11/01/16 21:55:26 DKmh/sR9
プレッシャーと言うか、だんだん怖くなってきた…
一応最後まで書いたけど、とりあえず、途中まで投下させてもらいま
ナエギリで火傷痕ネタです
轟々と燃える、焼却炉。
『霧切、俺のことは気にするな!』
裏切り者が、叫ぶ。
幾度となく繰り返される、あの日の夢。
この夢は過去の記憶をなぞるだけ、故に私はその結末を知っている。だからこそ、恐い。
あの時の私は、探偵への憧れと、事件解決への焦燥、そして名誉の渇望を抱いた、
どうしようもなく愚かしい子供でしかなかった。
『…彼の命は助けてくれるのね…?』
落ち着いて振舞おうとすればするほど、私の声や体は震え、冷たい汗が体中を伝う。
『ああ、いいぜ。きっちり30秒間な』
『…』
私は自ら、燃え滾る炎の中に、自分の両手を差し出した。
『うあ゛ぁあああぁぁああぁああああっ!!!!』
場面は一転して、見慣れた教室の一角が、私の主観から映しだされる。
『ね、霧切さんの手袋の下の秘密、知ってる?』
『知らない。っていうかアレって、なんていうの、中二病ってやつじゃないの?』
『普段から、そういう発言多いもんね。自分は選ばれた人間で、あんたたちとは違う、とか思ってそう』
『まあ、それは置いといて、あたし霧切さんの素手見ちゃったんだけど』
『どうだったの?』
『めっちゃグロいの!なんか爪がほとんどなくて、皮膚とかしわくちゃにただれてて…』
私は叫び出したい衝動に駆られながら、ぐっと唇を噛む。
しょうがない。彼女たちの言っていることは、何も間違ってなんかいない。
必死に自分を説得していくうちに、再び場面は歪み、私は焼却炉の前へと―
ふ、とまぶたを開けると、カーテンの隙間から日の光が差し込んでいる。
時計は正午ちょうどを指し示しており、こんな時間まで眠りこけていた自分の体たらくに、半ば茫然とする。
寝巻を着替えようとして、気づく。
「…酷い寝汗」
まるで服の上からシャワーでも浴びたかのようだ。
あの夢を見るのは、初めてじゃない。
人が悪夢を見るのは、罪の意識から来るストレスを軽減させるためだという。
「っ…つ」
手から迸る激痛に、私は思わず眉をひそめた。
もう痛覚なんてほとんどないはずなのに、記憶からそれを得るなんて、おかしな話じゃないか。
まるで過去の罪が、過ちが、私にそれを忘れさせないために戒めているかのようだ。