11/01/17 01:53:24 jx1yxKL2
>>286続き
ドス、ドス、と、罪悪感が私の心を切り刻む。
彼に投げかけた言葉の槍が、そのまま私の心を貫く。
今私がしているのは、悪魔の行いだ。心配してきてくれたのに、それを仇で返すなんて。
けれど、そうする他にないから。だから、
―おくびにもだすな…
「あなたを責めているわけじゃないのよ、苗木君。あなたの反応は、ごく自然なもの。
だからあなたは謝るべきじゃない。だってあなたは、何一つ悪いことなんてしていないんだもの」
彼は、ぐっと唇をかみしめた。
それは、なにかに耐えるというよりは、なにかを決意したような、そんな仕種。
「…わかった。的外れに謝ることは、しないよ」
「そう。それでいいの」
「…ただ」
「?」
それまで下を向いていた彼の瞳が、力強く私を射抜く。
「聞いても良いかな。その、手の傷のこと」
―これは、
今までにない、初めての反応だ。
なるほど、今まで私のそばにいただけあって、意表を突くのには慣れているのかもしれない。
「…傷ができた経緯、ということ?」
「それも含め、諸々」
「諸々、って?」
「どうしてそんな傷を負うことになったのか、とか、その傷ができてからの周囲の反応とか」
「…そう。ずいぶん遠慮なしに尋ねるのね」
「遠慮する方が、失礼かなって思ったから」
彼は時々、
ひどく真っすぐな目をする。
「手の傷跡自体じゃなくて、それを見た相手の反応が嫌なんでしょ?
そこには「偏見」や「忌避」だけじゃなくて、「同情」や「遠慮」もきっとあると思ったから。
でも「言いたくない」「言えない」のなら、もちろん言わなくていいよ」
職業柄、悪意と威圧に満ちたまなざしは、嫌というほど見て、見慣れてきたし、耐性もある。
けれど、彼の眼には、悪意はもちろん、威圧の欠片もない。
それなのに、なぜか気圧される。
真っすぐ、鋭く、そして正しく。これが同い年の少年か、と思わせるほど、芯の強い目。
どうも私は、その目には滅法弱いらしい。
「…いいわ。言いたくないということもないし」
私は抵抗を諦め、素直に話すことにした。
288:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/17 01:55:04 DD/00RMd
よいではないか!
289:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/17 01:55:38 jx1yxKL2
>>287続き
「…私がこの傷を負ったのは…そうね、まだ探偵として駆けだし中の頃、とでも言えばいいのかしら。
私が相手をしていたのはとある犯罪組織。私はいくつかの事件を解決していく過程で、その存在を知ったの」
どうせ今日で終わりなんだ。
傷の経緯くらい、幾らでも話せばいい。
「…自分の力を過信していた、というのもあるし、周囲からの評価が欲しかった…焦っていたんでしょうね。
とにかく私は、数名の仲間と一緒に、その犯罪組織の根城を探し当てた…けれど、
仲間の一人に、内通者がいたのね。私は根城に潜り込んだのだと思っていたのだけれど、実はその逆。
彼らにおびき出されたのよ。その根城の最奥まで。
逃げることは難しくなかった…けれど、人質を取られたの。その人質というのが…」
「本当は、その内通者だったんだね」
「そういうこと。よくわかったわね。探偵業が身についてきたのかしら?」
彼は私の茶化しも介せず、続けるように促した。
「…もちろんその時の私はそんなことは知らなかった。プライドを捨てて、彼を助けてくれるように頼みこんだ。
そこで彼らが出した案は、『その犯罪組織に伝わる拷問に耐えきれば、彼も私も無傷で解放する』というもの」
「拷問…」
「焼却炉の中に自ら手を入れ、30秒耐えきれば合格、というシンプルなものよ」
苗木君の顔が青ざめる。
「本来のルールでは、手枷なんかをして、無理矢理30秒耐えさせる、というのがあるらしいのだけれど…
私にはそれをさせず、その代わり耐えきれず早く手を出してしまえば、目の前で彼を殺すと言われたわ。
そして私は、裏切り者の命を救うために、自分で自分の手を焼いた…
目が覚めた時は、知らない町の病院にいたわ」
290:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/17 01:57:38 jx1yxKL2
>>289続き
「…」
苗木君は、予想外に壮絶、とでも言いたげな表情をしていた。
他人の経験に感情移入してしまう彼には、よほど耳に堪える体験談だっただろう。
自画自賛、とは少しベクトルは違うけれど、自分でもこの体験はかなり酷な部類に入ると自負している。
「それで…ああ、えっと、周囲の反応ね。まあ、身内以外は概ね同じ反応よ。
気味が悪い、えぐい、グロい、近寄りたくない。
視線や顔で訴えてくる人がほとんどだけど、中には直接口に出す人もいたわ。
…あなたの反応は、その中のどれよりも、優しかった」
…何を口にしているんだ、私は。
そんなこと、わざわざ言う必要なんかない。
彼には冷たく接すればいい、もう二度と私に関わろうという気が起こらないように。
「でも、やはりあなたも思ったでしょう。この手が、気味が悪いと」
彼には、罪悪感を植え付ける。ありもしない罪に対する罪悪感を。
「…驚きはしたけど、気味が悪いなんて思わない」
「嘘はつかなくていいのよ。言ったでしょ、あなた、顔に出やすいのよ」
「…どうかな。見たときは正直少し、いや…かなりショックで、その時の気持ちは忘れたけど、
少なくとも今は、ぜんぜん思わないよ。不気味だなんて」
思わず、イラッとする。自分の思い通りにならないことに。
もう少し露骨に、責めた方が良かったか。
「さっきあなたも自分で言ったでしょう。『同情』も、私はいらないの」
「『同情』なんかじゃないよ」
「じゃあ何なの?」
「…強いて言うなら『尊敬』かな」
291:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/17 02:00:52 jx1yxKL2
>>290続き
頭に血が上る、とは、こういうことを言うのだろう。
メリメリ、と、血管が膨張する音まで響いてきそうだった。
違う、わかっている。
苗木君に怒りをぶつけるのは、全くの筋違いだ。
それでも怒りは、彼に罪悪感を抱かせていることへの負い目や、彼のそばにいられなくなるという絶望を、軽く凌駕するほどだった。
この傷について、知ったかぶりをされることへの怒りは。
「『尊敬』?おかしなことを言うのね」
口端が、怒りからかヒクヒクと震える。
探偵の職務中ですら、こんなに怒りを抑えきれなかったことはない。
「一体今までの話のどこをどう取れば、この醜い手に対して、『尊敬』を抱けるのかしら」
彼の眼は、射抜くような真っすぐさを保っていた。
それは、彼が自分の発言に少しの負い目もない、という証拠に他ならない。
彼はウソをついてはいない。本心から言っている。
それが、余計腹立たしい。
そしてだからこそ、次の発言は、
「…だってその傷は、霧切さんが戦った証だから」
確実に、的確に、
私の逆鱗に触れた。
「知った風な口を利かないで!!」
ここまで感情的になったのは、いつ以来だろう。
私は腰かけていたベッドから立ち上がり、彼の胸ぐらをつかみ、絞りあげる。
苗木君は抵抗せず、そのまま引きずりあげられた。私より身長が低い分、宙に浮くような形になる。
椅子が音を立てて倒れても、彼の射抜く目は変わらない。
―その目をやめろ!
「この火傷痕は、私の過ちの傷跡!過去の汚点であり、それを忘れないための戒めなの!
今までこれを、磔刑のごとく背負って生きてきた…『尊敬』?的外れな発言も、そこまでいくといっそ清々しいわ。
あなたに何がわかるの…!?この傷を背負うための私の覚悟、この傷を背負ってからの屈辱…
あなたみたいな凡人に、その一欠けらでも共有できるの!?いいえ、一欠けらも理解されたくなんかないわ…!!」
292:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/17 02:02:28 jx1yxKL2
>>291続き
攻め立てる私の方が泣き叫んでいる。おかしな構図だ。
私は追いつめられたか犯人のように暴言を吐き散らし、彼は淡々とそれを受け、そして答える。
「…共有なんて、絶対できない。それは、霧切さんが戦った証だから、他の誰にも、ましてや僕なんかに、
それをわかちあうことなんか絶対できやしないんだ。
僕にできるのは、霧切さんが教えてくれたその事実から、僕自身の見解を作ることだけだよ」
「それが『尊敬』?そうだというなら、あなたは相当な盲信者か頑固者、もしくは相当のペテン師ね。
でもね、どんなに自分を偽っても、本能から来る嫌悪感には、抗うことは出来ないのよ…!」
私は半ば自暴自棄になって、左手で彼の胸ぐらを捕まえたまま、むき出しの右手を彼の眼前に差し出した。
おそらく、何も考えずにしゃべっているのは私の方だ。
ただ、怒りと、自分から彼を突き放す、という衝動にだけ駆られている。
「ほら、見て…気色悪いでしょう?私が自分でそう思うんだから、あなたには尚更のはずよ…」
さあ、怯め。
臆しろ。慄け。
『尊敬』だなんてウソの言葉に隠した本心を、さらけ出せ。
そうじゃないと、私はあなたに縋りついてしまう。
そうじゃないと、私は希望を抱いてしまう。
だから
―その目で見るのを、やめて…!
「…お願いだから、苗木君。正直に、気持ち悪いと、不気味だと、そう言って。
あなたが何を言おうとしているのかは、皆目見当もつかないけれど
私はあなたがその言葉を口にするのを、期待しているわ」
その方が、変な希望を持たされるより、幾分も楽だから。
彼は、口を開かなかった。
じっとその目で、私を、右手を見つめていた。
293:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/17 02:05:22 jx1yxKL2
>>292続き
その珍妙な硬直は、そのまま少しだけ続き、先にその均衡を破ったのは、
無様にも沈黙に耐えきれなくなった私の方だった。
「…苗木君」
呟くように、彼の名前を呼び、ふといつのまにか、彼を締め上げる手の力が、緩んでいたことに気づく。
彼はすでに地面に足をついていたけれど、まだ私の手を振り払ったりはしない。
苗木君はまだ、何も言わない。
ただ、その代わりに。
私が名前を呼んだことを合図にしたかのように、ゆっくりと彼が動き出す。
ずい、と、二人の距離を縮めて、一歩前へ。
「ちょ、ちょっと…」
目は、私を射抜いたまま。何をされるのかもわからず、私は気圧され、一歩退いた。
先ほどはアレほど激昂していたのに、おかしな話だ。これほど容易く、彼に押し負けるなんて。
きっとさっき私が喚いていたのは、子犬が恐ろしい相手に向けて吠えたてるのと同じだったのかもしれない。
彼の言動は、常々私の予想を上回る。わからないものは、恐い。
この部屋に入ってきた時は、彼の方が捨てられた犬のようにオロオロとしていたくせに、
いつの間にか、彼にリードを許してしまう。いつも、そうだ。
尻込みした私が、思わず右手を引っ込めようとすると、
それを察したのか、彼は食堂でみせた力強さで、私の右手をしっかりと握りしめた。
「ひっ…」
思わず、そんな情けない悲鳴が漏れる。
私の悲鳴や、おそらく怯えて情けない表情を浮かべている顔を受けても、苗木君は微動だにしなかった。
ビリっ、と、今朝のように、何も感じるはずのない右手から、鈍痛と熱を感じる。
それは右手が彼に近づけば近づくほど、より強く、大きな刺激になり、私は顔をしかめた。
まるで彼が、あの時の炎のようだ。
ほら、言わんこっちゃない。近づいてはいけないのに、近づくから。
自分を過信して、太陽に近づきすぎるから、羽をもがれるのだ。
あまりの激痛に、足に力が入らなくなり、そのまま後ろのベッドに倒れるようにして座る。
彼は座った私に目線を合わせるように跪き、そして、
おもむろに私の左手にまで手を伸ばした。
294:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/17 02:07:52 jx1yxKL2
>>293続き
それは、恐怖さえ感じるほど。
本当に、何をされるのか分からない戦慄。
彼が私の左手を器用につかむ。そして、その手袋にまで手をかけられて、
やっと私は、抵抗する、ということを思い出した。
「いっ、やだ、苗木君…離して…!」
必死にもがき、腕を振りほどこうとするけれど、やはり彼の力には敵わない。
暴れても暴れても。故意ではないけれど、振り回した足が彼の腹を蹴り飛ばしてしまっても。
彼は決して、私の腕を、私の罪を、離そうとはしなかった。
ぐい、と、手袋に指がかかる。
「いや、だっ…!!見ないで、苗木君!お願いだから…許して、苗木君っ…!」
涙が出そうになる。
なぜ?どうしてこんなことをするの?嫌がらせ?
それとも、とうとう堪忍袋の緒が切れたのか。私が彼に、的外れに怒鳴り散らし、罪悪感をなすりつけたから。
私が思索を進める間にも、彼は器用に左手の手袋を取り去った。
そして、彼は私の汚れた両手を手にとって、
それを、自分の両頬に押し当てた。
―なに、を、してるの…?
尋ねようと口を開くけれど、言葉が出ない。
私の体から、抵抗という概念を失ったかのように、力が抜けていった。
私の素手を、自分の両頬に当てるだけ。言葉にすれば単純なその行為は、それは、
私が今まで最大の禁忌としてきた行為を、体現していることに他ならなかった。
「なえぎ、くん…?」
力なく、喘ぐように、私の口からこぼれおちた、彼の名前と、それに続く泣きごと。
だめだよ。
きたないよ。
うつっちゃうよ。
幼児退行でもしたかのような、情けない語り口だ。
おそらく後で思い出して、顔から火を吹く思いをするのだろう。
けれど、そんな目も当てられない私のざまを見て、彼はあやすように囁いた。
「誰かが、そう言ったの?」
だって、私の手、汚いから。
「汚くなんかないよ」
呪われているから、呪いがうつっちゃうよ。
「…絶対、そんなことない」
295:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/17 02:10:25 jx1yxKL2
>>294続き
少しずつ、苗木君が私の手を握る力が緩んでいく。
けれど、不思議と私は、彼の頬に触れる私の手を、引き離すことができなかった。
そうしなければ、ならないのに。触れていてはいけないのに。
だって、きたないから。うつっちゃうから。
「…霧切さん」
言い聞かせるような彼の声は、幾分か鼻にかかったような音をしていた。
今にも泣き出しそうな声で、けれどそれを必死にこらえていた。
目は潤むけれど、力を入れて、それが零れおちないように、じっと私を見つめていた。
「…さっきも言ったよね。
この手は…火傷の痕は、霧切さんがどう思おうと、霧切さんが戦ってきた証だ。
僕は、凡人だ。戦いとか、何も知らずに安穏と生きてきた。
だから、戦ったことのない僕には、この手を『尊敬』することはできても、汚れていると思うことはできない。
目に見える姿形に囚われて、馬鹿にするやつらの方が、何倍も醜くて、何倍も汚いんだよ」
やめてよ。
だめだよ。
私に、私なんかに、優しい言葉を投げかけないで。
汚れた私が、あなたのそばに―
「汚れてなんかない―!!!」
苗木君が叫んだ。
恐ろしいほど、怒気に満ちた声だった。
彼がこれほどまで感情的になったのは、見たことがないというほどに。
なのに、そんな彼の表情は、
「汚れてなんか…いないんだっ…!」
初めて私の素手を見た時と同じくらい、絶望に満ちた悲しい表情だった。
296:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/17 02:19:15 DD/00RMd
できれば心情表現の口調も普段の口調に合わせたほうがいいんじゃないかなー
> 苗木君は抵抗せず、そのまま引きずりあげられた。私より身長が低い分、宙に浮くような形になる。
> 椅子が音を立てて倒れても、彼の射抜く目は変わらない。
> ―その目をやめろ!
こことかね。その目をやめないさい、みたいな
とは言ってもこんな面白いss書けるあんたは、それこそ「尊敬」に値すると誰もが思うだろうから
自信を持つべきだわな。謙虚と卑屈は違うぜ…
297:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/17 02:21:40 jx1yxKL2
>>295続き
つ、と彼の頬を、さんざん溜められた涙が、ようやくか、とでもいうように、ゆっくり伝う。
涙は私の手に当たり、そこから言い知れぬ感覚が、ず、と私の中に入り込む。
「拒み続けることが、どれほど辛いのか…っ、僕には、わからない…」
彼は言葉を紡いだ。
その間にも、涙は一粒、また一粒と、私の指を、掌を濡らす。
「よく、耐えてきたね…」
涙が触れた火傷の痕から、温かい彼の感情が、私の中に流れ込んでくるようだった。
「…馬鹿ね」
彼の温かさが、ゆっくり、ゆっくりと、
「なんであなたが泣くのよ…」
私の中の氷を、溶かしだしていく。
「ゴメン…僕が、泣いちゃいけないって、わかってるのに…っ」
溶けだした氷は水になり、
「ほら、さっきも言ったでしょう…的外れな謝罪は止めてって…
だってあなたは、何一つ、悪いことなんてしていないのよ…」
ゆっくり、ゆっくりと、
私の目から、溢れだした。
「ごめんなさい、苗木君…」
私は壊れた人形のように、
「ごめんなさい、ごめんなさい…!」
止まらぬ涙を流し、彼に謝り続けた。
そして、最後に一度だけ、
「ありがとう…」
と、涙でぐしゃぐしゃになっただらしのない顔で、私は告げた。
298:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/17 02:23:58 jx1yxKL2
>>297続き
ダメだ。彼から離れることなんて、もう私にはできない。
だって彼は、この右手の罪を、罪じゃないと言ったから。
だって彼は、この左手の汚れを、汚れじゃないと言ったから。
だって彼は、この両手の醜い火傷の痕を、私の誇りに変えてくれたから。
離れる理由を、側にいるための動機に変えられてしまっては、どうしようもないじゃないか。
そのまま、私たちはお互いの顔を見ながら泣いた。
彼の手が私の手を掴むのをやめても、私は彼の頬から手を離さなかった。
その代わり彼は、自分の手を私の頬へと触れさせる。
優しく両頬を包まれて、思わず私はどきりとする。
しばらくそうして、互いの泣き顔に手を添え、私たちは見つめ合う。
ぐ、と苗木君が顔を近づけた。
いいのだろうか、こんな―
いや、もういい。もう、考えるのも面倒だ。
ただ、この幸せを享受すればいい。
そして私は、ゆっくりと目を閉じた。
299:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/17 02:26:36 jx1yxKL2
本篇(?)は>>298で一応完結ですが、エピローグが少しだけ続きます
もう少しだけレスを貸していただきます、ご容赦ください
エピローグ
情緒不安定、という言葉を当てては失礼かもしれないけれど、それはめまぐるしい表情の変化で
きっと僕に傷を見られたのがショックで、霧切さんは初めて僕の前で怒り、泣いた。それなのに、
「ふふ、もしかして、苗木君のファーストキス、頂いちゃったのかしら」
その、キス、を終えた後の霧切さんは、いつもの霧切さんに戻っていた。
「ええっ、その、えーと…」
「ねえ、答えて苗木君。答えられないということは、初めてじゃないのかしら?」
いつもの霧切さんとはどういうことか、というと、本当にいつもの霧切さんで、
ミステリアスな笑みを浮かべ、意地悪な質問をぶつけて困る僕を見ては、それを面白がる霧切さんのことだ。
「な、なんでそうなるのさ!」
「慌てる、なんて、ますます怪しいわね。そう、私としては構わないけれど、少し残念だわ。
せっかく私の初めてのキスを捧げたのに、苗木君にとっては、このキスはそれほど貴重なものではなかったのね」
手袋を再びつけてしまったのは少し残念だけれど、こればかりはしょうがないと思う。
やはりまだ、人目に触れるには抵抗がある、と、彼女は言ったから。
「え、は、初めて…霧切、さんも…?」
「あら、意外?というか、私にキスをしようとしたモノ好きなんて、あなたが初めてよ、苗木君。
そして私も、ということは、苗木君も初めてだったのね。
でも…意外ということは、苗木君の目には、私は誰とでもキスをするような淫らな女に写っていたのね。ショックを隠せないわ」
それでも、少しずつだけど、僕の前では手袋をはずす努力をする、とも約束してくれた。
色々と気障なセリフをぶつけてしまった気もするけれど、彼女の前進に携われたこと。今は、それを誇りに思う。
「もう…アレだけ勇気を出したのに、どうして僕だけ恥ずかしい思いをするんだよ」
「…何を言っているの、苗木君」
僕たちは今、彼女のベッドの上に並んで座っている。
手袋に包まれてはいるけれど、互いの手を、しっかり握って。
霧切さんは、そこで数秒だけ口を閉じ、それからみるみる顔を赤らめた。
「わ、私だって…」
「え?」
「私だって、ちゃんと、恥ずかしかったわ…」
そういうと、彼女は顔を赤らめたまま、つ、とそっぽを向いてしまった。
ああ、ダメだ。これからも僕は、彼女のペースに振り回されっぱなしだ、と、ここで改めて確信する。
だって、そんな彼女の恥ずかしがる素ぶりに当てられて、
きっと今の僕の顔は、一段と真っ赤に染まってしまっているだろうから。
300:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/17 02:27:33 jx1yxKL2
>>299続き
気まずい沈黙を打破するため、僕はこの部屋に来た、もう一つの目的を彼女に告げた。
「実は、手袋と謝罪のほかにも、まだ霧切さんに用事があったんだよね」
「そ、そうなの?」
「約束したでしょ。霧切さんの手作りのロイヤルミルクティ、飲ませてくれるって」
「…ええ、そうだったわね」
穏やかにほほ笑んだ彼女の手を取り、僕は霧切さんと食堂へ向かう。
途中で遠征から帰ってきた朝日奈さんたちに、手を繋いで歩いているところを見つかって、
これでもかというくらいに冷やかされるのだけれど、その時の様子まで事細かに書くのは、
さすがに僕のか弱い羞恥心では、耐えられそうにない。
だって、彼らが冷やかす間も、顔を真っ赤にして言い訳を並べながら、
彼女は僕の手を、離そうとはしなかったんだから。
301:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/17 02:39:16 jx1yxKL2
>>286-300 これで一応、後編も完結です ああ長かった…ホント何レス使ってんだよ…
火傷関連の話で、そのトラウマを論破する苗木君が書きたくてやりました。
あとこのスレで、「あ、これいいな」って思ったポイントをちょくちょく入れたり…
反省はしていますん。後悔はしていません。
>>296ご助言ありがとうございました。
けれど、せっかくなのですが、この内面での口調変化だけは、
ちょっとこだわりがあったので変えるわけにはいきません、すみません…
でも、本当にありがとうございます。
あと霧切さんがやたらネガってるのは、多分俺の卑屈がモロ映ってます。お許しを…
途中で感想をくれた方々も、本当にありがとうございました。
書いている間の励みになりました。
長くてグダグダだし、読むのもだるいと思うけど
最後まで読んでくれた人がいたら、本当にありがとうございました。
もしまた書けるのであれば、今度はもっと短くまとめる練習してきます…
302:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/17 02:47:30 RQi1ROjS
>>301
おつかれさまでございます。
個人的な所感だけど、霧切さんの手袋とか火傷に一区切りつけられた、と思う。
この話なら長いのも全く気にならなかったス。それだけ霧切さんのパーソナルな部分にうまく触れてたんだと思う。
卑屈云々、長い短いは置いといて、また貴方のお話が読みたいです。
303:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/17 03:25:38 AZXY3iW0
GJ。きっとデレギリさんは手が性感帯に違いない
304:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/17 03:30:59 r9S1254N
>>301
お疲れ様でした。
起きて待ってた甲斐がありました。
いっぱい感想があるけど自重して・・・一言だけ
興奮して眠れねーよw
305:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/17 03:34:46 Z3T7VHn/
おつかれさまです。 すんごいGJ
306:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/17 04:05:52 g+PGEkPJ
手かぁ
過去の過ちを繰り返さないことを手袋に誓ってるって、そりゃ逆じゃね?って思ってたんだよね
重要なのは手の痕そのものであって、手袋そのものじゃないはずなんだがな
普通忘れないためなら手袋で傷痕を隠すんじゃなくて、見せっぱなしにするんじゃないかと
その辺を続編とかで突っ込んで欲しいが・・・出るならば
307:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/17 04:40:03 vhrrKQ4Q
超高校級のカップルじゃなくて夫婦なのはなんでかしらん
いや悪くはないが夫婦と高校生って馴染みにくい単語だし
二人の関係が夫婦っぽいって事か?
308:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/17 05:25:12 73eJ0bIv
>>306
最初はそうしてたのかもしんないよ
でも周囲の目とか、やっぱ不快感は振りまいちゃうじゃん
それでも自分勝手に晒し続けるのは自戒でもなんでもないと思うんだよね
だからどっちにしろ傷跡を隠すのは普通じゃないかと
強いて言えば治療をしてないのが自戒の表れかと、あの世界ちょっと科学力ぶっ飛んでるし
治療しようと思えば簡単だったと思うんだよね
309:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/17 08:39:45 wTFyVGDQ
>>301
お疲れ様です
自虐的な霧切さんに超萌えた!
310:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/17 08:46:47 wTFyVGDQ
じゃあ、自分もSS投下するー
前出の作品と展開が被っているけど、ご容赦を
タイトル:僕の好きな人は(前編)
ジャンル:苗霧ラブシリアス?
時間軸:希望ヶ峰学園時代(よくある苗木が霧切さんの探偵助手的な)
311:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/17 08:47:34 wTFyVGDQ
「苗木君、恋してる?」
窓の外に広がる景色を眺めながら、霧切さんは唐突にそう切り出した。
「こい?」
僕はただオウム返しに呟き返す。
「そう、恋愛の、恋」
今度は真っ直ぐ僕の方を見ながら再びそう問いかけた。
明日のテストが心配だったから居残っただけだったはずなのに、何だろう、この雰囲気は。
放課後の教室。
教室を出て行くみんなをよそに、霧切さんは僕の席にやってきた。
いつも通り探偵助手のお誘いだろうか。
流石にテスト前だからと断ろうとしたところで、彼女は僕の前―朝比奈さんの席に座った。
「苗木君、勉強していくの?」
「え、ああ、うん……」
帰り支度をしていなかったことから察したのか、予想外の質問にちょっと慌ててしまう。
「だから、今日は―」
「私も一緒にしても構わない?」
捜査の誘いを断ろうとしたところで、予想外の方向からパンチが飛んできた。
僕の知ってる霧切さんは、自分からそんなことを言うキャラじゃない。
でも、流石にそんなこと言えないので、とりあえず、目を白黒させてみた。
「今は何をやっているの?」
「え、古文の復習だけど……」
ちょうど良かったわ、と言いながら、霧切さんは朝比奈さんの机の向きを変え、僕の机と合わせる。
周りを見ると、既にみんなそれぞれ教室を出て行ったようだ。
「……ひとつ、良い?」
鞄からノートなどを取り出す霧切さんに問いかける。
「何でまた、霧切さんが僕なんかと勉強を?」
霧切さんは、無言で古文のノートを差し出す。
中を開いてみると―所々空いているページがあった。
「捜査の所為で何度か授業に出そびれたのよ。あなたが教えてくれないかしら?」
こうして、不思議な二人っきりの勉強会が始まった。
312:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/17 08:49:04 wTFyVGDQ
「恋、って言われても……」
いきなり何を訊くんだ、この人は。
ここまでの勉強会はいたって普通だった。
霧切さんの古文力は至って優秀で(僕が教えるまでもないくらいに)、僕が「好きだ」などと囁いたわけじゃないし、古文の内容が愛を綴ったものだったということもない。
だから、僕には何でこんな話になったか理解できない。
「【質問の意図】が……」
とりあえず、普通に返すことにする。
霧切さんはため息を吐いた。
「(言弾:恋話)それは違うわ」
「えっ?」
普段の表情から一瞬で鋭い視線に変え、僕に向ける。
「舞園さんや江ノ島さんが言っていたわ。男子も女子も高校生なら一つや二つする、って」
何か予想外のところでゲームの要素を無理やり取り込まれた気がするが、僕が論破されたのは事実だ。
「霧切さんも、舞園さんたちとそういう話するんだ」
僕がそう返すと、霧切さんの顔が一瞬だけ赤く染まった。
「た、たまたまそういう機会があったのよ。同じクラス男子と付き合うなら誰か、ってね」
赤面した霧切さんも可愛いな、なんて思いつつも、女子たちがどんな話をしたのかが気になった。
「まあ、今現在、私が訊きたいのはそんなところじゃないわ」
しかし、すぐに机に両肘を立てて組み、口元を隠す霧切さん。
その表情はどこか作ったように無表情だ。
「恋の話、だっけ」
「そう、苗木君は誰が好きなの?」
何故、誰かが好きということは確定なんですか。
「ここには色んな人がいるじゃない。これで好きな人がいなかったら、苗木君は間違いなくイ●ポよ。専門医に相談することをお勧めするわ」
確かに個性的なメンバーだということは認める。それ以前に、その表現はどーなんですか。
不名誉な称号を頂きたくないので、ここは真面目に考えることにする。
「私の勘は【舞園さん】か【朝比奈さん】ね。守りたくなるような女子は人気がある、って言ってたわ」
確かに、彼女達は守ってやりたくなる。
舞園さんは何てったって超高校級のアイドルだし、朝比奈さんは天然なところがあって危なっかしい。
「一方、頼れるって意味で【セレスさん】や【大神さん】、【戦刃さん】も捨てがたいんじゃないかしら?」
セレスさんは時々恐ろしいまでのキャラでみんなを引っ張ってくれるし、大神さんや戦刃さんは体力面でも本当に頼りになる。
「【江ノ島さん】や【腐川さん】だってファンクラブがある程の人気だって聞いたわ」
今時、ファンクラブなんてあるんですか?
まあ、確かに江ノ島さんはカリスマモデルだし、腐川さんも喋らなければ十分可愛いだろう。
「誰なのかしら、苗木君の【好きな人】は?」
だけど……どうもピンとこない。
彼女達は、何処か遠いのだ。
超高校級の彼女たちと、極々普通の高校生である僕。
「……眩しいんだよね」
「……そう」
僕には、ちょっと眩しすぎる。
僕はこれまで、普通の人生しか送ってこなかった。
それを知って彼女達がどう思うのかが、怖いのだ。
退屈だと思われるか、無駄だと思われるか、残念だと思われるか。
313:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/17 08:49:56 wTFyVGDQ
「そうね、でも、彼女達は問題なく受け入れてくれると思うわ」
そういって、霧切さんも苦笑いを浮かべる。
この展開は考えていなかったのだろう。珍しくちょっと焦った様子だ。
そういえば、霧切さんは彼女自身を選択肢に入れなかった。
いつも通り一歩引いたところから僕たちを見てるのだろうか。
「霧切さんは、何で僕の好きな人を知りたいの?」
「そ、それは……今後、私の捜査を手伝ってくれるあなたの好きな人が、犯人に狙われないとも限らないからよ」
論破するまでもなく、霧切さんの言葉は嘘だと分かった。
声は震えていたし、目は逸らしている。
そんな彼女が愛おしいと思ったのは、いつからだろうか。
霧切さんの捜査を手伝っているとき?
霧切さんとよく話すようになったとき?
霧切さんと初めて話したとき?
霧切さんを初めて見たとき?
分からない、でも、いつの間にか僕は―。
(“言弾:霧切さん”を入手しました)
「僕が一番好きな人は―」
それは何処からきた感情だろうか。
羨望か、連帯感か。
「【好きな人】は?」
そうじゃない。
もっと、言葉では言い表せない何かから生まれた感情だ。
長く伸びた髪とワンポイントの三つ編み、瞳に真実を見つめる光を溜め、手には悲しい思い出を手袋で封じ込んでいる、一番僕を必要としてくれる女の子。
「(言弾:霧切さん)―霧切さんかも、しれない」
好きという感情がこれで正しいのなら、僕は彼女が好きなのだろう。
314:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/17 08:50:38 wTFyVGDQ
一方の霧切さんは、一瞬、ぽかんとした後、凄く困ったような表情を浮かべた。
「そういう冗談はよろしくないわ、苗木君」
「いや、冗談じゃないんだよね」
今の一言で動揺したのが手に取るように分かった。
いつもは見られない一面、といった感じか。
なるほど、先人の言うとおり、それには恋するだけの魅力がある。
困った表情に若干の笑みが混じる。どうやら僕は嫌われてはいなかったようだ。
「いや、でも、そんな……」
照れているのだろう、だんだんとその顔に朱が差してくる。
「予想外だった?」
「ええ、完全にね」
どこか嬉しそうに彼女は答えた。
「私も、苗木君は嫌いじゃないわ。むしろ好意を持っていると言って良いかもしれない」
だけど、と彼女は少し表情を強張らせて続ける。
「あなたには、私よりも舞園さんたちを好きになって欲しいわ」
「え?」
「彼女たちは、それぞれの夢に向かって全力で進んでいる。そして、彼女達には支えが必要なのよ」
何故だろう。
何故この人は、ここまで自分を追い詰められるのだろう。
「苗木君、ここまで言えば分かるわね?」
何故もっと、自分の幸せを望まないのだろう……。
「ごめんなさい、変なことを訊いて。私、そろそろ帰るわ」
霧切さんは、そう言ってそそくさと勉強道具をしまい始める。
焦っているのだろう。手が若干震えている。
僕は彼女に何も声をかけなかった。いや、かけられなかったのだ。
何と言えば良いのか分からなかった。
否定すればいいのか、肯定すれば良いのか、でも―。
そう考えているうちに、霧切さんは鞄に勉強道具をしまい終えていた。
「また明日、苗木君」
それだけ言って、逃げるように教室を出て行ってしまう。
彼女が見えなくなってから、大きくため息を吐いて椅子にもたれかかった。
窓の外はいつの間にかザアザアと雨が降り始めていた。
そういえば、天気予報が嵐が来ると告げていたはずだ。成る程、みんながそそくさと帰るわけだ。
僕は霧切さんを―。
・追う
・追わない
315:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/17 08:55:30 wTFyVGDQ
とりあえず、前編ここまで
SSだとバツが悪くなった霧切さんが逃げ出して、苗木が追いかけるってパターン多いけど、そういう王道って素敵だと思うのですよ
苗木視点で書いたので、霧切さんをデレよりクールめに表現できた、と思いたい……
「続きは“卒業”の後で!」
316:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/17 10:12:17 U+X0hlb0
よく考えたら俺の嫁だった
317:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/17 11:54:00 eM23GSBf
>>301
GJ!
ウェットな霧切さんもいいな
>>315
おお、ノンストップ議論を盛り込むとは新しい試みだ
続きに期待
318:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/17 12:24:22 XXc95BTJ
霧切「超高校級のおバカさんね、貴方は」
って冷たい目で見られながら上から土下座してる頭を踏みつけられる権利…
さぁ!1万円からスタートだお!
319:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/17 13:15:25 jx1yxKL2
>>315GJ!素敵小説じゃまいか!
自分で書いといてアレだけど、俺自分のよりこっちのが断然好きだw
ちょっと続き見るために桑田君アポしてくるわ…
320:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/17 17:07:33 PeFm4qxp
ことある毎に「男の子でしょ」と苗木君を叱咤する霧切さん萌え
何がって、背も低くて細い苗木をちゃんと男として扱ってるところが萌える
321:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/17 17:09:27 HaX/rmV+
本スレでも出てたけどamazonにビジュアルブックの表紙きてたね
霧切さんが目立ってて俺歓喜(* ̄▽ ̄*)ノ"
322:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/17 17:14:19 RQi1ROjS
ここ二、三日素敵なナエギリが尽きなくて嬉しい
んでその中に自分のを一本紛れ込ませて、感想貰えたりしてほんともう嬉しい
ダンガンロンパは環境とかシチュとか特殊で書き辛いかもしんないけど、
ED後でも非日常編でも学園生活でも好きなナエギリをみんなもっと書いたらいいと思うんだ
学園生活で思い至ったんだけど結局誰一人としてちゃんと思い出せずに終わったんだよな...
なんかむなしい。
323:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/17 18:08:08 r6d/ZqW9
>>322
それは違うよ!
誰一人としてちゃんと思い出せずに終わったということは
続編と妄想の余地があるということだから希望を捨てちゃダメだ!
324:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/17 18:57:24 XXc95BTJ
朝、目が覚めると朝日に照らされた霧切さんが髪をかき分けながら満面の笑みでこう言うんだ…
「超高校級の早漏ね」
325:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/17 19:12:31 TGM07lxS
SにもMにもやさしいゲーム、それがダンガンロンパ
326:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/17 19:29:55 iA7KJKLu
付き合った女性の5人中3人に火傷痕のあった俺には霧切さんはどストライク
服着てると見えないところなのに
何故かそういう女性ばかりなのは
俺に引き寄せる何かがあるのか
327:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/17 19:47:10 HaX/rmV+
今更ながら>>61の続きを書き終えた俺が通りますよっと
やっと出来た割にはちょっと短いけど、納得出来るものにはなったんで
よろしければどうぞ・・・
「あれからもう半年以上も経つのね・・・・」
その間色々なことがあった。
春、親睦を深めようと彼が率先して皆に声をかけ、お花見をした。既に彼は皆の中心にいた。
夏、彼の一声で皆が集まり、海に行った。初めての仲間との海だった。
秋、「恋敵(ライバル)」が出来た。しかも複数。発端は勿論「彼」だった。だけど同時に「親友」にもなった。
そして冬・・・彼はそこにはいなかったが、彼のお陰で出来た「仲間」とのクリスマス・イブを楽しめた。
私は正直・・・昔、クリスマスというものが嫌いだった。
いや正確には嫌いになったのだ。
何故なら・・・私の願いを叶えてくれるサンタが・・・・・自分を祝ってくれる両親がいなかったからだ。
両親なき後、私を育ててくれた霧切家の親族が代わりに祝ってくれてはいたが、そこには少なからずの「同情」の感情があった。
私はそれが嫌だった。「あなたは可哀想な子」と言われているみたいだった。
ここに来た理由もそんなしがらみから解き離れたいと思ったからだ。父と決別する事で私はそんな「同情」を跳ね除けたかった。
だが・・・・今思えばそれは単なる詭弁だったのだ。私はただ父に直接問いたかっただけなのだ。
何故、霧切家を・・・・・私を捨てたのだ、と
今はもう父とはある程度和解が出来たが(ちなみにこれも誰かさんのおせっかいのせいだ)子供の頃からの確執がそんなに簡単に
解消出来る訳も無く、父との関係は未だギクシャクしている。
それでもここに来た当時とは違い、私は、「父」をまだ「父」と呼べる事になった事にどこか安心している自分がいるのを感じた。
328:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/17 19:48:54 HaX/rmV+
・・・・話が随分逸れてしまったが、早い話、私は10数年ぶりに穏やかにクリスマスを送れそうということだ。
今は一人きりだが、今までとは違い私を憐れむ人はなく、私自身もこのクリスマスという日を何のわだかまりも無く祝福できそうだからだ。
ただ・・・・・・・
「・・・私をそんな風に変えた張本人がここにいないのはどうなのかしらね?・・・・・フフ」
と、思っても仕様が無いことをぼやいてみた。そんな自分がおかしくて少し笑ってしまう。
・・・どうも自分は思ってたよりずっと苗木君にやられているようだ。
昔ならそんな感情は全く理解できなかったが今なら解かる。これが「恋慕」といわれる感情なのだと。
まあ、「恋敵」がいる時点で何をいまさらという話だが・・・
ガチャン
そんな事を考えていたときに、不意に寮の玄関から扉が開く音が聞こえた。こんな夜更けに他の寮生(上級生)が帰ってきたのかと思ったが、
足音はこの78期生の寮の方に向かっている。変ね?今日は誰も帰ってこないと聞いたのだけど・・・。
一瞬まさか不審人物?とも思ったがそれはありえない。この希望峰学園のセキュリティは並ではない。元々のセキュリティに
加え「超高校級の科学者」や「超高校級のプログラマー」等の手により国防総省も真っ青な強固なセキュリティを誇っているからだ。
おそらく他の78期生の誰かが予定を変更して帰ってきたのだろう。私は取り合えず挨拶だけはしておこうと足音の人物が近くに来るのに
合わせて部屋の扉を開けた。するとそこには・・・・・
329:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/17 19:50:19 XXc95BTJ
【付き合った】【女性】の【5人】中【3人】に火傷痕のあった俺には霧切さんはどストライク
それは違うよ!
330:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/17 19:51:03 HaX/rmV+
「あ、霧切さん!」
「苗木君・・・!?あなた実家に帰ってたんじゃ・・・・?」
「うん、そうなんだけど・・・今日父さんが急に夜に仕事に戻らないといけなくなってさ、それで父さんの会社が
ここの近くだから僕もついでに一緒に帰ろうと思って・・・皆にも会いたかったしね」
「そうなの・・・けど残念ね。今日は見ての通り私以外誰もいないわよ?」
「みたいだね;・・・・・・けど」
「?」
「霧切さんには会えたからやっぱり帰ってきて良かったよ(ニコ)」
「なっ・・・・・///!?」
・・・そんな笑顔でそんな事を言うのは反則じゃないかしら?そんな風に誰とも接するから
「恋敵」が増えるというのに・・・・まあ本人には全く自覚がないから逆に問題なのだが・・・・。
「どうしたの、霧切さん?なんか顔赤いみたいだけど・・・・・・?」
「な、何でもないわ・・・苗木君の気のせいよ」
「そう?ならいいけど・・・・・・・・あっ!!」
「ど、どうしたの!?」
「外!外見て霧切さん!!」
「外?・・・・・・・・・・・あ・・・」
苗木君に促されて外を見るとそこにはさんさんと白い雪が降り始めていた。庭に設置された
巨大なツリー(大神さんが山から持ってきたらしい・・・担いで;)と相まって
それはとても美しかった。
「・・・・・・綺麗ね」
「ホワイトクリスマスだね・・・・・あ、そうだ霧切さん!今何時!?」
「え?・・・・・・・24時5分前だけど?」
「よかった、じゃあまだ間に合うね!」
「間に合う・・・?」
そう言うと苗木君はこちらに向き直って私をまっすぐ見て、ちょっと恥ずかしそうにしながら、こう告げた。
「ちょっと遅くなっちゃたけど・・・・・・メリークリスマス、霧切さん」
「・・・!?・・・・フフ、そうね・・・・・・・・メリークリスマス、苗木君」
どうやら私のサンタは随分遅れてやってきたようだ・・・・。
FIN
や、やっと書き切った・・・もう1月半ばにクリスマスSSって・・・・・
さあ、つぎはバレンタインSSか・・・・修羅場がかけそうだなw
331:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/17 20:15:11 XXc95BTJ
霧切さんって一回落ちたら向こうからくっついて離れなさそうじゃね?
332:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/17 20:22:46 clVsvh7M
>>331
色々と理由をつけて苗木から離れない霧切さんに萌えた
333:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/17 20:54:47 wTFyVGDQ
>>330
GJ! 2828したぜ
同時にクリスマス前にダンガンロンパ買っておけば良かったと後悔した
334:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/17 21:30:23 BCtfeJWT
最高です モノクマメダル100枚あげたいレベル
心理描写で文語調、というか固めの表現になるのは個人的には全然良いと思いますが・・・好みの問題かなあ
苗木クン男前やで・・・
335:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/17 21:49:09 HNl5zdcP
苗木君は超高校級の女たらし(天然)だな
336:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/17 22:01:47 eM23GSBf
>>330
GJ!
待ってたぜ…最後まできっちり書き上げてくれてありがとう
337:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/18 00:17:55 a6unXHF0
学園内では「これで最後」とか言って一定の信頼関係から先を築こうとしなかったのは、そうなると推理や判断力がにぶるからって理屈だったんだろうけど
全ての事件が終ったら「あなたと一緒なら楽しみよ」なんて言うんだもんなぁ
ああ霧切さんも「我慢」してたんだね!って感じで可愛い
338:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/18 01:25:41 9Bq4ZOWz
クリスマスSSの人GJ!
どうなったか気になってたんだぜ。
ほのぼのENDでよかった。
バレンタインも期待してます。
ところで誰も>>314の選択肢に触れてないのはどういうことだ兄弟?
俺は男らしく「追う」を選択するぜ(作者さんの中では決まってるかもしれないが・・・)
・・・BADルートだとしても本家のようにループしてくれるよね
339:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/18 01:54:48 1cz8epR3
あ、>>338に言われるまで全然わかんなかったけど
>>314の選択肢ってもしかして、俺らにゆだねられてるのか?
もしそうだとしたらすげえ魅せ方だな…
それなら俺も無論「追う」なんだけど、どうなんだろ
340:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/18 01:57:35 NlMBb4t2
霧切さんはキス魔
苗木と仲良くなってからはことあるごとに自分からチュッチュしてる
あと幼い頃に父親が居ないせいか、ちょっと乱暴に扱われるくらいが男性というものを感じて好きらしい
山田君も痩せるとイケメン
341:314
11/01/18 03:21:28 Pn83ajle
>>338
>>339
苗木っぽいのはどっちだろうか悩んだのと、どっちも妄想が浮かんでるので、レスの反応を見て決めようと思いつつ
一応、どちらもプロットを作っているレベルなので無問題
342:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/18 03:34:52 1cz8epR3
>>341両方作ってるのか、すげえ
霧切処刑ENDみたいに、片方を苗木のデジャヴorあなざーえんど
みたいにしてはどうだろうか
まあぶっちゃけ両方読みたいという俺の願望なんだけどな
とはいっても俺は読者でしかないから、最終的には>>341の好きなように書いてほしい
343:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/18 14:06:53 U4PnItcU
ボージョボー人形もらって喜ぶ霧切さんに深読みせざるを得ない
344:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/18 16:49:23 Ubtpefa0
この人は、やたら冷静だったり鋭かったりするし、
肌が白いし、名前に霧が入ってるしで
正体は吸血鬼かなんかで実年齢300才とかだと思ってた
普通の女子高生でよかったよかった
345:sage
11/01/18 17:03:11 8VSPbomm
ナエギリの同人誌が読みたい……
どっかに落ちてないかな?
346:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/18 17:06:18 gJkLL0zm
・・・普通・・・?
347:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/18 17:23:18 1cz8epR3
ちょっと…というかかなり下ネタとか入ったSS作っちゃったんだけど
ここに投下しても大丈夫だべか
エロパロ行くほどでもない、中途半端なあれなんだけど
348:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/18 18:18:41 QPVABsm7
>>347
いいんじゃね?
むしろ読ませろ。いや読ませてください
349:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/18 19:13:58 1cz8epR3
えと、投下します。
先に注意書き:ナエギリで飲酒ネタ 下ネタ&キャラ崩壊あり
嫌な人は、見飛ばしてくださいm(_ _)m
「き、霧切さん…そんな姿で歩きまわらないでって、何度言ったら…」
「自分の事務所よ。どんな格好をしていたって構わないでしょう?」
「か、構うよ!僕だっているんだから…その…」
「あら、苗木君に見られて、何か困ることがあるのかしら?」
霧切さんはそう言って机に腰かけ、艶めかしく足を組んだ。
話は、事務所に帰り着くなり、彼女がコートやスカートを脱ぎ去って、
下着とワイシャツ一枚というなんともサービス…目のやり場に困る姿になってしまった所から始まる。
先に言っておくけれど、彼女は酔っていた。
事の発端は、彼女が関わった今回の事件。
殺人だの強盗だのといったおよそ凶悪な犯罪の類ではなく、とある女優に付きまとう、たちの悪いストーカー被害に関するものだった。
…とある、女優。数年前には「超高校級のアイドル」とまで呼ばれていた、僕達のクラスメイト。
そう、かつての級友である舞園さんからの依頼。
その依頼を終え、積もる話とともに、二人揃って酒を酌み交わしたらしい。
まあ、僕はそんな酔った彼女たちのタクシー代わりとして呼ばれて、
ついでに彼女の事務所に(ほぼ強制的に)お邪魔させてもらったわけなんだけれど。
酔った霧切さんは、取り立ててひどく乱れたりはしないけれど、
「ふふ、苗木君…どこを見ているの?」
いつもより少しだけ大胆で、少しだけからかいが悪質になる。
僕は急いで目をそらす。
―だから、そんな服装で歩き回らないで欲しいのに…
目をそらしても、彼女の姿は網膜に焼きついて中々離れようとしない。
健康的な白い肢体。はだけたワイシャツから覗く、黒いレースの下着。
「と、とにかく…事務所に送り届けたんだから、僕はもう帰るよ!」
「あら、私が帰すと思うの?」
僕の前に立ちふさがった霧切さんは、
「あなた、明日大学は休みのはずよね」
女性が持つにはおよそ似合わしくない、
「…アハハ、いや実は、一限から演習の…」
『鬼殺し』の名を冠する酒瓶を握りしめ、
「とぼけても無駄。私の仕事を忘れたの?身辺調査のプロフェッショナルよ」
少しだけ潤んだ目で、ジトリ、と僕を睨んでいた。
「もちろん付き合ってくれるわよね、苗木君。わかっていると思うけど、今夜は帰さないわよ」
「…ソフトドリンク、ある?」
350:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/18 19:19:57 1cz8epR3
>>349続き
僕は本当にお酒はダメで、大学に入ってから初めての新歓コンパでも、
ビールを一杯飲んだだけでトイレで倒れ込み、挙句記憶を失くして、
気づいたら店の裏に転がっていた。それくらい酒に弱い。
だから、テーブルの上に広げられた、スルメやチー鱈などのおつまみのオンパレードにも、
日本酒やウィスキーのような、一歩間違えれば命に届いてしまうような高い度数のアルコールにも、
本当はとことん縁がないはずなのだ。
「だいたいあなたは、卒業してからほとんど連絡もよこさないで、…ちょっと聞いているの!?」
「はい聞いていますすみません!」
霧切さんは、ダン、と音を立ててコップをテーブルに叩きつける。
「知っているのよ…山田君や江ノ島さんには、頻繁に連絡しているそうじゃない」
「だからなんで知っているのさ…」
「探偵なめんな!」
「すいません!」
本当に、たちがわるい酔っぱらいだ…。
「で、でも山田君や江ノ島さんは同じ大学d「そ・こ・じゃ・ないのよ、問題は!」
彼女の責めるような視線から逃れるように、僕は5杯目のウーロン茶を注ぐ。
彼女は僕の説得もむなしく相変わらずの服装で、ソファーに腰掛け足を組み、ゴボゴボとコップに酒を足した。
在学中は思いもしなかった、彼女がこんな酒豪だなんて。
凡人なら、とっくに酔いつぶれているであろう量を、彼女は同じペースで飲み続けている。
(やっぱり、探偵業ってストレス溜まるのかな…)
「どうして彼らとは何時間も電話して、私には一通のメールもよこさないの?」
「メールならしてるじゃないか…」
「私のメールに返信するだけでしょう!?それも、『うん、そうだね』とか『アハハ』とか…
まともに会話する気がないのは見るに明らかよ!
舞園さんには『月9主演おめでとう!毎週欠かさず見るよ!』なんてメール送っているくせに!
あの文面とドヤ顔を見せられた時、私がどれだけ惨めだったか!!」
ああもうどうしよう。本当に面倒だ。
普段は何を考えているかわからないほど、自分のことを頑なに語ろうとしないのに、
アルコールは人をここまで変えてしまうのか。
351:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/18 19:21:43 1cz8epR3
>>350続き
彼女が僕への愚痴を始めてから、そろそろ一時間が経とうとしている。
さすがの僕も、これだけけなされ続ければ、イラつきもする。
僕はお人好しでも聞き上手でもない、凡人なんだ。そこまでの寛容さはない。
「ああ、わかったわ。苗木君は私のことが嫌いで、相手をするのが面倒くさいのね。
だから桑田君や舞園さんのように、応援のメールも送ってこないし、
山田君や江ノ島さんのように、親しい話もしようとしないし、
不二咲君やセレスさんのように、食事を誘うこともしないのね」
彼女はそこまで一気に言うと一区切りし、ニヤニヤと笑って僕の反論を待っている。
「…」
僕は返事をしなかった。あえてだ。
いつもならこのタイミングで弁解を入れているけれど、今だけは本当に限界なんだ。
だいたい僕の身辺調査をしたというのなら、大学関連の情報リークは、きっと山田君か江ノ島さんのどちらかだ。
それなら今が期末考査の時期で、僕が昨日徹夜でレポートを仕上げたということだって、当然耳に入っているはずだろう。
だというのに、この仕打ち。
僕にだって、我慢の限界がある。
「…なにか言ったらどうなの、苗木君。反論や弁明があるなら、一応耳を貸してあげるわ」
どうせ何か言っても、相手は高校入学前から世界レベルで活躍するほどの探偵だ。
腐っても鯛、酔っていても霧切さん。論破されてしまうに決まっている。
だから僕は、反論しない。
「…そ、そう。反論はないのね。あなたは私が…嫌い。で、面倒だと思っている。そういうことでいいのね」
「…霧切さんがそう思うなら、それでいいよ」
霧切さんは、目を見開いた。面喰らった、と、表情が語っていた。
一瞬だけどコップを持つ手が震え、つまみに伸ばしかけていた手が止まる。
いつものポーカーフェイスも、さすがに酒が入ると、幾分か、いや、かなり緩むみたいだ。
女の子にこんなこと思うのは、ホントはダメなんだろうけど。
―どうだ、まいったか
「…生意気ね。苗木君のくせに」
彼女はかなりの不満の表情を顔に浮かべ、またコップに酒を注ぎ足した。
352:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/18 19:27:38 1cz8epR3
>>351続き
「…ちょ、ちょっと、それ何杯目?いい加減にしないと、本当に体壊すよ」
僕が注意すると、彼女は例の潤んだジト目で僕を睨みつける。
「何よ、私が嫌いで、面倒なんでしょう?放っておけばいいじゃない」
ああ、デジャヴ。拗ねてる拗ねてる。
高校の時に同じようなことを言っていた、文学少女がいたっけ。
実は、酔った霧切さんを相手にするのは、これが初めてじゃない。
一対一で、というのはあまりなかったけれど、今でも時々行われる高校の同窓会に、僕も彼女も顔を出すから。
酔った霧切さんは、いつもより少し冷静さを失う、というか、感情的になる、というか、
わかりやすくいえば、わかりやすくなる、とでも言うべきか。
拗ねた霧切さんは、酒を飲もうとする。
僕がそれを止めようとすれば、無理やりにでも飲もうとする。
僕は立ち上がり、更に酒を煽ろうとする霧切さんの腕を掴んだ。
「心配だから言ってるんだよ」
「は、離しなさい…っ」
「ダメだよ。霧切さんの体に何かあったら、困るからね」
「……あ、あなたって人は、ホント…無自覚のくせして…」
途端に霧切さんが真っ赤になってうつむく。
具合でも悪くなったのだろうか。
そのまま彼女は少し抵抗を試みたけれど、さすがに酔っぱらった上に僕の腕を振りきるほどの力は残されておらず、
観念してコップをテーブルの上においた。
そして、彼女が再び顔を挙げて一言。
「…じゃあ、苗木君」
この一連の言動が、
「代わりに、飲みなさい」
悲劇を招いてしまうと、この時の僕はまだ知らない。
353:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/18 19:29:26 1cz8epR3
>>352続き
「な、なんでそうなるのさ」
「一度注がれたお酒は、必ず空にしないといけないのが社会のルールよ。
あなたが飲まないのなら私が飲む、私に飲ませたくないのならあなたが飲む」
「男の前でそんな格好してる霧切さんに、社会のルール、なんて言われたくないよ」
「女に勧められた酒すら飲めない苗木君に、男女間の倫理を語られたくはないわ」
屁理屈も屁理屈で返されては、なすすべがないと思う。
「それに…あなたの前でなければ、こんな恰好はしないわよ…」
「え?なんて?」
「……~~~っ、女の子が注いだ酒も飲めない朴念仁なんか、男としてカウントしないと言ったのよ!」
もう、どれが地雷かすらわからない。
ただでさえ酔っぱらって、怒りの沸点が低くなっているのに。
けれど、やっぱり飲むのは出来るだけ避けたい。そうすればまた意識を失い、彼女に迷惑をかけるのだ。
「ほら、飲まないのなら私が…」
僕の手元まで寄せられたコップを取ろうと、彼女が身を乗り出した。
けれども、やはり酔いは回っていたのだろう。
ふらり、と彼女の体が、不自然な方向へ傾く。
「危ない!」
僕はとっさに立ち上がり、彼女の肩を支えた。
思わず、その細さに、ドキっとする。
彼女が前のめりに倒れたから、僕達は自然と、互いの距離を縮めていた。
酒臭いのに混じって、ほのかに鼻に届く、石鹸のような清潔感のある良い香り。
ワイシャツの下の黒い下着が、薄く透けて見える…
―何を考えているんだ、僕は!
咄嗟に目をそらして、霧切さんの肩から手を離した。
「ご、ごめん!」
霧切さんは少しだけ、呆けたような顔をしてから、
「…ふーん」
すぐにいつもの、人をからかう時の意地の悪い笑顔に戻った。
354:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/18 19:31:38 1cz8epR3
>>353続き
「苗木君…どこを見て、何を考えていたの?」
「いや、あの…僕はそんなつもりじゃ…」
攻めるような口調の霧切さんは、やけに挑発的な笑顔で、僕の顔を覗き込んだ。
赤みが差した頬。すごく、色っぽい。
「そうだ、良いことを考えたわ、苗木君」
彼女は自分の椅子に腰をかけると、その手をゆっくりと自分のワイシャツに伸ばした。
そして、一つ。
胸のボタンをはずす。
黒い下着が、露わになる。
「わわわわ、何してるんだよ!」
「あなたが飲むまで、私はワイシャツのボタンを外していく…これならあなたも飲まざるを得ないでしょう?
ワイシャツを外し終えたら、そうね…ブラのホックでもいいわ。
ああ、もちろん、あなたが酔った女の子を脱がせて楽しむ趣味のある、最低な鬼畜だというのなら、
飲まずに楽しんでいても良いわ。ただし、明日になってからみんなに伝えるけれど」
そんなの、卑怯だ。
そう思いつつも僕の目は、ボタンに手をかける霧切さんに囚われていた。
―でも、霧切さんの体、ホントに綺麗だなぁ…
そんな最低な考えが浮かび、僕はぶんぶんと首を振った。
これじゃ彼女の言うとおり、女の子を脱がせて楽しむ変態だ。
けれど、そう思う理性の片隅で、彼女に見とれている僕がいるのも事実だった。
―飲めよ苗木誠、男だろ?
―飲むなよ苗木誠、男だろ?
矛盾する、頭の中の二つの声。
結局僕は、
「わ、わかったよ、飲むから!飲むから、手を止めて…」
「ちゃんと飲み終わるまで、信用できないわ。ほら、もうワイシャツを脱ぎ終わるわよ…」
ああ、もう、どうにでもなれ。
僕は腰に手を回すと、一気にその液体を喉の奥に流し込んだ。
355:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/18 19:33:33 1cz8epR3
>.354続き
「…ふふふ、男らしかったわよ、一気飲み」
「…うぇ」
「江ノ島さんたちも、苗木君は『すぐ酔うから』って全然飲まないって言ってたけれど、本当だったのね」
「…」
「でもこれで、情報を提供してくれた彼女たちへの、良い報酬ができたわ」
「…」
「ほら、まだ飲むわよ苗木君。夜は長いんだから…」
「さんざん好き勝手ストーカーしといてそれかよ…」
「は…?」
「レポート徹夜明けだって言っているのにタクシー代わりに呼んで、僕を何だと思ってるのかなー…」
「…あ……そ、れは、私の助手として…」
「はっ、助手だって。どうせ心の中では、便利で暇つぶしには持って来いの雑用、くらいに思ってるんでしょ」
「そ、そんなことない…」
「挙句に、嫌がるのを引きとめて延々と愚痴り始めるし。聞かされている僕の身にもなってくれないかなぁ」
「…っ」
「この際だから言わせてもらうけれどぉ、高校の頃からずっとそうだよね、霧切さんて。
なにかにつけて、何の説明もしないで僕をおもちゃみたいに振り回して。僕の都合なんてまるで無視!
卒業すればいくらかは解放されるかと思ったら、今度は単位返上で雑用だしさぁ…いい加減うんざりだ」
「……それが、っ…本音なの…?」
「そうだよ…こっちは、探偵業で疲れてるだろうと思って、メール一文返信するのにも気を使ってるのに」
「え」
「ホントは『お疲れ様、事件どうだった?よかったら今度一緒に食事でも…』くらい書きたいのにさぁ。
そうやって気を使って送ったメールすらもダメ出しされちゃー、もうどうしようもないよね…
ところで、霧切さん」
「は、はい…」
「ここまでいろいろ頑張って我慢してきた僕には、何の報酬もないのかな?」
「ほ、報酬って…」
「ねえ、ホントに僕を助手って思ってくれているなら、労をねぎらうくらいはあっても良いんじゃないかな」
「ちょ、苗木君、近…」
「こんなに綺麗な体を見せつけられても、ずっと手を出さずに我慢してきたわけなんだけど…」
「ひぁっ!…ちょ、ちょっと、どこに手を…っ!!」
「このまま報酬がないのが続くのなら、もう助手なんて止めちゃおっかなー…」
「そっ…!それは…」
「嫌?はい、それじゃあ交渉成立ねー」
「や、あの…で、でも…」
「ふふ…かあわいいなぁ、霧切さん…」
「えっ!?……やっ、待って苗木く――」
356:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/18 19:35:21 1cz8epR3
>>355続き
ガバッ、と、僕は飛び起きた。
「…あれ、ここは…」
幾度か見たことのある、小さな個室。
泊まり込みで霧切さんの探偵業の手伝いをした時に借りた、事務所の客室兼寝室だ。
そうだ、僕はあの時、結局酒を飲んで…
「っ!!…つー…」
キィン、と、嫌な痛みが頭に走り、続けて異様な胃のムカつきと、体中のだるさが僕を襲う。
きっと、そのまま眠りこけてしまったのだろう。やっぱり、迷惑をかけてしまったのだ。
それにしても、嫌に背徳的な夢を見た気がする。
飛び起きたのは、その夢の内容が原因だったはずだ。
なにか、触れてはいけない禁忌に触れたような悪寒。
内容を思い出そうとしても、そのたびに頭痛がその邪魔をするので、僕は諦めてベッドから降りた。
ガチャ、とドアを開ける。
まず目をやったのは、柱の上の時計。もうそろそろ昼飯時、それくらい僕が眠りこけていたことになる。
奥の備え付けの簡易キッチンで、霧切さんがコーヒーの準備をしているところだった。
カリカリ、小気味良い音をさせて、豆を挽いていたけど、
「…… っ!!な、苗木君…」
僕に気づくと、彼女はその手を止めて、どうにも僕の反応を待っているかのようなそぶりを見せる。
「? おはよう、霧切さん」
「あ、…ええ、おはよう…」
なんだろう、今の間。
僕の顔を見るなり、真っ赤に顔を染めてそっぽを向いてしまった。
ああ、今になってやっと、昨日の服装のことを思い出して、恥ずかしがっているのかも。
「…苗木君、その…昨日のことは…」
霧切さんがコーヒーを作る間、僕はソファに腰をかけ、テレビなんか見ながら新聞を広げる。
彼女はずっと落ち着かない様子で、チラチラと僕の方に目線を投げかける。
「? ああ、大丈夫。誰にも言わないから」
「あ、いや、それもあるのだけれど…」
「っていうか霧切さんも、いくらお酒の席だからって節操を見極めないとダメだよ?他の男の人の前で同じような…」
「他の人の前で、あんなことするわけないじゃない!というか、アレはあなたが…」
「僕?」
「…っ…なんでも、ないわ」
「そう?でもホント、周りの人にも迷惑をかけるからね。僕もよく飲み会の席で、先輩が同じような事するけど―」
「あっ、あなた、学校の先輩にもあんな…!?」
「うーん、みんながみんな、ってわけじゃないけどね。人の目もあるんだから、気をつけてほしいっていつも注意して…」
「…ちょっと待って、苗木君。あなた、何の話をしているの?」
「え?お酒を飲んだ時の、服装の乱れ、でしょ?」
「…」
「…」
霧切さんが、危うく電気ケトルを取り落としそうになる。
僕を見る彼女の目つきが、一気に疲れたものに変わった。
357:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/18 19:36:59 1cz8epR3
>>356
「…そう、そうよね…途中で寝ちゃうし…お酒に弱いって、みんな言っていたもの…覚えているはずないわね」
「え?」
「こっちの話よ。…苗木君、砂糖とミルクは?」
「あ、うん。お願いします」
彼女が二人分のコーヒーを持ってきたので、僕はソファに少しずれて座る。
彼女は少し留まってから、そっと僕の隣に腰を下ろした。
「…大学では、その…上手くやっているの?」
彼女は唐突に、そんなことを尋ねてきた。
「え?あ、まあ、うん。ボチボチ」
「良い人は、出来たの?」
「ううん、全然だよ。そういう霧切さんは?」
「…内緒にさせてもらうわ」
「そっか」
「…徹夜でレポート書いていたらしいわね。根を詰めるのも良いけど、体には気をつけないと」
「うん、ありがと。霧切さんも、飲みすぎには気をつけてね」
「その件については、昨日身を以て、イヤというほど教わったわ」
「誰に?」
「っ…そ、それは、別にいいじゃない」
「あ、そうだ…」
「何?」
「昨日は、迷惑かけてごめんね」
途端に彼女は、口に含んでいたコーヒーを喉に詰まらせた。
「けほッ!!?ゴホゴホッ」
「き、霧切さん、大丈夫!?」
むせかえる霧切さんの背中を、急いでさする。
どうしたんだろう。今日の霧切さん、どこかおかしい。
「ゴホッ…あなた、やっぱり覚えて…!?」
「いや、僕きっと、迷惑かけたよね…多分、アレ飲んだ後、そのまま床に倒れるとかしちゃったのかな、なんて…」
霧切さんは数秒間、驚いたように僕の目を見ると、それから深い溜息を吐いた。
「あなたのそれは、本当は全部わざとやっているんじゃないかと、時々不安になるわ…」
「それ、って何のこと?」
「なんでもないわ」
「そう?じゃあ、僕もう行くね。あまり長く居座っても悪いし…霧切さんも、仕事あるんでしょ」
「…ええ」
358:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/18 19:38:57 1cz8epR3
>>357
『あ、もしもし?…どうだった、苗木のやつ』
「…江ノ島さん。あなたやっぱり、知っていてわざと私に教えた…いえ、教えなかったのね」
『アハハ!ウソはついてないよ。確かに苗木は「酒に弱かった」でしょ?酔ったらどうなるか、なんて聞かれなかったし。
あいつ酔ったらすぐ女の子に絡みだすし、大学でも結構人気あるから、ちゃんと捕まえとかないと、誰かに盗られちゃうよ。
まあ今回は、お互いに気ぃ使って中々進展ないみたいだったから、あたしが善意でちょいとスパイスを…』
「…お気づかい、ありがとう。おかげで酷い目に遭ったわ」
『へえ、どういたしまして。良ければ昨晩の熱々なお二人の御事情の顛末を、お聞かせ願いたいね』
「お断りするわ」
『ふうん、まあいいけど。熱々ってところは否定しないんだ。余程ドランカー苗木に、愛をささやかれたと見るね』
「なっ…!?」
『教えてくれないなら良いや、私の方で勝手に妄想して、みんなと盛り上がるから!じゃーねー』
「ちょっ、待ちなさい江ノ島さん!…江ノ島さん!?」
僕が車を出してすぐに、霧切さんはどこかに電話をかけていた。多分、仕事関連の話だろう。
彼女の言った通り、今日は大学は休みなので、家に帰ってからゆっくりと、悲鳴をあげているこの体を休ませたい。
後日談だけど、その日から一週間しないうちに、彼女からメールが届いた。
内容はいつも通り淡白なもので、絵文字も顔文字もなく、特に最後の文章はよく僕もその意味を理解しかねる。
「 先日は迷惑をかけたわね。ごめんなさい。
それと来週末、私は予定がありません。
たまには食事に誘うくらい、甲斐性みせなさい。いいわね?
p.s.私の前以外で、二度と飲酒はしないこと 」
359:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/18 20:10:58 1cz8epR3
>>349-358以上です、長レス失礼
360:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/18 20:18:44 QPVABsm7
>>359
GJ!!!
最近は素晴らしい書き手様が多くてホントに嬉しい
ものっそいよかった!
また書いてくれ!
361:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/18 20:37:25 ZP5QeIJ8
霧切さんが事務所の鏡の前で、「私の推理は3割当たる!」っていってた。
362:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/18 20:56:37 4Bm+bRKR
いいなGJ!おれも前スレで酔いギリさんを書いたけど、成る程、苗木のこういうのも
面白いなw苗木は色々いじりやすいキャラでおもろいよなww
363:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/18 21:36:35 vFj31LS5
大人スネギリさん…だと…
新しいものを見せてもらったよ、GJ!
そしてこう、行間の省略されたシーンをですね
希望したい所存でですね
364:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/18 21:56:03 1cz8epR3
ありがとうございます!
あの、省略されたシーンはですね
書かせてもらいたいのは山々なのですが、どこまでおkかという線引きが難しいので
基本的には脳内補完してもらえれば、ありがたくぞんじます
苗木は最後までいっちゃったのか、途中で寝てしまったのか
終始羞恥言葉攻めか、獣のように盛っているのか
はたまた、全ては苗木の夢の中の出来事か
365:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/18 22:42:13 jGJJTCtW
今更だけどファンブック表紙見たが確かに霧切さんの目立ちっぷりがパネェ
苗木「霧切さん、すごいね。かっこいいよ」
霧切「貴方はいきなり何を言ってるの?」
苗木「だってほら、この表紙。初めて見た人は絶対霧切さんが主役だって思うよ」
霧切「主役は貴方でしょう」
苗木「そうだけど…僕って外見は本当に平凡だし表紙の位置がサブキャラだし…」
霧切「…………そう言えば何で苗木君の位置ってここなのかしら?」
苗木「え?」
霧切「私の位置が苗木君、十神君の位置に私、十神君は…まぁどこでもいいわ。とにかくこの配置はおかしいわ」
苗木「え?あの…霧切さん?」
霧切「…(大体なんで苗木君がこんな所にいるの?一番手前で苗木君が決めポーズ、背中合わせに腕を組んだ私でいいじゃない。そもそも苗木君の隣がなんで残姉なのよ。おかしいわ)」
苗木「き、霧切さーん?」
霧切「私はとことんまで議論するべきだと思うわ」
苗木「…………うん、そうだね」
366:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/19 00:11:45 edXStqtD
苗木君は霧切さんの横でよかったよなあ、主人公なんだし
あの微妙に目立たない立ち位置もそれはそれで苗木君らしいが
367:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/19 06:54:36 GVRG83BL
おいい舞園さんディスってるわけ?
まじぶっおろすこ!
368:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/19 08:48:09 JxOCcQFY
PSP用の自作アプリに署名ができるようになったらしいし、誰かキリギリプラスみたいなソフトを作ってくれないかしら
369:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/19 10:34:20 9xNTSUlq
ボイスが俺のでいいなら作るぜ
370:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/19 14:50:30 JxOCcQFY
>>369
ボイスなんかいらねーべ
どうせ本編もパートボイスなんだから
371:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/19 20:56:13 edXStqtD
「私も…ちょっと怒りすぎたし…」と「あなたのような人と一緒なら、私はむしろ楽しみよ」にはボイスを付けるべきだった
372:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/19 22:40:39 riBZuSGW
霧切さんが、猫娘になってしまった。
霧切「…苗木君、大変よ。耳としっぽが生えてしまったわ」
苗木「いや、当事者なんだから、そこはもっと驚こうよ…」
霧切「爪も伸びて、手袋から突き出てしまったわ」
苗木「…だからって僕の部屋の壁で研がないでくれるかな」
霧切「猫は家に付く、という言葉を知らないの?」
苗木「ちょっと意味違うね。っていうか、ここ僕の部屋だからね」
霧切「…冷たいのね。別にいいけど」プイ
苗木(あ、やばい かわいい)
しばらくこのままでいいと思った。
※犬は人に付き、猫は家に付くという言葉があります
霧切「…魚が食べたいわ」
苗木「そう」
霧切「…苗木君」
苗木「何?」
霧切「魚が食べたいわ」
苗木「買ってこい、と」
霧切「ええ、お願い」
苗木「買ってきたよ、霧切さん」
霧切「やっぱり烏賊が食べたいわ」
苗木「…」
※猫は気分屋、とよく言われます
苗木「…はぁ」
霧切「苗木君の作った烏賊焼き、おいしいわ」
苗木「そうですか」
霧切「…… っ!」
苗木「き、霧切さん!?」
霧切「急に…腰に、力が…っ?た、立てない…」
苗木「うわわ、き、急にもたれかかられても」
※「猫は烏賊を食べると腰を抜かす」といいます。あまり与えてはいけません
すまん、暇だったんだ
373:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/19 22:44:19 riBZuSGW
フリフリ、フリフリ
霧切「…苗木君、何をしているのかしら」
苗木「…猫じゃらし、とか。どうかな、と」
霧切「馬鹿にしないで。いくら私が猫っぽくなったからといって、そんなものにつられたりしないわ」
苗木「目線がずっとコレを追っているけど」
霧切「…くっ!」バッ
苗木「おお、飛び付いた」
霧切「…こ、これは仕方なくよ。構ってあげないと、苗木君がかわいそうだから…」
苗木「しっぽビンビンだけど」
※猫は機嫌がいいとしっぽビンビンになります
霧切「すー…すー…」
苗木「食べて運動したら、寝てしまった…というか、僕のベッドなんだけど…」
霧切「すー…すー…」
苗木「…ま、まあ少しくらいいいかな」
※猫はすごい寝ます。「寝子」が語源という説も
霧切「おはよう、苗木君」
苗木「おはようございます…一晩中占領したね」
霧切「このベッドはもはや、私の縄張りと化したわ。勝手に入ってきたら、許さないわよ」
苗木「…もう好きにしてください」
※猫は割と自分勝手です。縄張り意識もそこそこあります
すまん、妄想が止まらないんだ
374:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/19 23:03:28 Xk7NiY+S
霧切さんも好きだがねこも好きだからたまらねーです
375:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/19 23:14:56 riBZuSGW
苗木(…それにしてもこれ、どうなってるのかな)グイ
霧切「…ちょっと、何をしているの」
苗木「いや、この耳ホントについているのかな、と思って」
霧切「ホントについているに決まっているでしょう。何を馬鹿な」
苗木「いや、この現状の方が『馬鹿な』だと思うんだけど」
霧切「とにかく、離してもらえる?」
苗木「あ、うん…ごめんね」
苗木(…神経とか繋がってないのかな。しっぽはどうなんだろ)グイ
霧切「いっ~~~!!!」
苗木「え!?あ、ごめん!!」
霧切「何、何?なんなの!?」
苗木(おお、珍しく取り乱している)
※猫の尻尾は脊髄と繋がっています。乱暴に扱うと痛がります
霧切「苗木君…飼い猫に手を噛まれるとは、このことね…」
苗木「色々間違っていると思うんだけど…っていうか、僕のことそういう風に思っていたんだ…」
霧切「おっ、女の子に暴力を振るうなんて最低…」
苗木(あ、しっぽを足の間に挟んだ)
※猫は、自分>飼い主 と思っている節があります
※猫は怯えると、股の間にしっぽを隠します
苗木「ご、ごめん霧切さん…そこまで痛いと思わなくて」
霧切「…もう、しないでくれる?」
苗木(…でも、怯える霧切さん、なんというか…そそる、というか)
霧切「…苗木君、あなたに限ってまさかとは思うけど、ろくでもないこと考えていない?」
苗木「っ、ないない!」
苗木(全身の毛が逆立ってた…よっぽど嫌だったんだな)
※猫は威嚇の際に、全身の毛を逆立てます。体を大きく見せるため、といわれています
376:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/19 23:32:04 riBZuSGW
苗木「…」
霧切「どうしたの苗木君。勉強の手が止まっているわよ」
苗木「あの…しっぽを腕に巻きつけるの、止めてもらえるかな」
霧切「あら、迷惑かしら」
苗木「いや…うん」
霧切「そう。あなたの勉強の邪魔をするのも、いい暇つぶしになったのだけど」
※猫がしっぽを巻きつけるのは、親愛の情からです
霧切「…つまらないわ」
苗木「じゃ、僕が勉強している間、暇つぶしにこれでも」
霧切「こ、これは…!?」
苗木「猫はマタタビが好きって言うしね」
霧切「っ…あ、あなた、ホントに天然ね…猫がマタタビを好きなのは…っ!」
苗木「え?」
霧切「…ハァ…ハァ」
※マタタビは猫に与えるのは、単なる興奮ではなく、おっと誰か来たようだ
苗木「霧切さん…どうしたの、大丈夫?」
霧切「ふー…ふー…」
苗木(ヨダレまででてる…ちょっと尋常じゃないな)
苗木「ぼ、僕、誰か呼んでくる…」
霧切「っ…」
ぎゅ
苗木「?…霧切さん、掴まれたらどこにも行けないんだけど…」
霧切「ふー…ふぅう…あぅ…」スリスリ
苗木「き、霧切さん…!」
※猫は発情すると、そこらじゅうに体をすりつけます。飼い主も対象として例外じゃありません
苗木「き、霧切さん、そんなに迫られたら…僕…!」
霧切(…はっ、私は今まで何を…)
苗木「きっ、霧切さん!」
霧切「…苗木君、離して」
苗木「…あ、あれ…?」
霧切「離しなさい。セクハラで訴えるわよ」
苗木「…ごめんなさい…?」
※マタタビの効果はあまり長くなく、よくて10分程度です。あと猫は気分屋です(二回目)
377:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/19 23:45:18 riBZuSGW
苗木「い、今どけるから」
霧切「…!」ビクン
苗木「霧切さん、どうしたの?」
霧切「そ、そこに触ら…っ!」ビクンビクン
苗木「腰?腰が痛いの?大丈夫?」なでなで
霧切「――っ!!」
※猫はしっぽの周りが「せ○かん○○」 さあみんなで閃きアナグラムだ!
霧切「…」
苗木「…」ちら
霧切「…」ふい
苗木「目を合わせてくれない…抱きついたこと、やっぱり怒ってるのかな…」
※猫同士では、目を合わせる=喧嘩なので、親しくしたい相手とは目を合わせません
霧切「…取れたわ」
苗木「取れたね、しっぽと耳」
霧切「…苗木君、ちょっと目を閉じて」
苗木「…いやです」
霧切「閉じなさい。痛くはしないわ」
苗木「…一応聞くけど、何をするの?」
霧切「苗木君にも着くかな、と思って」
苗木「つ、着けないでよそんなの!…ちょっ、やめ…」
霧切「着いたわね」
苗木「着いたね…っていうかやっぱ着脱できるんだね…」
霧切「さて、と。苗木君」
苗木「へ…うわぷっ!?ま、マタタビ…」
霧切「さんざん弄んでくれたわね…お返しさせてもらうわ」
苗木「…し、しっぽ、しっぽは掴まないで…わ、腰は、ダメだって…ひぃいいいい」
ネタが切れた なんかごめん 下ネタ嫌いな人とかいたら、ホントゴメン
378:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/19 23:56:24 1WtBDsPl
にゃえぎ君とネコギリさん
379:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/20 00:26:13 kSyEb0S/
そう言えば支部に舞園にゃんこと霧切にゃんこに挟まれる苗木わんこがいたな
380:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/20 01:29:00 +VeultCe
にゃんにゃんろんぱ
381:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/20 02:03:15 rIv4qqwU
>>377
なん・・だと・・?
・・・おわりなのか?
382:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/20 03:30:12 d7VcMejM
>>381もっと書いていいなら本格的に書くよー
ただ、最近他のダンロンスレで「SSが多いと萌え語りが中々できない」と
いう意見を見かけたもので
383:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/20 05:01:20 iEB2+XmS
気にせずどんどん書くべき
そもそもSSあるから萌え語りできないとかないからwww
投下中は遠慮してレス控えるくらいの事はあるけど、そんなに気にするほどのもんじゃない
384:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/20 15:37:54 +PnP9fL7
まぁ今度からはsageくらいはしてほしい
385:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/20 16:34:58 DSi7luwP
sageにもそれなりのイミがあるのだな
それはともかくきょーこさんて響きが好き。響子だけに。
霧切さん霧切さんて後ろついてまわる苗木くんもいじらしいけど、
きょーこさんて語感がすごいぽややんとしてて微笑ましい
386:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/20 17:13:24 o9b8taAF
>>385
きっと苗木が「霧切さん」から「きょーこさん」に切り替えるときの
霧切さんの照れ方はかなり可愛いと思う
387:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/20 17:14:04 TGsl6tYF
二人とも真っ赤になるな
388:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/20 18:33:38 ARsko5Ld
『誠くん、はいあーん』
霧切「苗木君、それは何かしら」
苗木「うわっ!?き、霧切さんっ!?」
霧切「何を隠してるの。見せなさい」
苗木「あ、引っ張らないでっ!?」
霧切「・・・これは何かしら?」
苗木「・・・はい。山田君自作ゲームソフトです。テストプレイしてくれって渡されたんだけど・・・
こんなゲームだとは知らなかったんだよ、ごめんなさい。」
霧切「・・・」カチカチ
苗木「ああっ!?見たらだめだよっ!」
『彼女の名前:キョウコちゃん』
霧切「・・・」
苗木「これは違うんだ!最初から設定されてて・・・!本当なんだよ!」
霧切「そんなこと、いくらでもしてあげるのに・・・」ボソッ
苗木「・・・え?」
霧切「今後、このようなゲームは禁止。いいわね?」
苗木「は、はいっ!」
後日
山田「あのー、霧切響子殿?どうしました、呼び出しなんて」
霧切「苗木君に自作ゲームソフトを渡したそうね?」
山田「ギクッ!?あれほどバラすなと言っておいたのにっ・・・!
ゲフン、あー、それがどうされましたかね?あははははは」
霧切「作りなさい」キリッ
山田「はいぃ?」
霧切「苗木君に渡したゲームの男子verを作りなさい。彼氏の名前は・・・ここまでいえば分かるわね?」キリギリッ
山田「ひいっ!御意にございますぅ!!」
という平和な日常があってもいいと思うの
389:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/20 21:47:06 +PnP9fL7
ナエギプラスか・・・
390:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/20 21:59:39 AtoalSCw
じゃあ俺は3DS版キリギリプラスを予約しますね
391:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/20 22:55:03 XB0a3J4d
霧切さんに不満があるとすれば、身長がちょっと高すぎる
155センチくらいが一番いい、というか女性陣みんな高すぎ
全員苗木より高いって
392:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/20 23:02:10 +VeultCe
>>391
それがMの人にはたまらない、という意見をみかけたことがある
ちょっと納得した
393:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/20 23:03:16 2dtalAD3
この身長差がいいんだ、と断固主張したいね俺は
多分ブーツも含めたら苗木君との身長差は10cm以上ありそうだけど、だがそれがいいんだ
高身長スレンダーな外見は霧切さんのキャラにマッチしてると思うんよ
394:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/20 23:04:09 F/H9NHIm
霧切さんは苗木より大きいから良いんだよ
自分より小さいのに、ちゃんと苗木を男子扱い(これは男子の仕事でしょ、とか)する関係がな
そりゃ、7cm差はやりすぎじゃね?と思わないではないが
395:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/20 23:07:25 0MTXNiVO
仮に続編があって、その時二人が続投だったら苗木の背が少しだけ伸びてると良いなぁ、とは思う
あくまで霧切さんの背を抜かない程度で
396:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/20 23:12:36 DCGFVpIv
苗木の方が少しだけ高くなるってのもいいと思うな
397:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/20 23:40:27 +PnP9fL7
2cm伸びたよ!→私は3cm伸びたわ・・・
398:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/20 23:42:32 rZ+vNxnk
oh....
399:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/21 00:18:37 ANzTdgXV
yeah...
400:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/21 00:22:05 hMO3cy+a
hoo...
401:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/21 01:36:35 /Hm/T0Dm
「仲間なんだからキミもボクを信じて欲しい」に対して「じゃあ、私もあなたの事を少し信じてみようかしら」
この会話の流れ
「ボク達仲間だろ?」って言ってるようで、実はお互いのことしか考えてないような会話がたまらん
俺がナエギリにハマった瞬間だった
402:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/21 13:57:57 vy+fdIN8
でも次の日には「仲間だけど話せない秘密がある」と言う苗木君はなかなかのデレツンだと思った
403:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/21 14:38:29 3D4txjx2
木を隠すには森の中だよな。
全員の連帯感やら信頼やらを仲間って所に落とし込んどいて、
実際には霧切さんと仲良くするためだけに使ってるもんな苗木くん
404:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/21 18:43:27 9/c7Vhz9
ニューワールドオーダーって霧切さんのテーマだよな
405:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/21 19:28:02 0yUmedf0
ストーリーにかかわる以外のキャラ設定的なものはほとんどわからなかったけど
逆にいえば、ご想像にお任せしますってことだよな
とりあえず、料理下手、片付け下手、この辺は鉄板だな
406:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/21 20:04:34 9/c7Vhz9
几帳面な文字が等間隔に記されていたらしい手帳とか、他のみんなと比べて殺風景なほど片付いた個室とか見るに、整理整頓にはむしろ神経質なくらいと想像する
料理は確かに苦手そうだ
火傷の件のせいで火加減を上手く使えないとかありそう
407:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/21 20:44:22 l06a3M9W
霧切さんは料理下手というかしないんじゃないか
なんというか、探偵は家事なんて人任せってイメージだわ
408:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/21 21:10:48 GR8ilrrT
霧切さんのメイン食事はアンパンと牛乳
409:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/21 22:14:12 sG32kQgq
霧切さんのお父さんの声優って誰?
410:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/21 22:29:55 Fr/FDJlX
>>409
かっぺー
411:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/21 23:05:49 3b4zYa08
息抜きにダンガンロンパやってるが、やればやるほどここの2828なSSが読みたくなってくる。
というか今読んでる。
412:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/21 23:15:11 COa9BvXY
・・・そういや、苗木君の父親もcvかっぺーだったな・・・
413:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/21 23:29:53 0yUmedf0
つーか、苗木父と霧切父ってよく似て、、、いや何でもない
うん何でもない、そんなはずはない、、、
414:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/21 23:41:49 Fr/FDJlX
>>413
葉隠の占いよりおそろしーことを・・・
415:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/21 23:59:06 9/c7Vhz9
髪型も背格好も声のトーンも似た感じだから勘繰ってしまうよなw
416:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/22 00:19:25 0DxzaAvJ
おいおい、まさかの腹違い姉弟説とかw
俺得過ぎるじゃないか
417:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/22 00:29:36 g9JRJioV
>>413
つまり苗木くんと霧切さんは従姉弟だったのかー
418:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/22 01:02:23 haR64CYB
腹違いと言えば、霧切さんのお母さんてどんな人だっけ
419:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/22 01:02:30 WcChjHwp
存在自体は知ってたけども実際に会うのは高校がはじめてで、
「えっと、はじめまして、かな。......お姉ちゃん」
とか言う苗木くんに萌え、
バカヤロウ逆だ俺間違って、......いや、アリか......?
420:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/22 02:21:54 s4G/2O/T
>>418
霧切さんの幼い頃に亡くなったということしか語られてないので何ともかんとも
もしかしたら霧切さんの銀髪はお母さん譲りなのかも、くらいしか推測もできないな
421:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/22 02:38:42 N8R1BbaE
すみません、流れぶった切ってSS投下するのだ
上の方で「続く!」とか言ってたけど、他のネタのほうが早く進むってあるあるだよね!
タイトル:おかえりなさい
ジャンル:苗霧ラブ
ネタバレ:本編に関するネタバレあり
時間軸:希望ヶ峰学園時代
422:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/22 02:39:24 N8R1BbaE
「うー、寒い寒い」
今、暖を求めて全力疾走している僕は、希望ヶ峰学園に通うごく一般的な男の子。
強いて違うところをあげると超高校級の幸運の持ち主ってとこかな。
名前は苗木誠。
事の始まりは昨日の夕方から降り始めた雪。それはそのまま夜になっても降り続け、明けた今日には一面の銀世界が広がっていた。
この街に雪が降ることは珍しい。この冬でもこんなに降ったのは初めてだ。
逆に言えば、僕を含めてこの街の人間は雪に不慣れだと言える。
それは僕たち希望ヶ峰学園第78期生も例外ではなく、日曜日だというのに誰も寄宿舎から出ようとしなかった。みんな寒いのは嫌いだし、こんな大雪の中で外に行ったら風邪を引いてしまうかもしれない。
一月中旬の日曜日。新学期も始まって、高校生の僕たちには何かと入用な季節。買い物にいくつもりだった人も多いようだった。
折角の休みなのに買い物にも行けない、と食堂で誰かが呟くと、じゃんけんで負けたやつが買出しに行くことにしよう、と誰かが言った。
ここまで言えばもうお分かりだろう。
僕は一回のジャンケンで15人に負けた。
423:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/22 02:40:07 N8R1BbaE
「えーっと、次は朝比奈さんと大神さんのプロテインを……」
既に両手には大量の袋を抱えながら、街の中心にある商店街を歩きまわる。
一歩一歩、歩を進める度に雪を踏みしめる音が静かな街に響いていった。街の人たちが雪掃きをしてくれているとは言え、僕の靴はすっかり濡れて冷たい。
本当に風邪を引いてはたまったものではないので、僕は少しずつ足を速める。
―それにしても、よくもまぁ降るもんだよ。
見上げた空は曇天。雪は現在進行形でちらちらと舞い落ちてきている。
気温は今年の最低気温を更新するかの如く寒いので、地面に落ちても溶けずに積もり続けていく。明日にはどうなっていることか。
「さっさと買って帰ろうっと」
頼まれた買い物は歯磨き粉や単三電池なんかの日用品。
漫画やお菓子などの嗜好品。
プロテイン、ダンベル、原稿用紙といった個性的なもの。
神社のお守り、ダルマといった何故必要なのか分からない物。
そして女性用の下着やフェチな本という半ば嫌がらせのようなものまで様々だ。
「みんな、僕が行くからって適当過ぎじゃないかな……」
白いため息を一つ吐いて、僕は次の店に向かった。
「大体買ったかな」
最後に向かったドラッグストアを出て、もう一度荷物を確認してみる。どうやら買い逃しはなさそうだった。
葉隠くんや山田くんのだったらまだ良いけど、十神くんや江ノ島さんのものを買い逃していたら何を言われるか。
「でも、誰が頼んだのか分からないけど、どこにもレーションは売ってなかったなぁ」
一個だけ売り切れとは、残念な人もいたものだ。
結局、両手いっぱいになった荷物を持って、僕は希望ヶ峰学園への帰路についた。
荷物が重いので、行きと違ってゆっくりと商店街を歩く。
雪の勢いは大分弱まっていたけれど、両手が塞がっている僕にはちょっと辛い。
そんなこんなで商店街の外れ、あるお店のショーウィンドウで僕はあるものを見つけた。
「あ、これ……」
そう言えば、これがすぐなくなってしまうって、あの人が言っていた気がする。
柄でもない(?)けど、僕からプレゼントしたら喜んでくれるだろうか。デザインはちょっと渋いけど、あの人に似合いそうだし。
それよりも僕の心を引いたのは、これを買っておくべきだという直感。きっといつか、これがあの人を助けてくれるような気がした。
……葉隠くんと同類視されたら嫌なので、その点は黙っておこう。
値段を見てみると、普通の高校生には結構高額な値段だ。
超高校級の御曹司や超高校級のギャンブラーが周りに居るので、話の中の金銭感覚が馬鹿に成りがちではあるのだが、生憎僕は普通の高校生である。
普段ならそんなにお金は持ちあわせていないが、丁度一月でお年玉というの臨時収入もあり、今なら僕にも買うことができた。
「思い立ったが吉日、かな」
僕はそのお店に立ち寄ることにした。
424:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/22 02:40:53 N8R1BbaE
窓の外では雪が降っていた。
もう何センチほど積もったのだろうか。その高さはゆうに踝を超えているように見える。
この中を歩く羽目になったとしたら一苦労だ。
「苗木君、大丈夫かしら」
そう呟いて、私―霧切響子はため息を吐いた。その吐息が窓ガラスを白く曇らせる。
―超高校級の探偵も、甘くなったものね。
この希望ヶ峰学園に集められた16人の超高校級の高校生たち。当初はお互いに牽制してばかりだったのが、いつの間にかすっかり打ち解けてしまった。
それもこれも超高校級の幸運である苗木君が走りまわってくれた所為だ。
ただ一人、ごく普通の高校生だった彼は、ごく普通に我々と喋り始めた。
おはよう。こんにちは。さよなら。また明日。
会話というのは恐ろしいもので、繰り返されると慣れてしまう。いつの間には私たちは、普通に挨拶を交わすようになっていた。
表情は次第に明るく温和なものになり、今では寄宿舎の雰囲気も良い。
私自身、その雰囲気に感化されていないと言ったら嘘になる。
昔の私だったら、こんな寒い寄宿舎の玄関で彼の帰りを待つこともなかっただろう。
「私をこんな寒いところに待たせるなんて、苗木君が帰ったら説教ね」
まあ、実際のところ勝手に待っているだけなのだが。
珍しく今は抱えている事件もなく、正直なところ暇を持て余していた。街に出ようかとも考えていたのだが、外は生憎の雪模様。
こんな時は大概、苗木君で暇を潰すに限るのだが、その彼はジャンケンに負けて買出しに出掛けてしまったのだ。
何もやることもない私は、外の景色を見ているうちに、寄宿舎の玄関に落ち着いたのだった。
―あくまで外の景色を眺めているだけで、決して苗木君の帰りを待っている訳じゃないわ。
確かに苗木君は素敵な人だ。
この学園には似つかわしくないほど普通の彼。
ある意味異常であるこの学園で、普通を保つのは難しいことだ。それどころか彼は、私たちを普通の高校生に近づけた。
才能、という言葉が当てはまるか分からないけれど、彼は不思議な力を持っているのかもしれない。
「その謎は、いつか解かなければいけないわね」
「何か事件でも起きたの?」
「いいえ、私が解くのは苗木君の―」
いつの間にか、隣りに苗木君本人が立っていた。
寄宿舎の中に入ってきたばっかりなのであろう。全身粉雪まみれだ。
「僕の、謎?」
独り言を聞かれ、玄関の開閉にすら気付かなかった自分の迂闊さを呪う。
兎に角、この話題はこれ以上広げないことにする。
「……苗木君、外から帰ったらまず最初になんて言うのか知らないのかしら」
「あ、ただいま、霧切さん」
「おかえりなさい、苗木君」
そう言いながら、苗木君の身体に積もった雪を手で払う。肩から頭まで、結構な量だ。
「ありがとう、霧切さん。全く、酷い目にあったよ」
彼が両手に持っていた荷物を置くと、どさりという音がした。重たそうだが、流石は男の子といったところか。
「やっぱり、結構な荷物になったのね」
「うん、みんな自分で運ばないからって、無茶言い過ぎだよ」
ほら、と彼が差し出した手のひらには、無数の紐の痕が残っていた。
余程長い時間、重たい荷物を持って歩きまわったのだろう。見ているだけでも痛々しい。
「もう少し買い物の手を抜いても、誰も怒らなかったと思うわ」
「そうかもね。でも、そんなことしたら買わなかった人に悪くってさ……」
そう言って、苗木君は優しく笑った。
―本当に、お人好しね。
それを見て、私も少し笑ってしまった。
「じゃあ、みんな苗木くんが負けたことに感謝しないといけないわね」
「それはちょっと酷いな。外寒いんだよ?」
ほら、と言いながら、苗木君は私の両頬を両手で包んだ。
425:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/22 02:41:34 N8R1BbaE
「ひゃんっ!」
冷たさと驚きから、思わず間抜けな声が漏れた。
苗木君の顔が近い。表情はさっきの笑顔のままで、私の方をじっと見ている。
「ほらね、冷たいでしょ?」
彼には深い意味などないのだろう。いつも通り、家族と子供が戯れるような、そんな行動だと推測できる。
でも、私は彼の家族でもないし、私と彼は年頃の男女だ。こんな状況だったら、誰だって平常心を保つことができないだろう。私だってそれは例外ではない。
「え、ええ、そうね……」
私は自分の顔が真っ赤になっていくのを感じた。
「霧切さん、熱でもあるの? ちょっと熱っぽい気がするけど」
そう言って苗木君は、覗き込むようにより顔を近づけた。
互いの吐息がかかるほどの距離。あと数センチで唇が触れ合う。
「だ、大丈夫よ。あなたの手の方が冷た過ぎるんじゃないかしら」
「そっか、ごめんね」
叱られた子犬のような表情で、彼は手を離した。同時に、すぐそこまで近づいていた顔も遠ざかる。
私の中で安心した気持ちと、少しだけ残念に思う気持ちが交差していた。
―全部分かってやっているなら、相当の男の子ね。そうでないなら、最低の男の子だわ。
「ごめんね、霧切さん」
「いいわ、気にしてないから」
果たして、私は今、上手く嘘が吐けているだろうか。
顔はいまだに真っ赤で、手は微かに震え、心臓が下手なダンスを踊っている。
苗木君の前だと、何故か気持ちが舞い上がってしまう。彼と出会うまで一度も経験したことのない感情に、私は大きな戸惑いを感じていた。
この感情の正体を突き止めたい。江ノ島さんはこれを恋だと言っていたけど、今までそれと無縁の人生を送ってきた私には理解ができなかった。
―まさかそれを、苗木君に相談するわけにもいかないわね。
「あ、そうだ。お詫びの印、ってわけじゃないんだけど」
そう言って、苗木君は一つの箱を差し出した。
カラフルな包装紙に包まれた四角形の薄い箱に、真っ赤なリボンが巻かれている。誰が見ても、これはプレゼント箱と答えるだろう。
「これは?」
「えーっと、いつも霧切さんにはお世話になってるから、感謝の気持ちっていうか……」
私はゆっくりと、その箱に手を伸ばした。
予想外の出来事が続いたせいで、状況を上手く把握出来ていない。
私の顔はどんな表情をしているだろうか。苗木君の顔は心なしか赤らんでいるように見える。
「あ、ありがとう……」
何と返事しようかと考えてみたが、上手く言葉が纏まらない。
口を衝いて出た素っ気ない返事にも、彼は笑顔を浮かべてくれた。
「開けても良いかしら?」
彼が頷くのを確認して、そっと包装を解いていく。
中から出てきたのは、茶色いキルト地の手帳だった。
426:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/22 02:42:16 N8R1BbaE
「霧切さん、前に言ってたよね? 事件が続くと手帳も買いに行く暇がないって。だからもし良かったら使ってくれると、嬉しいなー、なんて……」
苗木君はそう言って頬を掻いた。彼もまた緊張しているであろうことは手に取るように分かる。
私がそのことを言ったのは、数日前に挑んでいた事件の時。ただ口を衝いて出た何気ない呟きであって、彼がそのことを憶えているなんて思わなかった。
「街で見つけたんだけど、霧切さんに似合いそうだな、と思ったんだ。ちょっと地味だったかもしれないけど……」
確かに年頃の女子高生が持つには地味な部類だろう。しかし、元々可愛いものを持つタチではない私には好みだ。
「そんなことないわ。ありがとう、苗木君……」
私は嬉しかった。
誰かにプレゼントを貰う機会は今まであまりなかったし、それが同い年の男の子だとしたら初めてだ。
しかもそれが苗木君からだなんて、考えもしなかった。
受け取って貰えて良かった、と彼は笑った。私も笑みがこぼれるのを止められない。
―私をこんなに喜ばせるなんて、苗木君のくせに生意気だわ。
「苗木君、苗木君の気持ちは本当に嬉しいわ」
「そんな、お世話になってるしさ」
「霧切が代々探偵を生業にしている家系だってことは話したわよね?」
「うん、前に言ってたね」
「霧切では相手に茶色い手帳を送るというのは、“一生あなたの助手でいます”って誓いの証なのよ」
「……え?」
「それ以外にも“私と結婚して下さい”とか、“あなたのためなら死ねます”って誓う時に茶色い手帳を送るわ」
「ええっ! そんなの初耳……」
「苗木君の事は嫌いじゃないけど、そんなに私のことを想っていてくれたなんて嬉しい。真剣に考えてみることにするわ」
「ああ、ちょっと! 霧切さん待ってよ!」
この手帳は大切にしよう。
例えば、私が一生を掛けて追うような事件を捜査するとき。
そうすればこの手帳と一生一緒にいれる。
そして、私もこの思い出と共に、事件に立ち向かう勇気を、希望を持ち続けられるから。
427:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/22 02:42:57 N8R1BbaE
「ここね……」
寄宿舎二階のロッカールーム。所々に鉄板が打ち付けられ、一部のロッカーは扉が変形して使い物にならなくなってしまっている。
苗木君の言っていた通り、奥のロッカーはまだ確かに動いていた。
私が無言で生徒手帳をかざすと、ピッという電子音と共にロッカーのロックが外れる。ここまでは私の推理通りだ。
このロッカーは間違いなく、私の個人ロッカーだったのだろう。
中身を確認するために、ゆっくりと扉を開く。
中から出てきたのは、茶色いキルト地の手帳だった。
「―っ!」
私は思わず息を飲んだ。
私は、この手帳を知っている。これは間違いなく私の手帳だ。
しかし、記憶がない。何故これが私の手帳だと確信できるのかが分からない。
でも、これはとても大切なもので。
これを送ってくれたのは大切な人で。
その手帳を手に取ると、私は無意識にそれを抱きしめていた。
「良かった……」
自然にこぼれた言葉の意味は全く理解ができなかったけれど。
「こんな所にあったのね」
その手帳が私にくれたのは、一握りの勇気と希望。
「おかえりなさい」
そして、苗木君の笑顔の記憶だった。
428:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/22 02:47:59 N8R1BbaE
以上です
すでに手垢が付いているかもしれないけど、手帳の送り主が苗木っていうネタがやりたかったんです
霧切さん視点で書こうとすると、キャラを保つのが中々に難しいのが分かった
429:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/22 07:02:55 W17jOHur
>>421-428
GJ!よかったよー!
手帳の送り主は学園長かなと思ってたけど
これを読んだら苗木以外に考えられなくなった
あと、冷たい手で頬を挟まれるのは
昔、好きだった娘にやられたことあるから
霧切さんの気持ち分かるわーw
その娘が今の嫁…なんてことはなく
告白して見事に玉砕したわけだけど
430:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/22 07:59:23 Bv3S+yd6
>>428超高校級のGJ!ネタも文章もおもしろかった!
431:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/22 19:08:08 4WlP5Bt3
なんというGJ
432:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/22 20:48:44 L+LgU8M6
>>428 GJ!
ちょっと茶色の手帳買ってくる
433:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/22 21:11:48 kmDaAL1x
茶色の手帳と間違えてアミバ天才手帳買ってしまった・・・
434:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/22 23:30:40 s4G/2O/T
極めてチラ裏で申し訳ないが、最近この曲の歌詞が霧切さんに聞こえて仕方無い
URLリンク(www.nicovideo.jp)
435:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/23 02:46:58 l520W/vw
>>413
・霧切母絡みの紆余曲折を経て(飛行機事故の生き別れとか)誠は苗木家に養子として貰われる「あなたは実は私の子では(ry」
・希望ヶ峰学園に苗木を入学させたのは運ではなく確定事項
何かこの疑惑考えれば考える程、次々に恐ろしい想像が浮かんで来るんだがw
436:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/23 09:50:21 gQsGjvXt
パパギリ氏がロクデナシになってしまう!
437:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/23 19:31:34 UaA/xfbv
つよきすのよっぴいに似てるよね
髪に手を当ててる立ち絵が
438:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/23 21:07:53 /Rxp5AAp
申し訳ありませんが、少し聞いていただきたい。 俺は、ここに7回ほどかきこんでいますが、1日ごとに、IDが変わっているんだ。 PSPでかきこむからなのだろうか・・・・・・
439:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/23 21:24:47 3JhQ88R3
オレはSO3のマリアに見えてしょーがない
見た目じゃなくて仕草とか性格とかだけどね
>>438
ちょくちょく変わるよ
440:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/23 22:09:34 /Rxp5AAp
439さん ありがとう。しんばいでしんばいで。 おれのPSPがおかしいのかと。
441:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/23 22:14:26 HtsvFv9e
一日ごとに変わるんじゃない?
442:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/23 22:18:19 twU/ovml
春にはまだ早いぜ
443:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/24 00:03:33 clhvzlM2
顔面蒼白になってる時の霧切さんはちょっと青くなり過ぎじゃないか
本人曰く喜怒哀楽は人並みにあるとのことだが、
あの表情見てると感情の起伏はむしろ人並み以上に激しいんじゃないかという気がする