10/12/30 11:15:37 2ez1CPdq
霧「………………」
霧「苗木君…あなたは怖い?」
苗「…えっ?」
霧「この場所に閉じ込められて…」
苗「そ、そんなの…当たり前だよ…」
苗「怖いに決まってるよ。こんな訳のわからない場所に閉じ込められてさ…」
霧「そう…良かったわね」
苗「良かったって…何が?」
霧「怖いと思うのは、想像力が働いている証拠…
それは、怖さを感じてないより、よっぽど、いい状態よ」
霧「想像力が働かなければ、どんな行動に走るか、わかったもんじゃない…」
苗「でも、そう言う霧切さんは、まったく怖くなさそうだけど…」
霧「私だって怖いわよ…
ただ、それを知られないようにしているだけ。他人に知られても得なんてないから…」
苗「隠してる…って事?」
霧「…バカ正直なあなたと違ってね」
苗(バカ正直って…)
霧「だけど、私が感じている“怖さ”は、あなた達が感じているのとは少し違うかも…」
苗「え? どういう意味…?」
霧「あなた達が感じているのは“失う事”に対する怖さ。だけど私が感じているのは…
“失ってしまった事”に対する怖さ」
苗「意味…がわからないんだけど…」
霧「…そうでしょうね」
彼女はボクの疑問に返答すらせず、静かに背を向けると…
霧「…じゃあね」
そしてそのまま歩き去ってしまった…
苗「まだ会話が途中って言うか…むしろ会話らしい会話が始まってすらないのに…」
苗(霧切さん…本当に謎だらけな人だな…)