【ダンガンロンパ】霧切響子の正体は俺の嫁Part2at POKECHARA
【ダンガンロンパ】霧切響子の正体は俺の嫁Part2 - 暇つぶし2ch314:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/17 08:50:38 wTFyVGDQ
 一方の霧切さんは、一瞬、ぽかんとした後、凄く困ったような表情を浮かべた。
「そういう冗談はよろしくないわ、苗木君」
「いや、冗談じゃないんだよね」
 今の一言で動揺したのが手に取るように分かった。
 いつもは見られない一面、といった感じか。
 なるほど、先人の言うとおり、それには恋するだけの魅力がある。
 困った表情に若干の笑みが混じる。どうやら僕は嫌われてはいなかったようだ。
「いや、でも、そんな……」
 照れているのだろう、だんだんとその顔に朱が差してくる。
「予想外だった?」
「ええ、完全にね」
 どこか嬉しそうに彼女は答えた。
「私も、苗木君は嫌いじゃないわ。むしろ好意を持っていると言って良いかもしれない」
 だけど、と彼女は少し表情を強張らせて続ける。
「あなたには、私よりも舞園さんたちを好きになって欲しいわ」
「え?」
「彼女たちは、それぞれの夢に向かって全力で進んでいる。そして、彼女達には支えが必要なのよ」
 何故だろう。
 何故この人は、ここまで自分を追い詰められるのだろう。
「苗木君、ここまで言えば分かるわね?」
 何故もっと、自分の幸せを望まないのだろう……。
「ごめんなさい、変なことを訊いて。私、そろそろ帰るわ」
 霧切さんは、そう言ってそそくさと勉強道具をしまい始める。
 焦っているのだろう。手が若干震えている。
 僕は彼女に何も声をかけなかった。いや、かけられなかったのだ。
 何と言えば良いのか分からなかった。
 否定すればいいのか、肯定すれば良いのか、でも―。
 そう考えているうちに、霧切さんは鞄に勉強道具をしまい終えていた。
「また明日、苗木君」
 それだけ言って、逃げるように教室を出て行ってしまう。
 彼女が見えなくなってから、大きくため息を吐いて椅子にもたれかかった。
 窓の外はいつの間にかザアザアと雨が降り始めていた。
 そういえば、天気予報が嵐が来ると告げていたはずだ。成る程、みんながそそくさと帰るわけだ。

 僕は霧切さんを―。
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