意するのをわかっているのかいないのか、彼女は普段は絶対に見せないような満面の笑みで、
 僕の腕に尻尾を巻き付け、じゃれるのだった。

155:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/01 18:09:07.22 Zs9Zw3By
続き


 『猫モード』の霧切さんは、簡単に言えば、感覚や記憶、個人の趣味趣向はそのまま残され、
 理性だけを吹き飛ばし、猫としての本能や仕種を忠実に再現している、といったところ。
 だから猫なのにコーヒーが好きだし、油ものは依然として嫌がる。

 『人間モード』と『猫モード』は唐突に入れ替わる。

 記憶もリンクしているから、『猫モード』で何をしているか、霧切さんは覚えているし、
 だからこそ『猫モード』の霧切さんは、僕が誰かも認識している。

 それなら、僕を苗木誠と認識して、その上で飼い主としてみなし、懐いているということは…
 という論拠を、依然『人間モード』の彼女の前で展開しようとしたのだが、顔を真っ赤にしながらすごい目つきで睨まれたので、
 この件に関しては僕も深く考えないようにしたい。


 なんて、必死に僕自身の理性を総動員して、現状を整理していると、
 さっそくその理性をぶち壊すイベントがやってきた。
「…はぷ…」
「うっ、えぇえええ!?き、霧切さん!?」

 彼女は僕の手を取ると、その指を自分の口に入れて、舐めまわしはじめたのだ。
「なぅ…んぷ」
 確か子猫なんかは、授乳の所作を思い出し、なついた相手の指などを舐めまわして親愛の情を示す、というのはよく聞く話だ。
 そう、猫としては、これは何の不思議もない、至って普通の行動。
 猫としては。


「ぅあ、っ…霧切さ、やばいって…」
 霧切さんの口の中はとても温かく、唾液でぬるぬるとしていて、至福の気持ちよさがある。
 ざらざらとした舌が変幻自在に動き、恍惚の表情で彼女は僕を見上げる。
 元に戻った時の彼女の羞恥を想像して、僕は自分の中の男子高校生の本能に負けないよう、必死で理性に釘をさす。
 けれど、
「ほら、ね、離して…」
 ぐい、と手を引っ張ると、
「にぅうー」
 なんとも恨みがましいジト目で、彼女は僕を見るのだった。

 ああ、無理無理。手なんか抜けっこない。だってかわいいもん。
 手を出してしまえば、人間として終わり。でも、手を引くことは、僕にはできない。

 僕はそのまま小一時間、彼女の満足がいくまでひたすら、自分の右手を生贄にし続けた。
 とにかく霧切さんの方を見ないように。
 今彼女が僕の指を舐めている所なんか見たら、朴念仁と名高い僕でも、何をしてしまうかわからない。


「にゃ…んむ……、…、……」
 しばらくして舌の動きが止んだ。
 ああ、ようやく解放されるのか、と、安心しつつも少し残念に思う。
 霧切さんの顔を見る。もう、『人間モード』だ。
 さすがに今回は、唐突過ぎて状況を整理できないのか、彼女は僕の指をくわえたまま呆然としている。
「あの、霧切さん…もう、手、離してもらっても…」
 一瞬で彼女の顔が真っ赤に染まり、それから見るみると真っ青になっていった。

156:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/01 18:11:50.99 Zs9Zw3By
続き


「ごめんなさい…本当に…」
「い、いいって…」

 珍しくしおらしい霧切さんが見れたので、それだけでも幸運だ、と、僕は自分を納得させた。
「苗木君…いつも言っているけれど、嫌だとか、気持ち悪いと思ったら、本当に遠慮なく、私をはねのけていいのよ?」
 彼女が申し訳なさそうにそう言うのに、僕は苦笑いで返すしかなかった。

 正直、嫌という気持ちは全然ない。
 むしろ僕自身、どこか楽しんでいる節だってある。
 それに、『猫モード』の霧切さんの行為は、あくまで本人の意向に基づいて行われている。
 そのことだって、全然悪い気はしなかった。

「あなたは馬鹿みたいにお人好しだから、私の…その、ああいう行為を拒むことに、
 もしかしたら罪悪感を感じているのかもしれないけれど、それは筋違いなのよ」

 むしろ拒まずに受けてしまっていることに、罪悪感を感じてはいるのだけれど。
 それを言ってしまうと後が怖いので、とりあえずここは黙っておこう。


「いつになったら、治るのかしらね」
 不意に霧切さんが、そんなことを呟いた。
「もしかしてこのまま一生、苗木君に迷惑をかけ続けなければならないのかしら…」
「まあ、僕はそれでもいいけどね」
「…苗木君、あなた自分でも意図していないのだろうけれど、時々ものすごく恥ずかしいことを口にしているのよ」

 霧切さんがそっぽを向いてしまったので、その表情は見られなかったけれど、
 耳まで赤く染まっていることからみて、もしかして僕は今変な事を言ったのだろうか?
 いや、きっと霧切さんの気のせいだ。

「でも、猫である時間も、周期も少しずつ短くなってきたし…近いうちには治るんじゃないかな?」
 少し残念ではあるけれど、やっぱり治るに越したことはない。
「そう…だと、いいわね、お互いに」
「最初の頃は酷かったもんね」
「…出来れば早々に忘れてほしいわ」
「ホントに一日中ずtt」
「忘れて、お願い…」

 頬を染めながら頭を振る霧切さんに見とれて、僕は頬を緩ませた。
 普段は僕の方が彼女に翻弄されているんだから、今くらい彼女をからかったってバチは当たらないはずなんだ。


 バチは当たらない、はずだったんだ。

157:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/01 18:12:11.09 Zs9Zw3By
またあとで多分来るぜ…正直ごめん

158:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/01 18:57:55.30 XYvkgXEN
にゃあー!
理性がミンチにされちゃう

159:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/01 19:16:21.34 OwK+f6d8
いいぞもっとやれ!
俺、前スレにあった猫ギリさんネタ好きなんだ…

160:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/01 23:03:45.48 B/qGL9bW
虎になる男って中島敦の「山月記」だっけか

161:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/02 00:32:30.69 J7SX0jUO
霧切さんてどんな事件解決してきたんだろうな
死神の足音を聴けるってことはやっぱ殺人事件が多かったんだろうか
でも実際の探偵はそんなもん出くわすことなんてそうそうないだろうし
まあ設定的にはコナンとか金田一みたいな探偵と同じと思っときゃいいか

162:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/02 01:14:19.06 xIO+MOPJ
「補習 for ミステリアス」聴いてたら気分がダウナーな方にトリップしてしまった
ぺちゃんこになる効果音が脳内再生余裕でした

163:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/02 08:02:47.27 0NF9vbMf
霧切さんが後ろ向きで黒板の「生命の始まり」が映るカットの時点で、既に耳まで真っ赤になってることに最近気付いた
あれはやっぱり緊張とかではなく羞恥で赤くなってるんだな

164:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/02 10:19:17.22 zZJEyABS
霧切さんが好きそうな体位は自分が優位に立てて相手を見下ろせる騎乗位なんだろうか

165:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/02 10:22:11.75 fH5NhXf5
意外と子供っぽい霧切さんが好きな俺としては対面座位が理想
というかエロパロ板でやれ

166:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/02 12:28:44.12 ZQoJXblw
誰にも踏み込まず/踏み込ませず、中立の第三者たることを貫いてきたであろう霧切さん
しかし、そうやって自己を律することができる能力と他人に頼りたいという気持ちは別であるはずだ
霧切さんにだって心のどこかで他人に寄り添いたいという気持ちがないとは言い切れない
つまり何が言いたいかというと、ひとたび探偵の立場を離れた霧切さんは甘々のデレデレだという可能性は考えられないだろうか

167:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/02 12:33:44.85 7gaAudkW
そもそも探偵って依頼人がいて初めてなりたつ仕事だよね。
それなのに中立な立場なんて貫けるものだろうか。

168:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/02 17:02:00.94 JdHIkHGy
本当の中立なんて事はできないけどそれを目指しましょう、ってことなんじゃないかな
特定の誰かに入れ込むと推理が鈍るってことは、ゲームプレイ中で特定の被害者やクロが好きだったやつにはよく分かるんじゃない?

169:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/02 20:12:14.18 0NF9vbMf
舞園さん殺しの真相を苗木に解明させようとしたことは中立からの逸脱だろうか
苗木に肩入れしていると言えるかもしれないし、
個別の事件の中で考えうる最善の解決を目指した結果ととることもできるように思う

170:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/02 20:28:42.26 nKp06QJ1
ヒントは教えるから後は自分で、というのが霧切さんの中立ラインなんだろう
積極的に教えもしないし妨害もしない

ただ、「探偵助手」は中立として扱うべきなのか?とかは気になるな

171:にゃえぎり
11/03/02 22:09:48.27 bqIJXEtz
ちょっと真面目な流れに水を差しちゃうんだけど…>>157の続き書いていて載せにきたので
うざいと思ったら何卒スルー・NGしてください

172:にゃえぎり
11/03/02 22:11:17.58 bqIJXEtz
 翌朝。
 久しぶりに腹部への圧迫感のない朝に、心地よく上体を起こす。

 そこで感じる、違和感。
 僕はとっさに、彼女の姿を探した。
「霧切、さん…?」

 すぐに、その姿は見つかった。
 部屋の隅、毛布に体を包めて、自分の体をキツく抱きしめている。
 心なしか、顔が紅い。羞恥的なものじゃない。
 まるで熱に浮かされているかのように、目が蕩けている。

「霧切さん、どうしたの?大丈夫?」
「っ…近寄ら、ないで」
 顔を覗き込むと、目をそらされた。
 何事かと僕が考える前に、彼女が次の言葉を紡ぐ。

「今の私は…あなたに何をするか、わからないわ」

 彼女の瞳に宿る光に、野性を感じ取る。
 僕は身の危険を感じて、思わず身じろぎした。
「少し…時間をちょうだい…心を、鎮めるから…」

 霧切さんが落ち着くのを待って、僕は彼女の話を聞く。


「…体の異変は、昨日から感じていたのよ。いくら私が、猫っぽくなっている時に理性が無くなるからって…
 いきなり、あなたの指を、その…舐める、なんて…これまでの奇行に比べて、明らかに異常性が増しているわ」

「確かに…これまではせいぜい、すり寄ってくるくらいだったもんね」
「…と、とにかく、あの時から…その、身体がおかしいのよ」
「おかしいって、どんなふうに?」
「どんなふうって…体が熱くて、気持ちがそわそわして…」
「風邪、かな?」

 なんて、額に当てた僕の手には、まるで懐炉を触っているような熱が伝わってきた。
 霧切さんは身を捩って僕の手を退け、顔をそむけたまま、耳を真っ赤にしてぼそぼそと喋る。

「その…だから……は…」
「は?」


「発情期、だと思う…」


「え、と…なんて?」
「聞き返すなんて、いい根性してるわね…」

173:にゃえぎり
11/03/02 22:12:49.32 bqIJXEtz
続き


 聞こえなかったわけじゃない、自分の耳が信じられなかった。
 彼女の口がら、そんな言葉が出てくるなんて、思わなかったから。

 毛布から伸びている彼女の尻尾が、咎めるようにぺしぺしと僕の鼻を叩く。

 潤んだ瞳で恨めしく睨まれても、可愛いばかりで、いつもの迫力は全然ない。

「こう見えても今、必死に我慢しているのよ…気を抜いた瞬間に、あなたに襲いかかっちゃう、か、も…」
「ば、馬鹿な事言わないでよ…それに、さすがに女の子には力負けしないよ」

 こう見えても、とは言うけれど、言われてみれば今の彼女には、興奮という状態が当てはまるんだろう。
 こんな霧切さん、初めて見たから確証は得られないけれど…
 息を荒げ、冗談めいて言う霧切さんは、どことなく色っぽい。

「私…結構強いのよ。試してみる?」

 ごくり、と、喉が音を立てて生唾を飲んだ。

「冗談に聞こえるかもしれないけど…探偵業でトレーニングを欠かせたことはないし、体格もあなたより大きい…
 その気になれば、いつだってあなたのこと、襲えるんだから…
 今は必死に理性で抑えつけているけれど、体が疼いて疼いて、今にも頭がおかしくなりそう…
 それにあなたは人が良いから…私がそういうことをしても、拒めないでしょう…?
 だからこそ苗木君、あなたにお願いがあるのよ」

 そこで彼女は、毛布を脱いだ。
 ふわ、と、湿った熱気に乗って、彼女の女の子の匂いが鼻に届く。
 それだけで、僕はどうにかなってしまいそうだった。

 まだ顔は紅く、息はあがっているが、真剣な目つきで彼女は僕を見ている。
 霧切さんは、どこから取り出したのか、ガムテープを僕に押し付けた。
 苦しそうに胸の前で手を握り締めながら、声を絞り出す。

「まだ、私の意識があるうちに…っ、私の手を、縛っておいて」

「な、何言ってるのさ!」
 僕はガムテープを、彼女に押し返した。
「女の子を、し、縛るなんて…出来ないよ!」

 僕だって、この現状で、だいぶ理性がやられているんだ。
 彼女の自由を奪って、それこそまともでいられる自信はない。

「苗木君、私は真面目に話しているの…本当に、あなたのためでもあるのよ」
「だ、だからってそんなこと…た、例えば霧切さんを部屋に入れておいて、僕は外に出ているとか…」
「閉じ込めるということ?鍵は内側にあるのに、意味はないわ。開けるくらいの知能は残っているから…」
「それに…僕に襲いかかるかどうかなんて、わからないじゃないか」
「あなた、今まであれだけされて、まだそんな悠長な事を…猫になった私は、絶対にあなたを襲うわ。断言できる」
「どうして、断言できるのさ!?」
「猫になった私は、普段の私の記憶や趣向を反映し、より本能的に動く…ここまで言えば、わかるでしょ…?」
「わかんないよ、全然!なんでそれが、猫の霧切さんが僕を襲う確証になるの!?」
「だから!それは、私があなたを、っ……」

 そこまで言うと、彼女は黙ってしまった。

 でも、その先を聞かなくても、なんとなく…。
 だって彼女は、言い淀んだ瞬間からますます顔を真っ赤にして、唇を一文字に、拗ねたように僕をじっと見ていて、
 彼女の熱に当てられたかのように、僕も顔が赤くなっていくのがわかった。

174:にゃえぎり
11/03/02 22:13:54.75 bqIJXEtz
続き




「霧切さん…」
 雰囲気に流されつつある僕が、彼女の背中にそっと手を回そうとした、その時に、

「あ、っ…」

 それは、唐突に始まった。

「霧切さん!」
「っ、わた、しは…忠告した、のに…もう、知らないから…!……っ…ぁ…」
 息がますます荒くなる。
 顔は紅いまま、どんどん瞳孔が細くなる。
 彼女は最後の力を振り絞って、毛布にくるまった。僕を守ろうとしてくれたのかもしれない。

 そんな僕は、どうしていいかわからずに、尻もちを着いていた。
 本当に襲われたらどうするんだろう。逃げるべきか、拒むべきか。
 正直、発情なんて聞かされ、指舐め以上のことをされて、理性を保っている自信はない。
 けれど、こんな状態の彼女を放ってはおけない。

「にゃ…ふーっ…」

 毛布の中から、うめき声が聞こえる。
 普段の鳴き声じゃない。明らかに異常が見て取れる。
「霧切さん…?」
 何度目か、彼女の名前を呼んだ。
 びくり、と、毛布が震え、動きが止まって、


 次の瞬間、毛布が僕に襲いかかってきた。


「っ、わ…!」
 驚く声が口から飛び出す前に、体を押し倒され、
 僕は無様に、地面に横たわった。思い切り床に頭をぶつけ、目の前がぐわんぐわんと揺れる。

 毛布の中から飛び出た腕が、転がる僕をベッドの上に放り投げ、自分もそれに跨ってきた。

「ふーっ…ふぅうぅ…」
「霧切、さ…」

 毛布で包まれた暗闇の中、彼女の双眸が光る。
 獲物を狙うような、鋭く冷たい目つき。
 ごくり、と、僕はさっきとは別の味の生唾を飲み込む。

 そんな彼女の気に当てられて、興奮が僕にも伝導してくる。
「はぁ、はぁ、はぁ…」
「ふぅーっ…ふー…」
 互いの吐息が、かかる距離。
 彼女の体温を、香りを、存在を近くに感じて、僕ももう限界に近い。

 ケダモノは、果たしてどっちだろう。

175:にゃえぎり
11/03/02 22:15:05.52 bqIJXEtz
続き



 男と女が二人でベッドの上、毛布にくるまって体を密着させて。
 このままじゃ、どちらが先に動き出しても、何かしらの過ちを犯しかねない。

 霧切さんは、ぼくの腹の上に膝立ちでのしかかっている。
 彼女の膝に袖を踏まれて、腕の自由も奪われている。
 手の甲に、うっすら湿り気を帯びた彼女の太ももが触れている。

 確かに彼女の力は、想像していたよりも強い。
 けれど、抗えなくはなかった。体重もたぶん、僕の方が上だ。
 彼女は探偵として鍛えているといった。確かに、本気の彼女が僕を押し倒せば、抗う術はないかもしれない。
 けれど今は、本能のままにのしかかられているだけ。
 がむしゃらに起き上がれば、簡単に形勢逆転できるだろう。

 だからこそ、残り少ない理性と、全脳細胞をフル動員して、この状況の打開策を考える。
 彼女が本能を行動に移す前に。
 僕の理性が焼き切れる前に。


「ふっ…ふっ…」
 もぞもぞと、腹の上で霧切さんが動き出す。
 上体を倒し、頭を彼女に抱かれるような形になる。

 ドッ、ドッ、ドッ、ドッ、

 心臓がうるさいくらいに、早鐘を鳴らしている。
 それは、彼女の鼓動か、僕自身の鼓動か。
「はーっ…はーっ…」

 力を込めて起き上がれば、彼女を押し倒すことができる。
 できるけど、絶対にやっちゃダメだ。
 正気じゃない女の子を押し倒して襲うなんて、犯罪だ。いけないことだ。人間として最低だ。
 必死に自分を咎めるけれど、鼻孔をくすぐる甘い匂いに、自制の言葉が浮かんでは溶かされていく。


 ずるり、と、霧切さんの体が下にずれてくる。
 二人の目線が、合う位置まで。
「なぅ…」
 目があったのを確認すると、彼女は妖艶にほほ笑み、足を絡ませてきた。
 誘惑しているような目つき。

 す、と顔が近付き、
 ペロリ
 僕の頬を舐めあげる。


―ヤバい、ヤバいヤバい!!                          これ以上はエロパロ板行きだ。


 とうとう僕は、苦渋の選択の答えを出した。

176:にゃえぎり
11/03/02 22:16:28.05 bqIJXEtz
続き



 ぐ、と力を込めて、自分の手を彼女の下から引きずり出す。
「に゛ゃっ…」
 バランスを崩した霧切さんが呻く。

 そして彼女の背中に手を回し、思いっ切り抱きしめる。
「にゃ、うっ?」
 あまりに唐突で、さすがの霧切さんも面喰らっている。
 服越しに柔らかな彼女の体を感じながら、僕はガムテープに手を伸ばした。

 背中にまわした自分の左腕に、ガムテープをぐるぐる巻きにして、彼女の背中にあてがった。
 固定するのは、彼女の服と僕の左腕。
 肘から先は自由なので、同じ要領で右腕も、彼女の服に貼り付ける。

 僕が霧切さんに抱きついた形で、二人は固定されている。

 体が密着しているわけだから、僕はもちろん、霧切さんも身動きが取れない。
「にゃ…にゃう…」
 霧切さんは不可解そうに首をかしげていた。

 最初こそ、満足そうに頬を擦り寄せてきて(この時点で僕はもうヤバい)いたんだけど、
 やがて自分が身動きを封じられたことを理解したのか、
「なぁああぁう…ふーっ!!」
 あからさまに不機嫌そうな声をあげて、バタバタと暴れ出した。

 彼女が暴れるたびに、その、慎ましやかな胸(本人に直接言えば、きっと命はない)の膨らみが押しつけられ、
 僕の理性を、アイスピックで氷を割る様に、ガンガンと勢いつけて崩しにかかる。

「ダメだよ…元に戻るまで、自由にさせないからね…!」
 僕の言葉は届いているのかいないのか、
「フーーっ!!」
 彼女はますます暴れて、ベッドを揺らすのだった。

 ギシ、ギシと音を立てて、ベッドが揺れる。
 その上には、毛布をかぶって重なり合う男女。
 人に見られれば、確実に誤解されるであろう光景だな、なんて考えながら、
 僕は自分の意識をどこかに飛ばし、目の前の現実に向き合わないように必死だった。


 やがて、どう頑張ってもほどけないと理解したのか、ぴたりと暴れていた霧切さんが止まる。
「にゃう…」
 ようやくわかってくれたか、と、安堵をしたのもつかの間。

「うう…ふぅうう…」
 発情はすぐ収まるわけではなく、今度は切なそうに吐息を洩らす。

177:にゃえぎり
11/03/02 22:17:21.97 bqIJXEtz
続き



 霧切さんの顔は、僕のすぐ横にあるわけで、
 彼女がこちらを向いて吐息を洩らせば、それが僕の耳に吹きかかるのも当然。

「ふー…ふー…」
「っ……ひっ…」

 情けなくも、女の子のように甲高い声が漏れてしまう。
 それに気付いてしまったのか、今度は霧切さんは、僕の耳を執拗に攻めてくる。

 ぬるり、と、彼女の温かい舌が僕の耳をなぞった。

「うぁっ!」
 声が口から飛び出す。

 反応に気を良くしたのか、ますます耳の穴を霧切さん舌が犯してくる。
 絶えず足を絡ませ、グイグイと腰を押し付けられる。

 我慢だ、我慢だ…彼女はまともな意識じゃないんだから…
 欲望が背中から追ってくる。

「にぅぅぅ…」
 耳を舐める合間に、耳元で彼女が、切なそうに鳴き続けている。
 まるで、僕に何かを訴えかけるように。

 ゾクリとした温い恍惚が、背中を駆け抜けた。
 逃げなきゃだめだ、逃げなきゃだめだ…!

 このまま時間が経てば、元のクールな彼女に戻ってくれる。
 万が一、互いの欲望のままに動いて、僕が彼女を、彼女が僕を襲えば、もうこれまでの関係には戻れない。
 僕がこうして我慢しているだけで、また元の関係に戻れるんだ。
 一時の感情に身を任せて、大切なものを失ってはいけない。


 しばらく、そのままの時間が続いた。
 霧切さんは僕の頬や耳を舐め、身体を擦り寄せて切なげに声をあげ、
 僕は彼女を抱きしめたまま、思いっ切り彼女から顔をそらしている。

 毛布の中は酷く暑くて、自分の呼気の温もりさえ感じるほど。
 彼女と触れあっているところから、じっとりと汗ばんでくる。
「はぁ、はぁ…」
 少しずつ酸素が薄くなっていく中で、彼女の動きも鈍くなっていく。

 もうそろそろ、大丈夫だろう。
 そうして気を抜いた瞬間に、

 僕の意識は、深く深く落ちて行った。

178:にゃえぎり
11/03/02 22:18:45.03 bqIJXEtz
続き





 どれくらいの時間、気を失っていたのかは分からない。
 一瞬かもしれないし、一日かもしれない。
 窓のない部屋では、時間の経過は分かりづらいから。


 ただ、起きた時には霧切さんは、もう元に戻っていたみたいで、
「…おはよう、苗木君」
 少し動けば触れ合う距離で、僕に挨拶をかけてくれた。

「あ、あの、霧切さん、これは…」
「わかってるわ。記憶もちゃんとある」
 彼女を抱きしめたままの格好に気づき、途端に慌てて弁明を口走る。
 けれど霧切さんの所作は至って落ち付いていて、互いを抱きしめた体勢のまま、体を起こす。


 顔は少し赤かったけれど、本当に『元の』霧切さんだった。


「…耳、消えたんだね」
「尻尾もね。お陰さまで」

 余裕を見せようと、ミステリアスな笑みを浮かべるのも、

「今、ガムテープはがすね」
「…ええ」

 髪をかき上げる仕種も、

「…多分、この『発情期』みたいなものが、一つの節目だったのね」

 推論を進める時にした唇を撫でるクセも、

 本当に全部、元の霧切さんだった。


 ああ、やっと終わったのか。
 ガムテープをほどいた後、どっと疲労感に襲われて、僕はまたベッドに横になった。

 もうあの無邪気な微笑みや、恥じらう霧切さんを見られないと思うと少し残念だったけど。
 彼女自身に特に危険が及んだわけでもないし、何事もなく終わって、今はほっとしていた。

179:にゃえぎり
11/03/02 22:19:48.12 bqIJXEtz
続き



「その…ゴメンね」
「何がかしら?」
「急に抱きついちゃったから…」

 霧切さんは、なぜかむっとして僕の頬をつねりあげた。

「い、いひゃい!いひゃいよ霧切ひゃん!」
「痛くしてるのよ…」
「何で!?」
「謝ったから」
「え、ええ!?」

 ああ、この理不尽な攻撃も久しぶりだな、と、僕は頬をさすりながら感慨にふける。

「私を守るためにとってくれた行動で、なぜ謝るの?…あなたから謝られたら…私が素直に、謝れないじゃない…」
「う…なんというか、罪悪感というか…」


 だって、緊急自体とはいえ、女の子を抱きしめるなんてほめられた行動じゃない。
 それに、彼女に対してやましい気持ちを抱いてしまったのは、本当だから。

 その旨を伝えると、また彼女は顔を真っ赤にして、
「あなたのせいで、赤面症にでもなってしまいそうだわ…」
 と、恨めしげにつぶやくのだ。

「そ、それはこっちの台詞だよ!色々してきたのは霧切さんじゃないか。どれだけ僕が我慢して…」
「なら、拒めばいいと言ったでしょう?突き飛ばしても、縛り上げてもいいって言ったのに」
「そんなこと、女の子に出来るわけないよ…ましてや、好きなひt」

「えっ…」
「あ」



 Fin

180:にゃえぎり
11/03/02 22:20:02.37 bqIJXEtz
すまんかった

181:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/02 22:59:16.80 1kagOBEN
>>180
GJ
面白かった
霧切さんの言い回しとかも本編の霧切さんっぽくてすごくよかった

182:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/02 23:01:51.21 0NF9vbMf
GJ
あなたを待ってたぜ
これは…たまらんな!

183:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/02 23:27:22.01 nvevnRhf
GJ!!
さぁ、次はエロパロ板で書くのだ!!

184:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/02 23:32:09.81 k21jirQJ
GJ!!!
最高だ!
エロパロ板でも頼むb

185:にゃえぎり
11/03/03 00:35:21.63 6wmJBBJO
その後



「…にゃあ」
「…」


 あのあと、言葉の続きについてさんざん言及されたが、僕としても一応プライドというか、
 あんな流されて口を滑らせてしまったような、無様な形で告白したくはないというか、
 とにかく『猫モード』の時がまだマシだったかと思わせるほどの、霧切さんの追及を逃れて、

 それまでの様々な心労からは解放されたはずなんだけど。

「…何してんの、霧切さん」

 心地よい眠りから冷めた僕の目に飛び込んできたのは、猫耳を頭に着けて、
 ベッドで眠っていた僕の上に四つん這いに跨って、顔を真っ赤にしている霧切さんの姿だった。


 念のために言っておくけれど、これが『猫モード』の霧切さんじゃないことは、僕にだって分かる。
 まず、猫化現象は昨日で終わっていた。
 次に、猫状態の彼女は、発情でもしていない限り、僕の上に跨った程度で顔を真っ赤にしたりしない。

 そして、決定的な違い。僕が見た『猫モード』霧切さんの猫耳は、彼女の髪の毛と同じ、銀灰色。
 今彼女が着けているカチューシャ―その猫耳は、真っ黒だった。

「に、にゃー…」
 とにかく分かるのは、今の霧切さんは猫になりきっているらしいということ。
 そんなに恥ずかしいなら、何をそこまでやることがあるんだろうか。
 そこまでして、僕をからかいたいのだろうか。

「にゃー、にゃー…」

 僕の手をとり、その掌を自分の頭に押し付ける。撫でるように強要している仕種にも見えなくもない。
 けれど、僕は深く考えないようにして、そのまま頭に付けたカチューシャを掴んで外した。
「にゃ…あっ!」

「何してんの、霧切さん」
 僕はもう一度、同じ質問を繰り返す。
「あ…」
 恥ずかしがりながら、甘えたように猫真似をしていた霧切さんの顔が、凍りついた。

「まさか霧切さんに限って、本当に甘えようとしたわけでもないだろうし…
 大方、僕をからかおうとしたんでしょ?いくら僕が鈍いからって、そんな簡単な罠にぶごふぅっ!!」


 鳩尾に綺麗な突きが決まって、僕はベッドの上で未悶えた。
「お…ふぉっ…何を…」
「…憂さ晴らしよ」

 ベッドの上で悶絶する僕の頭によぎったのは、『私、結構強いのよ』の言葉。
 まぎれもない事実だったということを確認しながら、僕はわけもわからず霧切さんに詫びるのだった。

186:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/03 01:48:50.83 gAM4Dzwr
>>185
凄くよかった GJ

187:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/03 03:03:13.78 2v1+jdz5
>>185
あなたのせいで一ヵ月間はこのページ開きっぱなしだよ

188:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/03 06:58:42.92 Kfkjumbz
>>185
よい!

189:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/03 08:01:19.97 CvenfDoi
>>185
よくやってくれた
よくやってくれた

190:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/03 12:14:56.19 T8Rp9rfg
霧切さんはロシアンブルー
苗木君は柴犬

191:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/03 23:30:14.24 CvenfDoi
もう雛祭りも終わりだが、霧切さんには和服も似合うと思うんだ
肌白いし、さぞかしお人形さんみたいになることだろう
なにより和服は胸のサイズが目立たな…いやなんでもない

192:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/04 02:41:45.73 JyjIKymn
霧切さんは俺のために早急にナース服を着るべき

193:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/04 13:22:57.53 JWn7M7MQ
ネコとナースと聞いて。他にも多数
URLリンク(niyaniya.info)

194:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/04 13:41:46.35 WW6Be+CH
>>193
だいたいあってるwwww

195:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/04 14:34:47.57 Qz9EydKQ
こんなもんだいたい当たり障りないように書かれてるんだから

とか思ってたらホントにだいたいあっててワロた
座右の銘とかいかにも霧切さんっぽいし 儚げなお尻ww

196:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/04 15:03:35.58 JyjIKymn
霧切さんのお尻は儚くないよ!
夢と希望が詰まってるよ!

197:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/04 18:24:12.67 oRJEVYX0
>>193
制服ハンターw きっと匂いフェチのせいだなw

198:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/04 19:08:27.72 c84x9LxC
ごね得美人てw
でも「行くべき時には強引には行ける」は×なのがかわいらしい

そうか…霧切さんはキス上手だったのか…

199:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/04 19:21:07.64 twybnAEv
ほう
どこで覚えた

200:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/04 20:54:46.52 c84x9LxC
そりゃお前、ボージョボー人形のマコトくん相手にイメージトレーニングに励んでいるんだろ?

201:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/04 20:54:51.44 ApxD9tZ+
今二年前霧切さん単体ss練ってるんだが、ナエギリ成分少なくてもいいかな…?
というか投下してもいいですか?
あまりssばかりになると語れないと思うので。
おkのようならいつか投下させてもらいます。

202:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/04 20:55:03.11 ApxD9tZ+
今二年前霧切さん単体ss練ってるんだが、ナエギリ成分少なくてもいいかな…?
というか投下してもいいですか?
あまりssばかりになると語れないと思うので。
おkのようならいつか投下させてもらいます。

203:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/04 20:57:21.07 ApxD9tZ+
うわ、連投してしまった
ごめんなさい
ちょっと補習受けてきます

204:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/04 21:05:11.29 oRJEVYX0
ここは霧切さんの個人スレなので、全く構わないと思うよ
というか、どんどんお願いします

205:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/04 21:36:06.46 c84x9LxC
遠慮する必要はないと思うよ
ネタがあるなら思うさまやってくれい

206:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/04 22:46:29.87 ApxD9tZ+
>>204>>205
ありがとう
完成したら投下させていただきます

207:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/04 23:12:43.27 JWn7M7MQ
上で子供の話題やってたので、検証。投下までの暇つぶしにどうぞ
URLリンク(niyaniya.info)

208:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/04 23:13:56.35 JWn7M7MQ
おっと、>>206氏の投下のね。すまぬ。楽しみにしてるよ

209:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/04 23:22:18.69 7tM2yDIc
>>207
長女が…アイドル?

舞園「私、パパと結婚したいです」
苗木「あはは、パパもそうだよ」
霧切「へぇ…」

210:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/04 23:29:04.17 c84x9LxC
去年の6月に一体何が…

211:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/05 00:12:48.05 F29GM0jg
ファンブックにヒロインにしては冷たすぎるってコメントあったけど、御曹司に部屋の鍵没収されたときに
自分の部屋に匿ってやらない苗木っちの方が冷たいと思いますた。

212:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/05 00:20:25.85 1tfwrR9F
あの展開は絶対に同じ部屋で夜を過ごすことになる展開の前振りだと思ってたよ

213:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/05 00:25:26.92 t3/PxM91
俺もそれを心から期待したんだが如何せん舞園さんと被るからな

214:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/05 00:30:03.40 F29GM0jg
舞園さんと違って、意地っ張りで頑固な霧切さんの性格上苗木の方から言ってやらないといかんかったよな

215:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/05 00:30:39.09 jhM8UHNQ
霧切さんは勝手に苗木の部屋に入ってくるじゃないですか
それも二度だ

216:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/05 03:04:31.68 1tfwrR9F
夜這いは文化なので何の問題もありません

217:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/05 14:56:45.04 8PdajjtW
霧切さんは探偵としての役割を果たすためならガンガン押していくけど
根っこが乙女だから、それ以上のことについてはなかなかアグレッシブにはなれないのさ
多分

218:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/05 15:19:13.47 B8MxSIUw
地味にss進めてるけど、容量落ちとか連投規制とかこのスレは大丈夫ですかね?
何回投稿したらどれぐらい規制されるか教えていただけると幸いです
それでカットとかすると思いますので。

219:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/05 15:27:50.85 t3/PxM91
現在どれくらいの容量なのか言ってもらわないと答えずらいが
容量については余裕じゃないの?
まだ74KBしか使ってないから400KB以上余裕があるし

220:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/05 15:37:43.56 CsTCNNgv
どうしても心配ならこれを使うといい

URLリンク(firestorage.jp)

自分もお世話になりました
SS完成待ってます

221:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/05 15:49:27.27 B8MxSIUw
>>219>>220
お答、ありがとうございます
明日かその週に投下予定です
期待はしないでおいてくださいね…
捏造二年前なので、駄ssフラグがぷんぷんですorz
コーデリア・グレイについて軽く知っていると0.1割ぐらい楽しめる?と思います

どうでもいいけど、霧切父のキャラがまったく掴めない…

222:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/05 16:37:59.27 qPo7Ycm1
連投規制は1時間当たり10回位連続でやるとなりやすいよ

223:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/05 17:38:15.70 n8kwPkV6
霧切さんは苦手教科とかあったんだろうか

224:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/05 17:51:26.40 4Vd48010
古典と日本史が苦手なんじゃね、海外育ちだから

225:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/05 17:58:54.00 CUMq/2XQ
保健体育はバッチリです

226:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/05 18:51:01.35 8PdajjtW
ペーパーテストの科目に関しては、弱点のある印象はないかな
記憶力いいし、探偵たるものどんな分野の知識でも貪欲に吸収しようとするだろう

ただ家庭科の実技とかは苦手そうだ
実は壊滅的に絵心がなくて、美術もダメダメなんてこともあるかもしれない

227:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/05 22:02:53.86 B8MxSIUw
>>222
お答ありがとうございます
そんな大量にはならないと思うので大丈夫かな?

微妙にナエギリ成分を含みつつ霧切親子なシリアス話になる予定です
一応霧切父のキャラは捏造なのでイメージにあってなかったらすいません。

228:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/06 02:14:28.45 JFWg0YZC
作中ではクイーンの名前を出してたけど、霧切さんは古典ミステリ愛好家なのだろうか

229:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/06 13:26:44.80 Y/yhd1hf
クイーンとか教養の範囲だろ

230:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/06 13:42:11.69 rrEZh0CE
横溝が好きな俺は霧切さんと苗木くんが兄弟だったらとか霧切さんが危ないお薬を嗜んでいたらとか妄想してしまうな
公式ではっきり否定されたけど親父の声優一緒だから妄想しやすくて楽しい
ホームズな霧切さん、ワトソンな苗木くん
ポワロな霧切さん、ヘイスティングスな苗木くん

一番好きなのはそして誰もいなくなっただけど

231:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/06 15:29:20.23 +ERLFGkJ
蝶ネクタイやらを喜ぶあたり、フィクションの探偵物が大好きで憧れがあるんじゃないかという気はする
いや霧切さんも十分フィクションの探偵の域だけど

232:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/06 16:32:14.68 9kpcgAhT
ファンブの体育祭イラスト、さりげなく苗木に寄り添ってるのが意味深だな。

苗木の方が気づいてないのがさらに・・・

233:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/06 20:04:38.63 +ERLFGkJ
あれだけでは苗木が気付いているかどうかは何とも言えないんじゃないか
それより注目すべきは、苗木が旗を持っている右手側よりも接近可能な左手側のスペースを霧切さんが確保していることだな

234:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/06 20:25:10.52 wqctyl0f
>>233
そもそも公式に否定することでも無いけどな
別人だなんてことはプレイすれば分かることだし
声優が同じだからって同一人物だと思うほうがおかしいわ

235:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/06 20:26:12.37 BVgcXvw2
両思いなら、お互い寄り添う気がする
旗を持ってるから傾きづらいとは言え

236:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/06 20:50:07.42 wqctyl0f
>>234はアンカーミス
>>230だったわ


237:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/06 22:55:03.90 rrEZh0CE
>>236
本当に何でわざわざ公式で否定したんだろうな
ネタじゃなくてガチっぽい質問メールとか届いたのかな?

238:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/07 00:04:05.88 r9CZE8gw
もし2年の間で、妹様か舞園さんが苗木の彼女だったりして、
それ霧切さん思い出したら苦しむのかな。

239:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/07 00:09:58.28 r9CZE8gw
つか苗木に気のありそうな女がキレイサッパリいなくなってんだよな。

これはまさか・・・

240:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/07 00:18:09.45 bEq2RfbL
両思いかどうかはともかく、あの写真の霧切さんの笑顔は素晴らしい
霧切さんがあんな表情ができる学園生活があったかと思うと、もうね

>>237
ラジオのスタッフがゲストに来た回で、質問メールがあったんだよ
で、「違います」との回答が

241:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/07 00:18:33.64 3Ee+AD+q
・一章
霧切(舞園さんと江ノ島さんから死神の足音が聞こえるけど放っておくべきな気がするわ)
・三章
霧切(セレスさんが何かやらかしそうな気がするけど放っておくべきな気がするわ)


・記憶を取り戻す
霧切(計画通り!)

242:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/07 00:56:21.88 r9CZE8gw
だがブラックホース朝比奈が残っていたことに気がつかない霧切さん

243:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/07 01:26:14.21 nDbvm0OS
たった十人ちょっとしかいない同級生たちだからな、
萌えポイントだからってほどほどにしとけよ?

244:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/07 16:01:20.01 xXTRrsew
霧切さんの付けてるリボンって、やっぱり家族写真のと同じものなのかなぁ

もし同じものを付けていたとすると、2年間の学園生活の間に父親とは和解できていたんだろうか……

245:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/07 16:02:41.21 ioeI+0yU
入学時からあのリボンはつけてるはずだが

246:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/07 16:54:52.69 xXTRrsew
>>245
いや、それはわかってるよ
でも、霧切さんって学園長である父親と決別するために希望ヶ峰学園に入学したわけだろ

あのリボンは自分を捨てた父親が唯一残してくれたもので、自分と父親を繋ぐ思い出の象徴
それを父親に逢ったときに叩き返すことで、過去の因縁を断ち切るために身に着けてきた
しかし、父親に再会して話をしているうちに、自分がどれほど愛されていたのかを知る
そして、親子は和解して、思い出のリボンは離れ離れになっていた2人の心を結ぶ新たな絆として生まれ変わった

……みたいなエピソードが空白の2年間に隠されていたら、なんかグッとくるなって思っただけなんだ
霧切さんって探偵としての仕事もあるし、父親と再会する目的さえ果たせれば
希望ヶ峰学園から出て行きそうなイメージがあったから(父親が嫌いならなおさら留まる理由が無いし)
2年間も学園にいたってことは、なにか理由があったのかなって思って妄想してしまった

247:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/07 17:18:49.99 pHahJ1Se
>>246
いいなそれ

和解とまでいったかどうかは分からないが、多分二年の間にある程度関係は修復されてたんじゃないか
例の手帳の中で、霧切さんが学園長を父親と呼んでいたことからして
霧切さんの性格からして、絶縁した後ならもうそんな呼び方はしないだろうし

で、親子の歩み寄りを取り持ったのが苗木だったんじゃないかなと妄想してみたり

248:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/07 20:41:30.03 nDbvm0OS
よし、その妄想を形にするんだ

249:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/07 23:07:17.91 xeg1SRmr
苗木君に冷たくされて絶望する霧切さんを書いている

自己満で載せたかったんだけど、無駄に冗長になってしまってどうしよう どなたか御助言を
やっぱ削って載せた方が良いんだべか

250:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/08 00:03:44.12 4oEluPUJ
別に削らなくても、そのままでいいと思うよ
長い方が読み応えがあって楽しめるし

251:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/08 00:05:09.58 KVD19oOo
自分で削るべきだと思った理由が「冗長だから」なら削るべき
「スレ汚しになりそうだから」なら別に削らなくていいんじゃよ
どっちがメインの理由かによる

252:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/08 00:48:45.98 BjoV+AaY
うむ
気遣い的なアレなら無用だと思うぜ

253:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/08 00:52:21.41 4QiWu4lY
自分でいらないと思ったら削ればいいし
残したほうが良さげならそのままで
物書きだもの

254:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/08 03:10:43.57 fiN5lFwU
SSだと、天然な苗木君がツンデレっぽい霧切さんを振り回してるのが多いけど
実際の本編では霧切さんの方が天然っぽくて、気ぃ使いの苗木君が振り回されてんだよな
プロテインで怪我も治る→「気をつけて、それはガセよ」の流れとか大好きだ

まあどっちも萌えるんだけどね

255:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/08 04:17:26.45 E2/LyShK
霧切さんは苗木に誕生日に指輪とか貰ったら
苗木のいないところで指輪をずーっと眺めながら嬉しそうにしてそうな気がする

256:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/08 04:21:05.19 KVD19oOo
手袋の中身知った上で指輪を贈るのは覚悟がいると思う
男が女にアクセを贈るのは「それつけてるところ俺に見せてね」ってことだ、まぁ男女逆でも同じだが

257:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/08 06:05:00.66 o6YXNDdg
なら首輪を贈ればいいじゃないか!

258:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/08 07:50:11.63 BjoV+AaY
霧切さんは家族となる人以外に火傷を見せるつもりは無いと考えている
逆に言えば家族となる人になら火傷を見せても構わないということ
つまり霧切さんに指輪を贈るということは、非常にダイレクトな求婚になる得るわけだな
二人きりの時だけ指輪を付けてくれるとか胸熱じゃないか

259:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/08 12:22:59.74 kYiemLgQ
指輪を渡された時には「一応受け取っておくわ」と素っ気ないリアクションなんだけど、
一人になった時に指輪を取り出して、「いつか彼の前でこれをはめて…」とか妄想しつつ口元がほころんでしまう
そんな霧切さん

260:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/08 16:20:52.24 E2/LyShK
>>256
苗木が贈ればこそ、
きっと喜んでくれるだろうよ

261:誇りと感情
11/03/08 19:30:02.59 29aoe4FA
いつぞやの者です。
完成したので投下させていただきます。
注意!二年前捏造、霧切父がよく出てしゃべる。
おkならどうぞー

他人とは深くかかわらない。なぜなら無駄な感情を抱いてしまうから。
「霧切ちゃん!ドーナツ・・・違う、お昼一緒に食べようよ!」
クラスメートが今日も話しかけてくる。
「ごめんなさい。気持ちだけ受け取っておくわ」
クラスメートは残念そうに「そっか・・・じゃ、また今度ね!」と言い、いつもの友達の集まりに入っていく。
そう、これでいい。
探偵に無駄な感情は命取りとなるから。
かといって断りを入れたこの教室にいるのも心地悪い。
(まだまだ・・・ね)
そう思いつつ霧切響子は教室を出て行く。
すれ違い間際に会ったクラスメート―短い黒髪に鼻の辺りにそばかすがある、とても無口な少女。
いつも彼女からは死のにおいがする。そして、自分と同じ超高校級の「何か」と明かしていない彼女。
似ている、いや、何かが決定的に違う。それが何かは分からないけれど。
ただひとつだけ分かることがある。彼女と自分は決して関わりあう存在ではないことだと。



262:誇りと感情
11/03/08 19:30:39.21 29aoe4FA
昼食の断りを入れたのもやはりお腹は空いている。
購買部に行こうかと思ったとき、微かに違和感を感じ、その正体もすぐに分かった。
(開いてる・・・)
関係者以外立ち入り禁止の赤い扉が微かに開いていたのだ。
好奇心―それが探偵だからなのか、やはりだたの一人の人間だからなのかは分からないが―
霧切は気配を隠し息を潜めながらその扉を覗く。
「・・・っ!?」
そこにいたのは
会うべき相手 学園長
クラスメート 苗木誠
だった。
何故学園長が?何故ここに?何故苗木誠が?何故ここに?何故、何故
何故苗木誠が学園長と二人きりで隠れるように会って、お互い笑顔で話している?
疑問だけが霧切の中で増幅していく。
理解できない状況に霧切は混乱するばかりだった。
「・・・っはっっ!」
息苦しくなり、霧切は慌てて女子トイレに駆け込む。
幸い誰もいなく、霧切は気持ちを落ち着かせるためにハンカチを水に濡らし頬に当てる。
(・・・ひどい顔)
鏡に写る自分は顔色が悪く目が潤み、髪が乱れていた。
いつ何があっても冷静に。そう思っていたのに。
いざとなればこんな有様だ。
自分が嫌になりつつ、先程の状況を整理する。
と思ったが、まだ混乱しているのか頭が思うように働かない。
ただ、自分がやるべきことは一つある。
(これだけは・・・成功させる)

263:誇りと感情
11/03/08 19:31:07.19 29aoe4FA
「き、霧切さん。め、ずらしいね、霧切さんが用があるってさ・・・はは」
放課後、苗木誠を植物園に呼び出し、あらゆる手段を使って白状させようと思っていたのだが・・・
(そうも怯えるものかしら・・・)
一応脅迫用として巨大花の近くに連れてきただけなのにこれはやりすぎたか・・・
と思いつつも霧切は気にせずに訊ねる。
「私が聞きたいのはただ一つ。苗木君、あなた昼休みに何してたの?」
「え?」
「誰かと話していなかった?あの場所で」
観察眼によって感じた変化。
「な、んの事かな?ボクは【赤い扉の場所】なんか行ってないよ」
「あら、私は『あの場所』としか言っていないわ。
でも苗木君は今『赤い扉の場所』といったわね。誰もそこだなんて言っていないのに。」
すると苗木はしまった、どうしよう、やばいよ、どうしたらいいんだ、という表情になる。
(・・・分かりやすすぎるわ)
そう思いつつ霧切は続ける。
「苗木君は昼休み、赤い扉のところで誰かと話していたわ。その人物はどうしてあなたと話していたのかしら?」
「ど、どうしてって・・・霧切さんは・・・」
「何?」
「霧切さんはどうしてそんなにムキになってるの?」
「っ・・・?」
ムキに?私が?感情的に?
「・・・ムキになってなんかいないわ」
「けど・・・。もしか、・・・いや」
何故か苗木は迷う表情になり、意を決したように口を開く。
「霧切さんの言うとおりだよ。ボクは昼休み、赤い扉の場所で学園長と話をしていたよ。」
学園長―その単語に反応してしまう。
「えっと・・・霧切さんがなんでそんなに怒ってるのか分からないけど」
「怒ってる・・・?」
「それに・・・泣きそうな顔してる」
そんなこと、と言いかけた時、胸が痛くなった。
(なんで・・・)
あんな人に対して感情なんか持っていないはずなのに。ただ会って絶縁を言い渡すだけなのに。
「・・・そのさ、詳しいことは明日の朝、図書館で話すよ。・・・いいよね?」
今すぐ知りたい、けれど、苗木誠の言うとおりにするしかない。そんな気がした。
「分かったわ、・・・明日の朝6時30分に図書室で待ってる。・・・必ずよ。」


264:誇りと感情
11/03/08 19:31:27.09 29aoe4FA
夜、霧切は自室にいた。
行儀は悪いと思いつつも、ベットに仰向けになって推理小説を読む。
コーデリア・グレイ―何故か幼いときから好きな探偵の一人だ。
好きになった理由は覚えていない。ただ、好きだった。
「・・・はぁ」
読んでいても目が滑る。内容がまったく頭に入らない。
時計をちらりと見る。深夜1時27分。
早く明日になれ・・・そう霧切は強く願う。
ただ、遠足を楽しみに待つ子供のような無邪気な願いではなかった。

265:誇りと感情
11/03/08 19:32:12.36 29aoe4FA
翌朝、6時。
結局昨夜はまったく眠れなかった。霧切は自室を出、足早に図書室を目指す。
約束の時間よりも30分も早いのは承知だが、自室にいる気分でもなかった。
ただ、早く真実を知りたい。それだけだった。
早歩きだったため少し息が上がっているが、気にせずに図書室の扉を空ける。
そこには――学園長が立っていた。
「・・・え?」
何故?昨日の混乱をより超える混乱が霧切を襲う。
「な・・・んで」
「おはよう、霧切響子さん」
低く、大きく、優しい声。変わらない大好きだった声。ずっと追いかけていた声。
「おと・・・」
「朝、早いんですね。まだ6時過ぎですよ」
とやさしく微笑む。まるで他人に接するように。
「・・・はい、おはようございます。『学園長』」
すると学園長は少し悲しそうな微笑みになる。
その変化に気づき、霧切は眉間に皺を寄せる。
「霧切さん、学園は楽しいですか?」
本当に心の底から心配して訊ねる様な声色だった。
そんなのやめて、ともう一人の自分が叫んだような気がした。
今更心配するつもり?憐れむつもり?今更・・・今更・・・
「・・・みんな親切ですよ。あなたに心配される必要はありませんから」
感情を抑えたつもりだが、口調が荒くなってしまった。
「そうですか、よかった」
とやさしく微笑む。変わらない微笑み。いつも見ていた微笑み。
「ふふ、いつも授業中に当てられたら完璧に答えるそうですね。
またいつも教室の金魚にも餌やりしてると。」
え・・・?何でそんなことをこの人が知っているの?
「・・・まさか」
苗木・・・誠?
動機や証拠はない。だけど何となくそんな気がした。
「ねえ、霧切さん。1つ聞いてもいいですか?」
「何でしょうか」
「霧切さんは、探偵の仕事に誇りをもっていますか?」
霧切は思わず学園長の顔を見つめた。
私を・・・霧切を馬鹿にしているの?そんな怒りが込み上げてきた。
「・・・学園長は探偵という存在をどう思っていますか?」
「そうだね・・・」

266:誇りと感情
11/03/08 19:32:34.16 29aoe4FA
そういうと学園長は考え込むような仕草をし、微笑みながら言った。
「私は推理小説を幼いころからよく読んでいました。
素晴らしいと思いますよ。どれだけ本を読んでも、私なんかは探偵にはなれないけれど。
だからこそ霧切響子さん、あなたには憧れているのかもしれませんね。」
憧れている?そんな言葉を何の意味があって言っているの?
そう思いつつ霧切は答える。
「私は探偵・・・いえ、霧切という名に誇りを持っています。
私は普通の人とは違う。探偵として私は生まれ死んでいく。最初から全て決まっている。」
ただ真っ直ぐ。学園長だけを見つめて霧切は続ける。
「けれど、逃げたりしない。私は自分に・・・自分自身に誇りを持っている。
霧切の名の下に生まれた自分に誇りをもっているから。」
本当の気持ち。心の底からの純粋な気持ち。誇り―それが霧切にとっての生きる理由だった。
それを捨てたあの人が許せない。まるで自分自身を否定されたような気がしたから。
「強いんですね。・・・僕がいうのもなんですが、霧切さん。
少し、誰かに甘えてみるのもいいですよ」
その言葉は何故か学園長としてではなく、「あの人」として言われたような気がした。
「・・・はい」
自然に出てきた答え。
霧切が答えたと同時にチャイムが鳴った。起床のチャイム。
「では、私は仕事がありますので。霧切さん、また」
「あ・・・」
行ってほしくない、まだもっといたい、話したい、もっと、もっと―そんな感情が溢れ出る。
「学園長が好きな探偵は誰ですか」
不意に出た言葉。
学園長は足を止め振り向き、優しく言った。
「コーデリア・グレイですよ」
「っ!」
思い出す、昔の記憶。
『パパ、なによんでるの?』
『女の人が探偵の本だよ』
『えー、おんなのひとがたんていなの?おかしいよー』
『はは・・・響子にはコーデリア・グレイのような女の子になってほしいと思ってるんだがね』
『こーでりあ?へんななまえー、すきなの?』
『ああ、僕の好きな探偵の一人だよ』
『じゃあ、パパがすきならわたしもすき!こーでりあみたいなおんなのひとになる!』
懐かしくて、あたたかくて、哀しい思い出。
「・・・あ」
気がつけばそこに学園長はいなかった。
霧切はあわてて図書室を出る。
そこにいたのは―寝癖がはみ出ながらパーカーを被り、ズボンはパジャマのままの苗木誠だった。
「あ・・・ははは、お、はよう」
「・・・おはよう」
霧切は予想外の展開に戸惑いつつ、続ける。
「遅れるなんていい度胸ね。もういいわ、それじゃあ」
「えっ!?や、ちょ、まって!?ごめん!本当にごめん!奢るから!」
言わないのね、あなたが全部仕向けたことだって。
あの時赤い扉をわざと開けていたのも、学園長を図書室に呼び出したのも、全て。
「・・・ありがとう」
「え?霧切さん何か言った?」
おかしい人、と霧切は思う。
霧切は振り向き、静かに言った。
これがはじめてこの学園に来てからの偽りのない笑顔。
「苗木君のくせに生意気よ」

267:誇りと感情
11/03/08 19:33:11.66 29aoe4FA
「霧切ちゃん!ドーナツ・・・じゃないや、お昼一緒に食べようよ!」
クラスメートが今日も話しかけてくる。
「いいわ、食べましょう。誘ってくれてありがとう。」
クラスメートは一瞬驚きの表情を見せながらも、すぐに笑顔になる。
霧切は微笑みながら後ろを向く。
「戦刃さん、あなたもどう?」
「・・・え?」
後ろの席に座るクラスメート。関わりあう存在ではないとおもっていた人。
いや、この学園に人達と関わりあうことなんてないと思っていたけど。
「そうだよ!せっかくなら女子みんな集まって食べようよ!」
「むくろー、強制同行だかんね。女子会開いちゃったり!」
「ふむ・・・女子会とは・・・何だ?」
「えっとですね、女の子だけが集まって食べたり飲んだりしながらおしゃべりすることですよ」
「女子会だと!?ならば我々も男子会というものを開いて対抗するぞ!男子は絶対入会だ!」
「面白そうじゃねえか兄弟、入るぞ!」
「ボ、ボクも入るよ!」
「はぁー?そんなむさくるしいのには入りたくねえよ!」
「お、俺本当は葉隠ヤスコっていう名前で・・・」
「ヤスコ・・・ヤス・・・ちらっ」
「うふふ、何でこっちを見やがるんですか山田君」
「くだらん・・・俺は不参加だ」
「わ、私も不参加よ・・・び。白夜様の会なら考えてあげてもいいけど・・・」
「あはは、みんな元気だなぁ」
少しだけなら―あの人の言葉を借りて言うのなら―甘えてみてもいいかな。
あの人のことを許したわけじゃない。まだ話したいこと、言いたいこと、いっぱいある。
けれど、何か。あの人に出会えたことで何かが軽くなったような気がした。
かといって忘れたりするものじゃない。ずっと、大切なもの。
(ありがとう)
霧切は確かに思う。この平和な時がずっと続くように。
このクラスメートたちと一緒にいたい―と。


268:誇りと感情
11/03/08 19:35:47.10 29aoe4FA
以上です。
1回間違えて全部消えたハプニングもありましたが無事投下できて安心しました。
お目汚し、残念な出来でごめんなさい。
他の方達のssも楽しみに待っています。

269:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/08 23:28:54.85 eVNrpIZ5
おつかれさまですー。
赤い扉で思い至ったんだけど、あの学園は細かいところがいちいち攻撃的なデザインだよな

270:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/09 01:16:23.69 4gPKQXGi
>>261からのコーデリアグレイでちょっと思い出したことがあるので、実験的にひとつ作ってみた。
実験的要素はともかく、面白そうなら色々書くかも。
っつーわけで、

タイトル:こちら苗木誠探偵事務所(連作短編)(←予定)

271:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/09 01:16:42.06 4gPKQXGi
「Xの悲劇」
「ギリシャ棺の秘密」
「冷たい密室と博士たち」
「茶色い密室と博士たち」
「”ち”返し? ち……死がふた、」「ダウト。言葉が変わってるわ」
「わ、わかったよ……うーん、…あ、『地球儀のスライス』!」
「素晴らしい返答だけど、短編集?」
「うん、だって、他に思いつかないし」
「仕方ないわね。……ん、『スイス時計の謎』」
「ぞ!? うーん、えーと……だめだ、降参だよ」
 こーさんこーさん、と半ばヤケになってお手上げのポーズをとる。向かいに座っていた霧切さんは呆れたように溜息をつき、ふるふると首を振って見せた。
「弱い。苗木君、弱いわ」
「悪かったね。どうせ僕は霧切さんほどミステリなんて読んでないよ。……だいたい、小説のタイトルでしりとりだなんて、良く思いついたねえ」
 しょうもない遊びとは言え、負けは負けだ。ほんの少し―ホントに少しだ―の悔しさを感じながら、その悔しさの半分くらいの嫌味を言葉に乗せて言い返した。
「ええ、だって私オリジナルのアイデアじゃないもの」
 霧切さんはしれっとそんなことを言って、読んでいた本を本棚に戻した。月光がどうのというタイトルがかろうじて目に入ったけど、
実はカバーの下はミステリ辞典なんじゃないだろうか。
 なんとなく本棚を眺める。文庫本やハードカバーが詰め込まれた、落ち着いた色合いの重厚な本棚。
 ”超高校級の家具職人”の習作だとかなんとか言っていたような気がするけど、ただのいち部室に鎮座したそれは、ハッキリ言って浮いていた。

 部室。―そう、部室。
 ここは、ミステリ研究部兼、苗木誠偵事務所だ。

 
「野良猫の里親探し。恋人の浮気調査。テストのヤマ当て。あとはー、何があったかなあ?」
 迷い猫探しに、迷い犬探しに、と指折り数えていたところで、霧切さんがピクリと反応した。
「……あのね、苗木君。言いたいことがあるならはっきり言って頂戴」
 不機嫌そうな目をこちらに向ける。とは言っても不機嫌そうなのは見た目だけで、これがいつもの反応だ。
 職業柄(と、本人は言ってきかない)たいへん鋭い眼と、突き放したような物言いで誤解されがちだけど、霧切さんはとても情が深く、優しい人なのだ。
 そうでなきゃこのミス研もとい探偵事務所に猫探しみたいな依頼が何度も来るはずがない。
「いや、特には、ないけど。……あえて言うなら、そうだね。なんで”苗木探偵事務所”なのさ」
 探偵は霧切さんでしょう? と視線に込めてみる。とくべつ鋭いわけでもない僕の視線を受けようとも、霧切さんにとっては平気の平左だろうけど。
……あれ、視線そらした。
「最初に言わなかったかしら? 探偵は目立ってはいけないのよ。常に中立であるために。だからあなたの名前を拝借したというわけ」
「結構前にも訊いたと思うけど……なんで僕の名前なの? その理屈なら、山田探偵事務所でも十神探偵事務所でも良かったじゃない」
 霧切さんは僕が入部を決める前から僕の名前を使おうとしていた。というかこのひと”苗木誠探偵事務所”で部活動申請してた。
 僕がそう言うと、何故か霧切さんは顔を赤くした。手を組み合わせたり解いたり、視線はあっちこっちへ飛び散って落ち着きがない。
 やがて視線が定まる。真っ赤な顔で恥ずかしそうにちらちらと僕の方を見てくる霧切さんは、なんだか新鮮だ。
「言わなきゃダメ、かしら? ……こ、これ以上、言わせるつもりなの? 苗木君」
「やった勝った!」 「ちょ、何!?」

どっとはらい。

272:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/09 01:41:18.93 aGg1ndgR
すげえww全部しりとりかwwGJ!

273:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/09 01:44:26.17 cbmkl8Nv
>>268
乙。面白かった
あんまり描かれない部分だから新鮮だったよ

>>271
ミステリ方面は詳しくないけど、こういう緩い感じ好きだ
続きに期待するぜ

274:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/09 02:32:36.14 4gPKQXGi
しくったー……茶色い密室と博士たちなんてタイトルねえよー。
フィクションだとおもってください

275:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/09 12:16:56.77 qp41/aje
>>274
ドンマイ
面白かった

霧切さんはコーデリア・グレイよりもウォーショースキーみたいになりそうな気がするようなしないような

276:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/09 14:57:13.37 P5V88SiD
>>274
乙!新しい試みだなw
しかしスイス時計は短編集だし、スウェーデン館の方がベターじゃないか?あえて短編返し?

別スレではそうでもないかもしれないが、意外とミステリ好きいるんだなw
探偵好きが集まる、まさに霧切スレ

277:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/09 21:21:29.54 4gPKQXGi
IDかわらないうちにもう一本。連作短編が実験的試みなので、今回はしりとりではありません。
霧切さんスレは小説多くて楽しい

っつーわけで、
こちら苗木探偵事務所(連作短編)(←暫定)


278:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/09 21:21:57.38 4gPKQXGi
「呆れた。まさか一人でまだしりとりしてたなんて」
「そう言わないでよ。てっきり霧切さんは気付いてるものかと思ってたんだ」
 返事はない。冷たい視線(今度は本当に冷たい)だけを僕によこして、霧切さんは天井を仰いだ。その動作に合わせ、座っている椅子が音もなく斜めに傾いだ。
えらく質のいいオフィスチェア。これは部費で購入したものらしい。ちなみに僕の椅子は普通の、パソコン室にでも置いてそうな回転椅子だ。
少し前までは普通のパイプ椅子だったのだけど、見かねた山田君と不二咲さん(パソコン同好会所属)が寄付してくれたものだ。
「……何よ?」
「いや、別に何も」
 ちょっとずるかった。


 苗木誠探偵事務所は、教室の三分の二程度の大きさしかない。

 部活動に所属したことのある人ならわかってもらえるだろうか、床はリノリウムでできていて、長机が二つ、くっつけて置いてあって。
 そこそこ大きなスチール棚と、使ってるのか使ってないのかわからない、掃除用具でも入っていそうなロッカーがなぜか四つ。
それに、これはうちの事務所(霧切さんがそう呼べって言った)にしかないと思うけど、本棚。
 そこに椅子を向い合せに並べて。僕と霧切さんを配置して。
 そうすれば、苗木誠探偵事務所のできあがりだ。
「だいたい貴方は少しずるいのよ。私が”なえぎくん”って呼ぶの知ってるくせに」
「ちょっと意味がわからないんだけど」
 支離滅裂なことを言ってくる。さっきしりとりで僕が負けた時悔しかったように、霧切さんは拗ねていることを隠そうともしない。
「だって。私が最後にに”なえぎくん”って呼びかけるだけで、それだけで負けになるじゃないの」
「それを言うなら僕だって同じじゃないか。きりぎりさん、って言うだけでアウトだよ」
 問題は呼びかけじゃなく敬称だと思う。
 まあそれはともかくとして、依頼がないときの僕らはいつもこんなかんじだ。
 霧切さんお勧めのミステリを読んでみたり、二人でとりとめのない会話をしてみたり、さっきみたいにちょっとした遊びをしてみたり。
 二人だけの(良く部活申請が通ったものだと思う)探偵事務所は、一部を除いて学園内の依頼しか受けない。クライアントが学園生だけに限定されるからだ。
 ひとたび依頼があれば二人とも出払ってしまうから、数多くの依頼を受けることもできない。一人ぐらいは留守番で残った方が良いのかもしれないけど、それは霧切さんが許してくれないし、それに彼女は部員を増やすことにもいい顔をしないのだった。
「そこまで言うなら、呼び捨ててみたらどうかな。なえぎ、って」
「嫌よ。なんだか突き放した言い方になるじゃない」「そうかな」「そうよ。試してみる?」
「それじゃあ、やってみようかな。……霧切」
「苗木」
 ………これは、なんというか。
 霧切さんもなんか傷ついた顔してるし。
「霧切さん、僕が悪かったよ」
「………いいえ」
「え、えっと! じゃあさ!」
 ひどく沈んでしまった空気を振り払うように、僕は身を乗り出した。がたん、と椅子が倒れる音がする。
「え、ええ」
 びくり、と霧切さんが肩を震わせる。きょとんとした霧切さんの顔は珍しいっていやそうじゃなくて。
「名前で、……呼んでみるっていうのは、どうかな」
「……え」「いやほら! しりとりにならないから、ね?」
 ますます霧切さんが戸惑った顔をする。僕は何を言っているのか。
「わかったわ。えと、……誠、くん」
「駄目だよ霧切さん。敬称つけたら意味ないじゃないか」
「そうね。あ、貴方も、言って頂戴。……誠」
「う、うん。……響子」
『…………』
 これは、なんというか。
 もうしばらく、部員は増やさなくてもいいかもしれないと。
 僕はそんなことを思ったのだった。

279:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/09 22:40:54.82 qp41/aje
乙!
なんかなごむなあ
シリアス色の無い霧切さんもいいものだ

280:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/09 23:57:48.63 VFGbowpP
霧切さんが台所で料理したり子育てしたりするイメージがわかないんだ・・・


281:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/10 00:45:02.08 ijo3ZS1w
確かに今は仕事一筋って感じだが、女ってのは変わるもんさ…多分
料理はともかく子育てについては、霧切さん自身寂しい幼少期を送ってきただろうし、
そういう思いを自分の子供にもさせようとは思わないんじゃないだろうか

282:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/10 00:57:15.28 cE50B6f+
バリバリ働く霧切さんの方が好きかな
苗木くんが家事を担当すればいいじゃない

苗木「お帰りなさい霧切さん、お風呂にする?ご飯にする?」
霧切「苗木くんにするわ」

283:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/10 01:46:46.05 1QwMM1bd
>>282
苗木「おかえりなさい霧切さん」
と言って次の瞬間霧切さんを抱きしめる苗木
霧切「苗木くん、今帰ってきたばかりなのに・・・もう///」
そして二人はその場で(ry

というのもありだよね

284:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/10 04:16:26.89 N7XqDqaV
夫婦別姓・・・

285:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/10 06:58:34.61 YpvGRGc0
苗木「お風呂にする?ご飯にする?」
霧切「苗木くんにするわ」
苗木「じゃ、先にお風呂入っちゃって。洗濯物はカゴに入れといてね」
霧切「…苗木君にすr
苗木「あ、洗剤買ってくるの忘れてた!ちょっと出てくるね、すぐ戻るから!」
霧切「…(´・ω・`)」

━━

苗木「お風呂にする?ご飯にする?」
霧切「苗木君にするわ」
苗木「じゃ、寝室行こうか」グイっ
霧切「あ、ちょ、冗談よ…?」
苗木「そう?僕は本気だけどね」
霧切「ま、待って…アッ――!!」


という2パターンが思い浮かんだ

286:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/10 07:59:14.00 ijo3ZS1w
上のパターンの反応を繰り返して霧切さんを慣れさせておいたところで、
不意打ち気味に下のパターンを繰り出すわけですね分かります

287:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/10 09:34:50.98 YFAokwXQ
妹様スレで希望と絶望の遺伝子を持った最強のお子さまの話題が出たけど
はて、探偵と希望の組み合わせはどんなお子さまかな

288:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/10 09:59:26.65 z6SeaDRR
>>287
>>207

289:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/10 12:08:18.92 byctPdJn
霧切さんはどうしてゴミ捨て場にわざわざダイブしたんだろう
トラッシュルームの鍵を開けたのなら梯子を使って降りてくればいいのに

「空から女の子が~」みたいなドラマチックな展開に憧れるお年頃だったのだろうか……

290:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/10 12:35:26.52 IpcNAODU
救出に行くまで少し時間がかかったのは、ゴミ捨て場の位置と侵入経路・退路を調べていたから
それで遅れた分を取り返すために、馬鹿長い梯子を降りるより早く到着できるダストシュートを選んだ
と思っている

291:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/10 13:07:20.96 0BESW1ui
空からかっこよく登場するために苗木が寝たのを見計らって
ダストシュートの降り口にゴミのクッションを配置して飛び降りた
そして結果がカップ麺

とかだったらマジお茶目さんだな


292:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/10 14:44:20.34 IpcNAODU
>>291
霧切さんも蝶ネクタイ変声機を喜んじゃうような茶目っ気あるし
かっこつけたかったって可能性も考えられることではあるなw

293:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/10 15:51:38.84 v71kaUQj
>>289
クソ長い梯子を下るのって、結構体力使うんだぞ
霧切さんはブーツだから余計に苦労する

着替えて来いよってのはナシね

294:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/10 15:57:10.04 cE50B6f+
ブーツ脱いだムワッとした霧切さんの足の臭いを嗅ぎたい

295:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/10 16:03:37.09 v71kaUQj
ごめんただのブーツなら苦労しないな
ヒールブーツだから苦労するんだわ

296:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/10 22:50:52.78 ijo3ZS1w
親方!空からゴミと女の子が!

シンプルに「一刻も早く苗木の無事を確かめたかったから」でいいんじゃね

297:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/11 00:02:49.48 N9V2Qe+E
>>294
お前はブーツ脱いだムワッとしてる石丸の足の臭いでも嗅いでろ

298:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/11 00:35:15.86 mj+WKLuN
霧切さんの付けてる先の四角くなったネクタイがなんか好きだ
ああいうネクタイって実際にあるものなんかね

299:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/11 05:16:51.09 Rz9G1mxJ
ネクパイ

300:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/11 07:59:22.73 8BWubJMg
とりあえずお前らはナエギリで

1、天然苗木君に振り回される霧切さん
2、純情苗木君を振り回す余裕たっぷり霧切さん
3、カップル未満でお互いに素直になれない切なエギリ
4、超高校級の熟年夫婦

これらの内でどれが好きなんだべ?

301:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/11 12:03:43.75 7tUwfn6k
全部だ。

302:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/11 12:28:21.51 B/Z8z7ia
普段は利発な霧切さんが苗木君を引っ張るんだけど、
時折霧切さんの不器用な一面を苗木君が包み込んであげるような
そんな関係がいいです

303:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/11 12:42:10.79 Pt9vjs2J
>>301
今日は店じまいだな。
新しいSSはエロパロ板で待たなきゃならんけど、妄想ならしても・・・ちょっとお客さん、駄目だよ。

304:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/11 21:04:09.80 mj+WKLuN
>>300
どれも捨てがたいが、強いて言えば2で始まっていつの間にか立場が逆転してるようなのが

305:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/11 23:59:20.57 TFVJGjjm
天然の霧切さんに振り回される天然の苗木くんがみたいな

306:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/12 02:52:30.37 6T4Z1ck7
霧切さんの天然要素
・プロテインが万病に効くというのはガセよ!
・パンツは平気だけど靴下は駄目
・カップ麺の妖精

他に何かあったっけ

307:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/12 03:37:03.80 e5MTv9tl
靴下は天然と言うか霧切さんのこだわりかと・・・ずれてるという意味では正しいが
あと、桜の木なんかもずれてるな

308:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/12 10:43:21.22 LuKoyC+z
霧切さんに股間まさぐられた山田君と不ニ咲クンに嫉妬する苗木くん

309:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/12 11:07:23.16 HSNt5eMr
ボージョボー人形を貰って大喜びするのも謎だよな
本気でかわいいと思っているのか、恋愛運upや金運upを願えるから喜んでいるのかわからないけど

310:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/12 12:24:19.18 1jcrUA+h
赤い薔薇を贈られて頬を赤らめちゃうし
ああみえて根っこは乙女なのさ

311:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/12 14:10:58.71 /GqqwKho
常識的に考えて、男の子から花束だの指輪だの香水だの・・・まぁとにかく贈り物されてノーリアクションの方がおかしいのさ

312:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/12 16:36:45.80 Of9/t+au
>>303
ターミネーターのガンショップ店長乙

313:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/12 19:23:45.36 PnlQgxIl
>>312
そういう事だったのか...

314:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/13 09:50:26.72 4V30LByQ
霧切さんの実家はどんなだろうか
個人的には洋風のお屋敷というイメージなんだが

315:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/13 13:24:29.29 6BiCujpk
霧切さんどっかで見たことあると思ったら、ヨルムンガルドのココだ

316:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/13 13:34:59.60 OYUkjZHI
霧切の本家は、なんとなく京都のイメージ
特に根拠はない

317:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/13 13:37:44.00 H00br7C4
>>314
たとえば霧切本家とする祖父母の家は文明開化あたりに作られたような伴天連風の屋敷で
(学園長が自立していたとして)核家族で過ごした家は海外ドラマに出てくる綺麗な家みたいな
そんなのだと勝手に思ってる

318:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/13 13:38:34.98 H00br7C4
連投すまん

>>316
よう俺

319:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/13 14:10:53.19 6BiCujpk
霧切さんがペット飼ってるとしたら、シベリアンハスキーかな

320:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/13 15:02:41.24 U5JGg9rH
霧切さんはなんとなく植物の方が好きそうなイメージがあるなぁ
サボテンを無表情で20分ぐらい眺めていそう

321:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/13 19:13:52.73 OYUkjZHI
しかし無表情で犬や猫をもふもふする霧切さんというのも捨てがたい

322:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/13 19:30:29.33 +PB4oz2i
そして犬耳をつけさせられた苗木君を一心不乱にもふもふする霧ぎry

323:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/13 23:15:03.26 4V30LByQ
そして一通り苗木君をもふった後、今度は苗木君が猫耳をつけた霧切さんをry
いわゆるバーター取引ですね

324:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/13 23:51:44.53 /5eDTNwe
>>207のデート中にペッティングする理由はそれだったのか…

325:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/14 04:33:40.54 JhTkakVH
>>316
絶対関東だよ

326:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/14 05:16:08.48 L1eODteb
確かに地方の臭いはしないな

327:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/14 07:18:02.16 mgdxJhsC
関東は地方じゃないとか言う気か、東京ですら23区以外は田舎なのに

328:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/14 09:51:57.69 AQ9ZZ1UP
足立区辺りは地方とそう変わらんよ

329:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/14 10:25:47.52 dX/dUnWR
首都圏は地方ではないだろw
まあスレチだ

330:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/14 11:20:17.40 kspXdvun
京都と言えば某長寿ミステリードラマで有名だろう

331:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/14 14:54:47.35 MVodr8bZ
地位も歴史もある一族だ、それなりに大きな家だろう
で、霧切さんが帰ってくると居並ぶ使用人達が「お帰りなさいませ、響子お嬢様」と出迎えわけだ
…うむ、何か違う気がする

332:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/14 16:02:22.47 6LUGXVkC
皆地震大丈夫か・・・
こんな中不謹慎とは思うが、今日はホワイトデーという事なのでネタ投下

URLリンク(niyaniya.info)

333:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/14 16:55:12.67 f9tDD8yO
>>313
いいんだドガァァァン

334:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/14 19:05:21.06 iTG5v3V/
むくろ事件で見捨てたこと、罪悪感感じてそうだな

335:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/14 19:39:04.73 /escQOPt
あれで、苗木くん死んでたら、
霧切さんも、石丸くん状態になってそう。

336:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/14 19:42:35.63 MFhQL7rm
さすがにそこまではならないんじゃないか

337:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/14 19:51:29.18 iaLgYOXN
霧切さん好きだから
むくろ事件のクロ投票で霧切さんは苗木と記名せずに無記名で出したと解釈してるけど
製作者はそこんとこゲーム内ではっきりさせてほしかったぜw

まぁ冷酷な霧切さんもありっちゃありだけれど

338:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/14 19:57:19.72 iTG5v3V/
苗木本人はさほど気にしてなくても、恋人ととして付き合いだしたら
霧切さん自身はかなり引きずるんじゃないか

339:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/14 20:19:37.51 t77QBNeP
投票タイムに投票しなければおしおきを受けるんじゃなかったっけ?

340:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/14 20:21:06.26 /escQOPt
>>336

わからんぜ。
いくら、黒幕にはめられたり、
色々事情があったとはいえ、
苗木くんが、クロになるように誘導したのは事実だからな。
(逆に苗木くんは、霧切さんを信じて、矛盾を指摘せず)

なんとか黒幕と対峙するとこまでいっても、
真実があれだ。
もう絶望するしかない。

何が言いたいかというと、
絶望する霧切さんを見るのは、「カイカン…です…」
ということだ。

341:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/14 20:41:45.97 iaLgYOXN
>>339
2章で石丸は大和田に投票しなかったけれど
あれどうだったんだろうな

342:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/14 20:52:01.65 Av+ODtQj
投票結果スロットの絵柄をよく見ると、生徒達の他にモノクマの絵も混ざっている
なので、モノクマにも投票することができた可能性はある

しかしなんだ、ホワイトデーだってのに色気の無い話題だな
あれか、あの時の件を盾にアブノーマルなプレイを要求する苗木君と、それを断れない霧切さんとか、そういうのが見たいのかお前ら
俺は見たい

343:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/14 21:13:51.47 iTG5v3V/
罪悪感と性欲に苛まれた霧切さんが

「私を好きにしてッ」

って苗木にせまるのがみたいです

344:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/14 21:57:33.02 t77QBNeP
>>341
俺は石丸は十神あたりに投票したのかなと思ってるんだけど、実際のとこはわからん
校則以外で決まっていないことはモノクマがルールみたいなものだから、モノクマ的に面白ければOKなのかも

霧切さんは3章の終わりで苗木を囮みたいに使ってるし(あの時点では黒幕が校則を守るという確証がないから、苗木が殺される可能性もある)
公私混同しないというか、目的のために手段を選ばないようなところがあるから、5章で苗木に投票したとしても俺は驚きはしないな

345:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/14 22:05:18.02 M+If6O9L
>>340
霧切さんの性格からして苗木君無しでも頑張ると思う
まあどんなに頑張っても苗木君の説得が明暗分けた最後の学級裁判、
外の世界知った時点でメンタル的に詰んでオシオキかね
ニヤリとしたり青ざめたり霧切さん意外と表情豊か

346:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/14 22:12:10.39 iTG5v3V/
ラブラブにはなりそうにないのかなあ

347:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/14 22:13:28.74 SN9LixHK
>>331
東京の世田谷あたりだろうな

348:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/14 22:20:49.48 M+If6O9L
>>346
むしろエピローグの台詞がラブラブフラグすぎて困る
>>347
ちょっと霧切の表札捜してくる

349:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/14 22:28:12.25 t77QBNeP
>>346
苗木が命がけで自分を庇ったのを見てなにも思わなかったわけではないだろうし
エピローグで「あなたのような人となら~」と言ってるんだから、卒業後も一緒に行動するか連絡を交わしたりする気はありそうだ
ラブラブになるかは苗木くんしだいってところだろう

350:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/14 22:40:43.31 iTG5v3V/
苗木「やだなぁ、霧切さんが僕みたいな冴えない男の事、好きなわけないじゃないか」

351:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/14 22:48:19.58 GEpJ3Sm1
>>350
希望捨てんな

352:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/14 22:57:32.59 Av+ODtQj
あそこまで言っておいてその後別行動だったらそっちの方が驚きですよ

353:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/14 22:57:55.99 a5OGMv4R
>>351
苗木「希望を捨てないで色んな女の子にアプローチをかけることにしたよ!」

霧切「………」

354:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/14 23:14:09.47 MVodr8bZ
霧切さん一人では最後の最後で黒幕をぶちのめせなかったのと同様に
霧切さんが黒幕との直接対決の道筋を作らなければ苗木君の希望も無力だった
どっちが欠けても駄目なんだ
もうラブラブとなることは天の思し召しと言っても過言ではあるまい

355:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/15 03:48:50.18 Ti7UEQvI
なんか主人公が最後に残すのが希望だったり、ラスメンがバカ・脳筋・cv石田・恋に夢見る美少女兼信頼できる相方だったりして
いつ「霧切涼子は私が創作し、演じさせたキャラクターだ。お前を絶望させるためのな。」とか言い出さないか心配てたがそんな事無くて良かったぜ

356:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/15 03:56:15.77 lIqFwre2
なんでもかんでも予想外の展開にすりゃ良いってものじゃない
相棒は必要だった

357:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/15 05:40:13.23 VAXdOJOy
>>355

Σ論破≡ (゚Д゚ )。oO(それは違うよ!


苗木「霧切さんの本名って、たしか……霧切『響子』……だよね?」

358:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/15 06:25:54.20 Guzsqcze
>>355
スパイラル乙

359:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/15 07:09:44.96 f8M6Opl9
まさか個人スレで名前を間違えるとは…
>>355一緒に補習受けに行こうぜ

360:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/15 16:57:21.98 AmWk5x+V
>>354
探偵は2人で1人!

361:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/15 17:23:20.73 0ouRMirb
ドカァン! ドカァン! ~ 補習 ウケルヤツ ココ ~  ドカァァン! ドカァァン! ~ヨヤクシャ 355 359 ~ ドカァァァン! グシャァァァ

362:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/15 20:23:59.57 ScgAh9Tg
霧切さんのジャケットって、前の学校の制服だよな
校章付いてるし
私服の趣味はどんなだろうか

363:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/15 21:45:02.37 Ti7UEQvI
いくら深夜だったとは名前を間違えるなんてなんという不覚

364:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/15 22:08:42.19 cTTRXxtt
>>362
ブーツや手袋の趣味からすると、たぶん私服もゲーム中の服装と同じような感じではないか

意外に女の子女の子した私服だったりしてもそれはそれで

365:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/15 22:24:40.32 aoW3bbyC
>>360
そんな君に
つガイアメモリ

366:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/16 03:20:08.67 qjKv2GbW
IDかわっちゃったけど気にせず書き込むぜ。
それにしても地震起こる前以上に盛況だな。俺のできることってこれしかないから、まあ楽しんでいただければ。

っつーわけで、
こちら苗木誠探偵事務所(連作短編)(←未定)

367:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/16 03:20:17.27 qjKv2GbW
「本当にありがとう! いやぁ、なんとお礼を言ったらいいか……」
「そんな、お礼なんていいですよ」
「いや、そういう訳には。是非お礼がしたい。させてくれ!」
「本当に、大丈夫ですから。僕らも好きでやってることですし」
「そうか……なら、せめてこれを受け取ってくれ。食堂で使える―」
「―それなら」
「うん?」
「……それなら。二枚、頂けないかしら。その食券」

 苗木誠探偵事務所は、基本的にボランティアだ。


 そもそもからして部活動で金銭のやりとり、というのがありえない。活動資金は部費で十分にまかなえるし、霧切さんも僕もお金が目的で探偵事務所をやっているわけじ

ゃない。
 じゃあなんで探偵事務所なんかやっているのかと尋ねられれば……それは、僕にもわからないけど。霧切さんは未だに理由を教えてくれない。
 閑話休題。とにかく僕らは金銭を受け取らない。けれども霧切さんは優秀な探偵で、望外の依頼遂行にお礼をと、何かを取り出す人は後を絶たず。
 そんな時に、霧切さんは。消費できるものなら、ふたつ。もしくは二の倍数で、報酬を要求するのだった。
「霧切さんは、何食べるの?」
「そうね。今日は……せっかくだから定食にしようかしら。苗木君は?」
「じゃあぼくはラーメ……」「………」「ぼ、僕もなにか定食にしようかな……」
 今回の報酬は食券二枚。一度きりで好きなものが食べられるスグレモノで、文化祭など学内イベントでの景品でよく見かけるものだ。
 というわけで、僕と霧切さんは翌日の昼食を学食でとることにした。
 結局僕はとり南蛮、霧切さんは焼き魚定食を選び、空いている席に向い合せで腰かけた。なんだか事務所にいるみたいだ。
「……? なにがおかしいの、苗木君」
「ううん、なんでもないよ。いただきまーす」「……いただきます」
 二人で合掌。味噌汁をすすって、ほう、と息をつく。
「ねえ、霧切さんはラーメン嫌いなの?」
「どうして?」
「いや、さっき……」「なんのことを言ってるのか、わからないわ」「……そう」
 首を傾げつつ、ご飯を口にする。暖かい食事が食べられるのが、お弁当にはない利点だと僕は思う。自炊もあんまり、得意じゃない。
「(霧切さんは……料理、得意なのかな)」
 ほんのりとした酸味のある鶏肉を口に運びながら、ちらりと霧切さんを伺う。
 ちまちま、ちまちまと。霧切さんが器用にサンマの身と骨を分けていく様子は、なんだか可愛らしくさえ思えた。
 そう言えば以前、海外生活が長かったというような話を聞いた覚えがある。それにしては随分箸の扱いが上手い。
「…………何よ?」
 ―と、目が合う。その瞳は無感情にも見えるし、なんとなく僕を責めているようにも見える。
「あまり人の食べるところをジロジロと見るものではないわ」
「ご、ごめん」
 慌てて自分の食事に戻る。思い出したように鶏肉を一口。このタルタルソースは絶品だ。鶏肉もしっかり揚げてあって言うことない。ついでに未だ湯気を上げているご飯を

ぱくり。
「うん、美味しい」
「……ねえ、苗木君」
「どうしたの?」
「その、とり南蛮? って、美味しいのかしら」「美味しいよ。食べたことない?」「ええ。初めて見る料理だったから」「だったら、ほら」
 とり南蛮の味を知らないなんてもったいない。僕はひょいと食べやすそうなサイズの鶏肉を箸で摘みあげて、霧切さんに差し出した。
「ほら、霧切さん。ぱくっ、と……―」
 ―僕は。一体、何を。
 霧切さんの口許に突き出した僕の箸。今更それを引っ込めるようなことはできなくて。というか気づくのが遅いよ僕。
「………ぁ」ぱくり。もぐ、もぐ。もぐ、……ごくん。
 その、白くて細い喉が上下するのさえ、僕は凝視してしまって。
「ええと、」「……」「……美味しかった、かな」「味なんて、分かる訳、無いでしょう」「ご、ごめん。……それじゃ、もうひとつ」「―ッ!?」「うぁ、ええと、違くて、その、」
 その一瞬だけ、僕らは今いる場所がどこか完璧に忘れて。
「……また、食べに来ようか、霧切さん」「……ええ」
 僕らは互いに顔を伏せ。見知ったクラスメイトが通りかかって話しかけるまで、そうしていた。

368:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/16 03:48:05.38 vkk/Bc9P
いいよいいよ~甘甘だねえ

369:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/16 05:19:36.70 SshR8Ljd
>>367前からあなたの作品大好きです GJ
よくこんな面白く書けるよなぁ

370:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/16 07:59:44.29 P9Oq3AtN
>>367
GJ!
さあ次は霧切さんが苗木君に「あーん」する番だ

371:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/16 13:46:07.08 3A/7DIXn
霧切さんってデザイン上だと、魔性の女って感じがする。

372:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/16 15:19:34.81 HB582qHi
魔性の女かどうかは分からんが、露出度を控えつつそこはかとない色気を感じさせるデザインだとは思う。

373:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/16 18:46:02.51 P9Oq3AtN
殺人事件を引き寄せる死神体質だし、ある意味魔性の女には違いないw

374:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/16 19:02:18.48 lW413QT9
>>372
手袋に依るところが大きいと思うんだ。
あぁ火傷跡も個性的で素敵だけどね。舐めたい。

375:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/16 21:19:54.93 SOB95hdV
霧切さんと素手同士で恋人繋ぎとな?

376:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/16 21:20:17.16 k+VOeIMY
ていうか、正直言うと霧切さんも残念さん同様、
昔はフェンリルに所属していたのかと思ってた
それが父親にばれないように手を焼いてまで隠ぺいしてるんだとばかり・・・

だって「襲ってきたら返り討ちにする」とかあっさり言う人なんだもん(´・ω・`)

377:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/16 22:45:21.99 qjKv2GbW
なーんか微妙に納得できない出来だけどそれは次回の課題にするとして、もう一度場所お借りします。
今回は糖分低め。書いてて一番イライラしたのは俺なんだぜ。あと段落の頭下げないと見にくいのか見やすいのかそんな実験も。
っつーわけで、
こちら苗木誠探偵事務所(連作短編)(←推定)

378:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/16 23:03:16.46 qjKv2GbW
「おーい苗木っち! 今度のテストなんだけどさぁ」
「苗木ー! 霧切ちゃーん! ドーナツが上手く焼けないのー!」
「我より強い戦士を……探している」
「え、ええっとー。あはは」
「…………頭が痛いわ」

 苗木誠探偵事務所は、ただの何でも屋になりつつある。

―にゃー。
最初はそれこそ迷い猫捜しに恋人の浮気調査にと、まるで小説に出てくる売れない探偵のような依頼が多かったのに。それがいつからか、
―多分、テストのヤマはりを請け負った時からだろう―、僕らの事務所には妙な依頼が増えたのだ。
テニスの試合のピンチヒッター。アルバイト先の新メニューの考案。そして、
「―にゃあ」
「ああはいはい。ごめんよ、きょうちゃん」
「っ、………」
太ももにのせられた顎をちょいちょいと撫でる。サテンのようになめらかな感触。黒蜜のようにとろりとした深い黒の毛皮。
『猫を預かって欲しい』―探偵事務所のドアが控えめにノックされたのは、今日の朝10時のことだった。
土日であっても僕らの都合さえあえば事務所は開けてあるけど、大抵の場合、開店休業だ。正午になったら二人で昼食をとり、どちらかに用事があればそこで事務所は店じまい。最近はそのまま一日過ごすことが多かったけど、今日は珍しく依頼人がやってきた。
検査入院で二日ほど家を空けるから飼い猫を預かってほしい、と僕らに告げたのは見覚えのない上級生だった。
『かきょうちゃんっていうの。大人しいコだし、悪さはしないから』
イエスともノーとも言わない霧切さんと困り顔の依頼人に挟まれ、仕方なしに僕は猫入りのケージを受け取って。ケージの中からおっかなびっくり出てきた黒猫は、
「ううん、そろそろ降りてくれないかなあ……?」
―なぅ?
僕の膝の上から降りなくなった。この猫、初対面なのにえらい人懐っこい。
耳の後ろをさわさわと撫でる。気持ちよさそうに眼を細めるその様子を見るに、今のところ機嫌は損ねていないようだ。
「図々しいわね……猫のくせに」
「なにか言った? 霧切さん」
「なんでもないわ」
「そう? ……あ、ひょっとして霧切さん、猫嫌いだった? きょうちゃんを預かる時もなんにも言わなかったし」
「……そんなことないわ。……それよりも、苗木君」なぅ?
僕の代わりに返事をするように、何故か一鳴き。それを聞いた霧切さんの視線が一際冷たくなった―ような気がした。
「貴方は呼んでないわよ」ふにー。「何よ。文句でもあるの?」ふかー。
「ま、まあまあ。霧切さんもきょうちゃんも喧嘩しないで」
「……それよ」「え、どれ」「……その、呼び方。どうにかならないのかしら」
霧切さんが不可思議なことを言い出した。
「呼び方って、きょうちゃんのこと? だってかきょうってなんか言い辛いし」「前々から思ってたけどわかっててやってるでしょう貴方」
どういうことだろうか。猫に限らず、生き物の預かりなんて初めての依頼だけど。
「きょうちゃんが事務所に来たのは今朝のことだよ」「そういうことじゃなくて、この前も貴方食堂で―」「?」
「……なんでもない」
ぷいと体ごと背けてしまう。霧切さんの椅子は音もなく90度回転し、そうして霧切さんは無実の人間でも自白させてしまいそうな視線を本棚に向けた。怖い。
僕は何か失言してしまっただろうかとさっきまでの会話を反芻し、わからないなりに何か言おうと口を開いて、
「―にゃー」
「うん? どうしたのきょうちゃん」なぅ。「んー、お腹すいたかな?」にゃにゃ。「多分そうだよね。たしか、飼い主さんからもらったカリカリが―」
ばんっ!「へぁっ!?」
情けない声が出た。驚いて霧切さんの方を見ると彼女は何故か立ち上がっていた。今のはどうやら机を叩いた音らしい。きょうちゃんも目を見開いて固まっている。
「えっと………」「………コーヒー」「へ?」「コーヒー買ってくるわ」「え。インスタントならそこに」「私は、」
「……缶コーヒー。そう、缶コーヒーが飲みたいのよ」
そう言って霧切さんは足音荒く僕の横を通り過ぎ、
「………ふん。一人でペットショップ苗木でもやればいいのよ」「え、今なんか」「ナン・デモ・ナイ」
最後にきょうちゃんを一睨みして事務所を出ていった。静かに閉まったドアが異様に恐ろしい。
「僕、なにかしたかなあ……帰ってきたら霧切さんに謝らないと」
ふか、と、膝の上の黒猫が呆れたようにあくびを一つ。僕の顔をひょいと見上げて、気だるそうに後ろ足で耳を掻き、今までが嘘のように膝の上から飛び降りた。

ちなみに霧切さんが帰ってきたのはこの後二時間ほど経ってからだった。


379:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/16 23:11:08.81 P9Oq3AtN
GJ!
「きょうちゃん」呼びか…新しいな
そしてスネギリさんはやはり良い

380:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/16 23:13:56.84 qjKv2GbW
やっぱ見にくいわ。一字下げします。
あと文字制限に引っ掛かって100字ほど削ったり。投稿時間にラグがあるのはそのせいです。すんません。
1950字くらいでひっかかって、1847字で投稿できました。あと横の行は72,3字程度でヘンな改行が入ります。
1レスに無理やり収めようとするのは自分ぐらいだと思うけど、小説書かれる方は参考までに。

381:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/17 10:07:38.19 ZxYGDzgD
>>376
苗木「がおー(棒読)」
霧切「ば、バカ、そっちの襲うじゃな・・・むー!
やぁん、舐めたらダメ・・・くひぃんっ!」

382:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/17 15:11:05.95 fo7G8320
昨日クリアしたがお仕置きの時の段々取り乱さずに青ざめていく表情で俺の中の何かが目覚めたわ

383:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/17 19:13:25.59 NttGPQuZ
>>382
ようこそ
あのムービーには道を踏み外させるだけの何かがある

384:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/17 19:52:15.04 IiUBnXmp
あれで霧切さんに転んだ、という人はいるのだろうか

385:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/17 20:42:16.87 Rlz0LbFm
>>384 呼んだ?

386:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/17 20:53:42.62 KwXw5HZZ
キリギリさんになんて、舞園さんが殺された現場の中腰ポーズの段階で転んだぜ

387:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/17 21:07:49.38 OU7AyiJe
>>386
お前が居る…

388:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/17 21:08:23.84 ZR6YcZXY
わたくし、恥ずかしながら霧切さんのおかげで手袋フェチに…

389:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/17 22:03:35.05 mdrX5vun
>>382
霧切さんのあのシーンは、やばいぐらいエロい

390:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/17 22:08:51.45 WoQvuZG9
まともに議論をしようとしてくれたから霧切さんが好きになった俺は少数派かな?
一章は馬鹿のバーゲンセールなのかあ!?って所での唯一の光明に見えた

一章ではセレスも十神も仕事する気ねーし

391:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/17 23:18:43.29 ZR6YcZXY
少数派ってこたあないだろう
裁判での霧切さんの凛々しい姿に惹かれた奴は俺含め少なからずいると思うぜ
「私は最初から大和田君を狙い撃ちにするつもりだった!」とか、もう惚れるしかない

392:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/17 23:56:43.94 fA+bgglx
>>391 激しく同意

393:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/18 01:23:22.22 MxhOqH+8
そろそろしつこいけど、もうちょっとやらせてください……ウザかったらやめるんで、せめてこれだけは。
掌編にしようと思ったけど長くなりました。二つほどお借りします。

こちら苗木誠探偵事務所(連作短編)
             (↑否定)

394:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/18 01:23:43.19 MxhOqH+8
「えーと……霧切さん」
「なに」
「その、えっと、ごめん」

 苗木誠探偵事務所は、開設以来最大の危機に……ってそんなこと言ってる場合じゃない。

 居心地が悪かった。
「どうして謝るの。何か悪いことでもしたのかしら」
「いや、それはその」
「していないのかしら。ならどうして謝るの。謝るのが趣味なの? 面白いわね。面白くもなんともないけど」
「……」
 いつもの探偵事務所。いつもの椅子にいつもの二人。いつものように窓から差す夕日が今日はひどく眩しくて、僕は顔を伏せた。
 週明けの探偵事務所の仕事は、預かっていた猫を返すことから始まった。申し訳なさそうに、しかし嬉しそうな様子でかきょう(黒猫。メス)を受け取る依頼人には半ば追

い返すような形でお帰り願った。
 依頼人の学園生がいる間から霧切さんは一言も喋らずに黙々と文庫本を読んでいて、沈黙に耐えきれなくなった僕が口を開いて今に至る。
 霧切さんの機嫌が悪い理由―猫と僕だ。昨日おとといと二日考えて何となくは原因に辿り着いている。
「(……きょうちゃん、か)」
 僕がおととい黒猫につけたあだ名。そして不機嫌そうに僕の向かいで読書している女の子は、……霧切、響子さん。
 まったくもって迂闊すぎた。
「(自分の名前を猫に付けられたのが気に入らなかった? まさか)」
 何か違う。着眼点がズレている気がする。それに、きっと原因はそれだけじゃない。
 件の黒猫を思い出す。初対面なのに懐いてきて、僕の膝の上から降りなくて。なのに霧切さんが事務所を飛び出していったらつまらなそうに飛び降りた。
それまでは当て付けのように、
「(……誰に対する、当て付けだ?)」
 霧切さんしかいない。いや待て苗木誠。お前は何の行動を指針にして推理を組み立ててるんだ。どうして猫の行動なんかに意味を求めてる?
「(けれどあんな意味ありげな行動、霧切さんがいなくなった途端意味がなくなったように―)」
 違う違うそうじゃない。猫の行動に意味なんか求められない。そっちじゃない、逆に考えるんだ。猫の行動に意味があるんじゃない、霧切さんには意味があるように見えた

んだ。
「(僕が猫をきょうちゃんって呼んだ。猫が膝の上から離れなかった)」
 言葉にすればただそれだけのことだ。けれど霧切さんはそうは思わなかった。ならどう思った? 僕には当て付けに見えた。それで、僕らの週末はどうなった?
「(……事務所、は。苗木誠探偵事務所は、土日は)」
 用事がなければ、僕らはそこで日がな一日。それは気まずい時間? ―いいや。
「(そう、か。僕らは、……霧切さんは、毎週、楽しみに)」
「霧切さん」
「なに」
 先程と全く同じ反応。続く僕の言葉もそう変わらなくて。けれど僕は決意を込めて。
「ごめん。ごめん、霧切さん。せっかくの週末、台無しにしちゃって。……僕が猫にばっかり構うから、霧切さんを怒らせて―、」
 
 決意を込めて―盛大に失敗した。


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