【ダンガンロンパ】霧切響子の正体は俺の嫁Part2at POKECHARA
【ダンガンロンパ】霧切響子の正体は俺の嫁Part2 - 暇つぶし2ch765:名無しさん@お腹いっぱい。
11/02/11 00:03:15 g21lUvg0
>>764続き



「あら、おはよう苗木君。今日は早いのね」
「おはよう、霧切さん。ちょっと、目が覚めちゃって。僕もコーヒー貰っていいかな」
 よろこんで、と涼やかな声がする。卒業してからの霧切さんは、なんというか柔らかくなったと思う。
 それは例えばふとした瞬間に見せるちいさな笑顔だったり、学園の中ではけして緩むことのなかった緊張感のようなものだったり、「苗木君は、角砂糖二つとミルクよね」

あとはそうそう、いつも着ていた制服以外の服を着るようになったりだとか。
 今朝もブラウスにたっぷりとしたバギーパンツを合わせた、なんだかのんびりとした組み合わせで、正直これまでとは全然雰囲気が違う。
 それでも霧切さんによく似合っていると思うし、どんな服を着ても、たとえジト目で見られていたとしてもやっぱり霧切さんかわい、
 
 …………ジト目?
「……なえぎくん」
 両手にはカップが一つずつ。途切れることなく湯気を吐き出す右手の黒と左手の薄い茶色は、紛うことなきコーヒーだ。
「あれ。霧切さん、今日はカフェオレなの?」
「……寝ぼけている、ということにしておいてあげるわ。ほんとうに今日はずいぶん早いもの、貴方」
 呆れたようにため息をつく霧切さんは、なぜか僕にカフェオレの方を差し出した。いただきますめしあがれ。何の変哲もないやり取りも、僕のせいだろうか、ちょっとした違

和感。なんだか後ろめたい気分になって、僕は霧切さんの斜向かいに腰をおろした。
 口に含んだカフェオレは、ほんのりと甘い。
「あ。これ、いつも僕が飲んでるやつだ」
「角砂糖が二つにミルク。人の話は聞くものね。それとも、きょうはブラックの気分だったかしら?」
「そ、そんなことないよ。ごめんね」
 よくわからないけど、僕は何か失礼なことをしてしまったのだろう。半ば反射的に謝罪の言葉を口にして、カップを傾ける。
「………うん、美味しいや。ありがとう、霧切さん」
 ふうわりと広がる甘い香り。自分で作ったみたいに自然な味。朝の冷たさと今さっきのやり取りとで強張っていただろう僕の顔は、霧切さんお手製カフェオレのお陰であっ

さりと緩む。
 こんなところまで僕は平凡らしい。
「そう? インスタントだもの、誰が作っても同じよ」
 つい、と視線を逸らしてしまう。にべもない動作はやっぱり僕のせいだろう。
「でも、これ。僕の好み、覚えててくれたんだよね? だったら、やっぱりありがとうだよ」
「ぇ、ええ。私は、―探偵だもの。人間観察くらいは、お手の物、だわ」
「そうなんだ」
「ええ、そうなの。だから、苗木君―」
 霧切さんがこちらへと顔を向ける。一見するといつも通りのポーカーフェイスで、少なくとも先ほどまでの不機嫌そうな様子は微塵も感じられない。ただ時折、迷うように天

井と僕の顔とを視線が行ったり来たりしている。
 かちゃ、かちゃ、と小さな音を立てるコーヒーカップ。くるくると際限なくかき混ぜているスプーンの側には、不思議なことに砂糖もなにもなくて。
 というか霧切さんブラック党じゃなかったっけ。
「だから、ね、苗木君。貴方が、そう―」

「―何か悩み事があることぐらい、私にはお見通しなのよ」




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